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四章 新生活は異世界で
同棲生活in異世界2
アトランザにやってきて二週間が経過する。
宿では昨晩ハッスルした俺たち。
エルフになった影響で徹夜しても疲れない肉体を得ていた。
昨晩の続きもできるほど体力も有り余っているが、美玲さんに起き抜けにこんなことを言われてしまう。
「あっくん、そろそろお金稼がないと宿代もなくなるよ? 続きはお金を稼いでからにしよ。ね?」
「え、もうそんな時間たった? 体感3日くらいだけど」
ちなみに宿を借りた時、10日間の借り入れで支払い済み。
だがあまり多くの資金を持たずにきたので、冒険者での稼ぎ以外は美玲さんの歌で日銭を稼いでいた。
俺達は魔石とかの補充を美玲さんに任せて、それを売り捌くことで生計を立てている。
ちなみに大量に捌き過ぎて近隣の町で値崩れを起こしてしまったのは言うに及ばず、今では捨て値で取り扱われている。
完全に需要を供給が上回ってしまったのだ。
「ちなみに残りのお金は銅貨二枚です」
「明日の宿代もない!?」
宿代は一泊銅貨五枚。
なお二人で泊まれば一泊10枚求められる。
「長くダラダラし過ぎたね? あたしももっとのんびりしておきたいところだけど、いい加減体を起こそうよ。ね?」
「お、おう」
エルフになってから特に時間の感覚が曖昧になっている。
長寿による影響なのか、一日の経過が早い早い。
「あら、アークさんにミレーさん。随分とお久しぶりですね?」
開口一番受付のお姉さんから皮肉が飛んでくる。
アークは俺。ミレーは美玲さん。
どっちも偽名だけど、異世界用の名前だ。
木村とか岡戸も違う名前を持っていると聞く。
日本名って異世界じゃ呼びづらいらしいんだよ。
「何も会うたびにそんな言わんでもいいじゃんよ。それで、俺たちでも可能なクエストとかある?」
「そうですねー、北の大陸から大量の移民がこちらに受け入れを求めてるというお話はご存知ですか?」
「知らん。というか、これ商人の俺に有用な情報か?」
「もう一つの職業に対するクエストです」
「そっちか。そっちの仕事は特に引き受けてないんだよなぁ、俺たちは宿代が稼げればいいわけだよ。お分かり?」
「そう言うと思ってました。ですができる人に話を通しておくのもこちらのお仕事ですので」
「またぞろ俺たちに厄介ごとを解決させるつもりだろう? そうは問屋が卸さんからな?」
「また訳の分からない慣用句を。エルフのジョークは我々人類には高尚過ぎます」
ギルドに来る度、こんな対応。
ちなみに俺のスキルの転移はバレてるので、たまにこんな無茶振りがされる。
なんせ採取クエストや討伐クエストに転移を使っているからな。直接俺専用の納品場所に送るので、ギルド側もそれで対応していた。
今日のクエストは増え過ぎたモンスターの駆除である。
当然、例の移民問題も関わっているのだろう。
何によって追われることになったのか?
モンスターの生態系が乱れたこととも関係がありそうなんだよなぁ。
「はい、おしまいっと。あっくん、解体お願い」
「オッケー」
解体も何も転移先に皮、骨、肉、魔核みたいに分けて送り届けるだけである。
シュレッダーのように手で触れるだけで新鮮なモンスターの素材がギルドに送られた。
「こんなところかな?」
「相変わらず魔法みたいな手際で狩っていくねぇ、お二人さん」
「よ! グエイサー。あんたらもこのクエストを?」
「ギルド側からどうしてもってな。何やら裏がありそうだが、あんたら何か知らんか?」
グエイサー。トカゲの鱗を持つ半獣の種族。
ハーフリザードマンで、人の骨格にトカゲの肌を持つ、アトランザ特有の亜人だ。
エルフにも種類があって、エルダーエルフやハイエルフ、ハーフエルフ、ダークエルフなど多岐にわたる。
俺たちはなぜか一般のエルフより魔力が大きいことからエルダーエルフ扱いされてる。
一般のエルフよりも長寿で、時間の概念も違うことからエルダーエルフとはパーティを組みにくいとは専らの噂。
まぁ冒頭からあんなジョークが飛んでくるくらいには怠け者という印象を受けてるよ。
いざ仕事をし始めると高い魔力で敵を一網打尽にするのだが、同時に浪費家でもあるのでエルダーエルフ同士以外での結婚は推奨されてないらしい。
それでもうちの美玲さんは綺麗だからよく声をかけられるんだよな。
そんなに俺が頼りないか?
くそぅ、今すぐにワイルドさが欲しい!
グエイサーのような荒々しさがあれば俺だって!
「なんでも北側から移民が受け入れて欲しいらしいぞ? 今回の件と関係があるかは知らんが。なんの因果もなしにこのクエストを進めてくるとも思えんしなぁ?」
「移民だぁ? 北って帝国領だろ? どうしてウチに流れてくる?」
グエイサーがそのような疑問を浮かべるのも確かだ。
今俺たちが世話になってる大陸は、半年前に持ってきたオーストラリアの一部。
白い塔の被害地区だな。
最初こそクラセリアに飛ばしていたが、市民から暴動が起きて、もっと緩い土地に飛ばしてほしいと要請があったのだ。
クラセリアに比べてアトランザは随分と緩い。うちの会社のホームページの情報を真に受けた政府からの要請で、オーストリアの被害地区はアトランザの大陸の一部となっていた。
規模だけやたら広くて、土地は余ってるから移民受け入れには好条件に思われてるらしい。
実際はオーストラリアの人たちが暮らしてるし、野生化したカンガルーやコアラがレアモンスター化してSランクモンスターとして君臨してるので軍事国家だろうとやっていけるか怪しい魔境と化している。
当然グエイサーもSランク直前のAランクで、Cランクの癖に当たり前のようにこの街で暮らしてクエストを受けてる俺たちの方がおかしいのだ。
しかしギルドから認められてることから、真の実力を隠してるともっぱらの噂だ。
要らん要らん、そんな噂。
俺たちは同棲生活が適度にできればいいんだよ。
世界の命運をかけた戦いはよそでやって欲しいね。
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