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3章 お爺ちゃんと古代の導き
193.お爺ちゃん達と[八の試練]⑧
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あれからいくつかの部屋を周り、映像資料を閲覧後、大体の情報でムーの民から一方的な被害を受けているレムリアの民。
アトランティスの民としてはレムリアの文明技術の高さを欲してだろう事は穏健派の彼の行動からも察する事ができるだろう。
しかし解せない事はいくつかある。
「この争いの発端ってなんでしょうか?」
「そこですよね。レムリアの文明力は見事なものですが、精神生命体であるアトランティスがそこまでして欲しがるものなんですか?」
そこなんだよね。
アトランティスだってレーザーに電磁バリアとそれなりの科学力を見せている。ムーの方は知らないけど。
「そこを知らねば彼と会話してもなぁなぁではぐらかされてしまいますよね」
「下手すれば敵対行動されかねない。エネミーの親玉の疑いがある穏健派とはあり仲違いしたくない。まだどこかに何かが埋まってそうなモヤモヤがあるんだよなぁ」
「そもそもムーってどんな人たちかも明らかにされてません。レムリアを狙ってるのはわかりますが、目的は?」
「レムリア共通の敵であることは確かですよ。私地下でレムリアの器持ってるだけで殺されましたもん」
「え?」
スズキさんの質問に私が知ってる限りの答えを出すと、スズキさんのみならず、他全員の目が座る。
「ちょっとマスター、持ってるんじゃないですか情報!」
「え? 地下ルートの龍神族がムーの民の可能性があるってみんなに話してませんでしたっけ」
「聞いてないですよ。地下に行って変な称号もらったって聞いたくらいです。龍神族にキルされたとは聞きましたが、レムリア関連だとは言ってませんでした」
あれー? そうだっけ?
おかしいなぁ。
「しかしこの施設を探しても出て来ないわけだ。眠ってるとすれば地下ルートの方が有力ですね」
「しかし装備してると敵意めっちゃ取りますよ」
「じゃあ装備しなきゃいい」
ごもっとも。
そこで私達は一度戻って情報をまとめる事にした。
単純にあそこで押し問答する以外にそれらしい情報が出て来なかったものと、ムー人がなにを求めているかで話は変わってくるのだ。
早速シェリルに連絡を取り、事前に打ち合わせした内容を語る。
『と、言うわけでそっちで情報何か出てる? ムー人がなにを求めてるかわからずに詰まってるんだ』
『みんな大精霊の行方探しで忙しいわ。ムーの民とかどうでもいいし。そもそもアトランティス関係のイベントじゃないの?』
『じゃあ私達がそっちに直接お邪魔して勝手に探索しても?』
『後で情報を共有してくれるなら構わない』
『お安い御用だ。後ついでに私たちのクランでイベントを起こすことになったから、後ろ盾になってくれ』
『内容による』
『古代人の情報を求めてる。私の方でアトランティス人とレムリア人の接触は確認した。ムーだけがわからない』
『わざわざ地下に来る意味がわからない』
『地下の龍神族がムー人の子孫の可能性がある』
『そういう事。なら好きにして。その情報は私の方で売ってもいいの?』
『もちろん。ただこちらで保有してる情報と交換という形になるけど大丈夫かな?』
『お釣りが来る。父さん、自分の名前が売れてる事理解してないもの』
『おいおい、私はただの一プレイヤーだよ?』
『そう言うところ。母さんが心配してる。パープルは何か言ってなかった?』
『あの子は私の味方だからね』
『母さんは心配してる。あまり心配させないで。約束』
『言われなくとも母さんが嫌がることはしないさ。それでは近日中にそっち行くから。じゃあ』
通話を切り、メンバーに向き直る。
「会話だけ聞いてると、相手が可哀想になるのはどうしてですかね」
「ああ、わかります。また適当な言葉で誤魔化されてるんだろうなってひしひし伝わってくるんですよね」
「実際シェリルも似たようなものなので余計な心配ですよ。あの子とここまで風呂敷広げて話せるのってこの人ぐらいだし。あの子もあの子で終始無言だしで」
「アキ、あんた苦労してるのね」
「嫁入りした家じゃこれが日常茶飯事よ。もう慣れたわ」
「慣れって怖いですねー」
「スズキ君はこれから体験しますよ」
「ウチの旦那様は優しいので、僕が引っ張っていく方ですかねー?」
「それ、優しいんじゃない奴」
軽く揚げ足を取りながら雑談を終えると、丁度穏健派の彼と出くわした。びっくりした。徘徊型なんだ。
「■■■■■■?」
「少し情報をまとめようと思いまして。ここは出入り自由じゃありませんよね?」
「■■■■■■■■■■■■■」
「ならば再入場時には同じ手順ですね?」
「■■■■、■■■■■■■■■■?」
穏健派の彼は私のレムリアの器に指の先を向けた。
これは奪う事のできない概念武器。
手に取ることはできないが、譲渡はできないはずだ。
「壊さないでくださいよ」
「■■■■■■■■■■?」
誰か名乗ってもくれないくせによく言いますよね。
喉元まで出かけた言葉を飲み込み、口には出さない。
「■■■■■■■、■■■■■■■■■■■■■」
なにをされたのか全然わからず、ただし手元に返ってきたレムリアの器はその名称が変えられていた。
[レムリアの器がバージョンアップしました]
[レムリアの器βになったことにより、エネミーから敵対行動されなくなりました]
[アトランティス人との親密を獲得しました]
なに、なに、なに?
ちょっと会話しただけでこの情報の渦は。
アトランティス関連で一番の貢献者だった自覚はあった。
けれどどこで好感度を稼いでいたのか全くわからない。
穏健派の彼は白衣をたなびかせて優雅に部屋に帰って行きました。
「ハヤテさん、アトランティス人といつの間に好感度上げたんですかー?」
「さぁ?」
「何やら弄られてたみたいだけど、何されてたんですか?」
「ああ、なんでも再度この空間に来るためのパスを打ち込んでくれたみたいです。ついでにエネミーから狙われなくなりました」
「どうでも良いように言われた内容が聞き捨てならないんですが?」
探偵さんの言いたい事はわかるよ。
こっちだってツッコミが追いつかないんですから。
「穏健派の人って実はいい人だったり?」
「それかすぐに敵対行動取らなかったのが良かったんじゃないですか? 流石に僕達は怪しさから武器取りましたし。その差ですよ」
「なのかなぁ?」
「どちらにせよいい事ですよ。でもフェイクが役立たずになっちゃいましたね」
「その分ミラージュが仕事をしてくれるでしょう」
「少年はどんどん遠くにいくねー。僕も負けてられないな」
どんどん世間に公表できない情報が出てくるなー。
逆に考えればムーの情報を獲得するのに回せる情報が増えたと言うことにしておこうか。
ちなみにその後地下ルートで若干一名のリタイアを出したのは言うまでもない。ただでさえ灼熱地帯だ。
空陸海を制覇したスズキさんと言えど、灼熱地獄だけは無理だったようだ。
アトランティスの民としてはレムリアの文明技術の高さを欲してだろう事は穏健派の彼の行動からも察する事ができるだろう。
しかし解せない事はいくつかある。
「この争いの発端ってなんでしょうか?」
「そこですよね。レムリアの文明力は見事なものですが、精神生命体であるアトランティスがそこまでして欲しがるものなんですか?」
そこなんだよね。
アトランティスだってレーザーに電磁バリアとそれなりの科学力を見せている。ムーの方は知らないけど。
「そこを知らねば彼と会話してもなぁなぁではぐらかされてしまいますよね」
「下手すれば敵対行動されかねない。エネミーの親玉の疑いがある穏健派とはあり仲違いしたくない。まだどこかに何かが埋まってそうなモヤモヤがあるんだよなぁ」
「そもそもムーってどんな人たちかも明らかにされてません。レムリアを狙ってるのはわかりますが、目的は?」
「レムリア共通の敵であることは確かですよ。私地下でレムリアの器持ってるだけで殺されましたもん」
「え?」
スズキさんの質問に私が知ってる限りの答えを出すと、スズキさんのみならず、他全員の目が座る。
「ちょっとマスター、持ってるんじゃないですか情報!」
「え? 地下ルートの龍神族がムーの民の可能性があるってみんなに話してませんでしたっけ」
「聞いてないですよ。地下に行って変な称号もらったって聞いたくらいです。龍神族にキルされたとは聞きましたが、レムリア関連だとは言ってませんでした」
あれー? そうだっけ?
おかしいなぁ。
「しかしこの施設を探しても出て来ないわけだ。眠ってるとすれば地下ルートの方が有力ですね」
「しかし装備してると敵意めっちゃ取りますよ」
「じゃあ装備しなきゃいい」
ごもっとも。
そこで私達は一度戻って情報をまとめる事にした。
単純にあそこで押し問答する以外にそれらしい情報が出て来なかったものと、ムー人がなにを求めているかで話は変わってくるのだ。
早速シェリルに連絡を取り、事前に打ち合わせした内容を語る。
『と、言うわけでそっちで情報何か出てる? ムー人がなにを求めてるかわからずに詰まってるんだ』
『みんな大精霊の行方探しで忙しいわ。ムーの民とかどうでもいいし。そもそもアトランティス関係のイベントじゃないの?』
『じゃあ私達がそっちに直接お邪魔して勝手に探索しても?』
『後で情報を共有してくれるなら構わない』
『お安い御用だ。後ついでに私たちのクランでイベントを起こすことになったから、後ろ盾になってくれ』
『内容による』
『古代人の情報を求めてる。私の方でアトランティス人とレムリア人の接触は確認した。ムーだけがわからない』
『わざわざ地下に来る意味がわからない』
『地下の龍神族がムー人の子孫の可能性がある』
『そういう事。なら好きにして。その情報は私の方で売ってもいいの?』
『もちろん。ただこちらで保有してる情報と交換という形になるけど大丈夫かな?』
『お釣りが来る。父さん、自分の名前が売れてる事理解してないもの』
『おいおい、私はただの一プレイヤーだよ?』
『そう言うところ。母さんが心配してる。パープルは何か言ってなかった?』
『あの子は私の味方だからね』
『母さんは心配してる。あまり心配させないで。約束』
『言われなくとも母さんが嫌がることはしないさ。それでは近日中にそっち行くから。じゃあ』
通話を切り、メンバーに向き直る。
「会話だけ聞いてると、相手が可哀想になるのはどうしてですかね」
「ああ、わかります。また適当な言葉で誤魔化されてるんだろうなってひしひし伝わってくるんですよね」
「実際シェリルも似たようなものなので余計な心配ですよ。あの子とここまで風呂敷広げて話せるのってこの人ぐらいだし。あの子もあの子で終始無言だしで」
「アキ、あんた苦労してるのね」
「嫁入りした家じゃこれが日常茶飯事よ。もう慣れたわ」
「慣れって怖いですねー」
「スズキ君はこれから体験しますよ」
「ウチの旦那様は優しいので、僕が引っ張っていく方ですかねー?」
「それ、優しいんじゃない奴」
軽く揚げ足を取りながら雑談を終えると、丁度穏健派の彼と出くわした。びっくりした。徘徊型なんだ。
「■■■■■■?」
「少し情報をまとめようと思いまして。ここは出入り自由じゃありませんよね?」
「■■■■■■■■■■■■■」
「ならば再入場時には同じ手順ですね?」
「■■■■、■■■■■■■■■■?」
穏健派の彼は私のレムリアの器に指の先を向けた。
これは奪う事のできない概念武器。
手に取ることはできないが、譲渡はできないはずだ。
「壊さないでくださいよ」
「■■■■■■■■■■?」
誰か名乗ってもくれないくせによく言いますよね。
喉元まで出かけた言葉を飲み込み、口には出さない。
「■■■■■■■、■■■■■■■■■■■■■」
なにをされたのか全然わからず、ただし手元に返ってきたレムリアの器はその名称が変えられていた。
[レムリアの器がバージョンアップしました]
[レムリアの器βになったことにより、エネミーから敵対行動されなくなりました]
[アトランティス人との親密を獲得しました]
なに、なに、なに?
ちょっと会話しただけでこの情報の渦は。
アトランティス関連で一番の貢献者だった自覚はあった。
けれどどこで好感度を稼いでいたのか全くわからない。
穏健派の彼は白衣をたなびかせて優雅に部屋に帰って行きました。
「ハヤテさん、アトランティス人といつの間に好感度上げたんですかー?」
「さぁ?」
「何やら弄られてたみたいだけど、何されてたんですか?」
「ああ、なんでも再度この空間に来るためのパスを打ち込んでくれたみたいです。ついでにエネミーから狙われなくなりました」
「どうでも良いように言われた内容が聞き捨てならないんですが?」
探偵さんの言いたい事はわかるよ。
こっちだってツッコミが追いつかないんですから。
「穏健派の人って実はいい人だったり?」
「それかすぐに敵対行動取らなかったのが良かったんじゃないですか? 流石に僕達は怪しさから武器取りましたし。その差ですよ」
「なのかなぁ?」
「どちらにせよいい事ですよ。でもフェイクが役立たずになっちゃいましたね」
「その分ミラージュが仕事をしてくれるでしょう」
「少年はどんどん遠くにいくねー。僕も負けてられないな」
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