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合法ロリ悪役令嬢に需要はあるのか
俺と従者君の望むもの
しおりを挟む目の前には、眉間にシワを寄せ、両手をぎゅっと握り締めた、物言いたげな少年
うーん、周りにいるのは、ウチの使用人とはいえ、人目があるのは不味いか。
仕方がない
「…丁度良かったわ、これからマルガレーテ様にお昼を届けたいの、手伝って下さる?」
とお嬢様の皮をかぶって、にっこり笑いながら、お弁当を入れた籠を手渡す。
「え…あ、はい。」
虚をつかれた様だが、素直に受け取ってくれた、よしよし
二人で騎士団の宿舎へ向かう、その途中無言で歩く俺に、後ろから声がかかった。
「……マルガレーテ様に、迷惑をかけるのは、止めて下さい。」
「……。」
うん、確かにそれな、ゴメンとしか言いようが無い。
「…あの方は、最近やっと普通に生活出来る位に回復されたんです。」
あの人、影でめっちゃ身体鍛えてるで?
「元々、大人しい…他人に嫌と言えないご気性の方何です、…そこに付け入る様な…。」
すげぇな、ちゃんとマルガレーテ様、令嬢の対面保ってんのか~。
「…それが、こちらに伺ってから、どんどん様子がおかしい、何をしたんですか?」
あ、保ってないわ、つか何か変な容疑かけられてる?
自業自得とは思うが、冤罪は勘弁だ。
彼の表情は、さっきと変わらないままずっと眉間のシワは取れない、緊張してるんだろう。
見た目6才の幼女で、令嬢らしくない振る舞いを見てても、相手は貴族だもんなぁ
それでも、物申したかったんだなぁ。
「…君はマルガレーテ様が心配なんだね」
「……はい。」
ぎゅっと唇を噛み締めてる
「これは信じてもらうしか無いけど、私はマルガレーテ様に何をする気も無いよ。」
信じられるかと言う目を、こっちからも見返す
「まぁ、納得出来ないなら、マルガレーテ様に直接言えば良いよ"大丈夫ですか?私は心配です"って。」
彼の眉間が、またぎゅっと寄せられる
心配な気持ちは解るが、だったら尚更本人に言った方が、良いと思う
まぁ、文句は素直に受け付ます!ゴメンネ!
「ウチの領内には温泉が湧いててね、この近くに源泉があって、宿舎のお風呂にもひいてるんだ、自慢の一つだよ。」
「…?」
何を言ってる?って顔を無視して続ける
「ウチの温泉は、火傷にも効くんだ。ウチにいる間、ガンガン使って欲しいな。」
返事を聞く前に、宿舎の訓練場に着いた
何というか、思春期の少年の純粋な真っ直ぐさって…面倒くさい。
ああいうのが、ストライクゾーンな人には、ご馳走なんだろうな~。俺はパス
「わぁーい!待ってたよぉ~!お腹すいた~w」
清々しい笑顔で、そう言って、俺達を出迎えたマルガレーテ様は、従士の訓練服に着替え、汗と泥にまみてれてた。
「ああ~もう、久しぶりに本気で身体動かして、ちょー気持ち良かったよぉ。」
そう言うマルガレーテ様は、俺の後ろで
「おめーウチのお嬢様に何させた?あ?」
ってオーラ出してる従者君に、気がついてない。スポドリもどきの果実水を飲んで、ぷはーってしてる。輝く汗が眩しいっスね
お弁当も喜んでくれて、従者君も一緒に食べて貰った。
「あ~、パンも柔らかいし、挟んであるハンバーグも美味しいね、タンパク質がっつりでありがたい。」
「食べ終わったら、近くに温泉あるから入りに行こうよ。」
そう言って誘うと、大喜びしてくれた。
従者君は、無言だった。
ぱしゃんと水音を立てて、二人で湯船に入る、二人同時に「あ"~っ」と声が出る
「ああ"~っやっぱ、お風呂最高~。」
おっさんみたいな声を出して、マルガレーテ様が湯船で溶ける、美少女が台無しだが温泉の前では仕方がない。
火傷の跡も痛々しいその身体は、鍛えてると言う割に、何処もかしこも細く筋肉のきの字も無い。
「…マルガレーテ様、その火傷の跡、私ならすぐに消せるよ?」
やっぱり見るだけでも、痛そうだったのでつい言ってしまった。
一応、確認も兼ねて聞いた…が、案の定
「いや、今は良いよ。せっかく婚約解消出来たのに、元に戻って別のフラグが立ったら怖い。」
だよね~、そう言うと思った。
「痛みが酷い時には、湯治を理由にウィルミナ様の所に来るよ。」
「あ、それはいつでも大歓迎!」
「うん、気を使わせちゃって悪いね。…それとうちの子が、失礼しちゃったね、ゴメンネ。」
あの子本当に、過保護なんだよねぇ、とマルガレーテ様はため息をつく、気づいてたのね 、お人が悪い。
ははは、と乾いた笑いをあげて、湯船の中でたゆたっていたが、不意に
「…でも、温泉があるって事は、ここら辺火山帯なのか、噴火とか大丈夫なの?」
と真剣な顔で聞かれたので
「あ、うん、大丈夫。今の所"お休み"してるみたい。」
噴火する位のエネルギーが動く時は、大体感知出来る。
「うわ、便利だな!そんな事も解るのか、ファンタジーすげぇな。」
とか、会話をしつつお風呂から上がった、
自分で作った、化粧水をつけて貰ったら。
マルガレーテ様は
「え?!ウィルミナ様こういうのも作れるの?売り物にすれば良いのに。」
と言われたが、俺も答えは同じだ
「…変に目立って、目ぇつけられたくない…。」
「…ああ。」
"早く自由に第二の生を、楽しみたいねぇ。"と言う呟きには同意しか無かった
俺の第二の生 、残り何百年あるのかは解らんが。…まぁ、殺されたら死ぬんだろうが。当たり前だが死にたくねぇ
今生は合法なんだ!絶対理想のダーリン見つけて、お嫁になるんだよぉぉぉ!
二人ホカホカな状態で宿舎に帰る 、マルガレーテ様には
「俺はちょっとまだ用事があるんで、申し訳ないが、マルガレーテ様は湯冷めしないうちに、従者君とウチに帰ってて。」
従者君、ちゃんと言いたい事言えよと、アイコンタクトをおくったら、「コイツ…何て事しやがる…!」
って顔された、あれ?余計なお世話だったか?まぁ頑張れ。
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