ガチホモ悪役令嬢に転生する

てんてん

文字の大きさ
8 / 41
合法ロリ悪役令嬢に需要はあるのか

中ボスな彼女と再会

しおりを挟む

 家の前にゆっくりと、2頭だての馬車が止まる、馭者が馬車の扉を開けると、従者らしき男の人と共に、彼女がゆったりと馬車から降りて来た。


よく晴れた空の下、初めて会った時の様に花束を抱え、薄い藤色のドレスに靡く青みがかった黒髪
顔の半分を覆う眼帯はそのままだったが、残された紅い瞳を優しげに細めて

マルガレーテ.フォン=ベルンシュタインは、美しく微笑んだ。

我慢出来ずに、彼女の元に駆け寄ると

「お久しぶりウィルミナ様、やっとお会い出来ましたね。」

と笑顔を浮かべ、花束を手渡してくれた

「ありがとうマルガレーテ様、私こそずっとお会いしたかったですわ。」

嬉し過ぎて、ニヤけるのも我慢出来ずに言うと、家の侍女達が全員「珍しいもん見た」みたいな顔で、こっち見てた。

この喜びの前には、些末な事よ!ふはは

「どうぞこちらへ、ゆっくりくつろいで行って下さいね。」

逸る気持ちと、足を抑えて二人、私の両親との挨拶やその他もろもろをクリアして、やっと、私の部屋で 二人になれた。

マルガレーテの従者が、「お傍を離れるのは…。」ってちょっと渋っていたが
「女の子同士で、したいお話もあるの…お願いよ。」

と言うと、渋々外に行ってくれた

「ごめんね、なぁ~んかあの子、最近過保護なんだよねぇ。」

素に戻ったマルガレーテが、謝ってくる

「いやいや良いっスよ、自分のお嬢様が心配なんでしょ。」
そう言うと

「…ああ~、確かに色々あってから、まだ日が経ってないもんなぁ。」

と、言いながら、話始めてくれた

マルガレーテ.フォン=ベルンシュタインに、何が起こったのか。



「…まず最初にさ、ウィルミナちゃんは、ゲームの事どこまで知ってるの?」

そう聞かれて

「実は、友達がやってるのを、横で見てた位で、殆ど知らないんですよ。」

すみません、と言ったら

「いやいや!謝らないで!実は俺も、当時付き合ってた相手がやってたのを、横で見てただけで、自分でプレイしてないんだよね、でも各キャラのルートは、全部見たかなぁ。」


「思い出せる、各キャラの名前とストーリー、ゲームの世界観とか気がついた事、ノートに書いてたんだけど、見る?」

と、今日一番のお土産キター!!

「いります!見せて下さい!めっちゃ助かります!」

この世界の事、本っっ当に解らないの!
と、半泣きで言ったら。

「じゃあ、このノートは君にあげるよ、家に書き写したのがあるから、貰ってやって。」

 ……あ…兄貴ぃぃぃっっ!!お気遣いありがとうございます!

「…さて、改めて俺こと、マルガレーテが何で今こうなのかと言うと…。」



そして「彼」は話始めた

まず、ゲームの中のマルガレーテが、何故あんな性格になり婚約者に依存するのか

それは、子供の頃におきた火事で母親を亡くし、自らも腕や背中に火傷をおったせい

火事のショック、母の死、そして自らの火傷は、少女には重い現実だった。

そしてマルガレーテは、自分の内側にこもる様になり、母親の事も、火傷の事も知っている、全てを話せる幼馴染の婚約者に、依存し始めた。

「…で、俺が前世の記憶を思い出したのが、その火事の真っ只中だったんだ。」

皮膚を炙る炎、自分だけでも逃がそうとする、悲愴な覚悟を決めた母親の顔

その瞬間「助けなければ」と頭の奥で、何かが弾けた。

「"俺"の、魔力が発現したのもその時、正しく火事場の馬鹿力だよねw。」

原作の、マルガレーテの属性は水だったそうだが、「彼」の属性はそれの上位互換の氷だったそうだ。



「マルガレーテが、色んなモノを、内側に溜め込む子になっちゃったのはね 、その火事でお母さんが、マルガレーテを助けて亡くなったからなんだ。」

「 宰相の息子のルートで、出てくるんだけど、彼はマルガレーテに依存される事に疲れちゃって、ヒロインに癒される様になる。」


確かに、同い年の男の子だけに支えられるモノじゃ無いよね 、俺達の世界ならお医者様とかにお願いした方が良い案件だ。

「だから「助けなければ 」と思った、母親を、幼馴染を、そしてマルガレーテを。」

そう思った時、本能で自分に身体強化をかけ、母親を抱き上げて、炎に包まれた家を凍らせて、破壊しながら外を目指したんだって。

母親は助かったがその時、両足と背中、そして顔に火傷を受けた。
だけど、「マルガレーテ」もその傷を誇らしいと受け入れた、母を守った証明だと

「まぁ、結構長い間、寝たきりになっちゃったけどね。」
今も治療中だしと、マルガレーテは笑う

「でもね、本当に後悔はないんだ、生きてれば何とかなるって、そう思うから。」

そう言って笑う彼女は、本当に美しかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

悪役令嬢は死んで生き返ってついでに中身も入れ替えました

蒼黒せい
恋愛
侯爵令嬢ミリアはその性格の悪さと家の権威散らし、散財から学園内では大層嫌われていた。しかし、突如不治の病にかかった彼女は5年という長い年月苦しみ続け、そして治療の甲斐もなく亡くなってしまう。しかし、直後に彼女は息を吹き返す。病を克服して。 だが、その中身は全くの別人であった。かつて『日本人』として生きていた女性は、異世界という新たな世界で二度目の生を謳歌する… ※同名アカウントでなろう・カクヨムにも投稿しています

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。 ご都合主義のハッピーエンドのSSです。 でも周りは全くハッピーじゃないです。 小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...