イケメン大好きドルオタは異世界でも推し活する

kozzy

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王位交代開始編

まさかの置いてけぼり

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花火のおかげで思いがけず瘴気を一掃できたので事後処理の手間は随分省けたんじゃないかな。
MP分けてもらっても、そもそもグラナダ様の魔力だってそんなには残ってなかった。回復しきれなかった僕はグラナダ様に抱きあげられたまま討伐拠点に戻ってきたよ。

こちらの映像と双方向で各拠点領地のライブ映像もこちらに送ってもらってる。
雷の衝撃で送信の魔石は粉々になっちゃったけど受信の魔石はまだ無事だ。

バーガンディから増援をだした西のグレインジャー子爵領、南南東のリブストック子爵領、そしてグレゴリー隊長が自ら出向いた北東のヒックマイン伯爵領は順調に王国騎士団を制圧してる。
問題は…お父様率いる南のグリーンバルト侯爵領。ここにはノーマンさんが居るだけでバーガンディからは人手を割けていない。侯爵がお持ちになっている自前の軍で戦っているけど芳しくないみたい。

お父様にも強化の護符は一応お送りしたのに何で?

ここへ入った王国第三騎士団は、皇太子妃エネミア様の生家デボン侯爵家のご次男が指揮をとっているらしいから簡単に引きはしないんだろうな。デボン家は王様とずぶずぶで、それでいい思いしてたみたいだし。てか、義弟が起こした叛乱なんだから義弟につきなよ!なにこいつ。

「アデル。お前を残していくのは忍びないが私は義父上のもとに駆け付けようと思う。私の持つ忌々しい瘴気をお前が祓ってくれたのも神の思し召しなのだと感じたのだ。許してくれるか?」
「じ、じゃぁ僕も一緒に」
「ならぬ!…いやっ、つまらぬ嫉妬で言うのではない。その身体で今は無理はさせられぬのだ」
「で、でもっ」
「聞き分けてくれぬかアデルよ。魔獣相手とは違い領地の戦いは人間相手だ。お前には見せられぬ…」


そう言われたら…もう何にも言えないよ…僕も平常心でいられる自信はない。
「うう…わかった…」

人相手の戦いでグラナダ様が負けるわけない。なら、一刻も早く駆け付けてお父様を助けてもらおう。
僕は拠点に残されたMPポーションを飲めるだけお腹に詰めてグラナダ様の身体の傷を少しでもと回復した。
『ヒール』
そして残り僅かな魔力が尽きる限界まで、まっさらな羊皮紙に転移(へっぽこ)を写しまくった。
「もう良いアデル、無理をするな」

グラナダ様に止められて仕方なくカバンの中をまさぐる。
疲労回復の護符に、筋肉痛緩和の護符に、体力増強の護符に…それから、それから…クッキーあった!


「短距離転移でも早馬よりは早いし疲れないはずだから」「わかった」
「連戦なんだから移動中に回復して」「ああ、わかった」
「これ、僕のお手製クッキー。馬上で食べて」「ふっ、わかったからもうよせ」




そして僕は南へ向かうグラナダ様を見送…れなかった…痛恨の極み!さらにその後…まさかのポーション酔いで3日ほど寝込む羽目になった。



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