王道わんこの奮闘記(仮)

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新入生歓迎会

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no side
転入生についての話を生徒会室で来たあの日から1週間。
ついに転校生2人がこの学園へ訪れる日となった。

転校生の案内役を任されたのは生徒会副会長である南海侑也と、風紀委員会副委員長である日野彰人だ。
2人は不仲と言われる生徒会風紀間でも結構仲が良く、仲良く談笑しながら校門へと向かう。
そして、待ち合わせの時間通りに着くと、門越しにこちらを見つめるもじゃもじゃとした言ってしまえば不潔な髪型に眼鏡の先が見えないほどに汚い瓶底メガネをかけた一般的に見るなら不審者が突っ立っていた。

「早く門開けろよ!俺が入れねぇじゃねえか!」

そう言ってガシャガシャと音が鳴るまで強く門を揺さぶっている転校生を2人は少し引いたような目で見ている。
しかし、転校生からはこちらの様子がうかがえないようで、

「こうなったら…こうだ…!」

と突然転校生が後ろに下がったと思いきや、すごい勢いをつけて校門に向かって走り、一気に飛び上がった。
そして難なく門の上に登ると、門の目の前に居た侑也目掛けて飛び降りてきた。

「っ!?」
「うわあ!危ない!!退け!!」

転校生の足が侑也の頭を掠った。
人が下にいたことに驚いた転校生は着地に失敗し、大きな尻もちを着いた。

「危なっ…!」
「いてて…お前!退けって言ったじゃん!お前のせいで俺が痛いんだぞ!謝れよ!!」
「…すみません」
「しょうがないな!許してやる!二度とこんなことするなよな!!」

侑也は自分の目の前にいる生物の思考回路が理解できず、返事ができなかったが、自分とは違う生物だと無理矢理理解し、謝った。

「お前キレイだな!名前なんて言うんだ!?あと、お前なんでここにいるんだ!?」
「…私の名前は南海侑也です。私は生徒会副会長として理事長からあなたの案内係を申し付けられました」
「侑也か!俺は神崎愛瑠!よろしくな!あと、なんでそんな無理矢理笑ってるんだ??気持ち悪いぞ!!俺の前ではそんな嘘くさい笑顔はやめて本当の笑顔を見せろよ!!」

はっきり言って、侑也の内心は荒れていた。

(なんなんです?この人。門で大人しく待っていられないところや、自分で勝手に門に登って着地地点に私がいたから着地に失敗したとはいえすべての責任を私に押し付けたこともそうですが、何より初対面の人に敬語を使わない上に愛想笑いについて“気持ち悪い”!?ちょっとこの人とは関わりたくないですね…いくら理事長命令とはいえこんな宇宙人と話していたら血管が何本あっても足りません)

そして、徐々にどす黒いオーラが見え始めた侑也を見て空気のようになっていた彰人も苦笑いをした。
すると、

「あのー。お取り込み中のようで悪いのですが、今日転校してきた坂下詩乃です。もんを開けて頂きたいのですが…」

と遠慮がちに声が聞こえてきた。
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