イケメン大好きドルオタは異世界でも推し活する

kozzy

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決断の時編

成果の確認

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馬場の進捗を確認に、その日僕らは馬に乗っていた。マカフィーさんの前に乗せてもらって、高い景色に僕はすっかりいい気分。グラナダ様は怖い顔してマカフィーさんに何か言っていた。
大きな丸い闘技場。競馬だけじゃなく他にも何か出来たらいいな。そのうちに。

「アデル様、お越しお待ちしておりました。どうですか?かなりいい感じの仕上がりだと思うんですが。ナイジェルの反対を押し切ってほらそこに。安価に観覧が出来る場所を確保したんですよ。庶民の伝聞は大きいですからね」
「あーあー、ナイジェルさんも反対してたわけでは…」
「何が優越感が薄れるだっ、俺は馬を金持ちの娯楽にするつもりは」「はいはいはい。ですよねー」

セオドアさんからはさらに屋台の設置を打診された。ナイジェルさんに売り上げで負けるわけにはいかないらしい。あっちもこっちも、もうホントに…
まぁ、売り子を回らせるのか、屋台を構えさせるのか、必要と言えば必要ではある。要検討だ。



そのまま寄宿舎へと向かう。
子供たちは今稽古の最中だ。う~ん良い声。
練習場の外には漏れる歌声を楽しみに来ている近所の住人が何人かいた。

「彼らはこうしてよく聴きにきております。ですが、宿舎の色々な雑事を手伝ってくれたりしてまして」
「あー、ありがたい事だね。近所づきあいって大事だもん。良くして差上げてね」

合唱団の指導員さんからキャンディーの販売を提案される。
キャンディーとキャンディス君をかけているのだ。

「売り上げを地方の孤児院への寄付としては如何かと」
とってもいい考え!すぐに手配をしなければ。




カフェではナイジェルさんが今日もテキパキと隊員グッズを配置していく。
いつの間にか制服類が隣の部屋に並べられていた。

「アデル様の、その、閣下の衣裳部屋を参考にしまして。こういうのを喜ぶのでしょう?女子たちは。」
「…やな言い方するね、まぁそうだけど。それなら隊員から私物も少し借りてきたら?一緒に飾ればもっといいんじゃない?」

僕はナイジェルさんの胸ポケットからきれいに折りたたまれたハンカチを抜き取った。そうして台の上に陳列する。
セオドアさんが屋台を検討していることを伝えると、ナイジェルさんは日替わりのメニューの変更を検討し始めた。
だから怖いんだって!婦女子たちからそんなに搾り取らないで上げてー!




アラタのポーション屋ではオットーさんが護符の検品をしていた。

「アデル様、最近遊びすぎではないですか?品切れが多すぎて苦情が出ておりますよ」
「遊んでる訳じゃなかったんだけど…ごめんごめん。あしたは無理だから3日待ってて。多めに作って持ってくるから~」

入荷待ちの注文数を確認して、これ以上墓穴を掘る前にその場を離れる。
玄関の看板は僕が作ったその時のままだ。えへへ…




最後にやってきたのは僕の音楽隊。今日の稽古はとっくに終わって今は楽器の手入れ中。
太鼓も笛も…人数増えたな…おかげで音に厚みが出て来た。
あれからさらに、古い剣を溶接してシンバルもどきも出来上がった。迫力が増した。

「アデル様、そろそろ新しい楽曲を増やしたいのですがどうですかね?」
「明日はちょっとダメだから…明後日…はポーションが…4日後で良いかな?バンさんご都合どうですか?」

新しい曲、新しい曲…何が良いだろう…楽譜に起こしやすい…う~ん、今日一番の難問かも知れない…。




夕食の席でグラナダ様に宣言する。

「あの、グラナダ様、今日の夜、僕離宮で休んで良いですか?その」
「過去視を発動するのか」
「そのつもりです。今お仕事ひと段落してるし、明日は空けておきました。僕お腹のこの子がいるうちにってずっと考えてましたから…」
「ふむ、それは何故なのだ…」
「この子を守らなきゃって思ったら…必死になるでしょ?何がなんでも、何があっても…」
「危険にさらすでないぞ、お前も、腹の子も」

「絶対に!約束します。大丈夫。僕今日だけでもいっぱいお仕事頼まれちゃって…えへへ、帰ったらすっごく忙しくなりそう。だから…んん…」



僕とグラナダ様の口づけをアベニアが瞬きもせずに見ていたのがちょっと恥ずかしかった…





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