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13 エピーヌの森
しおりを挟む「遅いお目覚めね…」
塔から程近い棘を持つ植物が散在する森の中、白のアリスとサンドルを複数の仮面が囲んでいた。
その合間から真紅のドレスに身を包み仮面で目鼻を隠した女性が現れ、仮面達は左右に退いた。
「…ルージュ・ド・アヴァロン」
「こうして対面するのはいつ以来かしら、ブラン・ネージュ」
「そんなことは知らないわ」
ブランはそっけのない態度を取った。
「つれないわね、まぁいいわ、私に…」
ブランはルージュが言い終わる間もなく言った。
「断るわ!」
「まだ何も言っていないじゃない」
「貴女の考えそうなことなんて全て言われなくても分かるわ」
「そう、なら…」
仮面から黒いスーツの身体が現れた。
「力ずくでも事を進めさせてもらうわ」
仮面の者達が飛び掛かってきた。
「貴女ごときに私が遅れをとるとでも?」
ブランは剣を形象させると直ぐさま仮面を目掛けて剣を振るった。
「貴女の能力は白日の元に晒されているのよ」
仮面は砕け、黒いスーツの者達は倒れるとブランは剣を女性の仮面に突き刺した。
「相変わらず迷いもない剣筋ね」
高台の崖から柄の付いた双眼鏡(オペラグラス)でその様子を同じく真紅のドレスに身を包み、同じ仮面で目鼻を隠した同じ女性が眺めていた。
「相変わらず卑怯ね、自らは姿は現さない」
ブランとサンドルの前には木偶人形が倒れていた。
「そうとも言えないわよ」
ブランとサンドルの背後から声が聞こえ、ブランが振り返るとサンドルの頭が宙を舞っていた。
その背後には、切っ先が角のように長い斧を持ったルージュが立っていた。
ブランは剣を下方に構え、ルージュに駆け寄って振り上げると斧の刃で受け止め、金属がぶつかり合う音が響いた。
「よくもやってくれたわね、私のアンプロム(下獣)を」
「前から気になる存在だったのよ、だからこの私がもらって上げたのよ」
ルージュは斧を引き、ブランの剣をその身に受けると姿は木偶人形に変わり、サンドルの姿が消えていた。
「やっぱり狩って正解ね」
高台の崖に立つルージュの手にはAという文字の入った仮面があった。
「これでも十分とは言い難いけど、他のアリスを退けるくらいの戦力にはなるでしょう」
ルージュの手から仮面が消え、ルージュはその場から立ち去った。
「これで残るアンプロムは三体か、ちょっと厳しいわね」
「お、お困りのようですね」
深緑の髪の修道女がブランの前に現れた。
「遅いわ、シスター・ヴェール」
「す、すみません、つ、着いてはいたのですが…あの方が…」
「そういえばシスターはルージュが苦手だったわね」
「す、すみません…」
「いいわ、私はあいつより心情が深いから許してあげるわ」
ヴェールは胸を撫で下ろした。
「さぁ、行くわよ」
ブランはヴェールを引き連れて去って行った。
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