僕はゼッタイユルサナイ

kozzy

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騎士と修道士の日常…

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「ご招待ありがとうございますベルナール様」
「いえいえどういたしまして。どうぞゆっくり見学していって」

僕は今回の避暑にピエール君とフィリップ君と言う、何がとは言わないが有望な騎士コンビを招待していた。

実はフラン君とシーモア君も招待していたのだが、彼らはアルデンヌ伯爵領へ出かけてしまったのでまた今度ね。

フラン君は僕と同じ歳、シーモア君は一つ上。だがこの少年騎士たちはディディエと同じ歳、身体が出来上がりつつある十二歳だ。
そこで僕はこの二人に、アランブールの騎士団に見習いとして入らないかと勧誘することにした。

前世の憧れ…それはもちろん衆道だが、その根底にあるのは武士への憧れ。

かと言って自分で武士、もとい騎士を目指すのは、痛いのが好きではない僕には無しの方向で。

だからこそ僕は、この二人の若葉が互いに切磋琢磨し合いながら立派な騎士となるところを愛で楽しみたいと、そう思っているわけだ。

もっともその過程で同輩の篤すぎる友情であったり、先輩騎士たちとの間に何某かの何某かが生まれ出でればそれに越したことはない。僕は見物するのも大好物である。

「ちょっと、そこの誰か」
「はいベルナール様、何でしょう」

「えーっと、騎士ゴーディエと先輩呼んでくれる?」
「せ、先輩…ですか?」
「騎士…なんだっけ?こう…アッシュグレイの髪の」
「ああ。分かりましたお待ちください」

王都への赴任は一年ごとに交代のため、僕の心を奪った一組の先輩後輩騎士、彼らはすでに領地へ戻っていた。
代わりに赴任してきた騎士は中年の…実にこう…頼りがいのある男だ。はぁ…全然美味しくない…

「お待たせしましたベルナール様」
「私たちをお呼びですか?」

「…」ジィィ

やっぱりいい。いいなぁこの二人。こう二人並んだ時の…雰囲気がいい。

「ゴーディエ、先輩、僕の友人であるこの二人をここの騎士団に推薦したい。この滞在中に見極めてくれる?」

つまりこの滞在はお試し入団である。

「見極める…ですか。おや君たちは」

「ああっ!ゴーディエ先輩!」
「その節はどうもありがとうございました!」

おお!後輩が新たなる後輩の出現により先輩へと進化している!

「なんだ。王都で剣を見てやった君たちか。よし、今回もしごいてやる!」

ガシ!ガシ!

「ちょ、ちょっと先輩!」
「どうかお手柔らかに…」

「…」ジィィ

なんだこれ。両手に花…だと?…大変おいしゅうございます。

「ゴーディエなにしてる?おう!ピエールとフィリップじゃないか」

「な、名前…覚えててくれたんですか!」
「お、俺…感激です!」

「…」ジィィ

これこそ先輩の先達。先輩力の高さよ。

「アーゴホン!先輩にこの騎士見習いたちを任せます。色々教えてやってね。
「お任せください。期待に沿って見せましょう」

信じてるよ先輩。先輩はきっと僕の期待を裏切らない。

「二人とも先輩とゴ-ディエの姿を見て良く学ぶように。特に先輩と後輩の関係性とか触れ合い方とか…その辺りを重点的に」

「はい!」
「分りました!」

「来週頭には近隣のご子息たちも招いてパーティーだから、先輩、その日は休息にしてあげてね」

「ベルナール様」
「何かな?」
「なぜ私のことを『先輩』…と?」

しまった。つい本能の赴くままに…

「ベル様はあなたの名をご存知なかったのですよ。一日も早く覚えて頂けるよう、もっと精進なさい」

おおっと、ここでリオネルの助け船!だがこれでは僕が薄情な主人(の孫)みたいじゃないか…

「けどベル様の言う先輩は最高の称賛だから。良かったな先輩」

ディディエ!
いつの間にか主人のフォローが出来るようになって…ホロリ…僕は嬉しいよ。

言ってることはおかしいけどな。



そして何もなかったかのように翌週。

そこへやってきたのは毎年僕から名指しで招待受けている、タウンゼント男爵家のカミーユ君、そう、僕に衆道を思い出すきっかけをくれた、修道士見習いの清らかな少年だ。

「ベルナール様」
「カミーユ君。良く来てくれたね。あれ?その方は?」

「あの…、こちらは僕の兄弟子、助祭のシモン様です」
「ベルナール様。教会への多大なるご寄付に感謝申し上げたく共に参った次第でございます」

ふぉー!兄弟子!会いたかった!

「そう。あなたが兄弟子…」パァァ

「あれだけの額面です。本当は司祭様が伺うつもりでいたのですが…、事前に手紙で確認をとりましたところ、リオネルと仰る従者の方からカミーユの兄弟子のみ訪問を許すと返事がきまして」

バッ!

「…」ニコリ
「…」グッ!

何故わかったかは後で問いただすとして…でかしたリオネル!褒めてつかわす!

この助祭氏、正確には助祭の下の副助祭である。齢は二十代半ば。そしてカミーユ君はディディエと同い年、まさに理想的な子弟関係じゃないか。

「ま、ままま、まぁまぁ、助祭様、どうかそこにおかけください。そしてお聞かせください。カミーユ君との(艶めかしい)修行の日々を」

助祭氏の語る二人の日々は十分僕を満足させた。
カミーユは見習い修道士。今は通いで修道士体験を重ねているに過ぎない立場だ。

そのカミーユにつきっきりで、教え導く兄弟子。
手を取りながら文字を教え、覆いかぶさるようにして鍬の扱い、つまり農作業を教え、土に汚れた身体は互いに清め合い、共にパンを割き、分け合いながら食すことで絆を高めるとか、くぁー!

「はぁはぁはぁ…」
「大丈夫かベル様」
「なんとか…」

そして翌日、僕の名でさらなる寄付が教会に届けられたことは言うまでもない。








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