148 / 247
新たな家族編
人事異動
しおりを挟む
「さぁこれで出来たっと」
頼まれていた長距離転移陣の設置はお兄様の魔力を補充してようやく完了した。
通常の転移魔法には距離の制約があるけどこのマイストリー製の長距離転移陣は国すら跨げる優れものだ。
とはいえ、複製は簡単じゃないし、発動には膨大な魔力が必要なので誰でも手に入れれば使えるってもんじゃない。
良かったカマーフィールドに魔力量の多いお兄様がいて。
「お試し…お兄様どうします?あの円環、3人までは乗れますよ」
「あっ、なら俺…」「ローランさん?」
「閣下に…移動のお願いを…その…」「ローランさんっ⁉」
えっ、ほんとにローランさんここに骨うずめちゃうのーー?
「ローラン、少し話そう」
お兄様がローランさんと話をしている隙をみてジョッシュさんに物陰に連れていかれた。
なに?なんか…マカフィーさんまで挙動が…
「あのですねアデル様。あー、ローランの奴、その」「トールキン殿に惚れているそうです」
「えぇ、むがっ」「声がでかいです」
「ご、ごめ…ところでそれホントのホント?」「はぁまぁ…」
「あー、うん。そっか。じゃぁしょうがない。というか人の恋路は邪魔できない」
「本気ですかアデル様。次期伯爵様に恋したってローランの奴は報われない」
「…バカじゃないのマカフィーさん。報われなきゃ幸せじゃないなんてどうして思うの?」
僕は知ってる。一方通行でも幸せだったあの時間を、心から満たされていたあの時間を。
「僕は推しが結婚したって…その家族ごと好きになる自信があったよ。推しが、推しさえ幸せならそれが僕の幸せでもあるんだから!」
「…そっ、そうでしたねアデル様は」「きっとローランさんも…」「ああ…」
「でも、……報われるならそれに越したことはない…」
「アデル様…余計な事考えてません?」「イーや別に」
たとえ報われなくても…萌え燃料くらい、一つはあっても良いよね。
結局転移の試運転には僕とローランさん、そしてお兄様が向かう事になった。
グラナダ様とお兄様…初顔合わせだ。どきどきする。この二人の化学反応が想像つかない…。
転移陣の中央に光の柱が立つ。お兄様の青い柱。きれい…水族館のアシカになった気分。
ぐにゃんと視界が揺れた次の瞬間、目の前にグラナダ様とトマスさんが居た。
「辺境伯閣…」
「アデルー!アべニアはっ!アベニアは変わりないかっ!」
「ぐえっ、だ、大丈夫ですよ、元気に、んちゅっ…んん…」
「…これは…聞きしに勝る…」
「旦那様、義兄君様がお困りでございますよ」
た、佇まいを直したグラナダ様がお兄様に向きなおる…けど、威厳はすでに損なわれていますよ旦那さま。
「これは失礼をしたトールキン殿。ごほん、ようやくこうして互いの領地を繋ぐことが出来た。今後はより良き友誼を結び連携を取っていければと考えておる。良しなに頼むぞ」
「恐れ多い事にございます閣下。我らがカマーフィールドへの多大なるご支援、感謝の念に堪えませぬ。またアデルへの寵愛、兄として嬉しい限りにございます。こうして後継にも恵まれ、このバーガンディの繁栄心よりお慶び申し上げ奉ります」
「かた、固いよお兄様…固すぎて歯が折れるレベル…」
「気を楽になされよ義兄上。アデルの家族は私の家族。まことカマーフィールドの者はみな気持ちが良い。ははは」
余り長居は出来ないけどトマスさんがお茶を淹れてくれたので座って本題を切り出すこととなった。
「…そのようなわけでローランを何卒我が領地へともらい受けたいのでございます」
「ふむ…ローランよ、お前もそれが望みか?」
「はい。俺はこうしてトールキン様を手助けすることに今では使命を感じています」
「ローラン、可愛い事を言う。ローラン私もお前に助けられることが、なにやら息をするほど自然に思うようになってきたよ」
えっ?お兄様、それいい感じに言ってるけどダメ人間宣言とも言えるからね。
ローランさんも嬉しそうな顔して照れないっ!
人の数ほど沼はあると言うけど…恐ろしい…
頼まれていた長距離転移陣の設置はお兄様の魔力を補充してようやく完了した。
通常の転移魔法には距離の制約があるけどこのマイストリー製の長距離転移陣は国すら跨げる優れものだ。
とはいえ、複製は簡単じゃないし、発動には膨大な魔力が必要なので誰でも手に入れれば使えるってもんじゃない。
良かったカマーフィールドに魔力量の多いお兄様がいて。
「お試し…お兄様どうします?あの円環、3人までは乗れますよ」
「あっ、なら俺…」「ローランさん?」
「閣下に…移動のお願いを…その…」「ローランさんっ⁉」
えっ、ほんとにローランさんここに骨うずめちゃうのーー?
「ローラン、少し話そう」
お兄様がローランさんと話をしている隙をみてジョッシュさんに物陰に連れていかれた。
なに?なんか…マカフィーさんまで挙動が…
「あのですねアデル様。あー、ローランの奴、その」「トールキン殿に惚れているそうです」
「えぇ、むがっ」「声がでかいです」
「ご、ごめ…ところでそれホントのホント?」「はぁまぁ…」
「あー、うん。そっか。じゃぁしょうがない。というか人の恋路は邪魔できない」
「本気ですかアデル様。次期伯爵様に恋したってローランの奴は報われない」
「…バカじゃないのマカフィーさん。報われなきゃ幸せじゃないなんてどうして思うの?」
僕は知ってる。一方通行でも幸せだったあの時間を、心から満たされていたあの時間を。
「僕は推しが結婚したって…その家族ごと好きになる自信があったよ。推しが、推しさえ幸せならそれが僕の幸せでもあるんだから!」
「…そっ、そうでしたねアデル様は」「きっとローランさんも…」「ああ…」
「でも、……報われるならそれに越したことはない…」
「アデル様…余計な事考えてません?」「イーや別に」
たとえ報われなくても…萌え燃料くらい、一つはあっても良いよね。
結局転移の試運転には僕とローランさん、そしてお兄様が向かう事になった。
グラナダ様とお兄様…初顔合わせだ。どきどきする。この二人の化学反応が想像つかない…。
転移陣の中央に光の柱が立つ。お兄様の青い柱。きれい…水族館のアシカになった気分。
ぐにゃんと視界が揺れた次の瞬間、目の前にグラナダ様とトマスさんが居た。
「辺境伯閣…」
「アデルー!アべニアはっ!アベニアは変わりないかっ!」
「ぐえっ、だ、大丈夫ですよ、元気に、んちゅっ…んん…」
「…これは…聞きしに勝る…」
「旦那様、義兄君様がお困りでございますよ」
た、佇まいを直したグラナダ様がお兄様に向きなおる…けど、威厳はすでに損なわれていますよ旦那さま。
「これは失礼をしたトールキン殿。ごほん、ようやくこうして互いの領地を繋ぐことが出来た。今後はより良き友誼を結び連携を取っていければと考えておる。良しなに頼むぞ」
「恐れ多い事にございます閣下。我らがカマーフィールドへの多大なるご支援、感謝の念に堪えませぬ。またアデルへの寵愛、兄として嬉しい限りにございます。こうして後継にも恵まれ、このバーガンディの繁栄心よりお慶び申し上げ奉ります」
「かた、固いよお兄様…固すぎて歯が折れるレベル…」
「気を楽になされよ義兄上。アデルの家族は私の家族。まことカマーフィールドの者はみな気持ちが良い。ははは」
余り長居は出来ないけどトマスさんがお茶を淹れてくれたので座って本題を切り出すこととなった。
「…そのようなわけでローランを何卒我が領地へともらい受けたいのでございます」
「ふむ…ローランよ、お前もそれが望みか?」
「はい。俺はこうしてトールキン様を手助けすることに今では使命を感じています」
「ローラン、可愛い事を言う。ローラン私もお前に助けられることが、なにやら息をするほど自然に思うようになってきたよ」
えっ?お兄様、それいい感じに言ってるけどダメ人間宣言とも言えるからね。
ローランさんも嬉しそうな顔して照れないっ!
人の数ほど沼はあると言うけど…恐ろしい…
375
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
【完結】それ以上近づかないでください。
ぽぽ
BL
「誰がお前のことなんか好きになると思うの?」
地味で冴えない小鳥遊凪は、ずっと憧れていた蓮見馨に勢いで告白してしまう。
するとまさかのOK。夢みたいな日々が始まった……はずだった。
だけど、ある出来事をきっかけに二人の関係はあっけなく終わる。
過去を忘れるために転校した凪は、もう二度と馨と会うことはないと思っていた。
ところが、ひょんなことから再会してしまう。
しかも、久しぶりに会った馨はどこか様子が違っていた。
「今度は、もう離さないから」
「お願いだから、僕にもう近づかないで…」
公爵家の五男坊はあきらめない
三矢由巳
BL
ローテンエルデ王国のレームブルック公爵の妾腹の五男グスタフは公爵領で領民と交流し、気ままに日々を過ごしていた。
生母と生き別れ、父に放任されて育った彼は誰にも期待なんかしない、将来のことはあきらめていると乳兄弟のエルンストに語っていた。
冬至の祭の夜に暴漢に襲われ二人の運命は急変する。
負傷し意識のないエルンストの枕元でグスタフは叫ぶ。
「俺はおまえなしでは生きていけないんだ」
都では次の王位をめぐる政争が繰り広げられていた。
知らぬ間に巻き込まれていたことを知るグスタフ。
生き延びるため、グスタフはエルンストとともに都へ向かう。
あきらめたら待つのは死のみ。
【本編完結】才色兼備の幼馴染♂に振り回されるくらいなら、いっそ赤い糸で縛って欲しい。
ホマレ
BL
才色兼備で『氷の王子』と呼ばれる幼なじみ、藍と俺は気づけばいつも一緒にいた。
その関係が当たり前すぎて、壊れるなんて思ってなかった——藍が「彼女作ってもいい?」なんて言い出すまでは。
胸の奥がざわつき、藍が他の誰かに取られる想像だけで苦しくなる。
それでも「友達」のままでいられるならと思っていたのに、藍の言葉に行動に振り回されていく。
運命の赤い糸が見えていれば、この関係を紐解けるのに。
【完結】薄幸文官志望は嘘をつく
七咲陸
BL
サシャ=ジルヴァールは伯爵家の長男として産まれるが、紫の瞳のせいで両親に疎まれ、弟からも蔑まれる日々を送っていた。
忌々しい紫眼と言う両親に幼い頃からサシャに魔道具の眼鏡を強要する。認識阻害がかかったメガネをかけている間は、サシャの顔や瞳、髪色までまるで別人だった。
学園に入学しても、サシャはあらぬ噂をされてどこにも居場所がない毎日。そんな中でもサシャのことを好きだと言ってくれたクラークと言う茶色の瞳を持つ騎士学生に惹かれ、お付き合いをする事に。
しかし、クラークにキスをせがまれ恥ずかしくて逃げ出したサシャは、アーヴィン=イブリックという翠眼を持つ騎士学生にぶつかってしまい、メガネが外れてしまったーーー…
認識阻害魔道具メガネのせいで2人の騎士の間で別人を演じることになった文官学生の恋の話。
全17話
2/28 番外編を更新しました
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
巣ごもりオメガは後宮にひそむ【続編完結】
晦リリ@9/10『死に戻りの神子~』発売
BL
後宮で幼馴染でもあるラナ姫の護衛をしているミシュアルは、つがいがいないのに、すでに契約がすんでいる体であるという判定を受けたオメガ。
発情期はあるものの、つがいが誰なのか、いつつがいの契約がなされたのかは本人もわからない。
そんななか、気になる匂いの落とし物を後宮で拾うようになる。
第9回BL小説大賞にて奨励賞受賞→書籍化しました。ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる