ガチホモ悪役令嬢に転生する

てんてん

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第四部 そして剥がれ落ちる

最後の難問

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マルガレーテ様と、フロルちゃんがこの世界にいた理由、そしてルルの事を聞き終え

気がつくと、土下座してたよね

「色々巻き込んで!申し訳ありません!」

もう土下座も土下座、スライディング土下座だよ。

通りすがりに俺とダチを助けてくれた人
何巻き込んでんの?!ねぇ!おい!

お母様!!アンタもだよ!!

そう思って、お母様を見ると

「良いんだよぉ~、逆にお礼を言いたい位だから~w」

と、見たこと無い様な溶けた顔のマルガレーテ様が、ルルに頬ずりしていた。わあ

「あにち、やめりょ。」

そんなマルガレーテ様の頬を、ちったいお手手で押しのけてるのは、ルルって言うか

マルガレーテ様の、前の世界での双子の弟さん…。まぁ、それはおいといて

「…お母様。」

「なぁに、ウィル。」

そう言えば、お母様は俺の事を"ウィル"
と呼んでいた、単に愛称だと思っていたけど、区別をつけてたのか

"ウィル"ってどっちかと言うと、男の名前だもんな。

まぁ、そんな事よりも

「マルガレーテ様と、フロルちゃんは元の世界に返せないんですか?あちらの世界ではまだ生きているんですよね?」

俺は、元の世界ではもう死んでる、こちらの世界でも、ウィルミナの心が落ち着いた今、お役御免というヤツだろう。

とりあえず、自分の今後は後で考えるとして、問題はマルガレーテ様と、フロルちゃんだ、もしも帰れるなら帰してあげて欲しい

そう言う俺を、お母様は困った様に見つめ

「出来るわ、今ならウィルミナもルルちゃんもいる、でも貴方はそれで良いの?」

「良いよ、当たり前じゃん。」

自分のせいで有望な若者2人の人生を狂わせたなんて、考えてだけで胃が爆発するわ

そんな風に話し合っていると

「いやいやいやいや、ちょっと待って?
俺、元の世界に帰る気無いんだけど?」

と、マルガレーテ様が言い切った。は?

「帰る訳無いじゃん、会えないと思ってたコイツがいるんだよ?帰るなんて絶対に嫌だよ?。」

マルガレーテ様は"何を言ってるの?"
という顔で、断言した。

えええ…と、思っていたら、パチン!と結構いい音がした、顔を上ると

「かえりぇ」

ルルが、マルガレーテ様に平手打ちをしていた、頬には紅葉の様な手形が残っている

「やだ!!」

が、マルガレーテ様も1歩も引く気は無いようだ、気持ちはわかるけど
フロルちゃんは、そんな兄たちの横で考え込んでいるようだ。

こういう時は、事実確認が一番だろう

「お母様、この世界はこれからどうなるんですか?」

この世界は、ウィルミナの夢の世界だ、そして世界樹の中、現実では無いどこまでも不確定だ。

お母様は、ウィルミナと見つめ合うと

「…しばらくは、このまま2人で世界樹の再生をするわ、外界は滅んではいないとはいえ、荒れ果てているから…。」

例え自分達が、世界樹の糧になってでも
正常な状態に戻さねば。

「つまり、2人はこの状態をキープという事だね?で?俺はどうなるの?」

責任とるのは当たり前じゃ、ボケェと顔に描いてぶった斬る。

でも、お母様もウィルミナもそれは解っている様で、苦笑を浮かべてる。

「…貴方はどうしたい?」

その問いに今度はこちらがポカンとしてしまう、そんな俺に2人は続けた

「このまま、この世界で私達といてもいいし、外界に出てこの世界で生きても良い」

ウィルミナが、少し寂しそうに俺を見る

「元の世界に返す事もできるわ。」

「え?!でも、向こうに帰ったら俺死んでるんだけど?!」

死ねと申すか?!

ダチの精神衛生的に生きれるなら帰りたいけど、死ぬのは嫌だよ?!

正直に自分の気持ちを告げると 、ウィルミナは

「大丈夫よ。」

と、きっぱり言い切った。は?

「この世界樹の中は、時系列をある程度は選べるのよ、それ相応の魔力は使うけど」

……え?は??何でもアリなんです??

「確定していない、未来は難しいけど、経過した過去になら送る事が出来るわ。」

ああ、刺される前の時間に帰って、自衛すれば良いってな事か。

「…だったら、帰りたい。」

俺がそう言うと、ウィルミナは一瞬苦い物を飲んだ様な顔をしたが、"そうね"と
笑ってくれた…ごめんね。

その時、マルガレーテ様が聞いてきた

「…10年前に帰る事は、可能か?」

ルルを抱きしめて、鬼気迫る声で聞いてくる、確かに、その運命さえ変えれるなら
マルガレーテ様だって帰りたい筈だ

…だけど

「出来なくはないけれど、無理よ。」

お母様が申し訳無さそうに告げる

「どういう事だ?」

うん"出来るのに無理"って矛盾してるね

「そこまで時間を遡るには、魔力が足りないのよ。」

「ここにいる全員の魔力を使っても、無理なんですか?」

フロルちゃんも聞いてきた

「無理ではないけれど、ウィルを安全な時間軸に返すのが難しくなるかもしれないの。」

一番魔力を使うのは、"何人送るか"では無く"何処まで遡るか"らしい

「あちらと、繋げる事も何回もは出来ないの、今回繋げるのもかなりなリスクだから…。」

1回だけ走らせられる、片道の電車みたいな感じ?

でも確かに、異世界と繋げるって怖いよね、下手すると出てきちゃいけないものが出てきそうだもん。

マルガレーテ様は、もう何も言わない
"彼"の中で、もう答えは出ているんだろう、だけど横で見つめるフロルちゃんと、目を合わせない。

…お兄ちゃん、隣の弟が泣きそうな顔してるよ?そして、抱っこしてる方の弟が
「何、弟泣かせてんだ、ぶっ殺すぞ。」
って顔してるよ?気付いて?

…ルルは、マルガレーテ様の顔を、またぺちぺち叩いている。

「あにち。」

「…解ってるよ、でもさぁ。」


…うん、まぁ失敗したところで、もう1回死ぬだけだ、いや諦めたはしないけど

「お母様、ウィルミナ、俺の魔力は限界まで使って良い、刺される直前でも構わないから、ルルを火事の前の時間に返して。」

そう言うと、マルガレーテ様は

「いや、火事が起きた日に返すのは、コイツだけで良い、俺と弟はウィルミナ様が刺された日にして欲しい。」

そう言うと、ルルに

「良いか!俺を落とす時一緒に落ちろ!
家に残るな!それだけで良いんだ、そうすれば助かる!良いな!!」

迫力に押されてルルは、こくこく頷いている、そして俺を真っ直ぐ見つめると

「…最後の最後で、わがまま言ってごめんね、でも絶対に守るから。」

「うん…解った、俺も頑張るよ。」

そして最後に、ウィルミナと抱き合う
思えばこれも、最初で最後だ。

ウィルミナは、少し震える声で

「…ありがとう、世界にも、貴方にもちゃんと償うわ…さようなら。」

「…頑張って、でもあんまり気負っちゃダメだよ、腹がたったらこまめに発散してね…もっと色々話がしたかったよ。」

幸運を祈ってね、まさか挑む死亡フラグが
自分自身のモノだとは思わなかったけど

それが当たり前の事なんだと思う

そう言うと、ウィルミナも

"貴方らしいわ"と笑ってくれた



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