Alice//F

シオン

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~Under The Red~

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森の中、半ば疑いつつ仕方なくノワール達はクリューについていくと木々の隙間から見覚えのある城が現れた。



「あれは…」



「私の案内は此処まで…」



クリューはそう言うと懐からカード束を取り出し、宙に散蒔いた。

散蒔いたカードが地に落ちるとクリューの姿は仮面と声を残して消えた。



「…城の裏口の扉は開いているはずだから、そこから入るといいわ、そして、すぐの階段を降りると目的の場所に着くわ…」



「…どうしてこの世界の人は前触れもなく現れ、去っていくの…」



ノワールはそうぼやくとクリューの言葉に従い、城の裏口に向かった。











「やっぱり此処、あの女王がいる城」



城の中に入ったノワールは中を確認しながらクリューの言った通りの場所に階段を見つけ、ノワール達は地下へと向かって降りていく。



地下へと降りるにつれて鉄が錆び付いたような臭いが鼻をつく。



「この臭いは…」



ノワールは手で鼻を覆った。



「早い到着ね」



通路に反響するようにルージュの声が聞こえた。



「誰かに案内されたのかしら?」



ノワール達は階段を降り終えると薄暗い部屋にたどり着いた。



「これは酷い…」



オクタンはそう呟き、ノワールは部屋に入ることに躊躇った。なぜならそこには部屋一面に満たされた血の絨毯があり、ルージュがその血よりも鮮やかなドレスを身に纏い、血で戯れていたからだ。



「このくらいで怖じ気付くなんて本当にあの黒のアリスなの?」



「…は、早くブラスタルを返しなさいよ」



ノワールは喉に詰まりかけた言葉を押し出すように言い放った。



「いいわ、受け取りなさい」



ルージュは白いブラスタルをノワールに向かって投げた。

投げれた白いブラスタルは地面に敷かれた血の上を滑るように転がり、ノワールの前に止まった。



ノワールは血の付いた白いブラスタルを拾い上げると白いブラスタルは花びらを散らすように割れた。



「どうして、何をしたの!?」



「その様子だとやっぱり知らなかったようね、それは偽物よ、本物のブラスタルは何物にも傷付くことはない」



ノワールはルノーの方を見た。



「赤のアリスの言う通りだよ」



「それじゃ、彼女は生きている?」



「彼女?あぁ~白のアリスね、あの女がそう簡単に死ぬわけないわ」



「どうしてそんなことが言えるの?」



「だってあの女は……まあ、私が言わなくてもそのうちわかるわ」



ルージュは立ち上がり、ノワール達に背を向けた。



「そのうちって今、教えなさいよ」



「私のブラスタルを奪えたなら教えてあげてもいいわね」



「そう…後悔するわよ」



ノワールは手を振り広げ、大鎌を出してルージュに斬り掛かった。



「後悔ね…」



ノワールの大鎌は床に満たされた血がノワール達の身体を伝い、その動きを止めていた。



「…でも、ここが私の領域だと忘れているわ」



「従属の血、この僕にまでこんなもので拘束するなんて」



ルノーは身動かし、抜けようとしたが血は固く硬化しており、びくともしなかった。



「その従属の血は例えブックメーカーの造りしアーティファクトでも抜け出すことは出来ないわ」



ルージュはそう言い残し、何処かへと去っていった。







「この~」



「やはり無理のようですな」



ノワールとオクタンは従属の血から逃れようと藻掻いていた。



硬化した血の床を打ち鳴らし、クリューと胸元に十字のペンダントをかけ、クリューと同じく仮面をつけた細身の背の高い男の二人が現れた。



「ようやく去ったようね、あの女」



「クリュー、そう言い方は止めておけ、何処で聞かれていてもおかしくないぞ」



男は胸元の十字のペンダントを握るとノワール達を拘束していた従属の血は脆く砕けた。そして、男の手には弓が握られていた。



「あんたらあの女王の仲間だろう?何故、私たちを助ける」



「あ~ぁもう気付かれちゃったか…何処でばれたんだろう?」



クリューの言葉遣いがころりと変わり、自問した。



「その弓、あんた瞬弓のアドナじゃろ?」



オクタンは男に話し掛けた。



「な~んだ、ばれたのはアドちんの所為か」



男、アドナはクリューの言葉には触れずにオクタンに尋ねた。



「御仁、何故私の名前を知っている?…」



「無視ですかぁ…あれ?そう言えばいないけど」



「確かにいないね」



「何のことだ」



「何を言っておる」



アドナとオクタンは雁首揃えて周囲を見渡すとその言葉の意味にすぐに気が付いた。



「あの方がいらしゃらない」



「女王の後を追ったのか、全く余計な手間を」



四人は部屋の奥へとノワールの後を追った。

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