195 / 310
135 断罪への最終春期
しおりを挟む
ついに僕は〝ノベルゲー最終章”へと続く、学院三年次の初日を迎えた…。そして何の運命か、今日はブラトワの裁判初日でもある。
実は僕も1日だけ証人として出廷することになっているのだが、これは裁判といっても罪状を確認するためのものであって、どう転がしても減刑にはならない裁判だ。
ジェロームはここから連日の出廷になる。罪状が多すぎて結構な日数がかかるため落ち着いて会えるのは判決後、僕の誕生会頃になるだろう。誕プレは言わずと知れたブラトワの死刑宣告だ。え?ヒドイって?ううん、なんにもヒドクない。
僕はその日、ジェロームに正々堂々告るつもりだ。アレイスターがいくらお父様を説得してくれても…やっぱりこういうのはお互いの気持ちが大切だからね。
だからそれまでは気持ちを切り替え、王様の『神格』とやらを精々高めてやらねばなるまい。
どうするのかって?まあ見てろ。現代人の僕にはちょっとしたアイデアがある。ニヤリ…
さて、ちょっと脱線したが僕には早急にみんなと話し合いたい事案がある。もちろんそれは〝カトレアの女性”についてだ。
飛び入りハプニングが無ければ、本当は帰宅後すぐに招集したかったのに…
「シャノン様はスタンホープ伯爵領へ行かれたのでしたね?いかがでしたか?」
「それなんですけど…、午後の講義が終わった後サロンに集まってもらえますか?」
「…何かございますのね?」
「それから…、ブラッドとロイドも呼んでください」
「…ロイド様ですの?」
「王様のこと…何か分かったかなーと思って」
「わかりました」
「本当は隊長もお呼びしたいんだけど…、ダメだよね?」
「…あの方はきっとどこかから見守っていらっしゃいますわ…」
「そうだよね…きっと側に居てくれるよね…」
ああ…、僕の親衛隊長。果たしていつか彼の正体を知れる日は来るのだろうか…?
と、言う訳で時は講義後、専用サロン内。僕は集められた頭脳たちに手に入れた新情報を共有していく。今日はシェイナが居ないから…みんな僕の分まで頑張ってね。
「…ここまでがスタンホープ伯爵領で分かったことです」
「まさかそんなことが…」
「カトレアのロザリオを持つ女性がエンブリー卿に所縁のある女性だったなんて…」
ジェロームに所縁…?それは話が飛び過ぎだと思うのだが…。その女性はジェロームの祖父母に会ったことさえなかっただろうに。
「いずれにしても年のころから考えて、スタンホープ伯爵領から逃げ出した少女が中流地区の教会に運び込まれた女性で間違いないだろう」
「ロイド様もそう思いますか?でも逃げ出したのは少女で暴漢に襲われたのは女性ですよ?」
「だがこんな偶然があるだろうか。カトレアのロザリオを持ち、またその少女もマルーンの髪色だなどと…これが偶然の他人なら出来過ぎだ」
そう。僕(シェイナ)が騎士Aに確認して来てもらったのは少女の髪色。そしてそれは想像通り…〝マルーン”だったのだ。
「亡くなった女性は素性も年齢も分からず、親兄弟友人、誰も尋ねてはこなかったのだろう?」
「ではしばらく隠れ暮らしていたのでしょう。そう考えればおかしくはありませんわ」
「だがなぜ王都に?」
熱い論議の時間。ほぼ役立たずな僕だけどこれだけは分かる。刑事ドラマのお約束だ。
「リアム様、彼女はとっても目を引く人だったんです。人の少ない田舎よりも色んな人の居る王都の方がバレない。どうせ貴族は下町になんか来ないし王都なら選ばなければ仕事だってある」
「…娼婦とか…ね…」
「ブラッド!」
「兄さん、その女性はアーロンの母親を産んでいるんです。もし彼女に王都での夫や恋人が居たなら消えた妻、恋人の行方を必死に捜すと思いませんか?」
確かに…、誰一人彼女の行方を捜している人が居ないのは不自然。娼婦…考えたくないけどあり得る話だ。
何も持たない娘が一人隠れて生きていける場所…。だとしたらどんな想いを抱いて王都の片隅で暮らしていたのか…少なくともそうまでして生きようとしたなら戻りたかったはずだ。優しい養い親と夫の待つ山のふもとに。
シンミリ…「そこで子供を産んだのかな…。アーロンのお母さんを…」
「子供を産む娼婦は多い。アーロンの母のように教会や孤児院に捨てることが多いらしいが…そこで産み育てる娼婦もいる。子供は情事を見ながら育ち、女の子ならまたその子も娼婦になる」
その場の全員が思ったであろう疑問を口にしたのはミーガン嬢だ。
「そこまでして身を隠す理由は何でしょう」
「暴漢に襲われ命を落とした…関係あるのでしょうか?」
「…大有りだと思いますね。その暴漢もただの通り魔かどうか怪しいものです」
「兄さんはフレッチャーの差し金だとお思いなのですね?」
「それ以外考えられない」
むしろこれでフレッチャーじゃなかったら驚きだよ。
「私にひとつ思い浮かんだことがある」
「それは?」
ロイドは僕の頼みを聞いて、現在王様の身辺を調査中だ。
その最中に父親であるマーベリック伯爵から気になることを聞いたというのだ。
「これは父が聞いたという陛下の独り言だが、陛下がアーロンを神子と信じた理由は伝承への合致意外にもうひとつある。それがアーロンの髪だ」
「髪?」
「アーロンが初めて王城に招かれた神礼祭。その時、篝火の火を浴びてアーロンの髪が真っ赤に燃えて見えたというんだよ」
「真っ赤に…」
ここで説明しておこう。
王様やコンラッドの持つ燃えるように真っ赤な髪。これは王族にだけ産まれる独特な髪色である。
いわゆる赤毛のアン的な赤茶けた髪色ではなく、アニメやゲームに出てくるベタ塗りの鮮やかな赤。前世の感覚だと、染めなきゃそうはならない人工っぽい赤だ。
真っ赤な髪を持つその子は必ずと言っていい程武に秀で、その治世下で英雄として名を知らしめたという話だ。まさに現王様がそうなように。だから王家は赤を王家の色として大切にする。
アーロンのマルーンカラーは赤みの強い茶髪、そのマルーンが真っ赤に見えたことで、王様は何か宿命的なモノを感じたのだとか。
「確かにアーロンの髪はキャンドルの灯に灯されると赤と見紛う時がありました」
「ブラッドは見たの?」
「ええ。コンラッドは喜んでいましたよ。まるで対のようだと」
教会に住んでるアーロンは夜遅くに出かけることはほとんど無かった。けれど四六時中ベッタリだったブラッドはそれを目にする機会があったのだろう。
「王家がフレッチャーに渡したという赤い石『シナバー』は磨けば朱だが原石は赤黒くマルーンに近い。暗示的だとは思わないか」
マルーン‼ この間見たシナバーは朱色だったのに!
「そしてもうひとつ。シナバーは高温で熱すると毒を発する。当時の王は何を思いフレッチャーにそれを与えたのか」
「…ロイド様、それを当時お与えになったのは…」
「赤い石はフレッチャー家が侯爵位に陞爵する際与えられた。つまり…同じ赤い髪を持つ前々王がまだ王太子の頃、カサンドラ様の曾祖父だ」
シナバー…フレッチャーに燃える赤を足したら毒になる…
何度も僕は思った、髪は体を表すって…。
ならこの赤い髪は…一体何を表すのか…
実は僕も1日だけ証人として出廷することになっているのだが、これは裁判といっても罪状を確認するためのものであって、どう転がしても減刑にはならない裁判だ。
ジェロームはここから連日の出廷になる。罪状が多すぎて結構な日数がかかるため落ち着いて会えるのは判決後、僕の誕生会頃になるだろう。誕プレは言わずと知れたブラトワの死刑宣告だ。え?ヒドイって?ううん、なんにもヒドクない。
僕はその日、ジェロームに正々堂々告るつもりだ。アレイスターがいくらお父様を説得してくれても…やっぱりこういうのはお互いの気持ちが大切だからね。
だからそれまでは気持ちを切り替え、王様の『神格』とやらを精々高めてやらねばなるまい。
どうするのかって?まあ見てろ。現代人の僕にはちょっとしたアイデアがある。ニヤリ…
さて、ちょっと脱線したが僕には早急にみんなと話し合いたい事案がある。もちろんそれは〝カトレアの女性”についてだ。
飛び入りハプニングが無ければ、本当は帰宅後すぐに招集したかったのに…
「シャノン様はスタンホープ伯爵領へ行かれたのでしたね?いかがでしたか?」
「それなんですけど…、午後の講義が終わった後サロンに集まってもらえますか?」
「…何かございますのね?」
「それから…、ブラッドとロイドも呼んでください」
「…ロイド様ですの?」
「王様のこと…何か分かったかなーと思って」
「わかりました」
「本当は隊長もお呼びしたいんだけど…、ダメだよね?」
「…あの方はきっとどこかから見守っていらっしゃいますわ…」
「そうだよね…きっと側に居てくれるよね…」
ああ…、僕の親衛隊長。果たしていつか彼の正体を知れる日は来るのだろうか…?
と、言う訳で時は講義後、専用サロン内。僕は集められた頭脳たちに手に入れた新情報を共有していく。今日はシェイナが居ないから…みんな僕の分まで頑張ってね。
「…ここまでがスタンホープ伯爵領で分かったことです」
「まさかそんなことが…」
「カトレアのロザリオを持つ女性がエンブリー卿に所縁のある女性だったなんて…」
ジェロームに所縁…?それは話が飛び過ぎだと思うのだが…。その女性はジェロームの祖父母に会ったことさえなかっただろうに。
「いずれにしても年のころから考えて、スタンホープ伯爵領から逃げ出した少女が中流地区の教会に運び込まれた女性で間違いないだろう」
「ロイド様もそう思いますか?でも逃げ出したのは少女で暴漢に襲われたのは女性ですよ?」
「だがこんな偶然があるだろうか。カトレアのロザリオを持ち、またその少女もマルーンの髪色だなどと…これが偶然の他人なら出来過ぎだ」
そう。僕(シェイナ)が騎士Aに確認して来てもらったのは少女の髪色。そしてそれは想像通り…〝マルーン”だったのだ。
「亡くなった女性は素性も年齢も分からず、親兄弟友人、誰も尋ねてはこなかったのだろう?」
「ではしばらく隠れ暮らしていたのでしょう。そう考えればおかしくはありませんわ」
「だがなぜ王都に?」
熱い論議の時間。ほぼ役立たずな僕だけどこれだけは分かる。刑事ドラマのお約束だ。
「リアム様、彼女はとっても目を引く人だったんです。人の少ない田舎よりも色んな人の居る王都の方がバレない。どうせ貴族は下町になんか来ないし王都なら選ばなければ仕事だってある」
「…娼婦とか…ね…」
「ブラッド!」
「兄さん、その女性はアーロンの母親を産んでいるんです。もし彼女に王都での夫や恋人が居たなら消えた妻、恋人の行方を必死に捜すと思いませんか?」
確かに…、誰一人彼女の行方を捜している人が居ないのは不自然。娼婦…考えたくないけどあり得る話だ。
何も持たない娘が一人隠れて生きていける場所…。だとしたらどんな想いを抱いて王都の片隅で暮らしていたのか…少なくともそうまでして生きようとしたなら戻りたかったはずだ。優しい養い親と夫の待つ山のふもとに。
シンミリ…「そこで子供を産んだのかな…。アーロンのお母さんを…」
「子供を産む娼婦は多い。アーロンの母のように教会や孤児院に捨てることが多いらしいが…そこで産み育てる娼婦もいる。子供は情事を見ながら育ち、女の子ならまたその子も娼婦になる」
その場の全員が思ったであろう疑問を口にしたのはミーガン嬢だ。
「そこまでして身を隠す理由は何でしょう」
「暴漢に襲われ命を落とした…関係あるのでしょうか?」
「…大有りだと思いますね。その暴漢もただの通り魔かどうか怪しいものです」
「兄さんはフレッチャーの差し金だとお思いなのですね?」
「それ以外考えられない」
むしろこれでフレッチャーじゃなかったら驚きだよ。
「私にひとつ思い浮かんだことがある」
「それは?」
ロイドは僕の頼みを聞いて、現在王様の身辺を調査中だ。
その最中に父親であるマーベリック伯爵から気になることを聞いたというのだ。
「これは父が聞いたという陛下の独り言だが、陛下がアーロンを神子と信じた理由は伝承への合致意外にもうひとつある。それがアーロンの髪だ」
「髪?」
「アーロンが初めて王城に招かれた神礼祭。その時、篝火の火を浴びてアーロンの髪が真っ赤に燃えて見えたというんだよ」
「真っ赤に…」
ここで説明しておこう。
王様やコンラッドの持つ燃えるように真っ赤な髪。これは王族にだけ産まれる独特な髪色である。
いわゆる赤毛のアン的な赤茶けた髪色ではなく、アニメやゲームに出てくるベタ塗りの鮮やかな赤。前世の感覚だと、染めなきゃそうはならない人工っぽい赤だ。
真っ赤な髪を持つその子は必ずと言っていい程武に秀で、その治世下で英雄として名を知らしめたという話だ。まさに現王様がそうなように。だから王家は赤を王家の色として大切にする。
アーロンのマルーンカラーは赤みの強い茶髪、そのマルーンが真っ赤に見えたことで、王様は何か宿命的なモノを感じたのだとか。
「確かにアーロンの髪はキャンドルの灯に灯されると赤と見紛う時がありました」
「ブラッドは見たの?」
「ええ。コンラッドは喜んでいましたよ。まるで対のようだと」
教会に住んでるアーロンは夜遅くに出かけることはほとんど無かった。けれど四六時中ベッタリだったブラッドはそれを目にする機会があったのだろう。
「王家がフレッチャーに渡したという赤い石『シナバー』は磨けば朱だが原石は赤黒くマルーンに近い。暗示的だとは思わないか」
マルーン‼ この間見たシナバーは朱色だったのに!
「そしてもうひとつ。シナバーは高温で熱すると毒を発する。当時の王は何を思いフレッチャーにそれを与えたのか」
「…ロイド様、それを当時お与えになったのは…」
「赤い石はフレッチャー家が侯爵位に陞爵する際与えられた。つまり…同じ赤い髪を持つ前々王がまだ王太子の頃、カサンドラ様の曾祖父だ」
シナバー…フレッチャーに燃える赤を足したら毒になる…
何度も僕は思った、髪は体を表すって…。
ならこの赤い髪は…一体何を表すのか…
1,842
あなたにおすすめの小説
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
婚約破棄署名したらどうでも良くなった僕の話
黄金
BL
婚約破棄を言い渡され、署名をしたら前世を思い出した。
恋も恋愛もどうでもいい。
そう考えたノジュエール・セディエルトは、騎士団で魔法使いとして生きていくことにする。
二万字程度の短い話です。
6話完結。+おまけフィーリオルのを1話追加します。
〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です
ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」
「では、契約結婚といたしましょう」
そうして今の夫と結婚したシドローネ。
夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。
彼には愛するひとがいる。
それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
【完結】マジで婚約破棄される5秒前〜婚約破棄まであと5秒しかありませんが、じゃあ悪役令息は一体どうしろと?〜
明太子
BL
公爵令息ジェーン・アンテノールは初恋の人である婚約者のウィリアム王太子から冷遇されている。
その理由は彼が侯爵令息のリア・グラマシーと恋仲であるため。
ジェーンは婚約者の心が離れていることを寂しく思いながらも卒業パーティーに出席する。
しかし、その場で彼はひょんなことから自身がリアを主人公とした物語(BLゲーム)の悪役だと気付く。
そしてこの後すぐにウィリアムから婚約破棄されることも。
婚約破棄まであと5秒しかありませんが、じゃあ一体どうしろと?
シナリオから外れたジェーンの行動は登場人物たちに思わぬ影響を与えていくことに。
※小説家になろうにも掲載しております。
優秀な婚約者が去った後の世界
月樹《つき》
BL
公爵令嬢パトリシアは婚約者である王太子ラファエル様に会った瞬間、前世の記憶を思い出した。そして、ここが前世の自分が読んでいた小説『光溢れる国であなたと…』の世界で、自分は光の聖女と王太子ラファエルの恋を邪魔する悪役令嬢パトリシアだと…。
パトリシアは前世の知識もフル活用し、幼い頃からいつでも逃げ出せるよう腕を磨き、そして準備が整ったところでこちらから婚約破棄を告げ、母国を捨てた…。
このお話は捨てられた後の王太子ラファエルのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる