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3章 お爺ちゃんと古代の導き
112.お爺ちゃんと空中散歩④
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「原因は分かりますか?」
巨大な水晶の崩壊。その理由を問うも、天使のお嬢さんは首を横に振るうばかり。200年の間巫女として勤めてきたけが、こんな事は初めてらしい。
異変に気づいたのはつい最近で、それ以降どんどん衰退していっているらしい。
気がついたのは1か月前だとか。
それって私が妖精の国を見つけた頃だよね?
もしかしてすぐに乗り込む必要があったのかとその身を打ち震わせた。
「少し試して見たいことがあるのだけどいいですか?」
「何をするつもりだ?」
「地上人なりの手解きです」
「?」
手解きも何も、スクリーンショットの構えをしながら普段OFFにしてるナビゲートフェアリーを起動するだけだ。
うん、やっぱりか。
どうもこの水晶、妖精の力が深く関わっているようだ。
もしかすると原因は空だけじゃないかもしれないと、個人チャットを開いてどざえもんさんに連絡を入れる。
『突然済まないね。少しまずいことになった』
『どうした突然、まずいこと?』
『私とあなたの関わった妖精関連だ。これには先の問題があった。放って置きすぎると後々困るレベルのね。真シークレットクエストそのものが立ち行かなくなるものだ。至急その先に出向いて欲しい』
『何? それは聞き捨てならんな。アキカゼさんは今どこまで進んでる?』
『空鯨の特殊ルートから……これ以上は結構な爆弾情報になるけどそうだね、どざえもんさんには話していいか。空導石という巨大物体の前にいる。これは代々天使と呼ばれる天空人が管理していたが、私が妖精と邂逅した直後から異変が起きて、現在は砕け散りそうな状態と言ったところかな?』
『とんでもない爆弾を受けてどう返していいのか分からないが、何を言いたいのかは理解できた。つまり地下にも同等のものがあると、それを解決するのは俺が行わなくてはならないということだな?』
理解が早くて助かるよ。
『はい、早急に事に当たっていただけますか?』
『無理を言ってくれる。こちらはアキカゼさん程毎日ログインできる訳じゃないんだが、しかしそうだな。解放した者の責任問題か。極力注視しよう』
『助かります』
チャットはそこまでで切り上げる。
考えなくてもログイン問題があったか。私みたいに一日中暇してるわけでもないもんなぁ、第二世代は。
なんせ働き盛りだ。子を持つ親の世代だ。暇なわけがない。
「手解きは済んだのか?」
天使のお嬢さんが私の顔を伺ってくる。プレイヤーなら理解できる行動も、天空人には理解できないモノだったらしい。
面白いね、プレイヤーとNPCはそこでも違いが生まれるか。
「はい。地下の協力者にも応援を頼みました」
「待て。あなたは地下にも精通しているのか?」
「私の知り合いが地下の妖精様と邂逅しました。その彼に、地下でも同じようなことが起きてないか様子を見てもらうことを打診しています」
「そうか、我々天空人には同胞と呼べるべき存在がいる」
「それが地下に住む?」
「ああ、地底人だ。私と同じような巫女を龍使と呼ぶ」
安心した。天使と対の存在で悪魔とか出てきたらどうしようかと思ったよ。しかしなんで龍?
そこで思い浮かんだのが龍脈と呼ばれるエネルギースポット。
だから龍使? 安直ではないか?
だとすれば地下に住む者は龍人だとでもいうのだろうか?
質問してみたら頷かれてしまった。
ただし現在は殆ど人型でこめかみから龍の角が生えて、尻尾を持つ者はごく僅かだそうだ。それこそ巫女クラスになれば生えているものもいるそうだ。是非みてみたい。
いずれ行ってみたいなぁ、地下世界。
事態が解決したらどざえもんさんに頼み込んでみようか。
「それで解決策は何か分かったか?」
「まだ確信出来ませんが、どうも妖精様の力が大きく関わっているらしいです」
ナビゲートフェアリーで分かったことは、空導石周辺からは一切妖精の気配がなかった事。
マナの大木周辺に比べればあまりにも少ない。まるで空域そのものに干渉出来ない特別なものがあるような気配すら感じる。
「妖精様か。そういえば最近お声が遠くなられたような……」
「それを橋渡しする使命を私が任命されたと解釈すれば、概ね辻褄は合います。共に行かれますか?」
「しかし聖獣様を放っていく事など、巫女として到底許される事では……」
「大丈夫です。妖精様は温厚な方達ですよ。数百年もの間、ずっと自分達を探し出してくれる人物を待ち続けているくらいには寂しがりやです。私は彼らに祝福された。そこへ聖獣様毎あなたをお連れしても何ら問題はありません。私の連れには途中で降りてもらう必要はありますが、どうでしょう?」
「ならばお願いしよう。恥ずかしながら我ら天使は聖獣様と御心を通わせるのにばかり躍起になって、そこにあるのが当たり前になりつつあった空導石や妖精様を軽んじていた節がある。我らの招いた結果に地上人を突き合わせる事になって面目ない」
ほほぅ、つまり私がこの問題を解決しないといつまで経っても友好的には接してくれない問題があったのだな?
それもクエストという形ではなく……直接行くことで発生するタイプか。
このタイプは既視感がある。
あれは確か……そうだ、ジキンさんと一緒にフレーバーアイテムを集めまくってから門番さんとお話ししていたときと似ているんだ。
……なんか嫌な予感がするな。
この先に一体何が待っているんだろうね?
まさかファストリアのような大型レイドボスとか待ち構えないで居てくれよ?
巨大な水晶の崩壊。その理由を問うも、天使のお嬢さんは首を横に振るうばかり。200年の間巫女として勤めてきたけが、こんな事は初めてらしい。
異変に気づいたのはつい最近で、それ以降どんどん衰退していっているらしい。
気がついたのは1か月前だとか。
それって私が妖精の国を見つけた頃だよね?
もしかしてすぐに乗り込む必要があったのかとその身を打ち震わせた。
「少し試して見たいことがあるのだけどいいですか?」
「何をするつもりだ?」
「地上人なりの手解きです」
「?」
手解きも何も、スクリーンショットの構えをしながら普段OFFにしてるナビゲートフェアリーを起動するだけだ。
うん、やっぱりか。
どうもこの水晶、妖精の力が深く関わっているようだ。
もしかすると原因は空だけじゃないかもしれないと、個人チャットを開いてどざえもんさんに連絡を入れる。
『突然済まないね。少しまずいことになった』
『どうした突然、まずいこと?』
『私とあなたの関わった妖精関連だ。これには先の問題があった。放って置きすぎると後々困るレベルのね。真シークレットクエストそのものが立ち行かなくなるものだ。至急その先に出向いて欲しい』
『何? それは聞き捨てならんな。アキカゼさんは今どこまで進んでる?』
『空鯨の特殊ルートから……これ以上は結構な爆弾情報になるけどそうだね、どざえもんさんには話していいか。空導石という巨大物体の前にいる。これは代々天使と呼ばれる天空人が管理していたが、私が妖精と邂逅した直後から異変が起きて、現在は砕け散りそうな状態と言ったところかな?』
『とんでもない爆弾を受けてどう返していいのか分からないが、何を言いたいのかは理解できた。つまり地下にも同等のものがあると、それを解決するのは俺が行わなくてはならないということだな?』
理解が早くて助かるよ。
『はい、早急に事に当たっていただけますか?』
『無理を言ってくれる。こちらはアキカゼさん程毎日ログインできる訳じゃないんだが、しかしそうだな。解放した者の責任問題か。極力注視しよう』
『助かります』
チャットはそこまでで切り上げる。
考えなくてもログイン問題があったか。私みたいに一日中暇してるわけでもないもんなぁ、第二世代は。
なんせ働き盛りだ。子を持つ親の世代だ。暇なわけがない。
「手解きは済んだのか?」
天使のお嬢さんが私の顔を伺ってくる。プレイヤーなら理解できる行動も、天空人には理解できないモノだったらしい。
面白いね、プレイヤーとNPCはそこでも違いが生まれるか。
「はい。地下の協力者にも応援を頼みました」
「待て。あなたは地下にも精通しているのか?」
「私の知り合いが地下の妖精様と邂逅しました。その彼に、地下でも同じようなことが起きてないか様子を見てもらうことを打診しています」
「そうか、我々天空人には同胞と呼べるべき存在がいる」
「それが地下に住む?」
「ああ、地底人だ。私と同じような巫女を龍使と呼ぶ」
安心した。天使と対の存在で悪魔とか出てきたらどうしようかと思ったよ。しかしなんで龍?
そこで思い浮かんだのが龍脈と呼ばれるエネルギースポット。
だから龍使? 安直ではないか?
だとすれば地下に住む者は龍人だとでもいうのだろうか?
質問してみたら頷かれてしまった。
ただし現在は殆ど人型でこめかみから龍の角が生えて、尻尾を持つ者はごく僅かだそうだ。それこそ巫女クラスになれば生えているものもいるそうだ。是非みてみたい。
いずれ行ってみたいなぁ、地下世界。
事態が解決したらどざえもんさんに頼み込んでみようか。
「それで解決策は何か分かったか?」
「まだ確信出来ませんが、どうも妖精様の力が大きく関わっているらしいです」
ナビゲートフェアリーで分かったことは、空導石周辺からは一切妖精の気配がなかった事。
マナの大木周辺に比べればあまりにも少ない。まるで空域そのものに干渉出来ない特別なものがあるような気配すら感じる。
「妖精様か。そういえば最近お声が遠くなられたような……」
「それを橋渡しする使命を私が任命されたと解釈すれば、概ね辻褄は合います。共に行かれますか?」
「しかし聖獣様を放っていく事など、巫女として到底許される事では……」
「大丈夫です。妖精様は温厚な方達ですよ。数百年もの間、ずっと自分達を探し出してくれる人物を待ち続けているくらいには寂しがりやです。私は彼らに祝福された。そこへ聖獣様毎あなたをお連れしても何ら問題はありません。私の連れには途中で降りてもらう必要はありますが、どうでしょう?」
「ならばお願いしよう。恥ずかしながら我ら天使は聖獣様と御心を通わせるのにばかり躍起になって、そこにあるのが当たり前になりつつあった空導石や妖精様を軽んじていた節がある。我らの招いた結果に地上人を突き合わせる事になって面目ない」
ほほぅ、つまり私がこの問題を解決しないといつまで経っても友好的には接してくれない問題があったのだな?
それもクエストという形ではなく……直接行くことで発生するタイプか。
このタイプは既視感がある。
あれは確か……そうだ、ジキンさんと一緒にフレーバーアイテムを集めまくってから門番さんとお話ししていたときと似ているんだ。
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