1 / 1
プロローグ
しおりを挟む
レオが街道を都に向かって歩き丁度橋に差し掛かったとき、身分の良さそうな牛車が隣の橋を通ったことがレオの運命を変えた
レオの通っている橋は平民用の橋で、ところどころ板が抜けているおり足元には蒼糸川が流れているのが見える
蒼流川はその名の通り普段は蒼く透き通った水の流れる綺麗な川なのだが、ここ最近あった大嵐の所為で茶色く濁った水がものすごい勢いで流れておりとても恐ろしい光景が足元に広がっていた
寄れて擦り切れた旅衣を着て、荷物の入った革袋を背負い、短槍を肩に担ぎながらながら歩いているレオは、そんな川へ一切の恐怖も持たず、ただ黙々と目的地へ向かって歩いていた
レオは今年で28歳、背が低く小柄だが、柔軟な筋肉を持つ体をしている
髪は短くボサボサで、肌は日に焼けてている少し童顔ではあり、優しそうな顔をしているがどこか一般人にはない雰囲気を持っており、武に長けた人が見ればその強さに気づくだろう
レオは橋を渡ろうとすると後ろから煌びやかな牛車が十数人の家来と共に来ることに気づいた
(あれは第3皇子の牛車か、今は国内視察からの帰りかな?しかしめんどうだな)
レオは少し考えながら土下座をして通り過ぎていくのを待った
レオ自身はこの国の民ではなく、この国の神話にも興味がないのでここまでする必要はなかったのだが、周りにいるであろう近衛に不敬罪であると絡まれてはたまらないと思ったのである
やっと皇子の一行が通り過ぎたと感じ、レオは立ち上がって先を急ごうとしたその時だった
突然その皇子の一行の方から悲鳴が上がったそしてちらっとレオがその一行の方を見た瞬間、小さい影が牛車から川へ放り出され落ちていくのを見た、どうやら牛車が壊れてその振動で乗っていた皇子が振り落とされたらしかった
そこからのレオの動きは早かった
荷物と旅衣の上着を脱ぎ、荷物から金具のついた縄を取りだすと金具を橋を吊っている太い縄に固定して反対側を自分に括り付けて激しい川の流れの中に飛び込んだ
とてつもない衝撃がレオの体を襲い、意識を持ってかれそうになるが必死に堪える
やっとのことで水から顔を出し方向を確認してこちらの方に流れてくる綺麗な布の塊の方へ向かう
しかし、小柄であるレオは自分より少し小さいだけの皇子を救うのはとても難しいことだった
(どうか暴れないでくれよ)
その願いが通じたのか、川に落ちた皇子は気を失っておりなんとか流されながらも岸に辿り着くことができた
なんとか重い体を動かして皇子を岸にあげ、皇子の気道を確保すると、近衛兵が近づいてくるのが見えた
(めんどくさい事になってしまったなぁ、まぁ成るように成るか)
レオはため息をついた
レオは当然すぐに解放されるわけもなく、なんやかんや事情聴取や口止めやらの話を長くされて、その後、橋の上に置きっぱなしだったものを回収しにいくなどをすると終わる頃には日も暮れかけてしまい、野宿することになってしまった
(今日は宿屋に泊まれると思っていたんだがな)
少しガッカリしながら、しかし皇子を助けられたことに満足するレオだった
その夜、レオは第3皇子の構える陣の中に呼び出された
陣の中に入った瞬間、目の前の人物を見てレオは唖然とした
(えっっっ!?)
レオが驚くのもしかたなかった
何かあった時でも普通、下々の者に対しては、現人神であるとされている皇族から何かすることはない
あっても代理の者が謝礼を払うかお礼を言うだけであるはずだった
しかしレオの目の前にいたのは先程助け出した第3皇子だったのである
(やれやれ、少し面倒ごとを引き当ててしまったかもしれないな)
レオはため息をついた
だが、この出会いがどれほど自分の人生に影響を及ぼすのかを、彼は知る由もなかったが、これは、すべてのはじまりに過ぎなかったのである
レオの通っている橋は平民用の橋で、ところどころ板が抜けているおり足元には蒼糸川が流れているのが見える
蒼流川はその名の通り普段は蒼く透き通った水の流れる綺麗な川なのだが、ここ最近あった大嵐の所為で茶色く濁った水がものすごい勢いで流れておりとても恐ろしい光景が足元に広がっていた
寄れて擦り切れた旅衣を着て、荷物の入った革袋を背負い、短槍を肩に担ぎながらながら歩いているレオは、そんな川へ一切の恐怖も持たず、ただ黙々と目的地へ向かって歩いていた
レオは今年で28歳、背が低く小柄だが、柔軟な筋肉を持つ体をしている
髪は短くボサボサで、肌は日に焼けてている少し童顔ではあり、優しそうな顔をしているがどこか一般人にはない雰囲気を持っており、武に長けた人が見ればその強さに気づくだろう
レオは橋を渡ろうとすると後ろから煌びやかな牛車が十数人の家来と共に来ることに気づいた
(あれは第3皇子の牛車か、今は国内視察からの帰りかな?しかしめんどうだな)
レオは少し考えながら土下座をして通り過ぎていくのを待った
レオ自身はこの国の民ではなく、この国の神話にも興味がないのでここまでする必要はなかったのだが、周りにいるであろう近衛に不敬罪であると絡まれてはたまらないと思ったのである
やっと皇子の一行が通り過ぎたと感じ、レオは立ち上がって先を急ごうとしたその時だった
突然その皇子の一行の方から悲鳴が上がったそしてちらっとレオがその一行の方を見た瞬間、小さい影が牛車から川へ放り出され落ちていくのを見た、どうやら牛車が壊れてその振動で乗っていた皇子が振り落とされたらしかった
そこからのレオの動きは早かった
荷物と旅衣の上着を脱ぎ、荷物から金具のついた縄を取りだすと金具を橋を吊っている太い縄に固定して反対側を自分に括り付けて激しい川の流れの中に飛び込んだ
とてつもない衝撃がレオの体を襲い、意識を持ってかれそうになるが必死に堪える
やっとのことで水から顔を出し方向を確認してこちらの方に流れてくる綺麗な布の塊の方へ向かう
しかし、小柄であるレオは自分より少し小さいだけの皇子を救うのはとても難しいことだった
(どうか暴れないでくれよ)
その願いが通じたのか、川に落ちた皇子は気を失っておりなんとか流されながらも岸に辿り着くことができた
なんとか重い体を動かして皇子を岸にあげ、皇子の気道を確保すると、近衛兵が近づいてくるのが見えた
(めんどくさい事になってしまったなぁ、まぁ成るように成るか)
レオはため息をついた
レオは当然すぐに解放されるわけもなく、なんやかんや事情聴取や口止めやらの話を長くされて、その後、橋の上に置きっぱなしだったものを回収しにいくなどをすると終わる頃には日も暮れかけてしまい、野宿することになってしまった
(今日は宿屋に泊まれると思っていたんだがな)
少しガッカリしながら、しかし皇子を助けられたことに満足するレオだった
その夜、レオは第3皇子の構える陣の中に呼び出された
陣の中に入った瞬間、目の前の人物を見てレオは唖然とした
(えっっっ!?)
レオが驚くのもしかたなかった
何かあった時でも普通、下々の者に対しては、現人神であるとされている皇族から何かすることはない
あっても代理の者が謝礼を払うかお礼を言うだけであるはずだった
しかしレオの目の前にいたのは先程助け出した第3皇子だったのである
(やれやれ、少し面倒ごとを引き当ててしまったかもしれないな)
レオはため息をついた
だが、この出会いがどれほど自分の人生に影響を及ぼすのかを、彼は知る由もなかったが、これは、すべてのはじまりに過ぎなかったのである
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
王妃ですが都からの追放を言い渡されたので、田舎暮らしを楽しみます!
藤野ひま
ファンタジー
わたくし王妃の身でありながら、夫から婚姻破棄と王都から出て行く事を言い渡されました。
初めての田舎暮らしは……楽しいのですが?!
夫や、かの女性は王城でお元気かしら?
わたくしは元気にしておりますので、ご心配御無用です!
〔『仮面の王と風吹く国の姫君』の続編となります。できるだけこちらだけでわかるようにしています。が、気になったら前作にも立ち寄っていただけると嬉しいです〕〔ただ、ネタバレ的要素がありますのでご了承ください〕
嘘つきと呼ばれた精霊使いの私
ゆるぽ
ファンタジー
私の村には精霊の愛し子がいた、私にも精霊使いとしての才能があったのに誰も信じてくれなかった。愛し子についている精霊王さえも。真実を述べたのに信じてもらえず嘘つきと呼ばれた少女が幸せになるまでの物語。
で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?
Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。
簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。
一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。
ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。
そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。
オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。
オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。
「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」
「はい?」
ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。
*--*--*
覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾
★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。
★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓
このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。
第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」
第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」
第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」
どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ
もしよかったら宜しくお願いしますね!
繰り返しのその先は
みなせ
ファンタジー
婚約者がある女性をそばに置くようになってから、
私は悪女と呼ばれるようになった。
私が声を上げると、彼女は涙を流す。
そのたびに私の居場所はなくなっていく。
そして、とうとう命を落とした。
そう、死んでしまったはずだった。
なのに死んだと思ったのに、目を覚ます。
婚約が決まったあの日の朝に。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
妻を蔑ろにしていた結果。
下菊みこと
恋愛
愚かな夫が自業自得で後悔するだけ。妻は結果に満足しています。
主人公は愛人を囲っていた。愛人曰く妻は彼女に嫌がらせをしているらしい。そんな性悪な妻が、屋敷の最上階から身投げしようとしていると報告されて急いで妻のもとへ行く。
小説家になろう様でも投稿しています。
幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。
灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。
曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。
婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。
前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる