街を作っていた僕は気付いたらハーレムを作っていた⁉

kozzy

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125 17歳 pick up 女神官

チュ…チュ…

う、ううん…顔の上がもぞもぞする…何だこれ…

バシィ!

「あー、頭ガンガンする…、しまった!うっかり寝てしまった!シャリムは!」

「気が付いたんだねレジー、良かった…」
「あ、アルバートか…、どうしたの?顔押さえて…」

「いや何でも。それよりシャリムならそこに居るよ」
「シャリム…」ホッ
「安心したかい?アーニーたちも一緒だ。シャリム、彼は凄いね。あの厄介な闇魔法士をあっという間に消してしまった」

ああ、例の〝アビス”か。

「良かった…。それで?僕はどれくらい寝てました?」

「時間にしたらほんの二時間程度だ。もっと休んでいた方が良いんじゃないのかい?」
「いいえ。色々確認しないと落ち着かないので」


一日の大半をモニターの前で過ごしてた前世といい、ダンジョン鬼周回に始まり日常的にやる事の多い今世といい、基本僕はショートスリーパーだ。眠たきゃお昼寝するし問題ない。

それより救出後も意識の戻らなかった二人の王子が気になって気になって…。彼らはどうなっただろうか…

それにしても参った。
流石の僕もついにガス欠。と言うか、大技連発、エンプティ寸前のところでアルバートが必要以上にMP持ってったから。つまり戦犯お前じゃん。

シャリムの戦いを見届けられなかった恨み…、アルバートめ、覚えておけ。

覚醒した意識で改めて周りを見回せば…そこにはほぼフルメンバーでおっさんたちが僕を囲んでいた。圧が暑苦しいな。

アルバートに代わって説明を始めたのはモレー聖騎士団長だ。


「残念ながら殿下方の意識は未だ戻っておらぬ。駅で襲撃にあった近衛騎士やエトゥーリアの護衛兵たちも同様である。そのうえ先の襲撃でもかなりの部下が黒弾に倒れ…」フー「だがこの惨状の中で被害が招待客に及ばなかったのは奇跡というもの。君の従者には心から感謝する」

「従者?ああ、ヴォルフとアーニーか。従者というか相棒ね」

「殿下二人を含めその数は数十名に及んでいる。今はあの大広間にその全員を寝かせているところだ」
「大広間に?」

「神殿から大神官を御呼びしたのだよ。高齢の大神官様を城中歩かせるわけにもいくまい」
「オルグレン侯…。それでどうでした?」
「高度な『キュア』を何度もかけて頂いたのだが…結果は芳しくない…」

「…そうですか…」

大神官の『キュア』が効かない。なら当然あの時の『エリアヒール』も効かなかったという事。
分かってた。救出した二人の王子には僕の持つどんな治癒系魔法も効かなかったんだから。
それでも大神官なら、と、一縷の望みをかけていたのに…

ため息とともに何度も首を振るアルバート。被害者の中には弟も居る。きっと僕の何倍も辛いに違いない。

フルスキルの僕はありとあらゆる手段をこの身に持っている。
それでも未知の闇魔法にこれだけ手こずったんだ。黒弾による意識の消失という、同じく未知の症状に対しどうしていいのか…


「レジー、彼女はどうだろうか?」
「彼女?」

「ランカスター侯を助けた君の友人である女神官だ。」
「ニコ!」
「あの素晴らしい治癒をもってすればあるいは…」

「そ、そうだよニコだよ!アルバート、よく気付いてくれたね。その手があった!」

大臣、そしてモレー団長までもがそうだそうだと騒ぎ始めた。その顔は暗闇に光明を見出した迷い人のように期待に満ち満ちている。

「それではレジナルド君、今すぐあの女神官をここへ連れて来てくれるだろうか。」
「えっ?」
「エトゥーリアへの手前もある。出来る事なら全てを解決済みとして報告したい」

「それは分かりますけど今すぐって…」

「シャリムとやらに殿下方が捕らえられていたのはゲスマン皇帝の宮殿と聞いておる」
「君はそのシャリムを率い一瞬でゲスマンから大広間へと姿を現したではないか。何かあるのであろう?長距離転移を可能にする何かが」

「!」

「時の流れから考えるにクラレンスの駅からゲスマン宮殿へも一瞬で移動したのであろう?どうやったのだ?魔道具か?それとも狂魔力にはそのようなスキルもあると言うのか?」

し、しし、しまった!
事が事だけに後先考える暇が無かったとは言え…衆人環視の中であれだけ堂々と転移をかましてはもうどうにも誤魔化せない。

チラッ「ふっ」
チラッ「ぷっ」
チラッ「…?」

だめだ。僕の頼れる三人は誰一人役に立たない。

「………アイテムです…」


その後二人の大臣から「何故今まで黙っていた!」と大目玉を食らったのは言うまでもない…




「って事があってさ。夜中に女性の部屋訪ねるなんて非常識なのは重々承知なんだけど一緒に来てくれない?」
「良いけど…、濃い一日送ってるわね礼二くん…」
「僕もそう思う…」

着替えるニコを待ちながら壁越しに声を掛けると平常通りの返事が返る。本当に…、とても一日に起きた事とは思えない濃さだ。


「思ったんだけど…」

ん?ニコの声が思案気になった。何かあるんだろうか…

「これってゲームの修正力なんじゃない?」
「修正力?」
「見えざる神の手がシリアス度を上げるためにバグの修正に入ったって事」

バグ?シリアス度?なんのこっちゃ。

「いい?考えてもみて?この『恋エロ』の世界は本来『恋バト』の世界と違ってそこそこバイオレンスな設定なのよ?魔法学院の学生がキャッキャウフフしてる『恋バト』とは違うの。キャラ全員がシビアな過去を背負って国ごと壊そうとしてるんだから」

そう言えば…

クラレンスの貴族社会を壊そうとしたアーニー…
ナバテアの山中に隠れ牙を研いだヴォルフ…
ゲスマンの乾いた地を闇に染めようとしたシャリム…
母国エトゥーリアを滅ぼそうとしたシュバルツ…

だったっけ…?

「いい?スタートはアーニーよね。ギャングのボスになるはずの彼が居なくなったことで代わりに登場したのがそのウォーデモンで、もしかしたらよ?パーカーの代わりに登場したのが権威主義の貴族たちじゃない?」

「え?でもウォーデモンはクラレンスを破壊なんて…」
「形は違えどクラレンスの貴族社会を壊そうとしてたわけじゃない。間接的に。麻薬を流通させて」
「な、なるほど…」

あの後身柄を拘束されたウィルモットとアッカーは最後まで声高に嘯いていたらしい。

「我々は獣人なんぞに日和った王家に落胆したのだ!我々魔法を有する貴族はもっとも崇められるべき存在!その価値が何故分からぬ!」

その理屈で行くと僕こそ至高だな…。ならもっと崇めてくれてもいいのに。

「シャリムくんの代わりが今回の闇魔法使いたちね。ここは分かりやすいわ。」
「随分劣化版だったけど」
「皇帝はどうしてきたの?」
「あー、あれね…」

「何よ、言いなさいよ」
「お詫びの印にって領土の一部を寄越してきた。クラレンスとウルグレイスとトラキアに面したあたり。なんでも土地の大部分を所有する持ち主が失踪したみたいで…。おかしな魔鉱石が採れる山もあるらしいよ?」
「脅したのね」

「人聞きの悪い…。なんでだか心に傷を負った皇帝はゲスマンの僻地に籠って療養するらしくてさ。頼むから厄介な土地を引き受けてくれって頼まれたんだよ」
「あーはいはい」

ホントだよ?

「エトゥーリアが…何だっけ?」
「ロートリンゲン侯爵」
「そうそれ」

エトゥーリアはあの男が引き金となった内乱により実質崩壊したも同然。国の再興を目指すと言ってもウルグレイス、クラレンスの監視下にある以上真の自立は遠い先だろう。

「言われて見ればニコの言う通りだ…」

「ナバテア…は、まだ未遂だけどエトゥーリアとの戦争を止めなきゃお仕置きするんでしょ?」
「そ、そのつもり…」
「ほらね」

「ならこの事態はどうなの?ニコの『スーペリオンキュア』で何とかならないって事?」

「思い出して礼二くん。『恋バト』に出てきたベルト地帯での最終クエスト」
「え?えっと…『恋バト』のベルト地帯…、パーカーがやらかしてベルト地帯が破れて樹海を超えて魔物が…、あっ!」

「あれかっ!」
「あれよっ!」


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