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第二章「正真」
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しおりを挟む「あ、あぁ……門屋先生なら、あそこだよ」
そう言って他の教師と資料片手に話し込んでいた、眼鏡の男性教師を指差した。
どこか陰鬱そうな雰囲気で、表情が乏しいようにも見える。頷いてはいるようだが、口は真一文字に結ばれ一方的な会話に見えた。
僕はお礼を言うと、門屋先生の方に足を向ける。ちょうど話が終わったのか門屋先生が取り残され、もう一人の教師はどこかへ行ってしまう。
「門屋先生……」
僕が声をかけると、眼鏡の奥の瞳がこちらに向けられる。
「何か?」
淡々とした口調の門屋先生に、僕は緊張した面持ちで口を開く。
「あのー、パズル同好会の入部希望者なんですが……神近くんと連絡が取れなくて……」
「入部希望者? なんで二年の君が?」
僕のネクタイに一瞥くれた門屋先生が、怪訝そうに眉を顰める。
「神近くんに誘われたんです……ですが、神近くんお休みしているせいか、会えないんです。夏休み期間中の活動とか、どうするのか聞いてなくて……」
「パズル同好会……活動予定の日程表があるにはあるが……」
そう言って門屋先生は、自分の机に立てられたファイルから紙を取り出す。
「まさか入部希望者がいるとは思ってもみなかった」
他の教師と同様に、門屋先生も不思議に思っているようだった。
手渡された紙にはカレンダー式の表になっていて、時間帯が所々に記載されている。
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