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エンタメ充実編
忌々しい過去
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「うう…あ、いてて…ここどこ…一体何が…」
「やぁ気が付いたかいアデル君。久しぶりだね、14年ぶりかな?やっと会えた。ああ、少しも変わってない、相変わらず可憐なままだ。覚えているかい、パーバートだよ。忌々しき貧乏伯爵のせいであの時は実に残念だった。あと少しで君を僕の宝物にしてあげられたのに」
「…誰?…知りませんけどどちら様?…」
今まで出したことないような低い声が出た。頭痛い…お前、殴ったな頭!打ちどころ悪かったらどうすんの!…それに地面に投げ出されて身体が痛い…僕は…僕は妊夫なのに!
それになに、こいつ…アデルの記憶にもないんだけど…
「すまないね手荒な真似をして。だがカマーフィールドを舐めては以前の二の舞だ。今日も、夜会でも、ずいぶん強固な隠匿がかかっていたじゃないか。君が魔法を放ってくれて助かったよ。姿を確認できた。だけどねぇ…まったく、所詮C級のハンターはこれだから嫌なんだ。あれほど丁寧に扱えと言っておいたのに」
「…人の事攫っといて丁寧もクソもありませんけどね…」
「あぁ!こんなに反抗的になって!あの魔人卿の影響かい?」
「………グラナダ様を魔人卿って言うなっ……」
「おや、随分と懐いたものだねあの魔物に。そんなことはいいから、ほらこの服に着替えよう?君に似合うと思って揃えておいたんだ。可愛いだろう?」
手にしているのは子供用の、首元をフリルが飾ったブラウスと大人用よりさらに丈の短いブリーチズ。
アデルの体型なら着れるだろうけど…こいつ…ショ〇コンか?こいつがアデルに昔何かしようとしたことは確定だ。お腹の中が沸々する。
「君はすぐに僕が君の本来居るべき場所に連れて行ってあげる。君の友達になれそうな子供がいくらかいるが気にしなくてもいいよ。こうして君を手に入れた以上、僕の寵愛はいつだって君だけのものだ。だが、そう。その眼はいただけないな。…少し、ほんの少しだけ心を折ろう。そうしたらあの頃の意思の無い人形のような澄んだ瞳に戻るだろう」
「…なるほどね…お前が真正の変態だっていう事はわかった。で、何?何処つれていくって?心を折るって?やれると思ってんの?この鋼のれんき…ごほん、僕に。やれるもんならやってみろ!僕をただのアデルだと思ったら大きな間違いだっ!」
「…言っておくが今君はどんな魔法も使えないよ。アンチスキルの首輪で飾っておいてあげたからね。無粋にならないようちゃんと意匠にも凝っておいたよ。」
…ふぅん…確かに魔力が使えないや。僕の魔力はね。
そうか…アデルの記憶にないんじゃない。記憶の層の奥深く、まるで封印するかのように押し込められた恐怖…怖くて怖くて思い出すのも嫌なんだ…。
領地に籠り何処へも行かなかったアデル…お前がアデルをあんなにしたんだな!きっとそんな怖い思いをしなければ…たとえ僕ほどじゃなくったって、もっと広い世界で、もっといろんな人と出会って、もっといろんな事を楽しんで、……きっとグラナダ様のことだって、あんな風に湖に身を投げるほど怯えなくて済んだかもしれない。彼はどんな思いであの日湖に…そう思ったら池の水面に浮かんでた、青白い、そして消えそうなほど儚く美しかった顔を思い出した。
僕が仇をとってやる!お前は何が何でも許さない!!絶対にだ!!!
他に捕まった子供がいるのなら僕だけ逃げ出すわけにはいかないとその場所までは付いていく。
グラナダ様やお母様が心配してるって思ったら申し訳ないけど子供たちを放っておくわけにはいかないよ。
それに僕に逃げ出す手段が無いと思ったら大間違いだ。馬鹿め。僕はちゃぁんと気が付いているのだよ。
透明のままそっと後をつけてきているジョッシュさんに。
僕は後ろ手でサインを出した。スネーク班、あとは特定よろしくね!
「やぁ気が付いたかいアデル君。久しぶりだね、14年ぶりかな?やっと会えた。ああ、少しも変わってない、相変わらず可憐なままだ。覚えているかい、パーバートだよ。忌々しき貧乏伯爵のせいであの時は実に残念だった。あと少しで君を僕の宝物にしてあげられたのに」
「…誰?…知りませんけどどちら様?…」
今まで出したことないような低い声が出た。頭痛い…お前、殴ったな頭!打ちどころ悪かったらどうすんの!…それに地面に投げ出されて身体が痛い…僕は…僕は妊夫なのに!
それになに、こいつ…アデルの記憶にもないんだけど…
「すまないね手荒な真似をして。だがカマーフィールドを舐めては以前の二の舞だ。今日も、夜会でも、ずいぶん強固な隠匿がかかっていたじゃないか。君が魔法を放ってくれて助かったよ。姿を確認できた。だけどねぇ…まったく、所詮C級のハンターはこれだから嫌なんだ。あれほど丁寧に扱えと言っておいたのに」
「…人の事攫っといて丁寧もクソもありませんけどね…」
「あぁ!こんなに反抗的になって!あの魔人卿の影響かい?」
「………グラナダ様を魔人卿って言うなっ……」
「おや、随分と懐いたものだねあの魔物に。そんなことはいいから、ほらこの服に着替えよう?君に似合うと思って揃えておいたんだ。可愛いだろう?」
手にしているのは子供用の、首元をフリルが飾ったブラウスと大人用よりさらに丈の短いブリーチズ。
アデルの体型なら着れるだろうけど…こいつ…ショ〇コンか?こいつがアデルに昔何かしようとしたことは確定だ。お腹の中が沸々する。
「君はすぐに僕が君の本来居るべき場所に連れて行ってあげる。君の友達になれそうな子供がいくらかいるが気にしなくてもいいよ。こうして君を手に入れた以上、僕の寵愛はいつだって君だけのものだ。だが、そう。その眼はいただけないな。…少し、ほんの少しだけ心を折ろう。そうしたらあの頃の意思の無い人形のような澄んだ瞳に戻るだろう」
「…なるほどね…お前が真正の変態だっていう事はわかった。で、何?何処つれていくって?心を折るって?やれると思ってんの?この鋼のれんき…ごほん、僕に。やれるもんならやってみろ!僕をただのアデルだと思ったら大きな間違いだっ!」
「…言っておくが今君はどんな魔法も使えないよ。アンチスキルの首輪で飾っておいてあげたからね。無粋にならないようちゃんと意匠にも凝っておいたよ。」
…ふぅん…確かに魔力が使えないや。僕の魔力はね。
そうか…アデルの記憶にないんじゃない。記憶の層の奥深く、まるで封印するかのように押し込められた恐怖…怖くて怖くて思い出すのも嫌なんだ…。
領地に籠り何処へも行かなかったアデル…お前がアデルをあんなにしたんだな!きっとそんな怖い思いをしなければ…たとえ僕ほどじゃなくったって、もっと広い世界で、もっといろんな人と出会って、もっといろんな事を楽しんで、……きっとグラナダ様のことだって、あんな風に湖に身を投げるほど怯えなくて済んだかもしれない。彼はどんな思いであの日湖に…そう思ったら池の水面に浮かんでた、青白い、そして消えそうなほど儚く美しかった顔を思い出した。
僕が仇をとってやる!お前は何が何でも許さない!!絶対にだ!!!
他に捕まった子供がいるのなら僕だけ逃げ出すわけにはいかないとその場所までは付いていく。
グラナダ様やお母様が心配してるって思ったら申し訳ないけど子供たちを放っておくわけにはいかないよ。
それに僕に逃げ出す手段が無いと思ったら大間違いだ。馬鹿め。僕はちゃぁんと気が付いているのだよ。
透明のままそっと後をつけてきているジョッシュさんに。
僕は後ろ手でサインを出した。スネーク班、あとは特定よろしくね!
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