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11 赤と闇
しおりを挟む城の王の執務室に怪しげな衣服で顔を隠した魔術師のような者が現れた。
「お久しぶりです、陛下」
執務室の重厚な机に足を掛けながら座る、金色の髪の美青年は現れた者に声を掛ける。
「そうだな、ビショップ」
「…王妃の御様子は如何ですか?…」
「あぁ、偽りの姿から真実の姿に戻っている…俺のようにな」
城の地下深く薄明かりに照らされた部屋の中、部屋の中央には断頭台があった。
「残念ね、本当に残念、忠実な国民だと思っていたのに…」
真紅のドレスに身を包み、赤い液体が数滴付いた仮面で目鼻を隠した女性が地面に座り込み、地面に転がる何かに話し掛けていた。
それは………
帽子屋の頭だった。
断頭台の上には首のない身体が寂しくも寝そべっていた。だが、首のない身体は立ち上がると切り口から血がウネウネと抜け出し、身体の空虚の部位にトランプ兵達がしているものと同じような仮面を形作った。
「…でも、これで永遠に私に仕えることが出来ることを感謝なさい」
そして、仮面が形作られると頭と身体は衣服を残して蒸発した。
女性は自らに仮面を引き寄せると仮面を手に取った。
仮面にはローマ数字の十が表記されていた。
「狂気に満ちた人材でも位は数字(シーフル)、意外に使えないわね」
女性がそう言うと仮面は影になり消えた。
「騎士(ナイト)が五つ、弓術手(ルーク)が二つ、魔術師(ビショップ)が一つ、特質(エース)が三つ」
そして、新たに形状がバラバラの仮面が四つ現れた。
「今一つ、手が足りないわね…」
女性は少し考え込んだ。
「やっぱり、あれでいきましょうか」
仮面達を消し去ると立ち上がり、地下室から出て行った。
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