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一章
遺跡の始まりとリーダー
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入口から続く階段を降りると、五十人は入れるだろう石造りの何も無い大広間が広がっていた。
先に進む意匠を凝らした扉だけが見える。
この辺りはインディアの趣味なのだろう、研究施設と同じ材質、同じ造りだ。
「どうやらこのフロアには人間はおろか魔物もいない様ですね。」
「そうだな。ならばここで探索の準備をするぞ。魔物がいないのは幸いだったな。」
「そうですね。いきなり戦闘では面倒ですから。」
「準備?何をするかは分かりませんが、外でやってくれば良かったのに?何も今からやらなくても。」
「外では、他の目があったからな。」
「えっ、誰かいました?俺には分からなかったですが……」
「魔術協会と冒険者ギルドの見張りがいましたよ。偵察のみで、無害でしたので放置しておきましたけど。」
「マジか……気がつかなかったぞ……」
「リック凹む必要ねーぞ、この二人がまともじゃ無いんだから。」
「ゲルドの言う通りだ、暗部の腕利きだった事は忘れた方が良い。こんなことで驚いてはこの先持たねー。」
「そうするわ……」
酷い言われようだが、いちいち反応してもいられない。
「話が終わったなら、レオあれを」
師匠も同じ結論らしい。
「はい!内部の構造が変わっていなければ良いのですが。」
車座に座った僕らの中心に地図を広げる。
「レオ、これは?」
「この遺跡の地図ですよ。」
「何でそんなものが?」
なんて事は無い、ロズワルドが宿を訪ねて来た時に、発見時から今日まで魔術協会がこの遺跡を調査した報告書などを地図も含めて預かったのだ。
一番古いものは二百年以上前の物だけに使えるか否かは分からないが、何も無いよりはマシだろう。
「十階層までですが、当時ここに潜った魔術協会の探索者達がマッピングしたものです。何度となく調査に来ていた様でツギハギだらけですが当時と構造が変わっていないなら役に立つはずです。」
「そうだな、まずは地図と差異が無いかどうかを各フロアで確認、これはレオがやれ。問題無いなら地図頼みで最短距離を行けるだろうが、問題はそこから先か。」
「はい、資料によると十階層までしか地図が無いのはそこに階層主がいるからです。」
「倒すのは問題無いとしても、当時苦戦して踏破出来なかった相手だ、冒険者ギルドと騎士団が簡単に突破出来るとは思えん。先行度合いにもよるが、この前後で確実に奴らとかち合うと言う事だ。」
「見つけ次第殺っちまえば良いでしょう!」
「だからゲルドは脳筋て呼ばれるんだぞ。」
「うるせー!リーダーが何ビビってんだよ!」
「ビビっちゃいねえけど、対応決めとか無いとヤバイな。そう言う意味での準備でしょう?パーティーとしても初めて組むのだしな。」
「ああ、俺もそう思う。俺達暗部と同じ冒険者ギルドの奴らなら別に構わないと思うが。騎士団がいるんだろ?そいつらに手を出すのは流石に不味いと思うが。」
「そう言うことか。」
「やっと分かったか。それとひとつ訂正しておくが、俺はリーダーじゃないぞ。このパーティーのリーダーはルナ様だ。」
「ああ、確かにな。」
「そう言うことだ。で、どうしますかルナ様?」
「そうだな、リックの言う通り冒険者ギルドの関係者なら問答無用で敵だ。騎士団については歯向かうならば敵認定で良いだろう。幸いダンジョン内での事だ、殺ったところで死体も残らん。」
「また、危険な事をアッサリ言いますね。師匠が自重すれば無駄な戦闘は回避できると思いますが、おっしゃる通り一度は話してダメなら回避は出来ませんね。」
「自重云々についてはよく話し合う必要があるが、まぁ良い。基本路線はそれで行く。それとリーダーについてだがこのパーティーのリーダーは君だぞ、レオ。」
「えっ、僕ですか?」
「レオがリーダー?」
「ああ、純粋な戦力では私の方がまだまだ上だが、今回はコイツらがいる。バランスを取るならばレオが適任だ。」
「ルナ様がそう言うなら俺は異論はありませんよ。」
「俺達もだ、なぁリック。」
「ああ、よろしく頼む。」
「そう言う訳だ、レオ。」
面倒だからと言う理由も浮かぶが、好き勝手に暴れると、確かにパーティーではなくなる。
ここは良い経験という事で、やらせてもらおうか。
「分かりました。皆さんよろしくお願いします。」
「おう!」
「では、目的を今一度確認しておきますが、遺跡の最下層までの完全踏破。インディアの遺産があれば回収。最終的にはこの遺跡は潰します。冒険者ギルドの関係者と騎士団は向こうが手出しして来るならこれを排除します。」
「了解!」
「続いて隊列ですがリックは索敵全般いけますか?後メインの武器は?」
「ああ、索敵は任せてくれ。罠の発見から解除までも請け負う。武器は必要なら何でも行けるが、中距離の投擲ナイフと近接戦闘は同じくナイフがメインだな。」
「分かりました。では、先頭はリックに任せましょう。前衛はダズルとゲルド後衛は師匠と僕らが支援魔法と相手に応じて魔法を撃ちますので、皆さんは合わせてください。先手は基本リックとしますので。」
先に進む意匠を凝らした扉だけが見える。
この辺りはインディアの趣味なのだろう、研究施設と同じ材質、同じ造りだ。
「どうやらこのフロアには人間はおろか魔物もいない様ですね。」
「そうだな。ならばここで探索の準備をするぞ。魔物がいないのは幸いだったな。」
「そうですね。いきなり戦闘では面倒ですから。」
「準備?何をするかは分かりませんが、外でやってくれば良かったのに?何も今からやらなくても。」
「外では、他の目があったからな。」
「えっ、誰かいました?俺には分からなかったですが……」
「魔術協会と冒険者ギルドの見張りがいましたよ。偵察のみで、無害でしたので放置しておきましたけど。」
「マジか……気がつかなかったぞ……」
「リック凹む必要ねーぞ、この二人がまともじゃ無いんだから。」
「ゲルドの言う通りだ、暗部の腕利きだった事は忘れた方が良い。こんなことで驚いてはこの先持たねー。」
「そうするわ……」
酷い言われようだが、いちいち反応してもいられない。
「話が終わったなら、レオあれを」
師匠も同じ結論らしい。
「はい!内部の構造が変わっていなければ良いのですが。」
車座に座った僕らの中心に地図を広げる。
「レオ、これは?」
「この遺跡の地図ですよ。」
「何でそんなものが?」
なんて事は無い、ロズワルドが宿を訪ねて来た時に、発見時から今日まで魔術協会がこの遺跡を調査した報告書などを地図も含めて預かったのだ。
一番古いものは二百年以上前の物だけに使えるか否かは分からないが、何も無いよりはマシだろう。
「十階層までですが、当時ここに潜った魔術協会の探索者達がマッピングしたものです。何度となく調査に来ていた様でツギハギだらけですが当時と構造が変わっていないなら役に立つはずです。」
「そうだな、まずは地図と差異が無いかどうかを各フロアで確認、これはレオがやれ。問題無いなら地図頼みで最短距離を行けるだろうが、問題はそこから先か。」
「はい、資料によると十階層までしか地図が無いのはそこに階層主がいるからです。」
「倒すのは問題無いとしても、当時苦戦して踏破出来なかった相手だ、冒険者ギルドと騎士団が簡単に突破出来るとは思えん。先行度合いにもよるが、この前後で確実に奴らとかち合うと言う事だ。」
「見つけ次第殺っちまえば良いでしょう!」
「だからゲルドは脳筋て呼ばれるんだぞ。」
「うるせー!リーダーが何ビビってんだよ!」
「ビビっちゃいねえけど、対応決めとか無いとヤバイな。そう言う意味での準備でしょう?パーティーとしても初めて組むのだしな。」
「ああ、俺もそう思う。俺達暗部と同じ冒険者ギルドの奴らなら別に構わないと思うが。騎士団がいるんだろ?そいつらに手を出すのは流石に不味いと思うが。」
「そう言うことか。」
「やっと分かったか。それとひとつ訂正しておくが、俺はリーダーじゃないぞ。このパーティーのリーダーはルナ様だ。」
「ああ、確かにな。」
「そう言うことだ。で、どうしますかルナ様?」
「そうだな、リックの言う通り冒険者ギルドの関係者なら問答無用で敵だ。騎士団については歯向かうならば敵認定で良いだろう。幸いダンジョン内での事だ、殺ったところで死体も残らん。」
「また、危険な事をアッサリ言いますね。師匠が自重すれば無駄な戦闘は回避できると思いますが、おっしゃる通り一度は話してダメなら回避は出来ませんね。」
「自重云々についてはよく話し合う必要があるが、まぁ良い。基本路線はそれで行く。それとリーダーについてだがこのパーティーのリーダーは君だぞ、レオ。」
「えっ、僕ですか?」
「レオがリーダー?」
「ああ、純粋な戦力では私の方がまだまだ上だが、今回はコイツらがいる。バランスを取るならばレオが適任だ。」
「ルナ様がそう言うなら俺は異論はありませんよ。」
「俺達もだ、なぁリック。」
「ああ、よろしく頼む。」
「そう言う訳だ、レオ。」
面倒だからと言う理由も浮かぶが、好き勝手に暴れると、確かにパーティーではなくなる。
ここは良い経験という事で、やらせてもらおうか。
「分かりました。皆さんよろしくお願いします。」
「おう!」
「では、目的を今一度確認しておきますが、遺跡の最下層までの完全踏破。インディアの遺産があれば回収。最終的にはこの遺跡は潰します。冒険者ギルドの関係者と騎士団は向こうが手出しして来るならこれを排除します。」
「了解!」
「続いて隊列ですがリックは索敵全般いけますか?後メインの武器は?」
「ああ、索敵は任せてくれ。罠の発見から解除までも請け負う。武器は必要なら何でも行けるが、中距離の投擲ナイフと近接戦闘は同じくナイフがメインだな。」
「分かりました。では、先頭はリックに任せましょう。前衛はダズルとゲルド後衛は師匠と僕らが支援魔法と相手に応じて魔法を撃ちますので、皆さんは合わせてください。先手は基本リックとしますので。」
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