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合法ロリ悪役令嬢に需要はあるのか
中ボス彼女の胸の内"マルガレーテ視点"
しおりを挟む「…お、お嬢様はどうしてしまわれたのですか?」
何か決意を固めた様な顔で、こちらに問いかけてくるのは、"ルカ"
子供の頃から、側にいてくれた従者だ
「…何を言いたいのかしら?」
解っていてあえて聞く、今の"俺"は結構意地が悪い
「…こちらに…ウィルミナ様に出会ってから、お嬢様は変わられました。」
ああ、うん、そうねぇ、かなりはっちゃけた姿見せちゃったもんね、でもね。
「やりたい事が見つかったの、それだけよ。」
「……。」
そう言っても、目の前の顔は納得してない
…面倒くせぇなぁ。
確かに、ルカが知っているマルガレーテは大人しく、こんな怪我をしたら、うちに引きこもって、死んでも外に出たがらないだろう、だけど
「こんな怪我を負って、婚約解消されたなら、家に引きこもっている方が、私らしいのかしら?」
「……っいえ!それは!!」
そんな事は思ってないのは解るけど、"そう言ってる"のと同じだよぉ?
自分が、イラついているのが解る
でもそれは、しょうがない事だ。
あの火事の日、自分が転生したんだと、解った日から、俺はずっと"怒っている"
だって、弟がいない
ウィルミナ様に語った事も、嘘じゃないそれも俺の本心だ、だけど言えなかった事もある。それは俺の前世の願い
俺が前世でずっと願っていたのは、頑張って生きて、最期あの世で弟に会う事だったんだ。
お前のお陰で、俺はちゃんと生きたぜ!
って、沢山の土産話を持って、あいつのいる所に胸を張って逝くはずだったんだ。
それだけをよすがに、生きていた
なのに転生?
何だそれは、何なんだそれは
あいつがいない、俺の可愛い双子の弟
気が弱い癖に、頑固で、でも俺なんかよりずっと優しくて、強い、大好きだった俺の弟がいない。
こんな世界、地獄でしかない
目が覚めて、自分の状況が解った時のあの絶望、けれど、マルガレーテとしての記憶と、俺が俺である限り絶対に、自殺はしたくない…でも。
俺はあの日から、何かのはずみで怒鳴り散らかしそうなのを、ずっと我慢していた
そんな時に、ウィルミナ様に会えた、弟の話が出来る存在、それに俺がどれだけ癒された事か
"弟"がいた事を、肯定してくれる存在、それがどんなに大事な事か、多分ウィルミナ様本人にも解らないだろう。
「あ…あの、お嬢様?」
黙り込んだ俺を、伺う様にけれどビクビクと目を泳がせている、この子には解らない、いや解らなくて当たり前だけど
「…今の、いえ、これからの私を、認める事が難しいなら、私から離れた方が良いかもね。」
だってこれから、もっと君の知ってるマルガレーテは消えて行く。
それが耐えられないなら、認められないならば、離れた方がきっといい。
「…ごめんね。」
そう言って、彼に背を向けた。
外が真っ暗になってから、ウィルミナ様は帰って来た。
本人も家の人達も、殆ど気にしてない、いや、そこは気にしようよ。
本人に至っては、中身が成人男性の記憶がある上、どうも自分の外見に頓着していない様に見える。
そういう人間程、周りが注意してないとダメなのに、いつか事故りそうで怖い
だから
「心配なんだよ?」
と、言葉に出して伝える
未だやさぐれてる俺と違って、この子は二度目の生をちゃんと生きたいと頑張ってる。(まぁ、目的はお婿さん探しみたいだけど。)
でも、だからこそ、そんな平和な願いを持つウィルミナと話をする度、心の中の怒りが凪いでゆく。
だって前世の俺が生きていけたのは、そういう、ささやかな望みを持って生きている人々を、助ける事で
そうする事で、自分も生きる事が出来てたから。
だからだろうか"彼女"と一緒にいると気持ちが弛緩するのだ。
少しだけど、この世界を許せる気分になる
彼女とその両親が、あの結末を迎えないですむ様に、心から願うのだ
だから今生は、この子を守って、ちゃんと護って
それを、土産話に今度こそ弟に会いたい
それが、今の俺の、マルガレーテの新しい望み。
ウィルミナ様には、ありがた迷惑かもしれないけれど。
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