ガチホモ悪役令嬢に転生する

てんてん

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第三部 そして動き始める

出会った彼女

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夢を見ている

周りは、白と灰色の世界

昔TVで見たことのある、オーストラリアの海を埋め立てた為に、塩に侵されて何も無くなった土地の風景に似てる。

地面も何もかもが灰色で、枯れ木すら無い世界

でも実は、初めてその風景を見た時に「綺麗だ。」と俺は思ってしまった。

後にナレーションで、何でそんな事になったのか、理由を知って「ひぇっ」ってなったけど

今、目の前にある景色も、いわゆる「不毛の大地」なんだろう。

何となく、そう思った

そして、その灰色の地平線に当たり前の様にある、だが確実に場違いな、瀟洒なテーブルと椅子。


それに座っている、白い人影

その"誰か"はゆったりと、お茶を飲んでいる、誰なのか近くに寄って見ても、顔が認識出来ない。

よく考えたらホラーなはずなんだけど、不思議と恐怖は感じない。

ついそのまま、ぼーっと側に立っていたら

「このお茶、見た事無い色だけど、後口が甘くて美味しいわ。」

と、白い人影は俺に話かけてきた
緑色で毒みたいなのに、面白いと、笑っている。

「あ、飲んでたの緑茶か、気に入った?」

と言ったら「ええ、とても。」と答えがあった

「あなたが前に作った、パンやお菓子も美味しかったわ。食べ物を美味しいって思ったのは、初めてよ。」

それは何よりだ、気に入って貰えて俺も嬉しい

「でも、一番好きなのはあの歌ね、ほら、言葉は解らないけど、あの歌好きだわ。」

どれだろう?

「ほら、あなたがよく月夜に樹々達に歌っている、あの歌」

「ああ"私を月まで連れてって"ね。」

「そういう意味だったの?子守り歌なのかと思ってたわ。」

「違うよ、恋の歌だよ。」

そう言うと「…そうなの?」と少し嫌そうな声を出された。恋の歌は嫌いなのかな?

「俺の好きな子守り歌は、こんな感じ。」

と、「ゆりかごの歌」を歌って見た

「あら、これはまた違う言葉なのね。」

ちょっとご機嫌は治った様だ「月の歌が好きなら、こういうのはどうかな?

そう言って、今度は「見上げてごらん夜の星を」を歌ってみたが

「あ、ごめんこれ星の歌だった!」

間違えちゃったと、言ったら

「いいえこの歌も、好きだわ。どんな意味なの?」

「お星様が、みんなのささやかな幸せを祈って、見守ってくれてるよ。って歌」

「…あなたの歌う歌は、何処か物悲しいのに、意味は優しいのが多いのね。」

と、少し複雑そうな声で、ぽつりと呟いた


そういえば、昔外国の人に「日本の歌は、どのジャンルも、何処かロマンティックだ。」と、言われた事がある 、メロディラインが甘く聞こえるんだって。

そんな事を考えていたら

「また、何か歌ってちょうだい。」

と、言われてた、リクエストに嬉しく思い

じゃあ次は何にしようかな?とか考えていたら、目が覚めた。


何だったんだろうあの静かな、死の世界

「それでは、お聞き下さい。」
と歌っていた俺もアレだが、あの人影は何だったんだろう、昔読んだ夢診断の本で、夢の中の人影は"シャドウ"と言って自分自身らしいけど

荒れ果てた世界で、お茶を楽しむ
俺の深層心理、どうなってるんです?


少し不安になったが、まぁ、気を取り直して、美味しい朝ご飯で気分転換しよう。

それが良いと、俺は台所に向かった



そんな風に始まった日の昼、俺とマルガレーテ様は、とんでもないモノを目撃してしまった。


昼休み、外で食べようと二人で中庭の奥まった所に出ると、先客にフロルちゃんがいた。

本当に、俺達に対しては警戒レベルを下げてくれたのか、学園内でも姿が見れる様になった…のだが。

"それ"を見た瞬間、二人同時に気配を消し、フロルちゃんに近づく

「…兄ちゃん、ええもん食べとるのぅ。」

そう言って、肩に手をおく

マルガレーテ様も

「何処でそれ手に入れたんか、ちぃとワシ等にも教えてくれんかのう?」

そう言いながら、彼女の首に腕を回す

「うおっ?!文太?!」

と、言いながらフロルちゃんは、俺達にふり向いた。

ほっぺたに"米つぶ"をくっつけて

こっ米ぇぇぇぇ!あったのか!!この世界に!!マジか!!二人で

「お米ぇぇぇぇ!」

とにじり寄る姿はかなり怖かったみたいだが、許して欲しい。だって!!米っっ!!

聞くと、依頼で東の方の国に言った時に、見つけたそうだ。それからは、個人注文で買い付けているらしい。

とりあえず、土下座して俺の弁当とおにぎりを交換してもらい、売ってくれる商人さんを、教えて貰った。

もう、今から空を飛んで買い付けに行きたい。二人にそう言ったら

「密入国ダメ、絶対。」と止められて、フロルちゃんには

「少しで良ければ、分けますし、すぐに追加注文の手紙出しますから、落ち着いて」

と宥められた、スマンの!

でもこれで、料理の幅が広がる

いっそウチの領地で作りたい。
昔、ダチと「もしも異世界転生したら」という話になった時に、自信を持って言った事がある。

「米、味噌、醤油が無い世界で生きていける自信がない!」
だった、いやマジでその時は本気で無理だと思った。
因みに、ダチは「基本パン食だから、アタシは超余裕。」とか抜かしてた、おのれ

そう考えると、俺いままでよくもってたわ

後でフロルちゃんに、大豆も無いか聞いておかねば…!

色々作ったら、今朝の夢の子も喜んでくれると良いな。美味しいもので、和んでくれたら嬉しい。


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