326 / 497
4章 お爺ちゃんと生配信
287.お爺ちゃんと新星アイドル爆誕②
≪はい、そろそろ準備できたかな。着替えおわった子から前に出て自己紹介してねー≫
【乙姫ちゃん画面に入る?】
【明らかに嫌がってるのが数名いますが】
【魚の人ー頑張ってー!】
【魚の人無理すんなー】
【マーマンの人、ボーイッシュな格好ですね】
【アイドルは一応男もいるからな】
【さっきまで鎧の上から着ようとして格闘してたよね】
【鎧の上は無理www】
≪乙姫です。今日はよろしくお願いしますね≫
【かわいい】
【かわいい】
【ちょっと遠いの気にしなければ十分推せる】
【遠近法使ってくるアイドルは初めてだな】
≪ミレディよ。別によろしくしてくれなくてもいいわ≫
【ツンツン頂きました】
【まだトゲトゲしいけど磨けば光そう】
≪ジークだ。こんなペラペラした装備では海獣の一撃を受け止めきれんではないか≫
【アキカゼさん、そんなしょぼい衣装渡したの?】
≪朱の明星で適当に見繕って貰ったんだ。一着100万くらいだから妥当?≫
【見た目衣装でその金額はwww】
【これはエンチャント相当頑張った値段でしょ】
【ジークさん、多分それさっきの鎧とどっこいの能力あるで】
≪む、そうなのか? しかし着なれなくてな。だが見た目通りのものではないと? ふぅむ≫
乙姫様はノリノリで、ミレディさんは少し遠慮がちに距離を置き、最後にジーク氏は男装して出てきた。
そもそもマーマンに女性的な膨らみはないので仕方がないのだが、意外と似合っている。
最後にスズキさんことリリーが舞台袖で出るに出られず念話を送ってくる。
『着替えました、けど』
『何かトラブル?』
『名乗りを考えていました』
『スズキさんでいいでしょ。それともその姿の時はリリーでなきゃいけない理由でもあるの?』
『いえ、特には』
『なら違う種族に進化したという文句を添えてデビューしなさい。今日から君たちはアイドルだ。忌々しい過去を払拭するために頑張るんだ。別に馬鹿正直に本名を名乗る必要はないんだよ』
『……そうですね』
『それにリリーは魔導書としての君でしょ?』
『はい』
『ならアイドル活動事は別名義で良いじゃない。スズキは君にとっても特別な存在になりつつある。そして視聴者的にも受け入れられている。そうだよね?』
『……そういう事ですか。あくまでもスズキのまま、この姿を晒せというのですね』
『その方がうっかりボロを出しても『魚の人』だからで許してもらえるよ。そして視聴者にそう思わせる努力は君が積み重ねてきたものだ。私はね、魔導書の君よりちょっぴりお茶目で頑張り屋さんなスズキさんが好きだし、助けてあげたいと思っているんだ。ルルイエの復興そのものはおまけで、まずは君が楽しむの先だよ?』
『……その問いかけはずるいです、マスター。わたくしにルルイエとしての役目を放棄しろとおっしゃるのですか?』
『その姿をルルイエとしての君と、アイドルのスズキで使い分けなさいと言ってるんだ。魔導書の君は私だけが知っていればいい事だ。セラエ君みたいに大勢の前に姿を出す必要はないんだよ? だって一度あの姿で出たら、ずっとあの調子で行かなきゃいけないんだ。スズキさんを見てればわかるけど、素の君は案外ポンコツだろう? 違うとは言わせないよ』
『訂正してください』
『拒否する。さて、挨拶は君で最後だ。いい加減わがままはこのくらいにしてカメラの前に飛び込んでいきなさい。あ、あくまでスズキさんとして行くんだよ?』
『わかりましたよ、もう!』
舞台袖から怒り肩でズンズンと歩いて行くリリーことスズキさん。最初こそは怒り心頭だったけど、カメラの前に出たらすっかり気持ちを入れ替えている。
培った経験は彼女の中に息づいているようだ。
≪どもども、おまたせ。服着るのに手間取っちゃって、悪いね≫
【誰?】
【こんな美少女いた?】
【追加メンバーかな?】
≪僕だよ、僕。魚の人ことスズキだよ≫
【ウッソだろおい!】
【アレからこれに進化するのにどれだけの過程すっ飛ばしたんだよ!!】
≪脱皮?≫
【ぜってー嘘だ!】
【魚の人、いつから甲殻類になったんだよ!】
【ザリガニかな?】
≪はい。実はスズキさんと密かにお披露目の機会を伺ってた進化先というのはこれだったんですね≫
≪ドッキリ大成功!≫
【グアー、騙された!】
【今までの魚モードと違いすぎんだろ】
【でもこのノリは間違いなく魚の人】
【この状態で助手になれば良かったのに】
≪孫に勘違いされちゃうから今日このときまで進化しないでもらってたんだよ≫
【銀姫ちゃんも年頃だもんなー】
【いまだにチェックされてるの笑う】
【多分違う理由でだぞ?】
【私のお爺ちゃんを取らないでー、的な?】
【それ】
≪という訳で、もうベタベタしてもいいですよね?≫
≪ダメに決まってるでしょ≫
≪あふん≫
ヒシッと抱きついてくるスズキさんをやんわりと引き剥がして、最初の課題を与える。
≪はい、じゃあ最初の課題はこちら! 今一番ハマってること。趣味とかだね。今日は皆さんにプロフィールを制作していただきます。AWOのアイドルにとって、プロフィール作成はなくてはならないものです。ここで手を抜くとどんな趣味を持つ子達なのか相手に伝わらないままになってしまうので丁寧に記入していきましょう≫
水に強いプリント用紙を配り、これまた水に強いペンで書き込んでもらってからみんなに公表してもらう。
普通アイドル活動を始める際はそこら辺の要項をサクッと終わらせてからいきなり動画制作に移ってしまいがちだが、すでに私の権利で配信してるのでそこを丁寧に行って貰った。
大体書き終わったのを見て手を叩いて注目を集めた。
水の中で音はならないと思ってはいけない。
氷作製で無理矢理鳴らすことだってできるのだよ、私は。
そんなこんなで乙姫様から発表してもらった。
≪私は、番になる相手を探してますね。それ以外でしたら手芸などですね≫
【ハイドラの相方ってダゴン?】
【不味いですよ!】
【ルルイエ浮きあがっちゃう!】
【でもこの子達が売れたらそれこそ物理的に浮き上がるんやで】
【グオー、推したい気持ちと遠ざけたい気持ちが衝突するー】
【意外とかわいい趣味を持ってるんだね】
【今までに作ったものとかありますか?】
≪ワカメで作ったマフラーとかですね≫
【素材がまた……】
【乙姫ちゃんから見たらちょうどいい細さなんやろ】
【察し】
【磯臭そう】
【誰か送る相手が居るんですか?】
≪毎日番になってくれる相手のことを思って編んでます。きゃっ、言っちゃった≫
内容はともかく、乙姫様の心情が意外と乙女チックで反応は良さげだ。
続いてミレディさんがインタビューに答えてくれた。
≪私は珊瑚の化石を使って装飾品を作ってるわ。竜宮城ではゆっくり時が流れてるから、落ち着いて作品に打ち込めるのよ≫
【へぇ、どんなの?】
≪どうせ馬鹿にするんでしょ? 見せないわよ≫
【馬鹿になんてしないって】
【そうそう、純粋に興味があるんだよ】
≪そ、そう? 疑ってごめんなさい。これよ≫
人間不振に陥ってた彼女は相手の姿が見えないからこそ卑屈に受け取ってたが、逆にコメントだけだったのが良かったのか、相手から抱く印象が緩和されて素直に商品を出していた。
それを見てざわめくコメント欄。
先程の乙姫様がアレ過ぎたのもあり、高評価を受けていた。
【きれーい】
【え、こんなに綺麗に作れるんだ?】
【マーケットに出てたら買うよ】
≪マーケットは使ってないわ。あくまで趣味だもの≫
【えー、もったいないよ。売りに出そうよ】
【30万までだったら出すよ】
≪え、でも。これそんなの性能良くないわよ?≫
【見た目よけりゃそれくらい出す人いるんだよなぁ】
【このゲームは装備がほとんど見た目重視なとこあるし】
≪そうなのね。じゃあ時間に余裕ができたら出してみるわ≫
【待ってるよ】
≪転売されてたら泣くかも≫
【そんな奴いねーって】
【転売する奴は性能重視だから、見た目重視は逆に手をつけづらいんだよ】
そこは微笑ましい空間が広がっていた。
コメントだけのやり取りだから、コミュ障の彼女も相手がしやすかったのもあるだろう。
そして問題児のジーク氏の方は、今までの討伐対象を淡々と語っていた。
基本的に海の中での生活はプレイヤーの生活圏外だ。
体験談を聞いてるだけでも自分でも仕留めた気になって、やがてアニキと慕われるようになっていた。
彼女は一応女性だけど、マーマンを選択した辺り男になりたいのかもしれない。
兄貴と呼ばれて満更でもない感じである。
最後にスズキさんはと言うと、
【趣味が犬の散歩って、おいwww】
【海に犬なんていたっけ?】
≪やだなぁ、居るじゃないですかサブマスターが≫
【ね゛ぇ゛え゛え゛、僕君に散歩された記憶ないんだけど?】
≪てへぺろー≫
【草】
【当然のようにサブマスさん居る】
【真面目に書け】
【魚の人は姿が変わっても魚の人だった】
【可愛くなって余計に憎たらしくなったな!】
【殴りたい、この笑顔】
≪ほらほらサブマスターをいじめないの≫
≪じゃあマスターなら虐めていいんですか?≫
≪ダメです≫
≪けちー≫
ぶーぶー文句を言いながら、好き放題やってる彼女は、
『こういうのもたまにはいいですね、マスター』
と念話で素直な気持ちを吐露してきた。
そうだよ、無理に着飾ることもないんだ。
ありのままの自分を見せてれば、自ずと自分の周りに人は集まってきるから。
それを一つづつ丁寧に揃えていこう。
失敗したっていい。
それが原因で心に大きな傷を負ってたって構わない。
そんな些細な積み重ねで過去を笑い飛ばせるくらいに今を積み重ねれば、それがかけがえのない時間になる。
スタートするのに遅すぎることなんてないんだ。
私もこの歳になってそう思うようになった。
まだまだ若いものたちに気持ちで負けるつもりはないよ。
そう自分に言い聞かせて指揮を取る。
さぁ、君たちの魅力をさらに引き出してあげようか。
【乙姫ちゃん画面に入る?】
【明らかに嫌がってるのが数名いますが】
【魚の人ー頑張ってー!】
【魚の人無理すんなー】
【マーマンの人、ボーイッシュな格好ですね】
【アイドルは一応男もいるからな】
【さっきまで鎧の上から着ようとして格闘してたよね】
【鎧の上は無理www】
≪乙姫です。今日はよろしくお願いしますね≫
【かわいい】
【かわいい】
【ちょっと遠いの気にしなければ十分推せる】
【遠近法使ってくるアイドルは初めてだな】
≪ミレディよ。別によろしくしてくれなくてもいいわ≫
【ツンツン頂きました】
【まだトゲトゲしいけど磨けば光そう】
≪ジークだ。こんなペラペラした装備では海獣の一撃を受け止めきれんではないか≫
【アキカゼさん、そんなしょぼい衣装渡したの?】
≪朱の明星で適当に見繕って貰ったんだ。一着100万くらいだから妥当?≫
【見た目衣装でその金額はwww】
【これはエンチャント相当頑張った値段でしょ】
【ジークさん、多分それさっきの鎧とどっこいの能力あるで】
≪む、そうなのか? しかし着なれなくてな。だが見た目通りのものではないと? ふぅむ≫
乙姫様はノリノリで、ミレディさんは少し遠慮がちに距離を置き、最後にジーク氏は男装して出てきた。
そもそもマーマンに女性的な膨らみはないので仕方がないのだが、意外と似合っている。
最後にスズキさんことリリーが舞台袖で出るに出られず念話を送ってくる。
『着替えました、けど』
『何かトラブル?』
『名乗りを考えていました』
『スズキさんでいいでしょ。それともその姿の時はリリーでなきゃいけない理由でもあるの?』
『いえ、特には』
『なら違う種族に進化したという文句を添えてデビューしなさい。今日から君たちはアイドルだ。忌々しい過去を払拭するために頑張るんだ。別に馬鹿正直に本名を名乗る必要はないんだよ』
『……そうですね』
『それにリリーは魔導書としての君でしょ?』
『はい』
『ならアイドル活動事は別名義で良いじゃない。スズキは君にとっても特別な存在になりつつある。そして視聴者的にも受け入れられている。そうだよね?』
『……そういう事ですか。あくまでもスズキのまま、この姿を晒せというのですね』
『その方がうっかりボロを出しても『魚の人』だからで許してもらえるよ。そして視聴者にそう思わせる努力は君が積み重ねてきたものだ。私はね、魔導書の君よりちょっぴりお茶目で頑張り屋さんなスズキさんが好きだし、助けてあげたいと思っているんだ。ルルイエの復興そのものはおまけで、まずは君が楽しむの先だよ?』
『……その問いかけはずるいです、マスター。わたくしにルルイエとしての役目を放棄しろとおっしゃるのですか?』
『その姿をルルイエとしての君と、アイドルのスズキで使い分けなさいと言ってるんだ。魔導書の君は私だけが知っていればいい事だ。セラエ君みたいに大勢の前に姿を出す必要はないんだよ? だって一度あの姿で出たら、ずっとあの調子で行かなきゃいけないんだ。スズキさんを見てればわかるけど、素の君は案外ポンコツだろう? 違うとは言わせないよ』
『訂正してください』
『拒否する。さて、挨拶は君で最後だ。いい加減わがままはこのくらいにしてカメラの前に飛び込んでいきなさい。あ、あくまでスズキさんとして行くんだよ?』
『わかりましたよ、もう!』
舞台袖から怒り肩でズンズンと歩いて行くリリーことスズキさん。最初こそは怒り心頭だったけど、カメラの前に出たらすっかり気持ちを入れ替えている。
培った経験は彼女の中に息づいているようだ。
≪どもども、おまたせ。服着るのに手間取っちゃって、悪いね≫
【誰?】
【こんな美少女いた?】
【追加メンバーかな?】
≪僕だよ、僕。魚の人ことスズキだよ≫
【ウッソだろおい!】
【アレからこれに進化するのにどれだけの過程すっ飛ばしたんだよ!!】
≪脱皮?≫
【ぜってー嘘だ!】
【魚の人、いつから甲殻類になったんだよ!】
【ザリガニかな?】
≪はい。実はスズキさんと密かにお披露目の機会を伺ってた進化先というのはこれだったんですね≫
≪ドッキリ大成功!≫
【グアー、騙された!】
【今までの魚モードと違いすぎんだろ】
【でもこのノリは間違いなく魚の人】
【この状態で助手になれば良かったのに】
≪孫に勘違いされちゃうから今日このときまで進化しないでもらってたんだよ≫
【銀姫ちゃんも年頃だもんなー】
【いまだにチェックされてるの笑う】
【多分違う理由でだぞ?】
【私のお爺ちゃんを取らないでー、的な?】
【それ】
≪という訳で、もうベタベタしてもいいですよね?≫
≪ダメに決まってるでしょ≫
≪あふん≫
ヒシッと抱きついてくるスズキさんをやんわりと引き剥がして、最初の課題を与える。
≪はい、じゃあ最初の課題はこちら! 今一番ハマってること。趣味とかだね。今日は皆さんにプロフィールを制作していただきます。AWOのアイドルにとって、プロフィール作成はなくてはならないものです。ここで手を抜くとどんな趣味を持つ子達なのか相手に伝わらないままになってしまうので丁寧に記入していきましょう≫
水に強いプリント用紙を配り、これまた水に強いペンで書き込んでもらってからみんなに公表してもらう。
普通アイドル活動を始める際はそこら辺の要項をサクッと終わらせてからいきなり動画制作に移ってしまいがちだが、すでに私の権利で配信してるのでそこを丁寧に行って貰った。
大体書き終わったのを見て手を叩いて注目を集めた。
水の中で音はならないと思ってはいけない。
氷作製で無理矢理鳴らすことだってできるのだよ、私は。
そんなこんなで乙姫様から発表してもらった。
≪私は、番になる相手を探してますね。それ以外でしたら手芸などですね≫
【ハイドラの相方ってダゴン?】
【不味いですよ!】
【ルルイエ浮きあがっちゃう!】
【でもこの子達が売れたらそれこそ物理的に浮き上がるんやで】
【グオー、推したい気持ちと遠ざけたい気持ちが衝突するー】
【意外とかわいい趣味を持ってるんだね】
【今までに作ったものとかありますか?】
≪ワカメで作ったマフラーとかですね≫
【素材がまた……】
【乙姫ちゃんから見たらちょうどいい細さなんやろ】
【察し】
【磯臭そう】
【誰か送る相手が居るんですか?】
≪毎日番になってくれる相手のことを思って編んでます。きゃっ、言っちゃった≫
内容はともかく、乙姫様の心情が意外と乙女チックで反応は良さげだ。
続いてミレディさんがインタビューに答えてくれた。
≪私は珊瑚の化石を使って装飾品を作ってるわ。竜宮城ではゆっくり時が流れてるから、落ち着いて作品に打ち込めるのよ≫
【へぇ、どんなの?】
≪どうせ馬鹿にするんでしょ? 見せないわよ≫
【馬鹿になんてしないって】
【そうそう、純粋に興味があるんだよ】
≪そ、そう? 疑ってごめんなさい。これよ≫
人間不振に陥ってた彼女は相手の姿が見えないからこそ卑屈に受け取ってたが、逆にコメントだけだったのが良かったのか、相手から抱く印象が緩和されて素直に商品を出していた。
それを見てざわめくコメント欄。
先程の乙姫様がアレ過ぎたのもあり、高評価を受けていた。
【きれーい】
【え、こんなに綺麗に作れるんだ?】
【マーケットに出てたら買うよ】
≪マーケットは使ってないわ。あくまで趣味だもの≫
【えー、もったいないよ。売りに出そうよ】
【30万までだったら出すよ】
≪え、でも。これそんなの性能良くないわよ?≫
【見た目よけりゃそれくらい出す人いるんだよなぁ】
【このゲームは装備がほとんど見た目重視なとこあるし】
≪そうなのね。じゃあ時間に余裕ができたら出してみるわ≫
【待ってるよ】
≪転売されてたら泣くかも≫
【そんな奴いねーって】
【転売する奴は性能重視だから、見た目重視は逆に手をつけづらいんだよ】
そこは微笑ましい空間が広がっていた。
コメントだけのやり取りだから、コミュ障の彼女も相手がしやすかったのもあるだろう。
そして問題児のジーク氏の方は、今までの討伐対象を淡々と語っていた。
基本的に海の中での生活はプレイヤーの生活圏外だ。
体験談を聞いてるだけでも自分でも仕留めた気になって、やがてアニキと慕われるようになっていた。
彼女は一応女性だけど、マーマンを選択した辺り男になりたいのかもしれない。
兄貴と呼ばれて満更でもない感じである。
最後にスズキさんはと言うと、
【趣味が犬の散歩って、おいwww】
【海に犬なんていたっけ?】
≪やだなぁ、居るじゃないですかサブマスターが≫
【ね゛ぇ゛え゛え゛、僕君に散歩された記憶ないんだけど?】
≪てへぺろー≫
【草】
【当然のようにサブマスさん居る】
【真面目に書け】
【魚の人は姿が変わっても魚の人だった】
【可愛くなって余計に憎たらしくなったな!】
【殴りたい、この笑顔】
≪ほらほらサブマスターをいじめないの≫
≪じゃあマスターなら虐めていいんですか?≫
≪ダメです≫
≪けちー≫
ぶーぶー文句を言いながら、好き放題やってる彼女は、
『こういうのもたまにはいいですね、マスター』
と念話で素直な気持ちを吐露してきた。
そうだよ、無理に着飾ることもないんだ。
ありのままの自分を見せてれば、自ずと自分の周りに人は集まってきるから。
それを一つづつ丁寧に揃えていこう。
失敗したっていい。
それが原因で心に大きな傷を負ってたって構わない。
そんな些細な積み重ねで過去を笑い飛ばせるくらいに今を積み重ねれば、それがかけがえのない時間になる。
スタートするのに遅すぎることなんてないんだ。
私もこの歳になってそう思うようになった。
まだまだ若いものたちに気持ちで負けるつもりはないよ。
そう自分に言い聞かせて指揮を取る。
さぁ、君たちの魅力をさらに引き出してあげようか。
あなたにおすすめの小説
『病弱な幼馴染を優先してください』と言った妻が消えた翌日、夫は領地の会計書類が全て白紙になっていることに気づいた
歩人
ファンタジー
侯爵家に嫁いで五年。ルチアは夫エミルの領地会計・社交・使用人管理を全て一人で担ってきた。だがエミルはいつも幼馴染のアリーチェを優先する。「アリーチェは体が弱いんだ、お前とは違う」——その言葉を百回聞いた日、ルチアは微笑んで離縁届に署名した。「ええ、私は丈夫ですから。どうぞ幼馴染様をお大事に」。翌朝、エミルが目にしたのは——税務報告の締切、領民からの陳情の山、そして紅茶の淹れ方すら知らない自分。三ヶ月後、かつて「地味な妻」と呼ばれたルチアは、辺境伯の財務顧問として辣腕を振るっていた。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
無実の罪で謹慎中ですが、静かな暮らしが快適なので戻る気はありません
けろ
恋愛
王太子妃候補だった伯爵令嬢エレシア・ヴァレンティスは、ある日突然、身に覚えのない疑いをかけられ、婚約破棄と無期限謹慎を言い渡される。
外出禁止。職務停止。干渉禁止。
誰がどう見ても理不尽な処分――のはずだった。
けれどエレシアは、その命令を前にして気づいてしまう。
誰にも呼ばれない。誰にも期待されない。誰にも干渉されない。
それは、前世で決して手に入らなかった“静かな時間”そのものだと。
こうして始まった、誰にも邪魔されない穏やかな謹慎生活。
一方その頃、彼女を切り捨てた王城では、思わぬ方向へ事態が転がり始めて――?
これは、無実の罪で閉じ込められた令嬢が、皮肉にも理想の生活を手に入れてしまう物語。
叫ばず、争わず、ただ静かに距離を取ることで完成する、異色の婚約破棄ざまぁです。
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。