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第46話 In a dreadful sleep
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酷く、不安定な世界の中にいる。
ミシェルの心を表したかのような、酷く不安定な世界に、いる。
きっとこれは夢の中であろうと推測するも、不安と焦燥がミシェルの心を焼く。
「これ、は」
汚い、とは違った。寧ろ、何もなくて閑散としている通りが目前に映し出されている。
道端に落ちているものは少ない。せいぜい放棄された建築資材や、それを包んでいた麻布や麻袋。それに、干からびた、骨だけになったネズミや小動物の死骸。
「あのときの」
広がる光景は、ミシェルの記憶にこびりついているあの場所――エクリプセにある噴水通りだ。
夢の中でさえ、こんなものを見なくてはならないのか。あまりに気分が悪く、ミシェルはじとりと汗が滲むのを全身に感じた。
だがこの場所にいても、きっと何も変わらない。誰かに会えばいいのか、何かをすればいいのか……自分がいる場所に対してどうアクションを取ったらいいのか全くわからない。
「とにかく、離れるか……」
辺りを見回す。この場所には幼い頃しか来たことがないはずだが、何故か自分の目線は大人のものをしている。違和感を覚えながらも、歩き出す。
かつ、と音を立てるのは愛用の革靴だ。葬儀服こそ着ていないものの、きちんとした襟付きのジャケットと折り目正しいスラックスを身に着けていた。銀の髪も、きっと整えられていることだろう。
「俺は、どうしてこんな場所に?」
一歩進むごとに、気分の悪さは増していく。ここにいてはいけない、と、脳が警鐘を鳴らす。足早に通り過ぎようとするも、何故かミシェルの足取りは鉛のように重く、そのためゆっくりとしか歩けない。
滲んだ嫌な汗が額を伝う感覚がした。これは夢の中のはずなのに、やけにリアルだ。胸の痛みすら、現実に思える。
無理やり歩を進めると、通りの末端である噴水のオブジェが見えた。ああ、あそこまで行けばきっと助かることだろう。希望が見えた。
そのときだった。
「アンダーグラウンドさん。どちらにいらっしゃいます」
背後から、慇懃無礼ながらも、穢れた響きの声がかけられた。
「ひっ」
慌てて後ろを向くと、そこにはダミアンが立っていた。帽子を目深に被っているために、表情は読めない。
どうしてこの男が? どうして自分はここに? 何故、夢の中だというのにこんなにもリアルなんだ――?
自分の夢の世界に、現実が浸食している。否、現実の世界に夢が浸食しているのか? ミシェルは頭の中がぐしゃぐしゃになっていく。
「そろそろ葬儀のお時間です」
先ほどよりも、まるで反響するようにぼやけたダミアンの声がミシェルを襲う。
「い、や、俺は」
「そろそろ葬儀のお時間です」
「俺、は」
呼吸が激しくなる。喘鳴がミシェルの肺から洩れる。このまま過呼吸になってしまうのではないか。それとも、呼吸困難で死んでしまうのではないか。
恐ろしさに、身体が震えだす。右手で、ぎゅっと胸を押さえた。痛みは治まらない。呼吸も整わない。恐怖から心を救い出せない。
「葬儀のお時間です」
ますます痛みが強くなる。苦しい。意識が途切れる。がくりと膝をついてしまいたかった。それすら叶わず、ただ痛みに耐えるしかない。このまま、死んでしまう。そうだ、死んでしまえばいいのかもしれない。
「葬儀のお時間です」
もしも、もしもこのまま――ヴァレリアンのところへいけるなら――それでも――
「葬儀のお時間です」
――嫌だ――ヴァレリアン――俺は――ヴァレリアン――助けて――、ああ、
「ヴァレリアン!」
身を起こした。
ミシェルの恰好はジャケットではなく、ゆったりとした寝間着で、髪は寝癖がついていて、下瞼には隈ができていた。
「ゆ、め。夢だった。夢、だった」
がくがくと震える身体を両腕で抱きしめて、痛む胸と頭、乱れる呼吸を抑えようとする。中々治まらない。
「今のは、夢だ。夢だ。夢なんだ……」
ヴァレリアンに会いに行きたいなど、会いに逝きたいなど、思うべきではない。ジークフリートに何度も教わった。それなのに、夢の中でそれを望んでしまった。
「はあ、はあ、は……ぁ……」
ようやく整った呼吸に安心感を持つ。起こした身体を再び倒す気分にはならなかった。また同じような夢を見たら嫌だ、と思ったからだ。
「ああ、畜生」
古ぼけて軋む、粗末なベッドから脚を降ろし、スリッパをつっかける。質のよくないリネンを引っ張って、身体から引きはがした。
ミシェルの家ではない。ここは、エクリプセのホテルだ。
ダミアン・ダウニーからの依頼を受けてすぐ、ミシェルは準備を整えなければならなかった。
何よりも、馬車なり運送車なりの手配をしなければならなかった。エクリプセとシカトリスを繋ぐ直行便はほとんどない。三日に一回か二回がせいぜいだ。
急かされるままに、服なり道具なりを詰め込んだ大荷物を片手に馬車に乗り込んでシカトリスを飛び出した。
誰に連絡を取る間もなく、臨時休業の看板を出してきただけなので、街の皆には心配をかけてしまっているだろう。
「予約が入っていなかったのが不幸中の幸い、か」
銀色の髪をくしゃくしゃと掻き乱し、頭をすっきりさせるにはどうすればいいかと考える。この部屋はシャワーが壊れているため、湯浴みをするのであれば一階にある公衆浴場まで行かねばならない。飲み物を、と考えても、最近のものであるはずの冷蔵庫は唸るばかりで良く冷えない。
「どうすりゃいいんだよ」
外に出るのは一番やりたくないことだ。
エクリプセでは、ミシェルは――『堕天使』の烙印がついている外見をしているのだから。
そもそも、エクリプセに来てすぐのことだ。
ホテルにチェックインするときには、ニット帽とサングラスでなんとか隠したが、ミシェルの名前を書いたところすぐに、
「ああ、あっちの街にいる『堕天使』のアンダーグラウンドさんですか」
と笑いものにされた。
にこにこしていたホテルマンの笑顔も嘲笑に変わった。
「はい、そうです」
恐る恐るミシェルが言うと、図々しくも「誠に申し訳ございませんが」と前置きをしてから、半笑いでホテルマンは言った。
「生憎、低ランクのお部屋しか空いておりませんでして。そちらでよろしければご予定通りにご宿泊いただけますが」
「あ、はあ……」
ミシェルの取った部屋は、ノーマルランクの部屋だ。決して贅沢は言っていない。
「元の部屋はどうなりましたか」
「いえ、ちょっとばかりね……ほら、うちはお客さんも多いですし」
のたまうホテルマンの背後には、使われていないルームキーがたくさん壁に掛けられている。
ミシェルの身分がわかれば、恐らくどのホテルもこんな扱いだろう。仕方なしに、ミシェルは「その部屋でも大丈夫です」と伝えた。
ホテルマンは半笑いのままルームキーをカウンターに投げ、にやにやとしていた。どうぞ、のひとことも無しに。
これからそういった小さな試練がいくつもあるだろう。その度、ミシェルは銀の髪と紅い瞳を恨まなければならない。
「はぁ……」
目が覚めたのにいつまでも寝間着でいる必要はない。ひとまず、普段着に着替えカーテンの外を見る。
ようやく夜が明けて、煌々と太陽が昇ってきたところだった。
空腹を抱えているが、外に行く気分ではない。とにかく、このホテルに留まり続けるのが、今の最適解だろう。
「食堂でも、ニット帽かな」
我ながら吐き気のする提案だ。それでも、ニット帽とサングラスのまま食堂にいくしかあるまい。
せめてカモフラージュになるように、フランクな恰好で行こう。
ミシェルはこのあと何をするか、閉ざされた一室で何ができるのか考えながら、無為な時間を少しの間、過ごすことになった。
『日付が未定』の葬儀を、待ちながら。
【嫌な眠りの中――Fin.】
ミシェルの心を表したかのような、酷く不安定な世界に、いる。
きっとこれは夢の中であろうと推測するも、不安と焦燥がミシェルの心を焼く。
「これ、は」
汚い、とは違った。寧ろ、何もなくて閑散としている通りが目前に映し出されている。
道端に落ちているものは少ない。せいぜい放棄された建築資材や、それを包んでいた麻布や麻袋。それに、干からびた、骨だけになったネズミや小動物の死骸。
「あのときの」
広がる光景は、ミシェルの記憶にこびりついているあの場所――エクリプセにある噴水通りだ。
夢の中でさえ、こんなものを見なくてはならないのか。あまりに気分が悪く、ミシェルはじとりと汗が滲むのを全身に感じた。
だがこの場所にいても、きっと何も変わらない。誰かに会えばいいのか、何かをすればいいのか……自分がいる場所に対してどうアクションを取ったらいいのか全くわからない。
「とにかく、離れるか……」
辺りを見回す。この場所には幼い頃しか来たことがないはずだが、何故か自分の目線は大人のものをしている。違和感を覚えながらも、歩き出す。
かつ、と音を立てるのは愛用の革靴だ。葬儀服こそ着ていないものの、きちんとした襟付きのジャケットと折り目正しいスラックスを身に着けていた。銀の髪も、きっと整えられていることだろう。
「俺は、どうしてこんな場所に?」
一歩進むごとに、気分の悪さは増していく。ここにいてはいけない、と、脳が警鐘を鳴らす。足早に通り過ぎようとするも、何故かミシェルの足取りは鉛のように重く、そのためゆっくりとしか歩けない。
滲んだ嫌な汗が額を伝う感覚がした。これは夢の中のはずなのに、やけにリアルだ。胸の痛みすら、現実に思える。
無理やり歩を進めると、通りの末端である噴水のオブジェが見えた。ああ、あそこまで行けばきっと助かることだろう。希望が見えた。
そのときだった。
「アンダーグラウンドさん。どちらにいらっしゃいます」
背後から、慇懃無礼ながらも、穢れた響きの声がかけられた。
「ひっ」
慌てて後ろを向くと、そこにはダミアンが立っていた。帽子を目深に被っているために、表情は読めない。
どうしてこの男が? どうして自分はここに? 何故、夢の中だというのにこんなにもリアルなんだ――?
自分の夢の世界に、現実が浸食している。否、現実の世界に夢が浸食しているのか? ミシェルは頭の中がぐしゃぐしゃになっていく。
「そろそろ葬儀のお時間です」
先ほどよりも、まるで反響するようにぼやけたダミアンの声がミシェルを襲う。
「い、や、俺は」
「そろそろ葬儀のお時間です」
「俺、は」
呼吸が激しくなる。喘鳴がミシェルの肺から洩れる。このまま過呼吸になってしまうのではないか。それとも、呼吸困難で死んでしまうのではないか。
恐ろしさに、身体が震えだす。右手で、ぎゅっと胸を押さえた。痛みは治まらない。呼吸も整わない。恐怖から心を救い出せない。
「葬儀のお時間です」
ますます痛みが強くなる。苦しい。意識が途切れる。がくりと膝をついてしまいたかった。それすら叶わず、ただ痛みに耐えるしかない。このまま、死んでしまう。そうだ、死んでしまえばいいのかもしれない。
「葬儀のお時間です」
もしも、もしもこのまま――ヴァレリアンのところへいけるなら――それでも――
「葬儀のお時間です」
――嫌だ――ヴァレリアン――俺は――ヴァレリアン――助けて――、ああ、
「ヴァレリアン!」
身を起こした。
ミシェルの恰好はジャケットではなく、ゆったりとした寝間着で、髪は寝癖がついていて、下瞼には隈ができていた。
「ゆ、め。夢だった。夢、だった」
がくがくと震える身体を両腕で抱きしめて、痛む胸と頭、乱れる呼吸を抑えようとする。中々治まらない。
「今のは、夢だ。夢だ。夢なんだ……」
ヴァレリアンに会いに行きたいなど、会いに逝きたいなど、思うべきではない。ジークフリートに何度も教わった。それなのに、夢の中でそれを望んでしまった。
「はあ、はあ、は……ぁ……」
ようやく整った呼吸に安心感を持つ。起こした身体を再び倒す気分にはならなかった。また同じような夢を見たら嫌だ、と思ったからだ。
「ああ、畜生」
古ぼけて軋む、粗末なベッドから脚を降ろし、スリッパをつっかける。質のよくないリネンを引っ張って、身体から引きはがした。
ミシェルの家ではない。ここは、エクリプセのホテルだ。
ダミアン・ダウニーからの依頼を受けてすぐ、ミシェルは準備を整えなければならなかった。
何よりも、馬車なり運送車なりの手配をしなければならなかった。エクリプセとシカトリスを繋ぐ直行便はほとんどない。三日に一回か二回がせいぜいだ。
急かされるままに、服なり道具なりを詰め込んだ大荷物を片手に馬車に乗り込んでシカトリスを飛び出した。
誰に連絡を取る間もなく、臨時休業の看板を出してきただけなので、街の皆には心配をかけてしまっているだろう。
「予約が入っていなかったのが不幸中の幸い、か」
銀色の髪をくしゃくしゃと掻き乱し、頭をすっきりさせるにはどうすればいいかと考える。この部屋はシャワーが壊れているため、湯浴みをするのであれば一階にある公衆浴場まで行かねばならない。飲み物を、と考えても、最近のものであるはずの冷蔵庫は唸るばかりで良く冷えない。
「どうすりゃいいんだよ」
外に出るのは一番やりたくないことだ。
エクリプセでは、ミシェルは――『堕天使』の烙印がついている外見をしているのだから。
そもそも、エクリプセに来てすぐのことだ。
ホテルにチェックインするときには、ニット帽とサングラスでなんとか隠したが、ミシェルの名前を書いたところすぐに、
「ああ、あっちの街にいる『堕天使』のアンダーグラウンドさんですか」
と笑いものにされた。
にこにこしていたホテルマンの笑顔も嘲笑に変わった。
「はい、そうです」
恐る恐るミシェルが言うと、図々しくも「誠に申し訳ございませんが」と前置きをしてから、半笑いでホテルマンは言った。
「生憎、低ランクのお部屋しか空いておりませんでして。そちらでよろしければご予定通りにご宿泊いただけますが」
「あ、はあ……」
ミシェルの取った部屋は、ノーマルランクの部屋だ。決して贅沢は言っていない。
「元の部屋はどうなりましたか」
「いえ、ちょっとばかりね……ほら、うちはお客さんも多いですし」
のたまうホテルマンの背後には、使われていないルームキーがたくさん壁に掛けられている。
ミシェルの身分がわかれば、恐らくどのホテルもこんな扱いだろう。仕方なしに、ミシェルは「その部屋でも大丈夫です」と伝えた。
ホテルマンは半笑いのままルームキーをカウンターに投げ、にやにやとしていた。どうぞ、のひとことも無しに。
これからそういった小さな試練がいくつもあるだろう。その度、ミシェルは銀の髪と紅い瞳を恨まなければならない。
「はぁ……」
目が覚めたのにいつまでも寝間着でいる必要はない。ひとまず、普段着に着替えカーテンの外を見る。
ようやく夜が明けて、煌々と太陽が昇ってきたところだった。
空腹を抱えているが、外に行く気分ではない。とにかく、このホテルに留まり続けるのが、今の最適解だろう。
「食堂でも、ニット帽かな」
我ながら吐き気のする提案だ。それでも、ニット帽とサングラスのまま食堂にいくしかあるまい。
せめてカモフラージュになるように、フランクな恰好で行こう。
ミシェルはこのあと何をするか、閉ざされた一室で何ができるのか考えながら、無為な時間を少しの間、過ごすことになった。
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