イケメン大好きドルオタは異世界でも推し活する

kozzy

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推し活満喫編

ある護衛官の心情②

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コンソールの上にぎっしりと置かれたポーション。それを重しに一枚の羊皮紙が挟まっていた。
そこには丁寧な、だけど幼い文字でこう書かれていた。

『グラナダ様、短い間でしたが今までありがとうございました。嫌な思いさせてしまいごめんなさい。でも僕には何のことだかわかりませんでした。

ポーションには変なものなんて入っていません。ちゃんと自分で試してみたので効果も大丈夫だと思います。せっかく作ったのでもったいないから置いていきますね。グラナダ様がお嫌でしたら兵士の方たちにあげてください。

グラナダ様って呼んですみません。でも手紙じゃなくて顔を見て名前お呼びしたかったです。
きりっとしたお顔も低い柔らかい声も大大大好きです。演習場で汗をかく姿をもう見られないかと思うと残念です。これからもずっとずっと陰ながら応援しています。くれぐれも身体には気を付けて頑張ってください。』








「アデルはっ、アデルはどこだ、どこに行った、どうすればいい私は」

こんなにうろたえた閣下を初めて見た。握りしめた人形が破裂しそうだ。

「半月、出て行って半月もたつ。情報はっ、目撃情報はないのか?」

情報を探してもいませんでしたからね、今まで。

「旦那様、捜索の者を手配いたしましょう」
「あ、あぁ、そうしてくれ。早急にだ!一刻の猶予もならん。すぐに手配せよ!」

イライラと落ち着きなく歩きまわっている。こんな姿はアデル様が出ていく前よく見かけたものだが、その心情はおそらく真逆だ。

「ときにマカフィーよ。お前はアデルの姿を誰よりも良く観察しているようだな」
「はっ!いえ、そう言う訳では。いつも目の前に立っていらしたので必然的に。」
「くっ…ま、まぁよい。お前には当分アデルの捜索を任せる。このバーガンディに留まっているのなら庶民に紛れ町にかくれている線が濃厚だろう。変装しているやもしれぬ。よく見知ったものが探すほうが効率がよい」
「ははっ!では明日からすぐに」
「今だ」
「えっ?」
「今からすぐにだ」
「しかし、もう夜も更け街に出ても誰も出歩いてはおりませんよ?」
「いいから行け!さっさとアデルの居場所を探してくるのだ!」

……嫌がらせだろうか?そうとしか思えない。俺がアデル様の顔をつぶさに見ていたことが気に入らないと見た。
いやだって閣下、つい半刻前までアデル様のこと嫌ってらしたじゃないですか。ずいぶんとまぁ変わり身の早い。
まぁでもこの部屋の有様みたら…閣下が浮足立つのも無理はない。部屋中が閣下を好きだって叫んでる。閣下への愛情が溢れてる。

閣下は誰よりも背負う業の多いお方だ。その大きな力にはランタンに群がる蛾のように私利私欲にまみれたものが寄ってくる。今までここに来た婚約者候補の方々も誰一人として心から閣下を愛そうとした人は居なかっただろう。
閣下の威圧を含んだ瞳の力も、体から漏れ出す瘴気も人を恐れさせるには十分すぎるものだ。閣下自身も愛し愛されることなどとうにあきらめていただろう。
俺たちはそれがとてもつらかった…自分のすべてを犠牲にして誰よりも人々に尽くす閣下が誰よりも孤独だなんて…
だからそう、なにがなんでもアデル様を連れ戻し今度こそ閣下を幸せにしていただこう。



はぁ…とりあえず町の食堂ならまだ開いてるだろう。聞き込みにでも行くか。




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