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新入生歓迎会
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「あ、すいませんね!今開けるんで、ちょっと待っててください!」
「あ、ありがとうございます!」
彰人は本来任された仕事をこなすために、侑也の様子を伺いつつも門を開けに行った。
門の前にいたのは、小柄でマスクをつけたまるで猫のような雰囲気の男の子だった。
先程の宇宙人のような転校生、愛瑠と違って詩乃は常識がありそうだ、と侑也には悪いが彰人がホッとしていると
ーバチン!
「一体何をしているのですか」
何かを叩くような音と絶対零度の侑也の声が聞こえてきて、彰人と詩乃は驚いてそちらを見た。
そこには、叩いたであろう右手を静かに消毒し、愛瑠を睨みつけている侑也と、叩かれたであろう左頬を抑え、地面に倒れ込んでいる愛瑠が居た。
「痛い…痛い痛い痛い!!いきなり叩くなんていくら恥ずかしいからって酷いぞ!!人を叩いちゃいけないんだぞ!!」
「あなたが私に勝手にキスをしようとしてくるからでしょう」
侑也の言葉を聞いて、2人は驚いた。
(え!?キス!?どういうこと!?)
内心焦りまくっている彰人であったが、とりあえずこの場の空気を変えようと、
「いつまでもここで喋っているのもなんだし、早速案内を始めちゃおうか!それでも大丈夫か?侑也くん」
「…大丈夫ですよ。…ありがとうございます」
「いやいや、これぐらいのことしか出来なくてごめんな」
そう言って彰人は強引に愛瑠と詩乃を職員室に連れていった。
愛瑠は職員室に行く道の中でも執拗に侑也と彰人に話しかけていた。
侑也は当然のごとく無視、彰人はどこか距離を置くように当たり障りのない返答をしていた。
そして職員室について、2人の担任となる1年S組の教師である鷹野晃樹に2人を預けると足早に職員室から出た。
「これから同じクラスになるけど、どうするんだ?」
「…正直に言ってしまえばとても嫌ですね…なんなら今日一日で無理そうと判断したら先生に言って授業に出ずに生徒会室に行こうかなとも考えています」
「まあ、役員は授業免除の特権あるし俺も最悪使おうかな~」
2人はこれからのことについて話し合いながら教室へと向かう道を歩いていた。
「あ、ありがとうございます!」
彰人は本来任された仕事をこなすために、侑也の様子を伺いつつも門を開けに行った。
門の前にいたのは、小柄でマスクをつけたまるで猫のような雰囲気の男の子だった。
先程の宇宙人のような転校生、愛瑠と違って詩乃は常識がありそうだ、と侑也には悪いが彰人がホッとしていると
ーバチン!
「一体何をしているのですか」
何かを叩くような音と絶対零度の侑也の声が聞こえてきて、彰人と詩乃は驚いてそちらを見た。
そこには、叩いたであろう右手を静かに消毒し、愛瑠を睨みつけている侑也と、叩かれたであろう左頬を抑え、地面に倒れ込んでいる愛瑠が居た。
「痛い…痛い痛い痛い!!いきなり叩くなんていくら恥ずかしいからって酷いぞ!!人を叩いちゃいけないんだぞ!!」
「あなたが私に勝手にキスをしようとしてくるからでしょう」
侑也の言葉を聞いて、2人は驚いた。
(え!?キス!?どういうこと!?)
内心焦りまくっている彰人であったが、とりあえずこの場の空気を変えようと、
「いつまでもここで喋っているのもなんだし、早速案内を始めちゃおうか!それでも大丈夫か?侑也くん」
「…大丈夫ですよ。…ありがとうございます」
「いやいや、これぐらいのことしか出来なくてごめんな」
そう言って彰人は強引に愛瑠と詩乃を職員室に連れていった。
愛瑠は職員室に行く道の中でも執拗に侑也と彰人に話しかけていた。
侑也は当然のごとく無視、彰人はどこか距離を置くように当たり障りのない返答をしていた。
そして職員室について、2人の担任となる1年S組の教師である鷹野晃樹に2人を預けると足早に職員室から出た。
「これから同じクラスになるけど、どうするんだ?」
「…正直に言ってしまえばとても嫌ですね…なんなら今日一日で無理そうと判断したら先生に言って授業に出ずに生徒会室に行こうかなとも考えています」
「まあ、役員は授業免除の特権あるし俺も最悪使おうかな~」
2人はこれからのことについて話し合いながら教室へと向かう道を歩いていた。
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