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第十五章
しおりを挟むアナザーピース~逸れた欠片~
「世界を導くという役目は果たしましたが本当にこれで良かったのかしら…」
消え去ったはずの黄昏の方舟の中にクレアがいた。
クレアの前には床に交わるように突き刺さるエレメンタルブレードとヘテロジニアスがある。
「では、時空の巫女としての力を使っては?」
クレアの傍でミストの声が聞こえた。
「それを使えばもう…」
「…此処が方舟、切り取られた世界ですか」
茶髪で短髪の学者風の青年が火の点いてない煙草を啣えながら現れた。
「貴方は誰です?」
クレアは怪訝な顔で訪ねる。
「ルカリド・ウィッチと申します、タユタナの巫女……」
ルカリドは視線をずらし、クレアの後ろの方を見る。
「…と精霊ミスト、いや、精霊王ミストルテイン」
「私が見えている?それに私の正体までも」
「見ての通り考古学者なので…(そろそろですか)」
ルカリドは瞼を閉じる。
時は遡り、場所は冥界ブロード。
フェイ達がノア・クロニクルと決戦の時を迎えていた頃、冥界のとある場所でバルディと王宮騎士団は元老院の三名と対峙していた。
「お前達の悪行はもう終わりだ」
バルディは告げる。
「悪行?悪や正義に捕らわれているとは未熟だな」
「やはり、我等がこの世界を導かねば」
アンセムの背後の地面にある渦を描く傷痕、翼龍ノ祠が淡い白い光を放つ。
「リミウム、他の者達は?」
「予定通り、私達以外の元老院は祠の糧になったわ」
「べグラム」
「例のイルフェは接続済みです」
「お前達、さっきから何を言っている」
ラズゥールは勝手に話を進めている元老院の三名に向かって言う。
「騎士団長、お前がいるということは…」
アンセムは騎士団の中にいる一人の人物に目を止める。
『…やはり…』
アンセムの視線の先にいる人物、それは副団長ラトだった。
『だが、役目は果たしたか』
騎士団達が突然、剣を抜いて互いに斬り合いを始めた。
「何をした!」
バルディは元老院に向かって言ったが元老院は何も答えなかった。
ラズゥールはバルディを守るように背を向けると剣を抜くと副団長ラトがラズゥールに斬りかかってきた。
「身体が勝手に」
ラズゥールは振り下ろされた剣を剣で受け止める。
「団長…私を斬って下さい」
「何を言う」
ラズゥールはラトと刃を交えながら、互いに刃を交える他の団員達に視線を向ける。
団員達の身体からは糸のようなものが何本も上に向かって伸びているのが一瞬、見えた。
『操り糸か?ならば』
ラズゥールは剣に力を込めて押し退けるとラトの上方に向けて剣を振り抜いた。するとラトが動きを止める。
「どうやらこれで…」
ラズゥールの腹部に痛みが走る。
「君の血は何色?」
その声はラズゥールのすぐ近くから歌うような声が聞こえた。
それは目の前にいるラトからだった。
「大地は何色に染まる?」
騎士団員達は血を流し、倒れているのがラト越し見える。
ラトはラズゥールの鎧を貫いて腹部に刺さる剣を引き抜いた。
「ラズゥール!」
ラズゥールの後方にいたバルディには死角となり何が起こったのか分からず、倒れるラズゥールの名前を叫び、駆け寄ろうとするのを横にいたメリルが制止する。
「いけません、今行けばバルディ様も」
メリルの言葉にバルディは気持ちを抑えて踏み止まる。
「それにまだ終わりではありません」
ラズゥールは地面に剣を突き立て、倒れかけた身体を支える。
「…お前は誰だ…」
ラズゥールはラトに向かって声を絞り出す。
「…私の…身体をこれ以上…」
ラトは何かに抗うようにぎこちなく動く。
『私の?これは僕の玩具だよ』
ラトの動きが変わり、突然、乱れるように剣を振るい、ラズゥールが地面に突き立てた剣を薙ぎ払うとラズゥールは地面に倒れ込んだ。
ラトはラズゥールが倒れるのを確認することなく、剣を薙ぎ倒した後、人形のような関節の可動制限がないような動きでバルディとメリルの方へと向かう。
バルディとメリルは奇天烈な動きで迫ってくるラトに動けずにいるとラトは突然、後ろへ飛び退いた。
「隙を見て適当に転移したが…やれやれとんでもない所に迷い込んだものだな」
ラトがさっきまでいた場所に周囲を見回すルナが立っていた。
「初代冥王ルナ、なぜここに!?」
べグラムが驚きの声をあげる。
「元老院か…なるほど」
ルナは声をあげた人物が纏う様相を見て判断した。
「あの子供があの初代冥王?」
「私を子供呼ばわりか、若き冥王」
ルナがバルディとメリルの方を横目で見るとあまりの威圧感に二人の背筋が伸びる。そして、ルナはすぐに異様な気配を放つラトに視線を移す。
「……久しいな、ノーム教の指導者の次は人形の真似事か?ロウ」
ラトは剣を鞘に戻す。
「ノーム教、ロウ…まさかあのノーム戦役の首謀者のケルビニア・ロウ?」
メリルは千年前のノーム戦役の重要人物の名が出たことに驚く。
「僕の名は記述からも削除されてたはずだけど…ルナ以外に知っている者がいたんだ」
ラトはメリルに感心する。
「次から次へと何がどうなって」
「落ち着け、べグラム」
アンセムがべグラムを宥めると続けて言う。
「そうか、お前は知らなかったのだったな」
『そう、べグラムは知らなかったのね』
リミウムはアンセムの言葉に内心で悦に浸っているとロウに操られているラトと目が合った。するとラトは笑みを浮かべるとルナに視線を戻す。
「千年振りの再会、まずは…」
ラトは指、手首をうねらせながら移動させ、剣の柄を掴むと素早く引き抜いて腕をしなるように振るう。
そして、振るわれた剣は刃が風となって辺りに吹き荒れ、刃が交わる音が数十回響く。
「…斬り結ぶか」
ルナの言葉と共に風が消し飛び、継ぎ目一つない白銀の剣を持つルナの姿が現れた。
「スターゲイザー、相変わらず綺麗な剣だね」
ラトはルナと剣を交えながらルナの白銀の剣に見蕩ていた。
「そんなにこの剣が良いというのならくれてやる」
ルナは白銀の剣から手を離した。
不意に均衡していた力が崩れたことでラトは白銀の剣を横へと押し退けて剣を前へと振り下ろす。
ルナは振り下ろされた剣を躱しつつ、押し退けられた白銀の剣の柄を逆手で掴み、ラトの胴へと振り抜いた。
するとラトはそのまま倒れて動かなくなった。
ルナとラトの戦いに決着を確認したアンセムがルナに話し掛ける。
「過去の因縁は終着したかね」
ルナはアンセムの問いに沈黙し、自らの内で答える。
『それはどうだろうな』
「まぁ、よいか…そろそろ時間だ」
アンセムがそう言うとリミウムは翼龍の祠の渦の中心に立つ。
「それはお前達がどうこうできる代物ではない」
ルナが元老院の三人に警告する。
「その為の策は講じてある」
べグラムはルナの警告など承知しているという風にルナに言うと何かに呼応するかのように翼龍の祠が胎動する。
渦の外側から中心に向かって渦をなぞるように消えていく。
そして、中心にいたリミウムの周囲の空間に白い光の傷が激しく現れてリミウムの姿を覆い隠した。
「呆けているそこの二人、そこに倒れているやつを連れて早く此処から離れろ」
ルナはバルディとメリルに倒れているラズゥールを示して言った。
「でも…」
「此処に居てもお前達に出来ることはない」
「バルディ様、今は初代様の言う通りに」
「わかった」
バルディとメリルは二人でラズゥールを担ぎ上げてその場から立ち去る。
『これからこの世界を導いていく若人には荷が重いからな、あれは…』
ルナは白き光の傷の殻に目を向ける。
すると突然、外殻を引き裂き、白い鱗を纏う尻尾が飛び出し、傍にいたアンセムとべグラムを薙ぎ払う。
二人は不意に現れた尻尾になにもできず壁に強く打ち付けられて血を散らす。
そして、残った外殻が一気に消し飛び、白い龍の姿が露になる。
「黒き龍と対を為し、共に滅びを導く白き龍」
ルナは継ぎ目のない白銀の剣、スターゲイザーを構えると白い龍は威嚇するように咆哮する。
ルナは鼓膜を劈くような咆哮にも動じず、白い龍を見据える。
動じないルナに対して白い龍は力を誇示するように翼を広げると白い光の粒が翼から舞い上がる。そして、白い龍の口先に光の粒が集束して光球となり、光球は収縮した後、ルナに向かって光線が放たれる。
ルナは放たれた光線を白銀の剣、スターゲイザーで受け止めると受け止められた光線は周囲に力が拡散し壁や床を破壊する。
受け止めている光線をルナは押し斬ると光線が一瞬、途切れる。その隙に体勢をずらし、再び光線が流れると光線の真横を駆け抜けて白い龍へと近付き、地面を蹴って飛び上がり、喉元に向けて白銀の剣を斬り上げる。
白銀の剣を受けた白い龍は首を大きく仰け反らし、光線が壁から天井へと破壊しながら移動して光線が消えた。
「そろそろ、正体を明かしたらどうだ?」
ルナは白い龍の前に着地して鋒を向ける。
「ロウ」
白い龍は仰け反った首を元に戻し、ルナを見詰めて言葉を発する。
「へぇ、よく気付いたね」
「そのくらい分かる、かつての友だからな…それで白き龍の身体を乗っ取って何をする気だ」
「友ならそれも分かっていてくれると思ったけど…」
「………何故だ…」
「まだ息があったんだ、しぶとい年寄りだね」
アンセムが壁を支えに弱々しく立ち上がると血が滴り落ちて地面を染める。
「…リミウム」
「寄り代となった者ならこの内にはもういないよ」
「何者なんだ…」
「救世主かな」
「滅びの龍の身体で救世主?」
ルナは白い龍の言葉に疑問を呈する。
「時に滅びは救いを齎す、君はよく知ってるはずだけど」
ルナは白い龍の言葉に沈黙で答える。
「…そうか…」
アンセムが何かを悟ると地面を染める自らの血が文字列を作る。
「ならば自らの滅びを以て、救いを為す…」
地面の血文字が地面に吸い込まれるように消え、アンセムはその場に倒れ、赤い文字列が白い龍の体表に拘束するように現れた。
「命を対価に白き龍に血の呪印を施したか」
「でも、無駄死にだね」
文字列が崩れるように浮かび上がり消えていく。
「白き龍は何物にも染まらないからね」
「それで救世主様の望みは?」
「もちろん、滅びの救済」
「変わらぬ願いだな」
ルナの持つ白銀の剣が砂銀となって空中に散らばる。そして、継ぎ目のない白銀の双剣に再構成される。
「やっぱ綺麗だね」
白い龍は白銀の双剣に一時見蕩ると光の粒を散らしながら翼を羽撃かせて宙に浮かぶ。
光の粒は星のように部屋全体に散らばり瞬く。
「まさにスターゲイザーだな」
ルナは部屋全体に散らばった光の粒を見回した後に白銀の双剣を白い龍に向ける。
『双剣にしたのは正解か』
ルナが双剣を構えると星々が次々とルナに向かって落ちる。
ルナは剣を交互に振るい、光の粒を次々と斬り砕くと砕けた光の粒は細かな粒子になって地面に散らばる。
数十分、その状態が続き、全ての光の粒を砕き尽くすとルナの足元は光の粒子で埋め尽くされていた。
「残念、もう少し楽しめると思ってた」
光の粒子がゆっくりと舞い上がり、消えていく。
「どうして…」
「最初の一撃でもう決していた」
「何で、今になって」
「星の光は観測者の所に届くまで時間が掛かるからな」
「そうなんだね…」
「今度こそ、永久の別れだ」
「…ありがとう、これで僕の望みは果たされたよ………」
ルナの足元にあった光の粒子の最後の一粒が消えると白い龍は動きを止めた。
冥界~白い闇~
突然、空間を劈く獣の声…。
それは白い龍だった。
「…これからが本番か」
ルナは白銀の剣、スターゲイザーを構える。
白い龍は鼻から大きく空気を吸い込み、自らの胸を膨らませると口を開けて、勢い良く吐き出す。
白い龍の口から吐き出されたのは吸い込んだ空気でなく白い炎だった。
ルナはその白い炎に包まれ、姿が見えなくなった。そして、白い炎は次第に白い霧へと変わり、辺りは白い闇に閉ざされる。
「まぼろしか?」
ルナの前には左腕のない青年が一人、立っていた。
「何故?」
「どうした、幽霊でも見たような顔をして」
「だが、お主は…」
「死んだはずと?まあ、その通りなのだが…今は白き龍の放った幻霧の炎によって此方と彼方が繋がっているからな」
「まったく感慨に浸る暇もなかったよ」
朱い髪、朱い瞳の青年が現れた。
「うむ、確かにな…ロウ」
ルナは朱い髪、朱い瞳の青年に同意する。
「この顔触れだとあと一人か」
そこへ…
「俺を呼んだか?」
艶やかな髪の整った顔立ちの女が現れた。
「ギルガメス…」
左腕のない青年は気まずそうに現れた艶やかな髪の整った顔立ちの女の名前を言う。
「ヴェルフ、気にするなお前を恨んでいない」
「だが…」
「一歩間違えば俺もお前を…だから、終わったことは忘れろ」
『終ワリデワ無イ、終ッテナドイナイ』
その場にいる全ての者の頭の中に声が聞こえた。
「この声は…確かに終わっておらぬようだな、あの時の妄執は」
白い闇を断つように一筋の黄金の光が現れ、空間を割くように左右に開き、辺りを黄金の空間に染めていく。
そして、四人の前には和装のような装いの長い黒髪の少女が立っており、その少女の身体の左にある少女のものとは異なる存在、ヴェルフの左腕。
「欲深き者グレド」
ルナは左腕の真の名を口にする。
「軽々しく主様の名前を口にするとは…」
少女の左腕が禍々しい力を放ち、左手の黄金の剣は神々しく輝く。
「我々は旧知の仲だ、よいではないか」
『今度コソオマエタチモロトモ世界ヲコノテニ』
「叶わぬ、妄念」
「死人が亡霊退治なんて何の冗談だろうね」
「唯一の心残りを此処で果たすとしようか」
「あぁ、過去にけりをつける」
ルナ、ロウ、ギルガメス、ヴェルフの四人は順繰りに言うと其々の手元に武器が現れた。
「まだ取ってあったのか」
ギルガメスは手元に現れた黒光りする銃、その銃と鎖で繋がる片刃の剣を示してルナに言った。
「大切な品だからな」
「それより来るぞ」
ヴェルフは右手の褐色の鎗を片手で巧みに振り回して構える。
少女は軽い身の熟しで鎗の間合いに入り込み、黄金の剣を振るい、鎗の柄を切り上げる。
切り上げられた鎗の穂先は上方へと向けられるのに比例して返すように石突きが少女の腹部に向けて突かれる。
だが、それを少女は石突きを掴み、地面を蹴り上げて倒立するような体勢になって躱すとその体勢から手で身体を跳ね上げて柄の上に着地する。そして、そのまま柄を駆けて黄金の剣をヴェルフに向けて振り下ろす。
ヴェルフは褐色の鎗から手を離し、振り下ろされた黄金の剣を躱すと柄の上にいた少女は地面に前傾姿勢で落ちるがすぐに体勢を立て直し着地する。
「朽ちよ、ラスト」
褐色の鎗がバラバラに崩れ落ち、黄金の剣に纏わり付いた。
褐色の欠片が纏わり付いた黄金の剣は重く剣先を地面につけると少女は剣から手を離し、左手で何かを掴み取る。
そして、手を開くと弾丸が地面に落ちる。
それはギルガメスの黒光りする無音の銃によって放たれた弾丸だった。
「ちっ!」
少女は舌打ちをすると腕が何かに引っ張られるかのように動く。
ロウが鐵のガントレットを着けた指先を動かしている。
ルナは少女に対してスターゲイザーを構えて一気に振り抜く。すると振るわれた刃は少女の左腕を空気を斬るごとく何の抵抗もなく切り落とす。
少女は濁った声で悲鳴を上げ、少女の悲鳴を聞いたルナは呟く。
「素体となった者との侵蝕は末期だな」
切り落とされた左腕は触手を伸ばし、再び少女の左腕に戻る。
「やはり容易くはないか…」
ギルガメスは無音の銃の弾丸を放ちながら少女に近付き、片刃の剣を振るう。
だが、左腕の境目から現れた触手によって銃弾は全て受け止められ、片刃の剣は左手によって受け止められた。
『弱イ弱スギル、コレガ嘗テワタシヲ封ジタ者達ナノカ?』
「主様」
『死者モ生者モ私ノ内ニ』
「承知しました…」
少女は右手を前に差し出した。すると黄金の世界に白き闇が何処からか吹き込み、少女の掌の上に白き闇が集まり、白き本の形を為す。
『クロニクル・アーク?何故?…まさかあの少女はあの少年と相対の心を?』
ルナはフェイの姿を思い浮かべる。
『ならば、手を打つ必要があるな』
ルナの輪郭がぶれて二重になり、一つの像が何処かへ消えた。
「どうする?世界相手では…」
ヴェルフは弱音を口にする。
「何を言っている世界?誰の世界か知らないが怖れることはない、そんな状況今まで幾つもあっただろう」
ギルガメスは片刃の剣と銃を構える。
「そうだよ、それに嘆いたところで状況は変わるわけでもないし」
ロウは鐵のガントレットの指先を動かして空間に操り糸を配する。
「ロウ、動きを見せたらあの剣の腐蝕を解け」
ルナは褐色の欠片が纏わり付いた黄金の剣を示して言うと少女が動きを見せる。
少女の持つ白き本がゆっくりと開く。
「今じゃ!」
ルナの声に全員が動き出す。
ロウはルナの声と共に勢い良く手を振るうと完全に開きかけていた白き本に糸が巻き付いて閉じられる。
「今度こそ、その左腕を切り落とす」
ギルガメスは片刃の剣を振り下ろしながら再び受け止めようと動く触手に銃弾を放ち、触手を撃ち滅ぼす。そして、左腕を断ち斬る。
「ファースンダウン」
地面に落ちた左腕に対して銃弾を数発、速射する。すると少女の左腕に伸びようとしていた触手が動きを止める。
そこへ黄金の剣を纏っていた褐色の鎗を手に左腕に突き刺した。
「朽ちよ、ラスト」
褐色の鎗がバラバラに崩れ落ち、左腕に纏わり付いた。
少女は左腕を押さえ、悪態をつきながら悶え苦しむ。
「…くそっ…ごろしてやる…」
「残念だが、消えるのはおぬしじゃ」
ルナの言葉と共に輝きを増した黄金の剣の刃が少女の胸を貫く。
少女の身体から黒い靄が吹き出して霧散し、少女の身体は消失する。それと同時に褐色の欠片を纏っていた左腕は体積を無くし、褐色の欠片だけが地面に残され、褐色の欠片は鎗の姿に変わる。
残された宙に浮かぶ白き本、クロニクル・アークは何処かへ転送されるように消える。
「これで役目は終わりか」
ギルガメス、ロウ、ヴェルフの身体から光の粒が浮かび上がり、質量が減少して姿が透けていく。
「今度こそ、別れだね」
ロウは自分の身体を見回し、ルナに向かって言った。
「そうなるな…」
「まあ、しんみりするのもなんだから僕は早々に行くよ。三度目だし…」
ロウはそう言い残すと姿が完全に消えた。
「俺も行く、思い残すこともなくなったからな」
ヴェルフは虚空の左腕の口を擦る動作を見せて消える。
「ルナ、頼みがある」
「後裔のことだろう?お前は男勝りだが、意外と気遣いが女性らしいからな」
「余計なことはいいから」
「相変わらず、茶目っけがないの」
「ルナはもっと控えるべきだ。それで返事はどうなんだ!?」
「わかっている」
「ならいい…じゃあな」
そして、最後の死者であるギルガメスは後ろ髪を引くことなくあっさりと姿が消す。
ルナは暫し、無言で目蓋を閉じる。そして、再び目蓋を開けた時にはグラハムの船、サウザンド・エンプレスの船内にいた。
アナザーピース~逸れた欠片~
消えたはずの黄昏の方舟。
砕けたエレメンタルブレードとヘテロジニアス。
地に伏すクレア。
「ミスト…」
クレアは地に散らばる水滴を悲しみ交じりの瞳で見つめる。そして、此方を見下ろす人物に視線を移す。
「…あなたは…まさか…」
クレアの視線の先にいる人物は茶髪で短髪の学者風の青年、ルカが火の点いていない煙草を啣えながらうっすらと笑みを浮かべていた。
クレアは力を振り絞り、立ち上がる。
「…貴方は光と共に消えたはず」
「滅びを記す歴史書は一つにあらず、逸れた流れは修正しなくてはならない」
「修正?」
「あるべき輪廻の環の中に」
「それが無為とでもいうのですか…終わりなき終わりを繰り返すことが」
「勿論です、それこそがあるがままの世界」
「でしたらそんな世界は…(牢獄も同然)」
クレアはルカの言葉に覚悟を決めるとクレアの身体から光の粒が沸き上がる。
『…巫女の力を使う時が』
「時の力で抗うか、それもまた史実」
その場いる二人の姿が揺らぎ、空間が巻き戻される。
砕けたエレメンタルブレードとヘテロジニアスが元の形へと戻り、二振りの剣の一方、ヘテロジニアスが消える。すると強い閃光が放たれてその光が治まると布を割いたような紐に拘束され、胸にヘテロジニアスが刺さるフェイの姿があった。
そして、巻き戻されていた空間の流れがそこで止まる。
「…これで世界は救われる」
フェイは力無く呟いた。
「それで世界が救われても貴方と友人達の心は救われないわ」
フェイは薄れ行く意識の中を保ちつつ、声の主に視線を向ける。
そこにはクレアの姿があった。
「…クレア…さん?」
クレアはフェイに突き刺さるヘテロジニアスの柄を掴み、ヘテロジニアスの刃をフェイの身体から引き抜いた。
するとフェイの意識が定まり、傷口が塞がると生気が戻っていく。
「どうして…」
フェイは自分達以外の世界が止まっていることに気付く。
「今は私の力で時を止めています。これから訪れる岐路の選択を変える為に」
「訪れる選択」
「このまま時を動かせば方舟は崩壊し世界は無に帰す」
「それは分かっていますだから俺は…」
「しかし、その選択ではさっき言った通り貴方の友人達は救われない」
クレアはそう言いながら地面に突き刺さるエレメンタルブレードの柄を掴み、引き抜いた。
「だから、この世界を変える為の鍵である二つの剣で」
「なるほど、それがクロニクルの断篇を葬った光と闇の器たる改変の鍵ですか」
その言葉と共にルカが現れた。
「巫女の力に干渉出来るということはやはり本物ということですか」
「時の巫女ともあろう人が真偽を認識出来ていなかったとは何ともお粗末ですね…」
ルカは落胆の言葉を口にすると俯き、両腕を少し広げて掌を天に向けると首を左右に振る。
「本当、期待外れです…」
ルカはクレアやフェイには聞こえないほど声で小さく嘆いた。
「ノア、アーク」
そして、ルカは二つの名を呼ぶと黒い書物と白い書物がルカの左右に現れた。
その二つの書物に反応するかのようにクレアの手にあるエレメンタルブレードとヘテロジニアスが小刻みに振動し高い音を鳴らす。
「どうしたというの?」
二振りの剣は勢い良くクレアの手から放れて飛び去る。その先にある書物の表紙に鋒を突き付けて停止した。
エレメンタルブレードは黒い書物の前に、ヘテロジニアスは白い書物の前にある。
「鍵を錠の穴へ」
ルカの言葉と共に二振りの刃は二つの書物の表紙に刺し込まれるように消えていく。
剣の刃が全て刺し込まれると鍵が重い音を立てて開く。
「さて、選択の時、君は何を選ぶ?」
ルカはフェイに問いを投げ掛ける。
「俺が?」
「そう、世界に存在しなかった君がだよ」
ルカはフェイに指を差す。
「最初の選択のまま自らを犠牲として世界を救うか、或いはみんなと共に世界と消えるか。それとも…」
「それとも?」
「世界と自分を含む全ての者を救うか」
クレアはルカのフェイの問いに違和感を覚え、ルカへと訊ねる。
「貴方の目的は何?本当に滅び書物なの?」
ルカはずっと啣えていた火の点いていない煙草を左手で掴み取る。
「私は特異点である個体名、フェイト・エルベーニュの答えを待っていたのですが…まぁ、いいでしょう。この空間では時間は十二分にある」
ルカは煙草を啣えて上衣のポケットからオイル式ライターを取り出し、蓋を開くとフリントを指で回転させて火を点ける。
火の点けたライターで煙草に火を点けると蓋を閉じて火を消し、先端から煙を上げる煙草を左手で口から外し、ルカは煙を吐き出した。
そして、クレアの問いに答える。
「確かに私は滅び書物、アール・クロニクルです。しかし、私が滅ぼすのはノアとアークの二つのクロニクルより産み出されし混沌から生じる滅びの連鎖、つまり現状進行していた輪廻と連鎖それを滅ぼすことが私の目的だが、そのトリガーを引くのは…」
ルカはフェイに視線を向ける。
「貴方は敵、それとも味方ですか?」
「それは君の選択次第です。それで答えは?」
「…俺は全てを救う」
「尤もな答えですね。ならば…」
エレメンタルブレードが突き刺さる黒い書物、ノアとヘテロジニアスが突き刺さる白い書物、アークが互いにゆっくりと近付いてゆき、近付くにつれて次第に半透明へと変わり、重なりあう。
「…私を倒すしか他ないですね」
ルカは重なりあった剣の柄を掴み、引き抜いた。
「そうですか…(やっぱりそうなるのか、望みには対価を)」
フェイは自分の選択の後に起こり得る事態を想定していた。
引き抜かれた剣の刀身は白と黒が編むように絡み合っている。そして、剣が刺さっていた書物が中程から開き突然、頁が虚空に四散して空中で停止する。
「本当に貴方が消えればクロニクルの環の中から外れることが可能なのですか?」
「いよいよという時に何を」
フェイが身構えた状態で静止しており、動ける者はルカとクレアのみ。
「確実にとは行かないが私も原書ではないですから、しかし、現存するクロニクルは私の内にある一冊のみ」
「そう…」
クレアは左手を胸にあて何かを自らの内から出現させようとする。
「先程も言いましたがそこにいる特異点がトリガーであり、貴女が私を葬れば訪れるは誰ひとり救われることのない滅び…」
クレアは自らの内から何かを引き抜き、ルカに向けて振るう。
だが、それはルカに触れることはなく、クレアの左手から消えた。
「お止めください、私の為に世界を滅ぼすことは」
クレアの左腕に添うように自らの両腕を絡めているミストの姿がクレアの傍にあった。
「ミスト…」
「心配入りません、クロニクルによって生じた負の流れは消えます」
ミストが穏やかにクレアに伝える。
「そう、それこそがこれから起こるゼロ・クロニクル。クロニクルの関わる事象はゼロとなり、本来の姿に世界は改変される」
ルカはミストの言葉を補足説明する。
「…そう」
クレアはミストの言葉とルカの説明に納得する。
「納得頂けたようで何より…」
空中で停止していた紙から文字が零れ始め、静止していたフェイの時が動き始める。
『いま、何かが…』
何故かルカの手にあったはずの白と黒が編むように絡み合っている剣がフェイの手にあった。
「どうして…」
フェイはその剣に気付いて呟くと視線が足元に向く。
「なんだこれ」
文字がフェイの足元を埋めつくし、徐々に這い上がってくるが動くことが出来ない。
「始まりましたか」
ルカの目には文字が映っておらず、剣を握りただ立ち尽くすフェイがいる。
「…今度は邪魔はしないでくださいね」
ルカはクレアに釘を打つと姿が灰色に変わり、書物の形へとかわる。そして、灰色の書物はフェイの胸部へ浸透するように消える。
「これで世界は本当に?」
ミストの言葉に疑いを持ってはいないがクレアは自らの内の不安を拭えずにいた。
ワールド・コア~全ての中心~
「ここは…」
フェイのいる場所は何もない真っ白な空間。
「確かたくさんの文字に飲み込まれて…」
「ここは自らの意識の底、これから始まる世界の淵源」
フェイの目の前には灰色の書物が浮かんでおり、声はそこから発せられた。
「さぁ、その剣で一思いに」
フェイは自らの左手に握られた白と黒が編むような刃の剣の鋒を灰色の書物に向けて突くように構えた。
『なんで勝手に…』
フェイは自分の意識に関係なく動くことに戸惑う。
そして、灰色の書物に向けられた鋒は空を切り裂きながら書物へと直進し、灰色の書物を貫いた。
暫く静寂の後…。
「これで世界は…」
貫かれた灰色の書物は一瞬で焼失する。
『…滅ぶ…』
灰色の書物の声に次いでフェイの内に言葉が浮かぶ。
フェイの胸部から黒い手が突き出る。
そして、フェイの内から黒く染まる人物が抜け出る。
「何で俺の中からこんなものが…」
「こんなものとはつれないことをいう」
フェイと同じ声が黒く染まる人物から聞こえた。
「僕は君が特異点と呼ばれる所以だよ。そして、世界への干渉も隔絶することの存在でもある」
黒く染まる人物の言葉にフェイは理解が及ばなかった。
「しかし、まさか君に光が宿るとは思わなかったよ。だから、僕は黒の本を産み出す羽目になったんだ。まぁそれも愚策だったんだけど…」
黒く染まる人物は饒舌に語る。
「結果、世界に恐怖、憎悪、嫉妬、負の感情が広がっちゃってそれで安定をつくる為に白の本を産み出したけど反作用、新たに灰色の本が産まれた。まさに禁忌を得たり人は方より生まれし希望によって混沌たる世界が生まれるとは神もよく言ったものだよ」
黒く染まる人物は一頻り話終えると本題を思い出す。
「そうだ、名前がまだだったね」
黒く染まる人物の姿が鮮明となり、声と同様に姿もフェイと同じものだった。違うと言えば衣服や装飾が異様に黒いということくらい。
「まあ、名前といっても定かなものはないんだけど灰色の本、アールの言うところのクロニクルの原書」
「どうして俺の中に」
「そんなもの?それはね…」
黒のフェイが答えようとした時、二人のいる真っ白な空間がノイズと共に乱れる。
「…確かアールが釘を刺したと思うんだけど」
黒のフェイは空間に起こった現象に対してそう口にするが…。
「いや、これは別の…」
黒のフェイは最初に思い浮かんだ者とは別の存在を感じると二人の人物が現れた。
「レイナ、リーシュ」
「無事だったっすね…?」
リーシュは二人のフェイを交互に見る。
「なんかヴァルキリアの時と同じ」
「それは仕方ないよ、あれは僕の劣化複写本だからね」
「黒い方が偽者っぽいすね」
リーシュは隣にいるレイナに小声で言う。
「でも、あの人の話だと」
「あっそんなこと言ってたっすね」
「こそこそと何を話しているんだい?」
黒のフェイは二人に歩み寄ると二人は咄嗟に後退る。
「おや、警戒されてる?まあ、いいけど…それで二人は何故ここにというか、どうやってここに来たのかな?」
レイナとリーシュは顔を見合わせ、互いに頷くと行動する。
二人は何かを手に一歩踏み出すと黒のフェイの体に手に持つものを突き当て、二人は黒のフェイの左右を駆け抜ける。
黒のフェイの顔が歪み、地面に膝を突く。
「これは…」
レイナとリーシュに突き当てられたものが黒のフェイの内へと消える。
「そういうことか…」
黒のフェイの身体の所々が元の姿のように黒く染まる。
「そう、精霊に時の流れは関係ないからね」
黒のフェイの内から少年ような声が聞こえた。
「久方振りになるのか」
フェイの目の前には朱い宝珠が浮かんでいた。
「グレネリス…」
「我を手に取り、二人と同じように」
フェイはゆっくりと朱い宝珠に右手を伸ばす。
「…そんなことをしたら精霊と言えども今度こそ本当に消えることになるよ」
黒のフェイの言葉にフェイの手が止まる。
「戯言を、お前が消えればどうとでもなる」
「そう、だからもう黙って最期時を迎えなさい」
黒のフェイの中からミリアリスの声が聞こえ、黒のフェイの意思に反して口が真一文字に閉じられる。
「さぁ、フェイ我を手に取り…」
「あいつの話は本当なのか?」
グレネリスは沈黙する。
「二人も知ってて」
フェイは両隣にいるリーシュとレイナを交互に見る。
「…うん、でも!」
レイナは頷き、すぐに弁解しようとするがそれより先にフェイが口を開く。
「ごめん、俺も分かってはいるんだそうすれば…」
リーシュがフェイの右手を突然掴むとレイナも同じように掴む。
「今度は一人で背負わせたりしないっすよ」
「三人一緒に」
フェイはリーシュとレイナの言葉に頷き、朱い宝珠を掴むと三人は一歩一歩、黒のフェイに歩み寄る。
黒のフェイはその三人の行動に抗うように藻掻くように動くが四肢の動きは二体の精霊によって自由を奪われており、歩み寄る三人に目で必死に懇願する。
だが、その願いは届くことなく朱い宝珠は黒のフェイの胸に押し当てられた。
朱い宝珠はフェイの手から離れるように黒のフェイの内へと消える。
そして、一瞬にして黒のフェイの全身が黒く染まる。その直後、膨れ上がるようにして空間、全てを闇に染める。
暗闇の中には朱、蒼、翠に光る宝珠が一つ、空中に浮かんでいた。
暗闇の中、フェイの左手に握られていた白と黒が編むような刃の剣が独りでに動き、フェイの手から勢い良く放たれる。
朱、蒼、翠に光る宝珠に向けて。
剣は宝珠に突き刺さり、一撃で宝珠を砕くとその衝撃で空間を染めていた暗闇が一瞬で晴れる。
宝珠が砕けた反動で舞い上がった白と黒が編むような刃の剣は回転しながら落ちてきて地面に突き刺さる。
「何が起きて?」
フェイ、レイナ、リーシュの身体から光の粒が立ち上り、身体が徐々に透けていく。
「これで終わったってことっすね…」
最初にリーシュの姿が消える。
「待ってるから…」
続いてレイナの姿が消える。
そして、白と黒が編むような刃の剣が地面に突き刺さる真っ白な空間がフェイの視界から消えた。
フェイは目を覚ますと見慣れた天井があった。
そこはフェイが旅に出るまで長年住んでいた自らの家、フェイはベッドの上に寝ていた。
「どうして」
フェイは自らの発したその言葉に疑問を抱く。
「なんだろう何か、忘れているような」
フェイはベッドから降り、水瓶から桶に水を移すと顔を洗う。
「取り敢えず、あの二人に会いに…あの二人?誰のことだ?」
疑問が募るが顔に付いた水滴と共に傍にあった布で拭い去り、慣れた手つきで身支度をすると家から出た。
外は日も高いというのに街には人の姿が見当たらず、声すら聞こえてこない。
フェイはそんなことには気に止めず、自然とある方向へと歩みを進める。
暫くして木々が生い茂る獣道が現れ、そこへ躊躇無く分け入っていく。
そして、抜けると聳え立つ時計塔が姿を見せる。
その袂には二人の人物がいた。
「フェイ!」
二人に名前を呼ばれた瞬間、今まで無音に近かった周囲の音が鮮明になり、木々が風で擦りあう音や鳥の鳴き声、街中の人の営む音が聞こえてきた。
「レイナ、リーシュ」
フェイが二人の名を呼ぶと今までの出来事が思い起こされ、フェイは二人に駆け出す。
そして、三人は抱き合う。
「これで終わったんだ全て」
「そうっす」
「うん」
三人は各々、今まであった出来事を思い返して涙を流した。
The End...
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