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14、宮廷魔技師と追放魔女王2
しおりを挟む「此処なら存分に私の道具の凄さを教えてあげられるわ」
「そうみたいね」
チェルシーと一緒に誰もこなさそうな岩場に移動する。
「それじゃあ、私の最高傑作はこれよ《七星杖》、まずはこいつの性能を見せてあげる、『我望む、道阻むものを洗い流したまえーー水球!!』」
「お~~」
下級魔法で込められた魔力も大したことないのに中の上……いや上の下くらいの威力が出ている。
なかなかデカイ岩石を消しとばした。
素材の割には頑張っている。
「しかもこれは魔核を変えることによって全属性の魔法の威力を高めることができるの」
「え?、魔核変えられる杖なんて聞いたことないけど、すごいな」
「ふふん、どう?、これでもまだこの先があるなんて言える?」
基本的に杖というものは多くの属性に対応させれば威力が落ち、専門的にすれば汎用性が落ちる、だがどうやらこの杖は魔核を変えることによって実質全属性の魔法の最高レベルの補助をしつつ汎用性もこれ以上ない。
……….一般的に杖の魔核はポンポン付け外しはできない、わかりやすくいうと指輪の宝石を外して他の宝石を嵌め込むようなものだ、まずサイズが合わない、形が合わない、さらに魔法具特有の問題点、杖内部に刻んである魔法式、これを複数の魔核に対して起動できるようにしておかなければならない、とは言っても魔術式を何個も複数書き込むなんてことは不可能。
原則、一つ魔法具に一つの魔術式だ、そうでなければお互いが干渉しあって不発したり、最悪の場合術者に危険が及ぶ。
つまり彼女は一つの術式で七属性全てに対応できる公式を編み出したといえる。
「なるほど、思った以上に優秀だね」
「ふん、理解したみたいね」
「………故に残念だね……これ以上ないなんてさ…………」
「なに、まだこれ以上の魔道具があるなんていうの?、だったら私の目の前に出してみなさいよ」
「いいよ、『収納魔法』ーーーどれにしようか~じゃあこれにしとくか」
「何それ?グローブ?」
私は収納魔法でしまっていた魔道具、機械部品がくっついているグローブを一組を出す。
「魔砲撃鉄一式・《カノンナックル》……そうね、私より貴方に使ってもらったほうが納得しやすいと思う」
「たいそうな自信じゃない………これは腕につければいいの?」
「まずはリコイルスターター、じゃ分からないか、ついてる紐引っ張った後、左手を突き出し、魔法は射出せずに目の前に待機させて」
「これか、よっと、そして『我望む、道阻むものを洗い流したまえーー水球』………こう?」
「そうそう、後はもう一方で魔法を殴りつけるだけでいい」
「よいしょーーッッーーー!!?!!?!」
ビリヤードの玉のように弾かれた水球はみるみる大きくなり、山のように巨大なバケツをひっくり返したような水が広がる、目の前の岩山はどんどん削れていって跡形も無くなってしまった。
「ね?、終わりなんてないでしょ?」
「………….何これ?」
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