イケメン大好きドルオタは異世界でも推し活する

kozzy

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エンタメ充実編

幸せの形①

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滂沱の涙を流しながらお母様とお別れしてようやく平和な、だけど忙しい日々が戻ってきた。




笛の演奏に成功を確信したバンさんは鼓笛の特訓に余念がない。それを横目にチェックしながら僕は子供たちに読み書きを教える。それほど勉強できたわけじゃない僕だけど、異世界では日本の平均的高校生レベルでも理数にかけてはかなりドヤ顔が出来る。へへ。

「アデルさま~、ここわからないです」「えっとそれは」
「アデルさま。とけました。」「良くできたね、合ってる、えらいよ」

「まったくここだけ別世界でございますね。時々目の保養にと兵たちが覗きに来ておることをご存じでしたかな?」
「トマスさん!ご存じだよ。時々マカフィーさんが追い返してるし」

子供たち待望のお茶の時間が始まった。今日のおやつはパティシエ自信の一作。僕が教えてあげた食べ歩き型クレープから自分でフォーマルな場にも合いそうなミルクレープにたどり着いた。食文化ってこうして発展していくんだね。

「広報部隊の育成も良いですが、道具類の納品をと王都のカマーフィールド伯爵から要請がありましたぞ」
「それに午後は本来の稽古もせねば。実践がてら森にでも放り込むとするか」
「セイラム師団長!グレゴリー隊長!と、言う事は…グラナダ様♡」

子供たちは大喜び。この世界では強いものほど憧れの対象で、勇者なんてもう!である。グラナダ様は先のスタンピードで、まだまだ多少は畏怖されながらも、英雄のようなお立場だ。もうもうみんな…見ないでっ、僕のグラナダ様を!あぁー、でももっと知ってもらいたい、どれほどグラナダ様がカッコいいかを。ジレンマである…。



「アデルさまのおなかにはりょうしゅさまのお子がいるのですか?」
「そうだよ。あと数か月くらいかな?グラナダ様に似たカッコ可愛い子が生まれてくるよ」
「アデルに似た可憐な天使かも知れぬだろう?むしろ私はそう望んでおるのだがな」
「お子が生まれたら、ぼくマカフィーさんみたいなゴエイジュウシャになりたいです」

そう言ったのはあの日僕の前に連れて来られたクリーム色の髪色をした子。フラッフィ君8歳である。みんなにはラフって呼ばれてる。
「ラフはマカフィーさんが大好きだもんね。じゃぁこの子が大きくなるまでに強くなってもらわなくっちゃ」
他の子たちが僕も僕もと大騒ぎ。良かったこんなに元気に笑えるようになって。
「じゃああと3人お子産んでくださいね。アデル様。やくそくですよ」

そんな約束は出来ぬ。
あ、ちょっとなに良い笑顔で指切りしてるの?旦那様?






グラナダ様の手を引いて離宮へと連れ込む。むふふ。

「これ着て。ね、早くっ」「うん?なんだこれは」
「僕も着替えるから早くっ」

用意したのは黒を基調にしたスチームパンク風ドラキュラ衣装。むっっはぁカッコいい…
そして僕は、背中にギザギザの羽、フードに尖った耳の付いた黒のパーカーに黒のハーフパンツとブーツ。蝙蝠である。

「そこは儚い令嬢にしなさいよ!」
ジョッシュさんから物言いが入ったが気にしない。グラナダ様は十分ご満悦だ。
そのジョッシュさんとマカフィーさんにはドラキュラ伯爵に付き添う従者…だけど本物の執事よりもずっとゴシック寄りにしてある…どうよ!


さぁ町に行くよ。









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