134 / 138
神バルデルス
しおりを挟む
こうした怒涛の歳月を経て訪れたのは平穏な日々。代わり映えの無い平凡な毎日。
……僕とウル様はね。オスビーは忙しそうだよ?
「ウーリ、どこへ行く」
「…エミルと市中の見廻りに」
「つまり散歩ということだな?神官長が若い修道士に言葉を賜りたいと探していたが…」
「あっ!エミルが呼んでる!もう行くね」
ひゃー、逃げるが勝ちってね。
修道士の増えた調薬塔に僕やエドの出番はそれほど多くない。これも信頼の証ってことで。
「ウルリッヒさま」
「ロタどうしたの?今日のお勉強は?」
「エミルお兄さんが子供は少しくらいさぼっても良いと言うものですから」
ちょ!ウル様ー!第四王子に何教えてんのー!って、それ言ったの昔の僕だけどー!
けどまあ…
せっかくなので海岸で遊ぶことにした。
季節は暑季、このサンクトリウムで最も気持ちの良い季節だ。
「ウルリッヒさまー!これ見てくださいー!」
「あー、残念ー!それは食べられないやー!」
「食べられなくてもいいじゃない。せっかくきれいなのに」
食べられない貝なんて意味ないじゃん。あ、ウル様壁に飾ってたっけ。
ロタ王子とお付きの弟軍団は楽しそうに浜辺で貝探しをしている。弟軍団とはユストゥス、カーステン、アルノーなどの末弟たち。齢の近い彼らは非常に仲がいい。
「あー、良い風…。平和だねぇ…」
「ほんとう、平和だね…」
「あっ、いた!」
少年たちを護衛に任せ大人の僕とウル様が探してるのは岩場のカニね。これで作ったスープは絶品なのだ。
「エミルそっち行った」
「えい!やだぁ、逃げちゃった」
「その小岩どかして見て」
ガタ「わぁいっぱい!」
あっちにこっちに移動しながら籠をカニでいっぱいにしていく。
ふと向こうを見ればそこは例の洞穴。
「エミル、あそこで休憩しようか?」
「うん」
僕にとってもウル様にとってもそこは思い出の場所。ウル様はこっそりここを〝愛の洞穴”と呼んでいる。
「はい水筒。それとビスケット」
出したのはウル様じゃなく僕ね。
パンを二度焼きしたビスケットはパンだけどお菓子という代物だ。お母さんの得意なパンなんだよ。
「ああ涼しい…」
「あっ!ねえ見て!ビオラがまだ残ってる!」
「ホントだ」
ビオラの開花期は乾季から暑季、そろそろ終わりを迎える頃だ。
「良かったぁ~。押し花にしたいって思ってたの。摘み忘れちゃって」
求婚の時は感極まって、そして翌年は皇国との緊張感で。その後も北から東への周遊とかあって延び延びに。
他にも「お花が可哀想…」と満開期には手を出さず、ウル様は摘み取る時期を見失っていたようだ。
比較的キレイなビオラを選びながら、奥へ奥へと、まるで誘い込まれるように進む僕とウル様。
そうしていきなりそれは起こったのだ。
「止まってウル様!」
「な、なに?どうしたの…」
「わからない。けど空気がなんか…」
神子の勘が告げている。これは異常な事態だと。
ウル様の腕を引っ張り足を止める。けれどその気配はそんなのお構いなしに僕とウル様、二人を包みこんでいく。
「きゃ!」
「うわ!」
いきなりのそれは目を開けていられないほどの光。
「エミル!」
「ウル様!僕に捕まって!」
チカチカする黄金色の海にのまれても何故か恐怖は感じない。むしろなんかこう…どこか覚えのあるような。
はっ!そうだ。これは再生の奇跡を施行するときのあの感覚に似ている!
横を見ればウル様も同じことを感じているようだった。
「と、途切れた…」
「今のは…」
そっと目を開ければ今度は一面の白。
「あ、あれ…洞窟の奥にこ、こんな場所が…」
「違うウル様。ここ洞窟じゃない」
「え?じ、じゃあどこだって言うの!」
「そ、そんなの…」
いくら僕だってそんなのわかんないよぉ!
『ここはそなたたちの表現する雲の上。だが実際にはどこでもない空の場所。我らが住まう天界である』
「やっ!なんか頭に響いてる!」
「直接語りかけてるんだ!」
聞こえてきたのは抑揚のない平坦な声。暖かみは感じないのに不思議と冷たさも感じない。
雲の上…空の場所…天界…、まさか…うそ、まさか…
「も、もも、もしかしてあ、あなたは神バルデルス様ですか!」
『そう呼ばれておる』
か、神様きたー!
「あなたが僕とウル様をここに呼び寄せたのですか?」
『そうだ』
「お姿は見せてくださらないのですか?」
『必要ない』
うーん、軽々しく人前に顕現はしないってことか…
「では何故僕たちをここに呼んだか教えてください」
「それよりどうして僕たちを入れ替えたか教えてください!」
僕を遮って前に出たのはウル様。キョロキョロと姿なき神様を探している。
「僕は…僕とエドはずっと考えてた。いろんなことがあって…いろんな過去を知って…神子の役割はなんとなくわかりました。どうしてこうなったのかもなんとなくは…。けどどうして僕とエミルがこうなったのかは分からなかった…。どうして入れ替えたりなんか!そのせいでエミルは全部失ってそのうえ何度も死にそうになったのに!」
ウル様…
そうか…。ウル様はこの状況をただ喜んでいたわけじゃなかったのか。
エミルが持っててウル様が持って無かったもの。
それはどこへでも行ける自由。何でも知ることが出来る自由。家族の愛も、…たった一人の愛しい人すら…ウル様は手に出来なかった。
今ウル様が手にしているもの、それは全部僕と入れ替わって手にしたものだ。
だからウル様は僕から奪ったって、その気持ちがどうしても拭えないのだろう。
バカだな…。僕は神子ウルリッヒになったって東西南北どこだって行ったし何だってしたし、それに愛しい人だって自力で手に入れたのに…
しいて言うなら両親をお母さん、お父さんって呼べないことぐらい?けどそんなのなくったって僕たちは親子だ。
見てよこれ。僕はどれほど名前が変わったって僕のままでしょ!
だから気にする必要なんてなんにもない。今すぐ安心させてあげなくちゃ!だって僕は永遠のお世話係なんだから!
『一人目の神子よ。何故お前たちを入れ替えたか、その理由は二人目の神子がよく知っておる』
出鼻をくじかれるとはこのこと。勢い込んだ僕のこのやるせなさをどうしてくれる。
神様はぜんぶお見通しか…。僕とオスビーが何を考えどう動いたか、ぜーんぶ。
チラリとこっちを見るウル様。
ウル様の優しい想いが染みわたる…
『だが教えてやろう。お前では足りなかったのだ』
「足りない…」
『運命を受け入れるだけでは到底足りぬ。我が求めたのは己が望むままに運命を引き寄せる、強き魂の神子なのだから』
……僕とウル様はね。オスビーは忙しそうだよ?
「ウーリ、どこへ行く」
「…エミルと市中の見廻りに」
「つまり散歩ということだな?神官長が若い修道士に言葉を賜りたいと探していたが…」
「あっ!エミルが呼んでる!もう行くね」
ひゃー、逃げるが勝ちってね。
修道士の増えた調薬塔に僕やエドの出番はそれほど多くない。これも信頼の証ってことで。
「ウルリッヒさま」
「ロタどうしたの?今日のお勉強は?」
「エミルお兄さんが子供は少しくらいさぼっても良いと言うものですから」
ちょ!ウル様ー!第四王子に何教えてんのー!って、それ言ったの昔の僕だけどー!
けどまあ…
せっかくなので海岸で遊ぶことにした。
季節は暑季、このサンクトリウムで最も気持ちの良い季節だ。
「ウルリッヒさまー!これ見てくださいー!」
「あー、残念ー!それは食べられないやー!」
「食べられなくてもいいじゃない。せっかくきれいなのに」
食べられない貝なんて意味ないじゃん。あ、ウル様壁に飾ってたっけ。
ロタ王子とお付きの弟軍団は楽しそうに浜辺で貝探しをしている。弟軍団とはユストゥス、カーステン、アルノーなどの末弟たち。齢の近い彼らは非常に仲がいい。
「あー、良い風…。平和だねぇ…」
「ほんとう、平和だね…」
「あっ、いた!」
少年たちを護衛に任せ大人の僕とウル様が探してるのは岩場のカニね。これで作ったスープは絶品なのだ。
「エミルそっち行った」
「えい!やだぁ、逃げちゃった」
「その小岩どかして見て」
ガタ「わぁいっぱい!」
あっちにこっちに移動しながら籠をカニでいっぱいにしていく。
ふと向こうを見ればそこは例の洞穴。
「エミル、あそこで休憩しようか?」
「うん」
僕にとってもウル様にとってもそこは思い出の場所。ウル様はこっそりここを〝愛の洞穴”と呼んでいる。
「はい水筒。それとビスケット」
出したのはウル様じゃなく僕ね。
パンを二度焼きしたビスケットはパンだけどお菓子という代物だ。お母さんの得意なパンなんだよ。
「ああ涼しい…」
「あっ!ねえ見て!ビオラがまだ残ってる!」
「ホントだ」
ビオラの開花期は乾季から暑季、そろそろ終わりを迎える頃だ。
「良かったぁ~。押し花にしたいって思ってたの。摘み忘れちゃって」
求婚の時は感極まって、そして翌年は皇国との緊張感で。その後も北から東への周遊とかあって延び延びに。
他にも「お花が可哀想…」と満開期には手を出さず、ウル様は摘み取る時期を見失っていたようだ。
比較的キレイなビオラを選びながら、奥へ奥へと、まるで誘い込まれるように進む僕とウル様。
そうしていきなりそれは起こったのだ。
「止まってウル様!」
「な、なに?どうしたの…」
「わからない。けど空気がなんか…」
神子の勘が告げている。これは異常な事態だと。
ウル様の腕を引っ張り足を止める。けれどその気配はそんなのお構いなしに僕とウル様、二人を包みこんでいく。
「きゃ!」
「うわ!」
いきなりのそれは目を開けていられないほどの光。
「エミル!」
「ウル様!僕に捕まって!」
チカチカする黄金色の海にのまれても何故か恐怖は感じない。むしろなんかこう…どこか覚えのあるような。
はっ!そうだ。これは再生の奇跡を施行するときのあの感覚に似ている!
横を見ればウル様も同じことを感じているようだった。
「と、途切れた…」
「今のは…」
そっと目を開ければ今度は一面の白。
「あ、あれ…洞窟の奥にこ、こんな場所が…」
「違うウル様。ここ洞窟じゃない」
「え?じ、じゃあどこだって言うの!」
「そ、そんなの…」
いくら僕だってそんなのわかんないよぉ!
『ここはそなたたちの表現する雲の上。だが実際にはどこでもない空の場所。我らが住まう天界である』
「やっ!なんか頭に響いてる!」
「直接語りかけてるんだ!」
聞こえてきたのは抑揚のない平坦な声。暖かみは感じないのに不思議と冷たさも感じない。
雲の上…空の場所…天界…、まさか…うそ、まさか…
「も、もも、もしかしてあ、あなたは神バルデルス様ですか!」
『そう呼ばれておる』
か、神様きたー!
「あなたが僕とウル様をここに呼び寄せたのですか?」
『そうだ』
「お姿は見せてくださらないのですか?」
『必要ない』
うーん、軽々しく人前に顕現はしないってことか…
「では何故僕たちをここに呼んだか教えてください」
「それよりどうして僕たちを入れ替えたか教えてください!」
僕を遮って前に出たのはウル様。キョロキョロと姿なき神様を探している。
「僕は…僕とエドはずっと考えてた。いろんなことがあって…いろんな過去を知って…神子の役割はなんとなくわかりました。どうしてこうなったのかもなんとなくは…。けどどうして僕とエミルがこうなったのかは分からなかった…。どうして入れ替えたりなんか!そのせいでエミルは全部失ってそのうえ何度も死にそうになったのに!」
ウル様…
そうか…。ウル様はこの状況をただ喜んでいたわけじゃなかったのか。
エミルが持っててウル様が持って無かったもの。
それはどこへでも行ける自由。何でも知ることが出来る自由。家族の愛も、…たった一人の愛しい人すら…ウル様は手に出来なかった。
今ウル様が手にしているもの、それは全部僕と入れ替わって手にしたものだ。
だからウル様は僕から奪ったって、その気持ちがどうしても拭えないのだろう。
バカだな…。僕は神子ウルリッヒになったって東西南北どこだって行ったし何だってしたし、それに愛しい人だって自力で手に入れたのに…
しいて言うなら両親をお母さん、お父さんって呼べないことぐらい?けどそんなのなくったって僕たちは親子だ。
見てよこれ。僕はどれほど名前が変わったって僕のままでしょ!
だから気にする必要なんてなんにもない。今すぐ安心させてあげなくちゃ!だって僕は永遠のお世話係なんだから!
『一人目の神子よ。何故お前たちを入れ替えたか、その理由は二人目の神子がよく知っておる』
出鼻をくじかれるとはこのこと。勢い込んだ僕のこのやるせなさをどうしてくれる。
神様はぜんぶお見通しか…。僕とオスビーが何を考えどう動いたか、ぜーんぶ。
チラリとこっちを見るウル様。
ウル様の優しい想いが染みわたる…
『だが教えてやろう。お前では足りなかったのだ』
「足りない…」
『運命を受け入れるだけでは到底足りぬ。我が求めたのは己が望むままに運命を引き寄せる、強き魂の神子なのだから』
420
あなたにおすすめの小説
夫が運命の番と出会いました
重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。
だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。
しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?
捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~
水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。
死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!?
「こんなところで寝られるか!」
極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く!
ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。
すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……?
「……貴様、私を堕落させる気か」
(※いいえ、ただ快適に寝たいだけです)
殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。
捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!
婚約破棄された「無能」聖女、拾った子犬が伝説の神獣だったので、辺境で極上もふもふライフを満喫します。~捨てた国が滅びそう?知りません~
ソラ
ファンタジー
「エリアナ、貴様との婚約を破棄し、この国から追放する!」
聖女としての魔力を使い果たし、無能と蔑まれた公爵令嬢エリアナ。
妹に婚約者を奪われ、身一つで北の最果て、凍てつく「死の森」へと捨てられる。
寒さに震え死を覚悟した彼女が出会ったのは、雪に埋もれていた一匹の小さなしっぽ。
「……ひとりぼっちなの? 大丈夫、私が温めてあげるわ」
最後の手向けに、残されたわずかな浄化の力を注いだエリアナ。
だが、その子犬の正体は――数千年の眠りから目覚めた、世界を滅ぼす伝説の神獣『フェンリル』だった!
ヒロインの淹れるお茶に癒やされ、ヒロインのブラッシングにうっとり。
最強の神獣は、彼女を守るためだけに辺境を「極上の聖域」へと作り替えていく。
一方、本物の聖女(結界維持役)を失った王国では、災厄が次々と降り注ぎ、崩壊の危機を迎えていた。
今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくる王子たち。
けれど、エリアナの膝の上には、甘えん坊の神獣様(執着心MAX)が陣取っていて――。
「聖女の仕事? いえ、今は神獣様とのお昼寝の方が忙しいので」
無自覚チートな聖女と、彼女にだけはデレデレな神獣様による、逆転溺愛スローライフが幕を開ける!
(本作品はAIを活用して構成・執筆しています)
失恋までが初恋です。
あんど もあ
ファンタジー
私の初恋はお兄様。お兄様は、私が五歳の時にご両親を亡くして我が家にやって来て私のお兄様になってくださった方。私は三歳年上の王子様のようなお兄様に一目ぼれでした。それから十年。お兄様にはルシンダ様と言う婚約者が、私にも婚約者らしき者がいますが、初恋は続行中ですの。
そんなマルティーナのお話。
大嫌いなこの世界で
十時(如月皐)
BL
嫌いなもの。豪華な調度品、山のような美食、惜しげなく晒される媚態……そして、縋り甘えるしかできない弱さ。
豊かな国、ディーディアの王宮で働く凪は笑顔を見せることのない冷たい男だと言われていた。
昔は豊かな暮らしをしていて、傅かれる立場から傅く立場になったのが不満なのだろう、とか、
母親が王の寵妃となり、生まれた娘は王女として暮らしているのに、自分は使用人であるのが我慢ならないのだろうと人々は噂する。
そんな中、凪はひとつの事件に巻き込まれて……。
【完結】Restartー僕は異世界で人生をやり直すー
エウラ
BL
───僕の人生、最悪だった。
生まれた家は名家で資産家。でも跡取りが僕だけだったから厳しく育てられ、教育係という名の監視がついて一日中気が休まることはない。
それでも唯々諾々と家のために従った。
そんなある日、母が病気で亡くなって直ぐに父が後妻と子供を連れて来た。僕より一つ下の少年だった。
父はその子を跡取りに決め、僕は捨てられた。
ヤケになって家を飛び出した先に知らない森が見えて・・・。
僕はこの世界で人生を再始動(リスタート)する事にした。
不定期更新です。
以前少し投稿したものを設定変更しました。
ジャンルを恋愛からBLに変更しました。
また後で変更とかあるかも。
完結しました。
母は何処? 父はだぁれ?
穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。
産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。
妹も、実妹なのか不明だ。
そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。
父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。
母は、どこへ行ってしまったんだろう!
というところからスタートする、
さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。
変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、
家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。
意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。
前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。
もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。
単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。
また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。
「小説家になろう」で連載していたものです。
転生皇女セラフィナ
秋月真鳥
恋愛
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。
目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。
赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。
皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。
前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。
しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。
一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。
「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」
そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。
言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。
それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。
転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。
※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる