イケメン大好きドルオタは異世界でも推し活する

kozzy

文字の大きさ
214 / 247
番外編 バーガンディの日常

争いの行方

しおりを挟む
「絶対絶対、ぜ~ったい負けないでねグラナダ様!」
「心配はいらぬ。あの若造め。デカい口を叩く。アデルお前を失望はさせぬからな、安心して観ておるがいい。」
「絶対絶対、ぜ~ったい負けないで下さいね閣下!俺の今月の給料かかってますから!」
「知らぬ!」
「閣下が俺に賭けろって言ったんですよ⁉」


千客万来のバーガンディ競馬場。
急遽開催の決まった領主と部下の一騎打ち再戦は今のバーガンディにおける最大の娯楽となった。


コソッ「領主さまに10ドラン頼む」
コソッ「へぇ?随分堅いじゃないかないか」

コソコソッ「こっちはリスボン隊員だ。20ドラン!」
コソコソッ「いいね、そうこなくっちゃ」


許可も出してないのにいつの間にか横行する観客間の密かな賭け。幸いここは異世界だから…固い事は言いっこなしだ。自己責任でお願いします!


ちなみに今日のレースは3試合。

第一レース、土魔法使いが土壌を盛り上げ、農耕馬を使ったばんえい競走。見た目の派手さで場の温め役だ。勝敗にはこだわらない。
第二レース、有志の隊員6名による早駆け競争、いわゆる一般的な競馬だね。勝ち馬を当てた観客には土産が出るので来場者は入場時に一頭選んでる。そのほうが観戦も白熱するってもんだよね。
第三レース、グラナダ様とリスボンさんの一騎打ち障害競走。本日のメインイベント!


セオドアさんからの提案でバラエティ豊かな構成になった。欲張りな事このうえないな。
ナイジェルさんがぬかりなく、騎乗する隊員の写像画トレカ販売ブースを確保してた。動きが早い!
だけど…ちっちっちっ、わかってないな。
競馬場では馬の写像画トレカが売れるんだよ。鉄オタの友人を思い出しながら…僕はそうナイジェルさんに耳打ちしておいた。


ドーン

ドラの音と共に出走するグラナダ様とリスボンさん。

「いけいけいけー!」
「うおぉーー!」
「リスボンっ、そこだー!」
「うわぁぁー!グラナダ様ー!リスボンさんに負けないでー!」
「いいぞー!」
「閣下ー!俺の給料ー!」

声援にも力が入る。
抜きつ抜かれつ大きな差は開かない。

「「ああっ!閣下が抜かれたっ!」」

鼻先に小さな石つぶてが跳ね返りその驚きで体勢を崩すグラナダ様騎乗の愛馬ラグーン。
時間にしたらほんの一瞬のことだったんだけど…
ゴール真近だというのに一馬身の差が開く。

ぐぬぬ…こんな…こんなのは認めん!
僕のグラナダ様はいつだって英雄なんだから!

「いやぁーーー!グラナダ様ー!勝ってー!勝ったら何でもしてあげるーー!!!」







勝者が誰だったかは言うまでもない…そして僕がどんな目に合ったかも…言うまでも…ない。




「くそっ!くそくそくそっ!普通あそこからの追い上げが間に合うものか!くそっ、俺の未熟者め!なんでもっと引き離せなかった!」
「まぁまぁ、そう怒るなリスボン。やけ酒なら付き合ってやる。おいナイジェル、お前も来るよな?」
「…行くわけないだろう…」
「馬鹿を言え!酒など飲んでいる場合か!帰ってすぐに再再戦の為の特訓だ!決まっているだろうがっ!」

馬バカの挑戦は終わらない…。




「おい、お前聞いたか?奥方様のあの声援。」
「聞いた聞いた。お熱いよな。もう2人も子供がいるのに。」
「「………」」
「なぁ」「おう」
「何したんだと思う?///」


それからしばらくバーガンディのいたるところでそんな会話が交わされることになった事を…領主夫妻だけが気づかなかった。



しおりを挟む
感想 103

あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました

  *  ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。 BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑) 本編完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 きーちゃんと皆の動画をつくりました! もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら! 本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

【完結】それ以上近づかないでください。

ぽぽ
BL
「誰がお前のことなんか好きになると思うの?」 地味で冴えない小鳥遊凪は、ずっと憧れていた蓮見馨に勢いで告白してしまう。 するとまさかのOK。夢みたいな日々が始まった……はずだった。 だけど、ある出来事をきっかけに二人の関係はあっけなく終わる。 過去を忘れるために転校した凪は、もう二度と馨と会うことはないと思っていた。 ところが、ひょんなことから再会してしまう。 しかも、久しぶりに会った馨はどこか様子が違っていた。 「今度は、もう離さないから」 「お願いだから、僕にもう近づかないで…」

公爵家の五男坊はあきらめない

三矢由巳
BL
ローテンエルデ王国のレームブルック公爵の妾腹の五男グスタフは公爵領で領民と交流し、気ままに日々を過ごしていた。 生母と生き別れ、父に放任されて育った彼は誰にも期待なんかしない、将来のことはあきらめていると乳兄弟のエルンストに語っていた。 冬至の祭の夜に暴漢に襲われ二人の運命は急変する。 負傷し意識のないエルンストの枕元でグスタフは叫ぶ。 「俺はおまえなしでは生きていけないんだ」 都では次の王位をめぐる政争が繰り広げられていた。 知らぬ間に巻き込まれていたことを知るグスタフ。 生き延びるため、グスタフはエルンストとともに都へ向かう。 あきらめたら待つのは死のみ。

【完結】薄幸文官志望は嘘をつく

七咲陸
BL
サシャ=ジルヴァールは伯爵家の長男として産まれるが、紫の瞳のせいで両親に疎まれ、弟からも蔑まれる日々を送っていた。 忌々しい紫眼と言う両親に幼い頃からサシャに魔道具の眼鏡を強要する。認識阻害がかかったメガネをかけている間は、サシャの顔や瞳、髪色までまるで別人だった。 学園に入学しても、サシャはあらぬ噂をされてどこにも居場所がない毎日。そんな中でもサシャのことを好きだと言ってくれたクラークと言う茶色の瞳を持つ騎士学生に惹かれ、お付き合いをする事に。 しかし、クラークにキスをせがまれ恥ずかしくて逃げ出したサシャは、アーヴィン=イブリックという翠眼を持つ騎士学生にぶつかってしまい、メガネが外れてしまったーーー… 認識阻害魔道具メガネのせいで2人の騎士の間で別人を演じることになった文官学生の恋の話。 全17話 2/28 番外編を更新しました

すべてを奪われた英雄は、

さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。 隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。 それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。 すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

巣ごもりオメガは後宮にひそむ【続編完結】

晦リリ@9/10『死に戻りの神子~』発売
BL
後宮で幼馴染でもあるラナ姫の護衛をしているミシュアルは、つがいがいないのに、すでに契約がすんでいる体であるという判定を受けたオメガ。 発情期はあるものの、つがいが誰なのか、いつつがいの契約がなされたのかは本人もわからない。 そんななか、気になる匂いの落とし物を後宮で拾うようになる。 第9回BL小説大賞にて奨励賞受賞→書籍化しました。ありがとうございます。

優秀な婚約者が去った後の世界

月樹《つき》
BL
公爵令嬢パトリシアは婚約者である王太子ラファエル様に会った瞬間、前世の記憶を思い出した。そして、ここが前世の自分が読んでいた小説『光溢れる国であなたと…』の世界で、自分は光の聖女と王太子ラファエルの恋を邪魔する悪役令嬢パトリシアだと…。 パトリシアは前世の知識もフル活用し、幼い頃からいつでも逃げ出せるよう腕を磨き、そして準備が整ったところでこちらから婚約破棄を告げ、母国を捨てた…。 このお話は捨てられた後の王太子ラファエルのお話です。

処理中です...