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4章 お爺ちゃんと生配信
292.お爺ちゃんと古代獣討伐スレ民_1
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「はいこんにちわ、アキカゼです」
「助っ人の魚の人だよー!」
いつもの挨拶をしながらカメラの前で格好をつける。
今回やってきたのはセカンドルナ。
そして抜擢したゲストは不特定多数である。
今回は掲示板の古代獣討伐スレを賑わせてる、難しいとされるモンスターの討伐部隊への助っ人として駆り出された訳である。
本来なら各個人の能力に任せるべきところを、何故こんなふうにでしゃばったのかと言えば、放っておいても向こうから怪異がやってきてしまうからだ。
ならばお目汚しをしないためにも開催中の古代獣討伐に目を向けてもらうのが一番だと考えた次第だ。
「さて、今日のゲストをご紹介しよう」
「ダララララララ、ジャン!」
スズキさんが口でドラムロールを演出しながら、呼びかける。
カメラの外から不慣れな演出に戸惑いながら入ってきたのは三名の男女だった。
「はじめまして『猛獣の牙』所属のサクラです。ビルドは相変わらず補助魔法特化です。アキカゼさんとはお久しぶりになりますか」
サクラ君はトレードマークのキツネ耳をピコピコさせながら苦笑している。まさか初っ端から自分たちのパーティに来るとは想定外だったようだ。
あの頃に比べて私の知名度はだいぶ上がったからね。
今ではあの時ほどの気軽さは見る影もない。
しかし知り合いアピールをちゃっかりしてくるところは、彼らしいと言えた。
「うん。確か孫のマリンやユーノ君と一緒に臨んだ空歩の称号スキルのダンジョンアタック以来だね。その節はどうも」
「お知り合いだったんですね?」
「ファストリアのイベントが終わった後にちょっとね。まさか今日来るとは知らなかったよ。たまたまそんな時もある。では次の方」
「同じく『猛獣の牙』所属のエリーシアです。スキルは長剣特化です。今日はよろしくお願いします」
髪色と同じ薄茶のタヌキ耳と尻尾をぴょこぴょこさせた少女がキリリとした態度で丁寧に頭を下げる。
軽く会釈したサクラ君とは大違いで規律に煩そうだ。
「最後に俺だな、同じく『猛獣の牙』所属のラングスタだ。スキルは大砲。迫撃砲などを用いてのけぞり役を任されている。ダメージソースにはなり得ないが、敵は動き回るので俺の役目は重要なんだ」
ニカッと快活に笑いながらグレイアッシュのオオカミの耳を揺らした。
この子達は歳格好から見て同世代。
各々がやりたいことを特化しているのだろうけどなんとも中途半端な結果に終わっているのが惜しい。
漆黒の帝みたいに二足歩行する狼や犬じゃないあたり、獣の特性はちょっとあれば便利な風潮だ。
だから伸び代は低い。娘のパープルのようにファッション目当てならわかるが、本人たちは悪と真面目にやっているのだから目も当てられない。
ただしやり方に否定をするつもりはない彼らから見たら私の方がツッコミどころ満載だからだ。
孫世代の特徴とでも呼べばいいか。
自ら考えずにやり込まず、他者から得た情報を取り捨て選択して手に入れてきた結果の集合体だからまあ個性があってないようなものだった。
「そうだね。取り敢えず何が足りないのか一度見させてもらうよ。戦闘に参加するのはそれからでいいかな?」
「舐めプはあまり褒められたものではありませんが」
「アキカゼさんは既に3、5を経験されてますから仕方ありませんね」
「2でも結構きついぜ。やってる事は1と同じなのにフィールドが変化するんだ。参っちまうよ」
「一応聞いているよ。しかし君たち、特効武器は持ち込んで居るのかい? あれがあればのけぞりの効果が得られるらしいじゃないか。通常武器でのダメージも与えられると聞くよ?」
「情報が古いですね、アキカゼさん」
「要は纏ってる液体を吹っ飛ばして肌を露出させればいいんだろ? それは迫撃砲だって出来るし、効果時間も長いんだ」
「情報は常に新しく変わりつつあります。特効武器でクリアされた方には悪いですが、最適解は常に進歩していくのです」
彼らは彼らなりに考えていると言いたげだ。
やや呆れた態度を取られたが、そこはいずれ挽回してやれば良いだろう。
だから視聴者さんは彼らの口が悪いことをあまりせめてやらないでくれ。
スキルの優位性は彼らの強みなんだ。
「ではパーティを組みましょうか」
「失礼ですがそちらの方も、ですか?」
三人の目が一斉にスズキさんを見る。
一応助っ人として呼んでもないのにきてくれた彼女。
身内としては一緒に居てやりたいが。
「だめかな? こう見えて空を飛べるし天空の試練では世話になってる。弱いと言う事はないよ。むしろ海がメインフィールドなのに肺呼吸覚えてまで地上で生活してる彼女は珍しいと思うけど?」
「いえ、ダメとかじゃないんですけど」
「取り分が減るので」
「何のために人数減らして挑んでるのか意味がなくなると言うか」
「君たちはさ、効率重視もいいけどまずは勝率を上げることが先だよ? 取り分のことは後から考えなさい。まず勝ち筋を見つけてから人数を減らさなきゃ」
「そうだぞー、仲間外れ反対!」
私の背中に隠れながら、ひょっこり頭だけ出して口論するスズキさん。普段から顔と体が一体化してるから隠せてるのは尾鰭だけな気がするけどきっと気にしてはいけないのだろう。
【こいつら……】
【せっかくアキカゼさんが参加してくれるって言うのに】
【完全に取り分に目がくらんでるな】
【良くも悪くも世代だな】
【まぁまぁ、実際ここで詰まるようなプレイングしかできてない奴らはこんなもんだよ】
【その言い方は失礼では?】
【ヘビーもクリアできない奴だっているんだぞ?】
【ある意味で古代獣討伐はエンドコンテンツじみてるから】
【報酬うまいのと引き換えに、難易度がおかしいからな】
【それを地雷ビルド二人旅で1、3を超えたどっかのマスターとサブマスターは……】
【あの人達は……効率とかどうでもいいから】
【むしろクリアより効率の悪い捕獲の道だからな】
【何故難易度一個飛ばしで挑戦できるのかって方が問題では?】
【単純にその時抜けてなかったからだぞ?】
【最初期からチャレンジしてるんだよなぁ、ある意味パッシヴ極でもクリアできると言わしめた走りだぞ】
【アキカゼさんがパッシヴ極は今でもネタだと思うわ】
【あの人バトルセンスはある方だぞ。それを初っ端から捨ててるのは初志貫徹で写真撮影に特化してるから】
【抜いてる情報が魔導書染みてるんですが?】
【アキカゼ異本かな?】
【ブログを魔導書扱いするのはやめて差し上げろ】
コメント欄は誹謗中傷から何故か私に流れ弾が飛んできて、結局私の悪口で固まっていた。
おかしい。何故?
そこでスズキさんに肩ポンされる。
きっといいことがありますよ? だいたい君のせいだよね?
そう詰ると目を逸らされた。
全くこの人はNPCとは思えないユニークな思考をしているんだから。だからこうも周囲は騙される。
◇
渋々スズキさんのパーティ参加が認められ、領域内。
先程までの余裕が嘘のように苦戦を強いられていた。
側から見れば一方的にやられているようにしか見えない。
しかし彼らはタイミングを見計らっていた。
それを邪魔するのは忍びない。
だと言うのに、コメント欄では私が遊んでいると言う指摘を受けた。解せぬ。
【何でサーフィンボードで波乗りしてるんですかねぇ?】
【草】
「それは浴びればひどい目に遭うからだよ。ね、スズキさん」
「ですです」
【お前は何故浮き輪をつけながらそのひどい目に遭う波に揺られてるんだ。ゲストは状態異常喰らってるのに呑気にドリンク飲みやがって】
「えー。僕だって邪魔にならないように頑張ってるのに。誰も努力を認めてくれないんだ。およよ……」
嘘泣きをしながら彼女は特に悪びれもなく食事を始める。
完全に視聴者達ををおちょくっているが、私からは何も言わない。
【アキカゼさん、助手に好き勝手やらせすぎじゃない?】
「彼女は確かに私のフレンドさんでもありクラメンさんでもある。けどついてきて欲しいとは一度のオファーしてない。だから自己責任だよ」
【また見捨てられてるやんけ】
【草】
【魚の人、暴れすぎだもんな】
【アイドル活動してる時とギャップありすぎだろ】
「プライベートぐらい自由にさせて」
【普段から自由なのに!?】
「そうだったっけ?」
そんな茶番を繰り広げてる横で、救援要請が入った。
助けるのはいいけど、彼らの頑張りは微塵も見えてこない。
レイヴィアタンの耐久値は未だ90%を切っていなかった。
何してるのさ。
【救援要請早すぎない?】
【万策尽きたにしては余力ありそう】
【ぶっちゃけ魚の人が視界の端で遊んでるからブチ切れたのでは?】
【ありそう】
「という事です責任とってスズキさんが救助に向かってください」
「イエッサー」
【アキカゼさんは?】
【助手の実力を見るのかもしれないな】
【ぶっちゃけ魚の人って強いの?】
【個人的な強さは見たことないんだよな】
【天空の試練でも賑やかし要員だったしな】
「彼女は真面目にやれば強いよ」多分金狼君といい勝負するんじゃない? こと海という環境で彼女は活きる。今までは苦手分野でバトルしてたから良いところがなかったんだよ」
【金狼レベルは流石にないだろう】
【あの人深夜組なのに普通に派生スキル数120超えてるからな】
「そういえばスズキさんの派生スキル数聞いてなかったな。いくつあるんだろ?」
「僕は140ですね。半分くらい宴会芸に突っ込んでますけど」
【は?】
【おいおいおい】
【派生数も凄いけど、苦手分野でそこまでってあり得るのか?】
「ランクは興味ないのであげてません。僕はハヤテさんとのんびり遊べればいいので」
「さてスズキさん、彼らの度肝を抜くことは出来るかな?」
「多分、何とかなると思います。全力を出す許可をもらえれば」
「許可必要なの?」
「はい」
「じゃあ許可するから頑張って」
「頑張ります!」
まさかこの子、リリーとして戦うつもりだろうか?
まぁ何はともあれお手並み拝見だ。
サクラ君達は助っ人に来たのがスズキさんだけで困惑してたけど、彼女はどんな活躍を見せてくれるのだろうか。
今から楽しみにしている私がいた。
「助っ人の魚の人だよー!」
いつもの挨拶をしながらカメラの前で格好をつける。
今回やってきたのはセカンドルナ。
そして抜擢したゲストは不特定多数である。
今回は掲示板の古代獣討伐スレを賑わせてる、難しいとされるモンスターの討伐部隊への助っ人として駆り出された訳である。
本来なら各個人の能力に任せるべきところを、何故こんなふうにでしゃばったのかと言えば、放っておいても向こうから怪異がやってきてしまうからだ。
ならばお目汚しをしないためにも開催中の古代獣討伐に目を向けてもらうのが一番だと考えた次第だ。
「さて、今日のゲストをご紹介しよう」
「ダララララララ、ジャン!」
スズキさんが口でドラムロールを演出しながら、呼びかける。
カメラの外から不慣れな演出に戸惑いながら入ってきたのは三名の男女だった。
「はじめまして『猛獣の牙』所属のサクラです。ビルドは相変わらず補助魔法特化です。アキカゼさんとはお久しぶりになりますか」
サクラ君はトレードマークのキツネ耳をピコピコさせながら苦笑している。まさか初っ端から自分たちのパーティに来るとは想定外だったようだ。
あの頃に比べて私の知名度はだいぶ上がったからね。
今ではあの時ほどの気軽さは見る影もない。
しかし知り合いアピールをちゃっかりしてくるところは、彼らしいと言えた。
「うん。確か孫のマリンやユーノ君と一緒に臨んだ空歩の称号スキルのダンジョンアタック以来だね。その節はどうも」
「お知り合いだったんですね?」
「ファストリアのイベントが終わった後にちょっとね。まさか今日来るとは知らなかったよ。たまたまそんな時もある。では次の方」
「同じく『猛獣の牙』所属のエリーシアです。スキルは長剣特化です。今日はよろしくお願いします」
髪色と同じ薄茶のタヌキ耳と尻尾をぴょこぴょこさせた少女がキリリとした態度で丁寧に頭を下げる。
軽く会釈したサクラ君とは大違いで規律に煩そうだ。
「最後に俺だな、同じく『猛獣の牙』所属のラングスタだ。スキルは大砲。迫撃砲などを用いてのけぞり役を任されている。ダメージソースにはなり得ないが、敵は動き回るので俺の役目は重要なんだ」
ニカッと快活に笑いながらグレイアッシュのオオカミの耳を揺らした。
この子達は歳格好から見て同世代。
各々がやりたいことを特化しているのだろうけどなんとも中途半端な結果に終わっているのが惜しい。
漆黒の帝みたいに二足歩行する狼や犬じゃないあたり、獣の特性はちょっとあれば便利な風潮だ。
だから伸び代は低い。娘のパープルのようにファッション目当てならわかるが、本人たちは悪と真面目にやっているのだから目も当てられない。
ただしやり方に否定をするつもりはない彼らから見たら私の方がツッコミどころ満載だからだ。
孫世代の特徴とでも呼べばいいか。
自ら考えずにやり込まず、他者から得た情報を取り捨て選択して手に入れてきた結果の集合体だからまあ個性があってないようなものだった。
「そうだね。取り敢えず何が足りないのか一度見させてもらうよ。戦闘に参加するのはそれからでいいかな?」
「舐めプはあまり褒められたものではありませんが」
「アキカゼさんは既に3、5を経験されてますから仕方ありませんね」
「2でも結構きついぜ。やってる事は1と同じなのにフィールドが変化するんだ。参っちまうよ」
「一応聞いているよ。しかし君たち、特効武器は持ち込んで居るのかい? あれがあればのけぞりの効果が得られるらしいじゃないか。通常武器でのダメージも与えられると聞くよ?」
「情報が古いですね、アキカゼさん」
「要は纏ってる液体を吹っ飛ばして肌を露出させればいいんだろ? それは迫撃砲だって出来るし、効果時間も長いんだ」
「情報は常に新しく変わりつつあります。特効武器でクリアされた方には悪いですが、最適解は常に進歩していくのです」
彼らは彼らなりに考えていると言いたげだ。
やや呆れた態度を取られたが、そこはいずれ挽回してやれば良いだろう。
だから視聴者さんは彼らの口が悪いことをあまりせめてやらないでくれ。
スキルの優位性は彼らの強みなんだ。
「ではパーティを組みましょうか」
「失礼ですがそちらの方も、ですか?」
三人の目が一斉にスズキさんを見る。
一応助っ人として呼んでもないのにきてくれた彼女。
身内としては一緒に居てやりたいが。
「だめかな? こう見えて空を飛べるし天空の試練では世話になってる。弱いと言う事はないよ。むしろ海がメインフィールドなのに肺呼吸覚えてまで地上で生活してる彼女は珍しいと思うけど?」
「いえ、ダメとかじゃないんですけど」
「取り分が減るので」
「何のために人数減らして挑んでるのか意味がなくなると言うか」
「君たちはさ、効率重視もいいけどまずは勝率を上げることが先だよ? 取り分のことは後から考えなさい。まず勝ち筋を見つけてから人数を減らさなきゃ」
「そうだぞー、仲間外れ反対!」
私の背中に隠れながら、ひょっこり頭だけ出して口論するスズキさん。普段から顔と体が一体化してるから隠せてるのは尾鰭だけな気がするけどきっと気にしてはいけないのだろう。
【こいつら……】
【せっかくアキカゼさんが参加してくれるって言うのに】
【完全に取り分に目がくらんでるな】
【良くも悪くも世代だな】
【まぁまぁ、実際ここで詰まるようなプレイングしかできてない奴らはこんなもんだよ】
【その言い方は失礼では?】
【ヘビーもクリアできない奴だっているんだぞ?】
【ある意味で古代獣討伐はエンドコンテンツじみてるから】
【報酬うまいのと引き換えに、難易度がおかしいからな】
【それを地雷ビルド二人旅で1、3を超えたどっかのマスターとサブマスターは……】
【あの人達は……効率とかどうでもいいから】
【むしろクリアより効率の悪い捕獲の道だからな】
【何故難易度一個飛ばしで挑戦できるのかって方が問題では?】
【単純にその時抜けてなかったからだぞ?】
【最初期からチャレンジしてるんだよなぁ、ある意味パッシヴ極でもクリアできると言わしめた走りだぞ】
【アキカゼさんがパッシヴ極は今でもネタだと思うわ】
【あの人バトルセンスはある方だぞ。それを初っ端から捨ててるのは初志貫徹で写真撮影に特化してるから】
【抜いてる情報が魔導書染みてるんですが?】
【アキカゼ異本かな?】
【ブログを魔導書扱いするのはやめて差し上げろ】
コメント欄は誹謗中傷から何故か私に流れ弾が飛んできて、結局私の悪口で固まっていた。
おかしい。何故?
そこでスズキさんに肩ポンされる。
きっといいことがありますよ? だいたい君のせいだよね?
そう詰ると目を逸らされた。
全くこの人はNPCとは思えないユニークな思考をしているんだから。だからこうも周囲は騙される。
◇
渋々スズキさんのパーティ参加が認められ、領域内。
先程までの余裕が嘘のように苦戦を強いられていた。
側から見れば一方的にやられているようにしか見えない。
しかし彼らはタイミングを見計らっていた。
それを邪魔するのは忍びない。
だと言うのに、コメント欄では私が遊んでいると言う指摘を受けた。解せぬ。
【何でサーフィンボードで波乗りしてるんですかねぇ?】
【草】
「それは浴びればひどい目に遭うからだよ。ね、スズキさん」
「ですです」
【お前は何故浮き輪をつけながらそのひどい目に遭う波に揺られてるんだ。ゲストは状態異常喰らってるのに呑気にドリンク飲みやがって】
「えー。僕だって邪魔にならないように頑張ってるのに。誰も努力を認めてくれないんだ。およよ……」
嘘泣きをしながら彼女は特に悪びれもなく食事を始める。
完全に視聴者達ををおちょくっているが、私からは何も言わない。
【アキカゼさん、助手に好き勝手やらせすぎじゃない?】
「彼女は確かに私のフレンドさんでもありクラメンさんでもある。けどついてきて欲しいとは一度のオファーしてない。だから自己責任だよ」
【また見捨てられてるやんけ】
【草】
【魚の人、暴れすぎだもんな】
【アイドル活動してる時とギャップありすぎだろ】
「プライベートぐらい自由にさせて」
【普段から自由なのに!?】
「そうだったっけ?」
そんな茶番を繰り広げてる横で、救援要請が入った。
助けるのはいいけど、彼らの頑張りは微塵も見えてこない。
レイヴィアタンの耐久値は未だ90%を切っていなかった。
何してるのさ。
【救援要請早すぎない?】
【万策尽きたにしては余力ありそう】
【ぶっちゃけ魚の人が視界の端で遊んでるからブチ切れたのでは?】
【ありそう】
「という事です責任とってスズキさんが救助に向かってください」
「イエッサー」
【アキカゼさんは?】
【助手の実力を見るのかもしれないな】
【ぶっちゃけ魚の人って強いの?】
【個人的な強さは見たことないんだよな】
【天空の試練でも賑やかし要員だったしな】
「彼女は真面目にやれば強いよ」多分金狼君といい勝負するんじゃない? こと海という環境で彼女は活きる。今までは苦手分野でバトルしてたから良いところがなかったんだよ」
【金狼レベルは流石にないだろう】
【あの人深夜組なのに普通に派生スキル数120超えてるからな】
「そういえばスズキさんの派生スキル数聞いてなかったな。いくつあるんだろ?」
「僕は140ですね。半分くらい宴会芸に突っ込んでますけど」
【は?】
【おいおいおい】
【派生数も凄いけど、苦手分野でそこまでってあり得るのか?】
「ランクは興味ないのであげてません。僕はハヤテさんとのんびり遊べればいいので」
「さてスズキさん、彼らの度肝を抜くことは出来るかな?」
「多分、何とかなると思います。全力を出す許可をもらえれば」
「許可必要なの?」
「はい」
「じゃあ許可するから頑張って」
「頑張ります!」
まさかこの子、リリーとして戦うつもりだろうか?
まぁ何はともあれお手並み拝見だ。
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