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しおりを挟む「っ――」
「荒っぽいことは好きじゃないじゃないんだ。それに痛めつけたいわけじゃないよ。特に睦紀のことは大切だし、愛してる。でもね、聞き分けが悪い子には躾も大切だ」
グッと押し込まれ、思わず睦紀は呻く。そのまま両腕を取られ、後ろに回された。近くに落ちていた腰紐を俊政が拾うなり、睦紀の両腕をまとめて縛り上げていく。
「……お願いです。こんなこと、やめてください」
目を覚まさせようとして睦紀が乞うも、俊政は「駄目だよ」と言って聞き入れてはくれない。
「……涼華に知られたら、僕はここにはいられなくなってしまいます」
「それはないから安心しなさい」
俊政は睦紀の不安を一蹴するかの如く、きっぱりとした口調で言った。
何故、そう言い切れるのかと思っているうちに、俊政が睦紀の腰を上げる。四つん這いの状態で少し足を開かされ、羞恥で全身に汗が吹き出す。
「後ろまで濡れているじゃないか」
指が開いた双丘の間を伝い、身体が強張った。後孔の縁をなぞられ、ゆっくりと侵食を始める。
「やっ……待ってください! これ以上は――」
酔いが覚めてきたのか、異様な状況に理性が働く。中を弄っている指が俊政の物であるというだけで、鋭い罪が胸を突き刺す。
「ああ、萎えてしまっているじゃないか。即効性はあるが、持続性には乏しいのか」
睦紀の項垂れた前を弄りながら、俊政が気を落としたように呟く。何のことを言っているのかわからないが、睦紀は必死に抵抗する。腕の束縛を解こうとするも、思っていたより固く結ばれていた。
「暴れると怪我をしてしまうよ」
俊政が諌めるように言った時、ドアが開く音がした。
睦紀はハッとして視線を向ける。入り口には春馬が決まり悪そうな表情で立っていた。
血の気が引き、全身が強ばる。
義兄と関係があるうえに、義父とも関係を持つ。どんだけ淫乱なんだと軽蔑されてもおかしくない状況だった。でもこれが合意ではない。後ろ手に縛られて、ベッドに押さえつけられているのだ。助けを求めさえすれば、春馬は手を差し伸べてくれるだろう。
だが、そんな期待を裏切るように、先に言葉を発したのは俊政だった。
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