14 / 51
14 三人目のアリス
しおりを挟むノワールとチェシャ猫は森の中を歩いていると突然、木々の合間から目の前にルージュが現れた。
「こんな所で会えるなんてついていますわ」
「誰だか知らないけど何の用?」
「忘れたの?会うのは初めてじゃないわよ、まあ、あの醜い姿から比べれば無理はないけど」
「何を言っているの?」
「ハートの女王だにゃ」
チェシャ猫は小さな声でノワールに言った。
「あの女王?見た目は確かに違うけど心中から滲み出る臭いは一緒ね」
「言ってくれるわね」
ルージュは斧を取り出し、いきなり振るってきた。ノワールとチェシャ猫はそれを躱すとノワールは大鎌を構えた。
「何をするにゃ」
「ちょっとした挨拶よ」
ルージュは斧を納めた。
「またの機会に会いましょう」
「待ちなさい!」
ルージュは後ろに振り返るとノワールは大鎌を振い、喉元で止めた。
「何か?」
「何か?じゃないわよ、いきなり斧を振るっておいて何もなしで済ますつもり?」
「そうね、では一つ、この森に住む少女には気をつけることね」
そういうとルージュは素早く身を屈めて地面に手をつき、大鎌の刃を蹴り上げた。
ノワールは体勢を崩してのけ反ったが、すぐに体勢を戻す。しかし、そこにはもうルージュの姿はなかった。
「逃げられたみたいね」
「その内また会えるにゃ」
「何でそんなことが分かるのよ」
「彼女もアリスの一人だからにゃ、赤のアリス、その名の通りの歩いた後には鮮血の跡が残るにゃ」
「一体、何人いるのよ」
ノワールはそうぼやくとチェシャ猫が答えた。
「僕が知っているにゃかではあと二人にゃ」
「知っている中ではってことはその他にもあんな奴がいるのね、面倒ね」
「残りの二人は君達三人に比べたら穏やかな方だと思うにゃ」
「残り二人がどんな奴か知っているの?」
「もちろんにゃ、さっき赤のアリスが言ってたにゃろ?」
「たしか、この森に住む少女には気をつけろとか言ってたわね」
「この森にアリスが一人いるにゃ」
「じゃあ、案内なさい」
「でも…」
「確認しておいて問題はないでしょ?」
「分かったにゃ」
チェシャ猫に案内され、ノワールはウェルズの森にいるアリスの元へ向かった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる