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合法ロリ悪役令嬢に需要はあるのか
中ボスな彼女と再会
しおりを挟む家の前にゆっくりと、2頭だての馬車が止まる、馭者が馬車の扉を開けると、従者らしき男の人と共に、彼女がゆったりと馬車から降りて来た。
よく晴れた空の下、初めて会った時の様に花束を抱え、薄い藤色のドレスに靡く青みがかった黒髪
顔の半分を覆う眼帯はそのままだったが、残された紅い瞳を優しげに細めて
マルガレーテ.フォン=ベルンシュタインは、美しく微笑んだ。
我慢出来ずに、彼女の元に駆け寄ると
「お久しぶりウィルミナ様、やっとお会い出来ましたね。」
と笑顔を浮かべ、花束を手渡してくれた
「ありがとうマルガレーテ様、私こそずっとお会いしたかったですわ。」
嬉し過ぎて、ニヤけるのも我慢出来ずに言うと、家の侍女達が全員「珍しいもん見た」みたいな顔で、こっち見てた。
この喜びの前には、些末な事よ!ふはは
「どうぞこちらへ、ゆっくりくつろいで行って下さいね。」
逸る気持ちと、足を抑えて二人、私の両親との挨拶やその他もろもろをクリアして、やっと、私の部屋で 二人になれた。
マルガレーテの従者が、「お傍を離れるのは…。」ってちょっと渋っていたが
「女の子同士で、したいお話もあるの…お願いよ。」
と言うと、渋々外に行ってくれた
「ごめんね、なぁ~んかあの子、最近過保護なんだよねぇ。」
素に戻ったマルガレーテが、謝ってくる
「いやいや良いっスよ、自分のお嬢様が心配なんでしょ。」
そう言うと
「…ああ~、確かに色々あってから、まだ日が経ってないもんなぁ。」
と、言いながら、話始めてくれた
マルガレーテ.フォン=ベルンシュタインに、何が起こったのか。
「…まず最初にさ、ウィルミナちゃんは、ゲームの事どこまで知ってるの?」
そう聞かれて
「実は、友達がやってるのを、横で見てた位で、殆ど知らないんですよ。」
すみません、と言ったら
「いやいや!謝らないで!実は俺も、当時付き合ってた相手がやってたのを、横で見てただけで、自分でプレイしてないんだよね、でも各キャラのルートは、全部見たかなぁ。」
「思い出せる、各キャラの名前とストーリー、ゲームの世界観とか気がついた事、ノートに書いてたんだけど、見る?」
と、今日一番のお土産キター!!
「いります!見せて下さい!めっちゃ助かります!」
この世界の事、本っっ当に解らないの!
と、半泣きで言ったら。
「じゃあ、このノートは君にあげるよ、家に書き写したのがあるから、貰ってやって。」
……あ…兄貴ぃぃぃっっ!!お気遣いありがとうございます!
「…さて、改めて俺こと、マルガレーテが何で今こうなのかと言うと…。」
そして「彼」は話始めた
まず、ゲームの中のマルガレーテが、何故あんな性格になり婚約者に依存するのか
それは、子供の頃におきた火事で母親を亡くし、自らも腕や背中に火傷をおったせい
火事のショック、母の死、そして自らの火傷は、少女には重い現実だった。
そしてマルガレーテは、自分の内側にこもる様になり、母親の事も、火傷の事も知っている、全てを話せる幼馴染の婚約者に、依存し始めた。
「…で、俺が前世の記憶を思い出したのが、その火事の真っ只中だったんだ。」
皮膚を炙る炎、自分だけでも逃がそうとする、悲愴な覚悟を決めた母親の顔
その瞬間「助けなければ」と頭の奥で、何かが弾けた。
「"俺"の、魔力が発現したのもその時、正しく火事場の馬鹿力だよねw。」
原作の、マルガレーテの属性は水だったそうだが、「彼」の属性はそれの上位互換の氷だったそうだ。
「マルガレーテが、色んなモノを、内側に溜め込む子になっちゃったのはね 、その火事でお母さんが、マルガレーテを助けて亡くなったからなんだ。」
「 宰相の息子のルートで、出てくるんだけど、彼はマルガレーテに依存される事に疲れちゃって、ヒロインに癒される様になる。」
確かに、同い年の男の子だけに支えられるモノじゃ無いよね 、俺達の世界ならお医者様とかにお願いした方が良い案件だ。
「だから「助けなければ 」と思った、母親を、幼馴染を、そしてマルガレーテを。」
そう思った時、本能で自分に身体強化をかけ、母親を抱き上げて、炎に包まれた家を凍らせて、破壊しながら外を目指したんだって。
母親は助かったがその時、両足と背中、そして顔に火傷を受けた。
だけど、「マルガレーテ」もその傷を誇らしいと受け入れた、母を守った証明だと
「まぁ、結構長い間、寝たきりになっちゃったけどね。」
今も治療中だしと、マルガレーテは笑う
「でもね、本当に後悔はないんだ、生きてれば何とかなるって、そう思うから。」
そう言って笑う彼女は、本当に美しかった。
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