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メイドがあらわれた
しおりを挟むここはどこか。
神田駅と書いてある。
ということはこの道を真っ直ぐ行けば秋葉原につくというわけだ。
私は言っておくが俗にいうオタクという種族ではない。
オタクの方たちを軽べつしてるわけではなくただ私は今まで平凡にサラリーマンをしてきて遊びという遊びなんてほとんどしてこなかったのだ。
だからアニメやアイドルというのはほとんどわからない。
そんな私が秋葉原に興味をもったのは単純明快。
楽しそう..
むしろ
真面目だけが取り柄の私から言わせてもらえば秋葉原でゲームをしたりメイドカフェで遊んでいるオタクの方たちを羨ましいとすら感じてしまうのも正直なところ。
しかし我ながら福岡の実家を飛び出し全財産を握りしめ秋葉原に飛び込むとは勇気ある決断だった。
宿はないししばらく漫画喫茶ぐらしだろう。
働くとこはあるだろうか?
うむ。何も考えずに来てしまった。
まぁいい。なんとかなるさ。
しかし暑いな..
もう7月の中旬だな
そうだ
アイスでも食お..お.
あ、あれは..
メイドだ
メイドが立っているではないか..!
あれが俗にいうメイドさんというわけだな!
しかしすごいな
本来メイドというのは家でご主人につかえるもので
路上に立っているというのはまずあり得ない..
にもかかわらずここ日本の電気街では路上でメイドさんが立っているではないか
それは言ってしまえばサッカー選手がユニホームを着て路上でつっ立ってるのと同じくらいあり得ない光景だ。
それがここ秋葉原では実現するのか...
やはり来て間違いなかった。
ふぅ。ではお声かけをしようか..
とはいうものの
女性と会話するのいつぶりだろうかな..
おとついコンビニのお姉さんにお弁当を温めるかどうか聞かれて..
その1週間前にマンションの管理人のおばちゃんになんか言われたような..
つまり喋ってないな
ずっと女性となんか喋ってない
そこはちゃんと認めよう
もう32だし。大人だからね。
ふぅ..
緊張するな..
人生で初めてメイドさんと会話するなぁ..おぉ..け、けっこうかわいいなぁ..
おぉよしいくぞ..
「ここここここここ、こんち」
「あ、こんにちわ~!どこいくんですかぁ??」
「ど、どこって..ねぇ..いくところはないんだけども..」
「よかったらぁうちのメイド喫茶でやすんでいきませんかぁ?ご主人様~」
「ご、ご主人様...かぁ..いいねぇ」
「??どうしたんですかぁ?」
「いやぁなんでもないよ..ちょっとね..そうだ、これ、少ないけど、の、飲みものでも..買いなさい。ね。」
「え、ダメですよー、そうゆうのお店の人に怒られちゃうから~」
「いいからいいから、じゃあ僕はこれで..」
今日から私もみんなのご主人様かぁ..
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