Alice//F

シオン

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~Visor Lying~

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ノワールとオクタンが床へ着くと落ちたはずのイーグの姿が何処にも見当たらず、床には羽根が散乱しているだけだった。



「どうやら逃げたみたいだよ」



ルノーはやってきたノワール達に言った。



「そう…そういえばよくあの炎の中で無事でいたわね」



「僕に傷をつけられるのは一人しかいないから、それより追いかけなくてもよかったの?」



「羽根を切り落としただけで借りは返したからいいわ…借りで思い出したけど」



ノワールは脳裏には仮面の女、ルージュの姿が過ぎった。



「あの女にも返さないといけないわね」



オクタンはルノーに近付き聞いた。



「あの方は何のことを言っておられるのじゃ?」



「恐らくは上で遭った赤の女王のことだよ」



「あのアヴァロンが…では、もう全ての駒は揃おたわけか」



「何をそこでこそこそと話しているの?」



「私の噂をしていたみたいね」



ルノーとオクタンの背後にルージュと同じ仮面が浮いていた。



ルノーとオクタンは仮面から距離を取った。



「何の用です?」



ルノーは警戒しながら聞いた。



「白のブラスタルを拾ったから教えに来てあげただけよ」



ノワールはその言葉を聞いて自分の体を手で探った。



「………ない!?、返しなさいよ」



「いいわ…けど私のいる場所まで来れたら返してあげるわ」



そう言うと仮面が砕け、塵が宙を舞った。



「…居場所も告げずにいくなんて本当に返すつもりがあるの」



ノワールは苛立ちを大鎌に込め、切っ先を地面に突き刺した。



「私が案内してあげようか?」



何者かが大きなテーブルの上から声をかけるとテーブルから飛び降り、ノワールの前に着地した。



そこには金色の髪を後ろで二つ結びし、腰に輪のような鞘に納まった剣を携えた仮面で顔を隠した少女がいた。



「誰!?」



ノワールは大鎌を構えた。



「私の名前はクリュー、あんた達に危害を加えるつもりはないわ」



仮面の少女、クリューは両腕を広げ、何もしないことを示した。



「素顔を隠した者を信じるほど私はお人好しじゃないわ」



ノワールは構えを解かなかった。



「それはそうね、私でもそうするから…でもね、そこの二人も信用出来るっゆうの?特に黒ウサギ」



クリューはルノーを指し示した。



「僕が何だというんだい?」



「さっきの…」



クリューは何か言おうとするが言葉がそれ以上でなかった。そして、クリューの心の中にルノーの声が響いた。



「…余計なことを言うと君はこの場で消えることになる…それに僕は君が何者か知らないとでも?」



「………」



クリューは沈黙で答えた。



「…だったら大人しく彼女の元へ案内することだ…」



クリューは長い間、息が止まっていたかのように素早く息を吸い込んだ。



「………いえ、なんでもないわ、赤の女王に会いたいのならついて来るのね」



クリューはそう言うと部屋の隅にある普通の大きさの扉の方へと歩んで行った。

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