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187 断罪後は安泰
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日が暮れセバスが当主の帰宅を告げると、クリスマスパーティーはこれでお開きとなる。物足りないが仕方ない。明るいうちにお父様が帰宅するのはずいぶんと久し振りなのだ。
「シャノン様。本日は楽しい時間ありがとうございました。それで殿下とは良いお話出来ましたの?」
「ええまあ」
「ふふ、嬉しそうですわね」
「それはもう!」
主に薄い本が…
今日は久々に腐活の捗る一日だった。
アーロンからはナイスな絡みのBLイラストをもらっちゃったし、アレイスターからはなかなか濃厚そうなBL小説もらったし…
これだけでかなり気分が浮上した僕は単純なんだろう。
それにしても意味ありげに微笑むミーガン嬢は何を知っていると言うのか…?心なしか他の面々もニコニコしながらこちらをチラ見してくるのだが…おっ!前方に本日の裏主役発見!
「トレヴァー殿下、今日はお楽しみいただけましたか?」
「ええ。有意義な時間を過ごせました。シャノン様の気遣いに感謝します」
お互い何を…とは言わないが、トレヴァー君はこのあとローザ嬢を送りがてら城へ戻るようだ。うんうん。その調子!これもシェイナの為だからね。
そのシェイナはアノンと共に、今日ばかりはトレヴァー君、ローザ嬢と同席を余儀なくされたが、シェイナときたらシャノン時代を彷彿とさせる氷の微笑で断絶空間を展開したらしい…シェイナ…
馬車に乗り込みそれぞれ出発するのを見送ると、ホールに残るはアレイスターだけ。ん?アレイスターだけ?
「アレイスターは帰らないんですか?」
「プリチャード候に話をするのだろう?加勢は不要?」
「良いんですか!? 」
「約束だったろう?」
そう言えばあの時そんなことを言っていたような…。いやー、ありがたい。
ごり押しには定評のあるこの僕だが、厳格なお父様が貴族脳で断固主張したら、さすがの僕もプリチャード家当主には逆らえない…
なにしろお父様は溺愛するシャノンの断罪でさえ受け入れた人だからね。油断大敵だ。
さて。そんなわけでここはいつもの書斎。プリチャード家当主に似合いの、重厚なデスクが鎮座した部屋である。
思えば僕は今まで何度この部屋でお説教を受けてきただろう。なのにその度ダメージを負うのがお父様とはこれ如何に?
「シャノン…話とはなんだね。何故殿下が同席なのか説明しなさい」
「もちろん順を追って説明します。…心の準備はいいですか?」
「…心の準備が必要な話なのかね?」
「それなりに…」
お父様にとっては寝耳に水の話に違いない。
「お前に驚かされるのにももう慣れた。…慣れたくはなかったがね。だが陛下の退位以上の驚きはもはやないだろう。かまわない、言ってみなさい」
ほほう、慣れたとな?じゃあ遠慮なく。
「では単刀直入に言いますね。ジェロームにプロポーズをしました」
「なにぃ!!!」ガタ!「そ、それでエンブリー卿はなんと…」
「驚かないって言ったじゃないですか。座ってくださいお父様」
「いいから答えなさい!エンブリー卿はなんと返答したのだ!」
「お父様が良いって言ったらって」
「なるほど…。それは賢明な返答だ」
お父様は僕を諭すように言う。
ジェロームは伯領位を得たといっても、まだ碌に実績もあげてはいない新興貴族だ。この名門プリチャード家の長男にして王族に所縁を持ち、ましてや『神託』である僕の相手にはまだまだ格が足りないと。
「よって彼には私が十分素晴らしい女性を見繕ってあげよう」
「ダメです。僕はジェロームを譲りません」
「何を言う!そもそもお前が嫁いでアレイスター殿下はどうするのだ!」
「ア、アア、アレイスターは関係無いでしょう!」
「大ありだ!お前は殿下を愛しているのではないのかね!」
「 ‼ 」
…何故みんな揃いも揃って、僕がアレイスターを好きだと思ってるんだろう…?意識し始めたのは最近なのに…。そんなそぶり一度でも人前で見せただろうか?いいや見せてない。
「どっちみちアレイスターと今は結婚できませんよ…」
「何故だね!」
「プリチャード候、私が説明しよう」
レベルの低い親子の言い争いに割って入ったのがアレイスター。直球勝負は膠着状態だ。選手交代で。
「先ずはエンブリー卿のことだが、彼は私とシャノンの事情を汲んでくれた善良な御仁だ。誤解無きよう」
「事情…ですか」
「発端は候も知る北部副王都の問題からだ」
「と申しますと?」
アレイスターは無駄のない端的な言葉でいかにもそれっぽく説明していく。いやー、最初から丸投げすれば良かった。他力本願教の教祖であるこの僕が…ぬかった…
王様のアグレッシブな国政方針に対し北部の分割統治を提案するに至った経緯(この部分はお父様も知ってるよ)と、それを了承させるにあたり、王から課された一つの条件。それが…
平民の母を持つアレイスターは一代限りの統治者であり、アレイスターの子を北部統治者として継承させないということ。
そのための予防措置として、次期王太子となるトレヴァー君より先に妻を娶ってはならないということを。
「陛下がそのようなことを…」
「無用な争いの種を作らぬためだ。理解している。もとより私は副王都の長に執着はない、北部の民を思い蜂起したにすぎない。故に将来トレヴァーに、または妃殿下方に新たな子が産まれ、その子が北部を託すに値する者なら喜んで役目を譲り渡そう」
「殿下…、ではもしやこの話は…」
「私の望みだ。エンブリー卿にはシャノンへの求婚避けになってもらう。ここだけの話だがコンラッドとの婚約解消に責任を感じ、アドリアナ様はシャノンの縁組を早急に整えるつもりでいる」
ええっ⁉ 初耳なんだけど?
「候補の中には他国の王族さえもいるのだよ。あくまで候補だが…もしそうなれば断れまい」
一瞬の目配せ。…ブラフか…。だ、だよねー…
「どちらにせよ、トレヴァーの婚儀が整うまで待てという、陛下のお考えには同意なされている」
こっちの命令はそのまま生きてるのか。まあ確かに王妃様も格とか身分とかにうるさい人ではある。
「わかってくれるかプリチャード侯。私にはシャノンが…」
「みなまで仰いますな。…そういうことですか…」
お父様は高速で何かを考えているのだろう…。しばし逡巡ののちため息とともにようやく頷いた。
「シャノン、お前は十五年何ひとつ我儘を言わない子供だったが…全てをこの二年で解消したのだね」
「…お父様…。そもそも我儘を言わない子供っていう時点で…異常ですよ?」
「そうか。我慢をさせていたのだな。ではこれで贖罪になるだろうか。私はお前の幸せを何より願っているのだよ」
「食材だなんて…でもこれでようやく満たされます」
チラリ
泰然としたアレイスター。横顔にかかるグレーの髪がそれをより一層際立たせる。
計画通りの展開なのに、何となくしてやられた感が否めないのは何故なんだろう…?だってアレイスターはどことなく満足気だ。
その顔にもうっかりドキっとさせられるのが…なんか悔しいな。
「シャノン様。本日は楽しい時間ありがとうございました。それで殿下とは良いお話出来ましたの?」
「ええまあ」
「ふふ、嬉しそうですわね」
「それはもう!」
主に薄い本が…
今日は久々に腐活の捗る一日だった。
アーロンからはナイスな絡みのBLイラストをもらっちゃったし、アレイスターからはなかなか濃厚そうなBL小説もらったし…
これだけでかなり気分が浮上した僕は単純なんだろう。
それにしても意味ありげに微笑むミーガン嬢は何を知っていると言うのか…?心なしか他の面々もニコニコしながらこちらをチラ見してくるのだが…おっ!前方に本日の裏主役発見!
「トレヴァー殿下、今日はお楽しみいただけましたか?」
「ええ。有意義な時間を過ごせました。シャノン様の気遣いに感謝します」
お互い何を…とは言わないが、トレヴァー君はこのあとローザ嬢を送りがてら城へ戻るようだ。うんうん。その調子!これもシェイナの為だからね。
そのシェイナはアノンと共に、今日ばかりはトレヴァー君、ローザ嬢と同席を余儀なくされたが、シェイナときたらシャノン時代を彷彿とさせる氷の微笑で断絶空間を展開したらしい…シェイナ…
馬車に乗り込みそれぞれ出発するのを見送ると、ホールに残るはアレイスターだけ。ん?アレイスターだけ?
「アレイスターは帰らないんですか?」
「プリチャード候に話をするのだろう?加勢は不要?」
「良いんですか!? 」
「約束だったろう?」
そう言えばあの時そんなことを言っていたような…。いやー、ありがたい。
ごり押しには定評のあるこの僕だが、厳格なお父様が貴族脳で断固主張したら、さすがの僕もプリチャード家当主には逆らえない…
なにしろお父様は溺愛するシャノンの断罪でさえ受け入れた人だからね。油断大敵だ。
さて。そんなわけでここはいつもの書斎。プリチャード家当主に似合いの、重厚なデスクが鎮座した部屋である。
思えば僕は今まで何度この部屋でお説教を受けてきただろう。なのにその度ダメージを負うのがお父様とはこれ如何に?
「シャノン…話とはなんだね。何故殿下が同席なのか説明しなさい」
「もちろん順を追って説明します。…心の準備はいいですか?」
「…心の準備が必要な話なのかね?」
「それなりに…」
お父様にとっては寝耳に水の話に違いない。
「お前に驚かされるのにももう慣れた。…慣れたくはなかったがね。だが陛下の退位以上の驚きはもはやないだろう。かまわない、言ってみなさい」
ほほう、慣れたとな?じゃあ遠慮なく。
「では単刀直入に言いますね。ジェロームにプロポーズをしました」
「なにぃ!!!」ガタ!「そ、それでエンブリー卿はなんと…」
「驚かないって言ったじゃないですか。座ってくださいお父様」
「いいから答えなさい!エンブリー卿はなんと返答したのだ!」
「お父様が良いって言ったらって」
「なるほど…。それは賢明な返答だ」
お父様は僕を諭すように言う。
ジェロームは伯領位を得たといっても、まだ碌に実績もあげてはいない新興貴族だ。この名門プリチャード家の長男にして王族に所縁を持ち、ましてや『神託』である僕の相手にはまだまだ格が足りないと。
「よって彼には私が十分素晴らしい女性を見繕ってあげよう」
「ダメです。僕はジェロームを譲りません」
「何を言う!そもそもお前が嫁いでアレイスター殿下はどうするのだ!」
「ア、アア、アレイスターは関係無いでしょう!」
「大ありだ!お前は殿下を愛しているのではないのかね!」
「 ‼ 」
…何故みんな揃いも揃って、僕がアレイスターを好きだと思ってるんだろう…?意識し始めたのは最近なのに…。そんなそぶり一度でも人前で見せただろうか?いいや見せてない。
「どっちみちアレイスターと今は結婚できませんよ…」
「何故だね!」
「プリチャード候、私が説明しよう」
レベルの低い親子の言い争いに割って入ったのがアレイスター。直球勝負は膠着状態だ。選手交代で。
「先ずはエンブリー卿のことだが、彼は私とシャノンの事情を汲んでくれた善良な御仁だ。誤解無きよう」
「事情…ですか」
「発端は候も知る北部副王都の問題からだ」
「と申しますと?」
アレイスターは無駄のない端的な言葉でいかにもそれっぽく説明していく。いやー、最初から丸投げすれば良かった。他力本願教の教祖であるこの僕が…ぬかった…
王様のアグレッシブな国政方針に対し北部の分割統治を提案するに至った経緯(この部分はお父様も知ってるよ)と、それを了承させるにあたり、王から課された一つの条件。それが…
平民の母を持つアレイスターは一代限りの統治者であり、アレイスターの子を北部統治者として継承させないということ。
そのための予防措置として、次期王太子となるトレヴァー君より先に妻を娶ってはならないということを。
「陛下がそのようなことを…」
「無用な争いの種を作らぬためだ。理解している。もとより私は副王都の長に執着はない、北部の民を思い蜂起したにすぎない。故に将来トレヴァーに、または妃殿下方に新たな子が産まれ、その子が北部を託すに値する者なら喜んで役目を譲り渡そう」
「殿下…、ではもしやこの話は…」
「私の望みだ。エンブリー卿にはシャノンへの求婚避けになってもらう。ここだけの話だがコンラッドとの婚約解消に責任を感じ、アドリアナ様はシャノンの縁組を早急に整えるつもりでいる」
ええっ⁉ 初耳なんだけど?
「候補の中には他国の王族さえもいるのだよ。あくまで候補だが…もしそうなれば断れまい」
一瞬の目配せ。…ブラフか…。だ、だよねー…
「どちらにせよ、トレヴァーの婚儀が整うまで待てという、陛下のお考えには同意なされている」
こっちの命令はそのまま生きてるのか。まあ確かに王妃様も格とか身分とかにうるさい人ではある。
「わかってくれるかプリチャード侯。私にはシャノンが…」
「みなまで仰いますな。…そういうことですか…」
お父様は高速で何かを考えているのだろう…。しばし逡巡ののちため息とともにようやく頷いた。
「シャノン、お前は十五年何ひとつ我儘を言わない子供だったが…全てをこの二年で解消したのだね」
「…お父様…。そもそも我儘を言わない子供っていう時点で…異常ですよ?」
「そうか。我慢をさせていたのだな。ではこれで贖罪になるだろうか。私はお前の幸せを何より願っているのだよ」
「食材だなんて…でもこれでようやく満たされます」
チラリ
泰然としたアレイスター。横顔にかかるグレーの髪がそれをより一層際立たせる。
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