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4章 お爺ちゃんと生配信
265.お爺ちゃんと寄せ集め連合③
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階段を降りていく時、パスカル君が周囲を見回しながら「少し待って欲しい」と声をかけてきた。
「どうした、パスカル」
「ジャスミンさん、ナビゲートフェアリーに反応は?」
「ないぞ? 何か感じ取ったか?」
「ああ、俺の耳には何か耳鳴りのような音が聞こえ続けてる。用心してくれ。特に村正」
「なんで某!???」
「お前耳は利くだろう? だからだ」
「なるほど!!!!」
モーバ君に抱えられながらの応答。
本人も慣れてるのか周囲も誰も突っ込まない。
小さくて持ちやすいからってそれは無いだろうに。
コメント欄では平常運転の様なコメントが書き込まれていた。
「耳鳴り?」
そうパスカル君に尋ねた時、空が少し赤く滲んだ気がした。
まるで青色の水に赤いインクを垂らしたような薄い変化。
それが遺跡に近づくたびにどんどん濃くなっていく。
「種族的な感知方法だな。ハーフビーストは戦闘特化と思われがちだがそうでも無い。俺はリアルで考古学を専攻していてな。フレンドに誘われた手前、ハーフビーストにしてみたはいいが、案外悪く無い」
考古学? あれ?
パスカル君はロウガ君とは別人?
偏屈そうな顔してるからてっきり……それはともかくとして。
「耳鳴りって詳しくはどんな感じの?」
「耳がキーンてなる様な奴だ。人間では聞き取れない微妙な音も拾えるのがハーフビーストの特徴と言えばいいか。今はまだ何も起きてないからいいが、気にはかけておいてくれ」
「分かりました」
「これ、以前発掘したフレーバーにあった月蝕じゃないですか? 周囲の景色が変わり、澱みに入り込むと」
陸ルート氏がボソリと言った。
月蝕? 確か月と太陽の位置が重なってできる現象だっけ?
しかもフレーバーにある時点で重要情報であり、同時に何か薄い膜のようなものを通り過ぎた気がした。
「フレーバー関連ですか? それは確かに怪しいですね」
「まずは降りてみないことにはわからないな」
「そうですね、遺跡まですぐそこだ」
意見をまとめて早足で遺跡の前に入り込んだ瞬間、分厚い膜を通り抜ける様な感触があった。
まるで空気の壁を抜けた様な感覚に嫌でも神経を研ぎ澄ませる。
「これ、居ますね?」
「ああ」
私の発言にジャスミンさん達が武器を構えた。
同時にぐにゃりと視界が歪み、外側からガラスが砕け散る様にして何かがこちら側に無理やり入ってきた。
まず最初に出てきたのは顔。続いて上半身を迫り出してくる。
「全員、戦闘態勢! 村正は遊撃、陸ルートとモーバは補助に回れ!」
「承知!」
「わかりました」
「お前はもっと大きな声出せ!!! 武器も構えとけよぉ!?」
独特な返事が飛び交い、しかしそれぞれが動きのあった連携を見せる。先陣を切ったのは村正君。
しかし最初に届いたのは刀ではなく蹴りだった。
「アキカゼさんはオメガキャノンと一緒に後方支援を頼む」
「了解です」
「可能であればモンスターの解読なんかも頼む。イベント戦闘ならいいが、消耗は極力避けたい」
「そちらもやってみましょう」
ジャスミンさんは的確な指示出しをしながら戦闘に参加する。
オメガキャノン氏も、何やら大砲に詰めていた。
それを構えると相手の顔面目掛けてトリガーに手を掛ける。
「取り敢えずのけぞらせますんで、射線開けてください」
「全員、散開後衝撃態勢!」
「ファイア!」
ジャスミンさん達が射線から飛び去るのと大砲から何かが飛び出したのは同時だった。
それは前のめりに出ていたモンスターの額に当たると、極彩色に輝いて爆発した。
しかしあまりダメージを与えた感じはしない。
そもそも耐久ゲージすら出ていないのだ。
持久戦か? それとも別の何かが要因か。
私は胸のネックレスを握り込み、テイムモンスターを召喚する。
「ボール、おいで!」
ボール強化型マジックを召喚し、移送+風操作★で空中に散布していく。
ショートワープでその上に乗ってライドモードに切り替えた。
「魔法の連射行きます!」
これも立派な後方支援だ。
高々度の高さから魔法の絨毯爆撃。ライド効果でその威力を引き上げた。
しかし魔法そのものが通用しないのか、鬱陶しそうに手で魔法を払い除けている。
「追撃、御免!」
魔法の連射を避けながら飛び回っていた村正君が居合の構えからのゼロ距離カマイタチ。
しかしこれも特にダメージを与える様子を見せない。
「むぅ、此奴物理無効か!?」
「どうやらその様ですね。魔法も効いた試しがない。ならばこれで」
私は懐からレムリアの器を出してガンモードで連射する。
[ギシャァアアアアアアア!?]
通用したか。
ビームに怯んだのか、入ってきた何かは向こう側に引っ込んでいって戦闘は終了した。
討伐はせずとも此度の襲撃は抑えられた様だ。
「ビーム兵器とか、普通は個人で持つモノじゃ無いですよ?」
呆れた様にジャスミンさんが言う。
「あいにくと私は普通では無いのでね。ただし九の試練で非人道的な行動に出ればビーム武器は量産可能だよ?」
確かアトランティス人から直接採掘できるアトランティス鋼から99%でビームソードが作れたはずだ。
アトランティス人には回復手段だが、古代獣には特攻武器だ。
量産しない手はない。
ただ残念なことに陣営入りした後はあまり使う機会がなくなるんだけども。
「ボス、今回の戦闘どう思う?」
「イベント戦闘の類なのは間違いないだろう」
「心当たりはないが、何かのフラグを立てたのだろうか?」
パスカル氏がメモ帳を開きながらびっしり文字が書き込まれたページを捲り、今回の戦闘を具に書き込んでいる。
「それか核心に迫ったから邪魔してきたかのどちらかだろう。しかしあのモンスター……リンドブルムか?」
「ノッカーの遺した文献にいくつかあったフレーバーが反応してます。月蝕然り、眷属然り」
「配下か。本体にしては小さいと思った。今回はアキカゼさんが居たからどうにか撃退できたが、やはり陣営には与していた方が色々とお得だな」
「でも俺たちはそれに頼らず進むと決めた。違うか?」
「その通りだよ、パスカル。アキカゼさん、戦闘まで参加していただきありがとうございます。引き続き、アレが出てきたときの対処をお願いしても?」
「うん。でも探索でビーム兵器が手に入るなら極力そっちを使おうか」
「それは勿論。特効武器はビーム兵器なのはお宅の娘さんの討伐配信で分かっていますから」
「では何故発掘を続けるんです?」
特効武器は判明している。
それでもジャスミンさんが諦めずに探索を続ける理由は視聴者達にも理解できずにいたようだ。
「もし陣営入りせずにビーム兵器が手に出来るなら、それに勝る発見は無いからです。陣営入りは可能性を広げると同時に成長できる視野を狭めると思ってます」
「それは確かに。職業柄、どうにもそっち方面に寄ってしまうからね」
「ならばそれを自作、又は原理の一つでも解明してやろうと言う気持ちは湧きませんか?」
ジャスミンさんは私が忘れかけていた情熱を呼び覚ます言葉をかけてくる。その言葉に私はそうだったなと肯定した。
「そうだね、そうだ。私は陣営に人を集める手段を設けていたが、陣営に与しなくてもそれを手に取る手段があるべきだと考える方がまだ建設的だ。流石だね、目から鱗が落ちる思いだ。これからも君たちの探索を見守らせて欲しい」
「アキカゼさんにそう言っていただけて光栄です。パスカル、引き続き意見出しよろしくな」
「了解」
「村正は待機。モーバは村正を担いでやれ」
「御意」
「ボスー、俺もスタミナタイプなんですけどー?」
「そっちの問題は極力休憩を挟んで対処するから。村正に突撃されたらいつのまにかスタミナ空っぽで倒れてるだろ? 流石に捨て置くわけにも行かないし、仲間を置き去りにするほど私達は非道ではない」
ええっ。スタミナ管理ひとつできないの、その子?
モーバ君も仕方ないなと荷物の様に担いで持っているし、コメント欄では娘さんの扱いの悪さに憤慨するリーガル氏が見てとれた。まぁ、うん。気持ちはわかるよ?
「陸ルートは哨戒、オメガキャノンはライフポーションの配布を頼む。それと入る前に少し休憩を入れよう」
「はい」
「了解、と言いたいけどさっきのオメガバスターで粗方消費しちまった。一から作るから少し待って」
「いくらでも待つさ。休憩中に量産しておいてくれ必要な素材があれば言ってくれ。それくらい分けるのは当たり前だ」
「じゃあ、隕鉄とハースウッドと魔力糸をそれぞれ20づつ」
「待て、それポーションの素材じゃないよな?」
ジャスミンさんはやんわりとオメガキャノン氏の要求に断りを入れていた。当人はバレたか、と言わんばかりに舌を出す。
どうも普段からこの様なやりとりが行われているらしい。
このパーティの中では一番先を知ってるジャスミンさんに、まだセカンドルナに着いたばかりのオメガキャノン氏。
彼からしたら上級素材を持つジャスミンさんからの物資補給はとてもありがたいものなのだろう。
しかしそれらの用途が先程の大砲の中身と知れば、何作ってんだかと言いたくもなる。
軽い食事を経て、和気藹々と道中に旅路の意見出しが始まった。みんな個性の強い主張が多いが、それ故にその感想はパスカル氏が噛み砕いてジャスミンさんに届けることによってこの集まりは一つのチームとして機能していた。
今回のギミックは核心に至ろうとすると発生する強制イベント。対処法はまだビーム関連しか割れてないが、それ以外の情報も今後出てくるだろうと会話を打ち切って探索を開始した。
「どうした、パスカル」
「ジャスミンさん、ナビゲートフェアリーに反応は?」
「ないぞ? 何か感じ取ったか?」
「ああ、俺の耳には何か耳鳴りのような音が聞こえ続けてる。用心してくれ。特に村正」
「なんで某!???」
「お前耳は利くだろう? だからだ」
「なるほど!!!!」
モーバ君に抱えられながらの応答。
本人も慣れてるのか周囲も誰も突っ込まない。
小さくて持ちやすいからってそれは無いだろうに。
コメント欄では平常運転の様なコメントが書き込まれていた。
「耳鳴り?」
そうパスカル君に尋ねた時、空が少し赤く滲んだ気がした。
まるで青色の水に赤いインクを垂らしたような薄い変化。
それが遺跡に近づくたびにどんどん濃くなっていく。
「種族的な感知方法だな。ハーフビーストは戦闘特化と思われがちだがそうでも無い。俺はリアルで考古学を専攻していてな。フレンドに誘われた手前、ハーフビーストにしてみたはいいが、案外悪く無い」
考古学? あれ?
パスカル君はロウガ君とは別人?
偏屈そうな顔してるからてっきり……それはともかくとして。
「耳鳴りって詳しくはどんな感じの?」
「耳がキーンてなる様な奴だ。人間では聞き取れない微妙な音も拾えるのがハーフビーストの特徴と言えばいいか。今はまだ何も起きてないからいいが、気にはかけておいてくれ」
「分かりました」
「これ、以前発掘したフレーバーにあった月蝕じゃないですか? 周囲の景色が変わり、澱みに入り込むと」
陸ルート氏がボソリと言った。
月蝕? 確か月と太陽の位置が重なってできる現象だっけ?
しかもフレーバーにある時点で重要情報であり、同時に何か薄い膜のようなものを通り過ぎた気がした。
「フレーバー関連ですか? それは確かに怪しいですね」
「まずは降りてみないことにはわからないな」
「そうですね、遺跡まですぐそこだ」
意見をまとめて早足で遺跡の前に入り込んだ瞬間、分厚い膜を通り抜ける様な感触があった。
まるで空気の壁を抜けた様な感覚に嫌でも神経を研ぎ澄ませる。
「これ、居ますね?」
「ああ」
私の発言にジャスミンさん達が武器を構えた。
同時にぐにゃりと視界が歪み、外側からガラスが砕け散る様にして何かがこちら側に無理やり入ってきた。
まず最初に出てきたのは顔。続いて上半身を迫り出してくる。
「全員、戦闘態勢! 村正は遊撃、陸ルートとモーバは補助に回れ!」
「承知!」
「わかりました」
「お前はもっと大きな声出せ!!! 武器も構えとけよぉ!?」
独特な返事が飛び交い、しかしそれぞれが動きのあった連携を見せる。先陣を切ったのは村正君。
しかし最初に届いたのは刀ではなく蹴りだった。
「アキカゼさんはオメガキャノンと一緒に後方支援を頼む」
「了解です」
「可能であればモンスターの解読なんかも頼む。イベント戦闘ならいいが、消耗は極力避けたい」
「そちらもやってみましょう」
ジャスミンさんは的確な指示出しをしながら戦闘に参加する。
オメガキャノン氏も、何やら大砲に詰めていた。
それを構えると相手の顔面目掛けてトリガーに手を掛ける。
「取り敢えずのけぞらせますんで、射線開けてください」
「全員、散開後衝撃態勢!」
「ファイア!」
ジャスミンさん達が射線から飛び去るのと大砲から何かが飛び出したのは同時だった。
それは前のめりに出ていたモンスターの額に当たると、極彩色に輝いて爆発した。
しかしあまりダメージを与えた感じはしない。
そもそも耐久ゲージすら出ていないのだ。
持久戦か? それとも別の何かが要因か。
私は胸のネックレスを握り込み、テイムモンスターを召喚する。
「ボール、おいで!」
ボール強化型マジックを召喚し、移送+風操作★で空中に散布していく。
ショートワープでその上に乗ってライドモードに切り替えた。
「魔法の連射行きます!」
これも立派な後方支援だ。
高々度の高さから魔法の絨毯爆撃。ライド効果でその威力を引き上げた。
しかし魔法そのものが通用しないのか、鬱陶しそうに手で魔法を払い除けている。
「追撃、御免!」
魔法の連射を避けながら飛び回っていた村正君が居合の構えからのゼロ距離カマイタチ。
しかしこれも特にダメージを与える様子を見せない。
「むぅ、此奴物理無効か!?」
「どうやらその様ですね。魔法も効いた試しがない。ならばこれで」
私は懐からレムリアの器を出してガンモードで連射する。
[ギシャァアアアアアアア!?]
通用したか。
ビームに怯んだのか、入ってきた何かは向こう側に引っ込んでいって戦闘は終了した。
討伐はせずとも此度の襲撃は抑えられた様だ。
「ビーム兵器とか、普通は個人で持つモノじゃ無いですよ?」
呆れた様にジャスミンさんが言う。
「あいにくと私は普通では無いのでね。ただし九の試練で非人道的な行動に出ればビーム武器は量産可能だよ?」
確かアトランティス人から直接採掘できるアトランティス鋼から99%でビームソードが作れたはずだ。
アトランティス人には回復手段だが、古代獣には特攻武器だ。
量産しない手はない。
ただ残念なことに陣営入りした後はあまり使う機会がなくなるんだけども。
「ボス、今回の戦闘どう思う?」
「イベント戦闘の類なのは間違いないだろう」
「心当たりはないが、何かのフラグを立てたのだろうか?」
パスカル氏がメモ帳を開きながらびっしり文字が書き込まれたページを捲り、今回の戦闘を具に書き込んでいる。
「それか核心に迫ったから邪魔してきたかのどちらかだろう。しかしあのモンスター……リンドブルムか?」
「ノッカーの遺した文献にいくつかあったフレーバーが反応してます。月蝕然り、眷属然り」
「配下か。本体にしては小さいと思った。今回はアキカゼさんが居たからどうにか撃退できたが、やはり陣営には与していた方が色々とお得だな」
「でも俺たちはそれに頼らず進むと決めた。違うか?」
「その通りだよ、パスカル。アキカゼさん、戦闘まで参加していただきありがとうございます。引き続き、アレが出てきたときの対処をお願いしても?」
「うん。でも探索でビーム兵器が手に入るなら極力そっちを使おうか」
「それは勿論。特効武器はビーム兵器なのはお宅の娘さんの討伐配信で分かっていますから」
「では何故発掘を続けるんです?」
特効武器は判明している。
それでもジャスミンさんが諦めずに探索を続ける理由は視聴者達にも理解できずにいたようだ。
「もし陣営入りせずにビーム兵器が手に出来るなら、それに勝る発見は無いからです。陣営入りは可能性を広げると同時に成長できる視野を狭めると思ってます」
「それは確かに。職業柄、どうにもそっち方面に寄ってしまうからね」
「ならばそれを自作、又は原理の一つでも解明してやろうと言う気持ちは湧きませんか?」
ジャスミンさんは私が忘れかけていた情熱を呼び覚ます言葉をかけてくる。その言葉に私はそうだったなと肯定した。
「そうだね、そうだ。私は陣営に人を集める手段を設けていたが、陣営に与しなくてもそれを手に取る手段があるべきだと考える方がまだ建設的だ。流石だね、目から鱗が落ちる思いだ。これからも君たちの探索を見守らせて欲しい」
「アキカゼさんにそう言っていただけて光栄です。パスカル、引き続き意見出しよろしくな」
「了解」
「村正は待機。モーバは村正を担いでやれ」
「御意」
「ボスー、俺もスタミナタイプなんですけどー?」
「そっちの問題は極力休憩を挟んで対処するから。村正に突撃されたらいつのまにかスタミナ空っぽで倒れてるだろ? 流石に捨て置くわけにも行かないし、仲間を置き去りにするほど私達は非道ではない」
ええっ。スタミナ管理ひとつできないの、その子?
モーバ君も仕方ないなと荷物の様に担いで持っているし、コメント欄では娘さんの扱いの悪さに憤慨するリーガル氏が見てとれた。まぁ、うん。気持ちはわかるよ?
「陸ルートは哨戒、オメガキャノンはライフポーションの配布を頼む。それと入る前に少し休憩を入れよう」
「はい」
「了解、と言いたいけどさっきのオメガバスターで粗方消費しちまった。一から作るから少し待って」
「いくらでも待つさ。休憩中に量産しておいてくれ必要な素材があれば言ってくれ。それくらい分けるのは当たり前だ」
「じゃあ、隕鉄とハースウッドと魔力糸をそれぞれ20づつ」
「待て、それポーションの素材じゃないよな?」
ジャスミンさんはやんわりとオメガキャノン氏の要求に断りを入れていた。当人はバレたか、と言わんばかりに舌を出す。
どうも普段からこの様なやりとりが行われているらしい。
このパーティの中では一番先を知ってるジャスミンさんに、まだセカンドルナに着いたばかりのオメガキャノン氏。
彼からしたら上級素材を持つジャスミンさんからの物資補給はとてもありがたいものなのだろう。
しかしそれらの用途が先程の大砲の中身と知れば、何作ってんだかと言いたくもなる。
軽い食事を経て、和気藹々と道中に旅路の意見出しが始まった。みんな個性の強い主張が多いが、それ故にその感想はパスカル氏が噛み砕いてジャスミンさんに届けることによってこの集まりは一つのチームとして機能していた。
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