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二人は夫夫だからね
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顔面ドアップ、クッソイケメン…
み、見ちゃダメだ!見たら持ってかれる…理性が…
「ん…、んん…」
う…、や、ヤバい…、なんか変なスイッチ入りそう…。なんだろうこれ…
押し付けられたフラヴィオの唇は優しくて、なのに抱きしめる腕は見た目以上に力強くて…こ、これがキス…!
どうすればいいのかわからない。この手はどこにもってけばいい?
押し返すことも逃げ出すことも出来ずに、されるがままキスされっぱの僕ってばどうかしている。
「ふ…」
あ、声出ちゃった…
その声を合図に離れちゃう温もりが、ちょっとさみしい…
「すまない。少し感極まってしまって…だが私たちは夫夫なのだし…かまわなかっただろうか?」
「そ、そうですよね!ふ、ふぅ↑ふなん、だしぃ↑、い、いいん、ですケドぉ↓ち、ちょっと初めてだから驚いただけで…」
ドッドッドッドッ…
心臓は破裂しそうだし顔は沸騰しそう…
人生十八年…まさか初キッスが異世界になるとは…
夫夫…、そうかふうふか…
僕はそれまでそーゆーことをフワッとしか考えてなかった、というか、むしろ考えないようにしていたのだが、どうしよう、いきなりリアリティが…現実感が襲ってきた。あわわわわわ…ひぇっ!目が合った!
「イヴ…、始まりはどうあれこれからは一歩づつ本当の夫夫として歩んで行こう。私はとうに君が好きだ」
「え…、あ、お、おう」
僕のバカー!おうってなんだよ!もっとこう可愛く言えないの?ニコラオシエテ…
そこへいくと微笑むフラヴィオの優雅なこと…ああ…イケメン…
「出会ってまだほんの数日だと言うのに…惚れっぽい男と思うだろうか?」
「い!いいへ!」
アイテ、噛んじゃった…
「君のような人に会ったのは初めてだよ。だが全てが好ましい。君の寛容さ、気丈夫なところ、少し口の悪いところも刺激的だ」
「く、口悪かったですか?す、すみません…」
昔からよく叱られてましてね…へへ…
「いや、私はぼんやりしているとよく言われるのでね、少しうるさく言われるくらいで丁度いい。それに君はとても博識だ」
ほぼ前世から引継いだデータだけど…
「絵は好きかい?」
「大好きです…」
主に動く絵が…
「私も好きだ。音楽は?」
「聞くのも歌うのも好きですけど…」
主にアニソンとか…
「ふふ、やっぱり。私もだよ。では本は好きかい?」
「そりゃもう。全方位大好きです」
教科書と参考書以外は。キャラ設定資料集なんか大好物です!
「私も好きだ。イヴ、私たちはとても相性がいい、そうは思わないかい?」
「そう…かな?そう…かも」
「君に相応しい男になるよう努力するよ。だからイヴ、私と本当の夫夫になって欲しい」
ボッ!そ、その意味って僕の考えすぎじゃ無ければ…パクパクパク…
でもでも、僕とフラヴィオは夫夫で…しかもこんなイケメン、それも中身までイケメンのフラヴィオに告られて断るバカが居るだろうか…、いいや居ない!!!
そう!例え僕たちが男同士でも!
フラヴィオは確かに生活能力は皆無だ。それに今後も僕に迷惑をかけると断言してしまう困ったちゃんだ。それでも…
彼がパンツの値段一つ知らない箱入りお坊ちゃまなのは間違いない。けどこのぼろい屋敷や質素な食事に、僕はフラヴィオの口から一度たりとも不平や不満を聞いたことは無い。リコたちへの対応を見ても彼は思いやりに溢れた優しい人だ。
生活力は努力で向上するだろうけど性根は変えられない。なら何の文句がるだろう。いや無い!!!
はっ!もしや第一印象のあれは…こうなる予感…?ポッ
「もう一度口付けて良いだろうか…」
「…は、はい…」
二度目のキスは触れて離れていく一瞬のキス。ああ…これがセカンドキス…
けどきっとこれから僕とフラヴィオは数えきれないくらいキスをするんd…
ギャー!恥ずかしい!!!
---------------------
イヴから示される小さな好意の数々に思わず感情が高ぶるあまり…
口付けてしまった。同性であるイヴの唇に。
私の母国アスタリアは同性婚を認める国ではない。私自身も同性を恋愛、ましてや性の対象として考えたことは一度も無かった。
だが…
共に過ごした三日間、私に恥をかかせぬよう、談笑の体を取り私に国とはどう在るべきかを示していく彼に、私はすでに確かな敬愛を抱いている。そしてなにより…
異国からやってきたもの知らずな三人を拒むことなく快く受け入れ、なにくれとなく世話を焼く健気な彼を好きにならない理由が無いではないか。
固く閉ざされた小さくやわらかな唇は何もかもを忘れさせるほどの甘さで…身体に灯った小さな熱は、そこに想いがあれば性別など些細な問題なのだと私に知らしめた。
「イヴ、今夜」
コンコン「おお!二人揃ってここでございましたか」
「ロデオ…」
「お!おじいちゃん!」
ロデオ、こんな時に…、いや、もうこんな時間か。気が付けば階下からは人の動く気配がする。
「早いお目覚めですなフラヴィオ様。イヴァーノ様、リコが指示を待っておりますぞ」
「す、すぐ行く!」
チラリと視線を寄越しまっ赤な顔で私の横をすり抜けていくイヴ。
私の妃候補にと母が用意した、艶事にすら隙を見せぬ令嬢たちとはまるで違う、不慣れな様が何とも可愛らしい。
「どうしましたフラヴィオ様」
「いや…、イヴは艶事に関しずいぶん幼げだと思ってね」
「ふむ…、イヴァーノ様は婚約者と長い間不仲だったようでございます。それゆえそういった方面には疎いのかもしれませぬな」
婚約者…あの二コラに篭絡された公爵家の令息。そうだ…イヴは婚約者と不仲だったな…。
コレッティ家の執事殿より事情を聞いた時には、酷く不誠実な貴公子だと腹立ちを覚えたものだが…それが功を奏したということか。
馬鹿な男だ…イヴの様な出来た婚約者を袖にするなど。おっといけない。イヴは「態度のデカい浮気者は一度だって好きだったことはない」そう言ったじゃないか。ふふ、袖にしたのはイヴの方だ。
「それよりフラヴィオ様、その素晴らしいジャケットは…」
「これかい?ふふ、イヴが手直ししてくれたのだよ」
「おおなんと!イヴァーノ様にその様な才がお有りとは!」
「こちらがルイージのものだ」
「これもまた見事な。では私のものは…」
「ロデオ、お前は老男爵のもので構わないだろう。歳の頃も近いのだし」
「な!何を仰る!私は洒落者と言われておったのですぞ!」
「フラヴィオー!おじいちゃーん!ご飯だよー!」
「あ、ああ!今行く!」
一日が始まる。私たちが本当の家族として一歩を踏み出した記念すべき一日が。
彼を〝イヴ”と呼べるこの栄誉を今日は思う存分噛みしめよう…
み、見ちゃダメだ!見たら持ってかれる…理性が…
「ん…、んん…」
う…、や、ヤバい…、なんか変なスイッチ入りそう…。なんだろうこれ…
押し付けられたフラヴィオの唇は優しくて、なのに抱きしめる腕は見た目以上に力強くて…こ、これがキス…!
どうすればいいのかわからない。この手はどこにもってけばいい?
押し返すことも逃げ出すことも出来ずに、されるがままキスされっぱの僕ってばどうかしている。
「ふ…」
あ、声出ちゃった…
その声を合図に離れちゃう温もりが、ちょっとさみしい…
「すまない。少し感極まってしまって…だが私たちは夫夫なのだし…かまわなかっただろうか?」
「そ、そうですよね!ふ、ふぅ↑ふなん、だしぃ↑、い、いいん、ですケドぉ↓ち、ちょっと初めてだから驚いただけで…」
ドッドッドッドッ…
心臓は破裂しそうだし顔は沸騰しそう…
人生十八年…まさか初キッスが異世界になるとは…
夫夫…、そうかふうふか…
僕はそれまでそーゆーことをフワッとしか考えてなかった、というか、むしろ考えないようにしていたのだが、どうしよう、いきなりリアリティが…現実感が襲ってきた。あわわわわわ…ひぇっ!目が合った!
「イヴ…、始まりはどうあれこれからは一歩づつ本当の夫夫として歩んで行こう。私はとうに君が好きだ」
「え…、あ、お、おう」
僕のバカー!おうってなんだよ!もっとこう可愛く言えないの?ニコラオシエテ…
そこへいくと微笑むフラヴィオの優雅なこと…ああ…イケメン…
「出会ってまだほんの数日だと言うのに…惚れっぽい男と思うだろうか?」
「い!いいへ!」
アイテ、噛んじゃった…
「君のような人に会ったのは初めてだよ。だが全てが好ましい。君の寛容さ、気丈夫なところ、少し口の悪いところも刺激的だ」
「く、口悪かったですか?す、すみません…」
昔からよく叱られてましてね…へへ…
「いや、私はぼんやりしているとよく言われるのでね、少しうるさく言われるくらいで丁度いい。それに君はとても博識だ」
ほぼ前世から引継いだデータだけど…
「絵は好きかい?」
「大好きです…」
主に動く絵が…
「私も好きだ。音楽は?」
「聞くのも歌うのも好きですけど…」
主にアニソンとか…
「ふふ、やっぱり。私もだよ。では本は好きかい?」
「そりゃもう。全方位大好きです」
教科書と参考書以外は。キャラ設定資料集なんか大好物です!
「私も好きだ。イヴ、私たちはとても相性がいい、そうは思わないかい?」
「そう…かな?そう…かも」
「君に相応しい男になるよう努力するよ。だからイヴ、私と本当の夫夫になって欲しい」
ボッ!そ、その意味って僕の考えすぎじゃ無ければ…パクパクパク…
でもでも、僕とフラヴィオは夫夫で…しかもこんなイケメン、それも中身までイケメンのフラヴィオに告られて断るバカが居るだろうか…、いいや居ない!!!
そう!例え僕たちが男同士でも!
フラヴィオは確かに生活能力は皆無だ。それに今後も僕に迷惑をかけると断言してしまう困ったちゃんだ。それでも…
彼がパンツの値段一つ知らない箱入りお坊ちゃまなのは間違いない。けどこのぼろい屋敷や質素な食事に、僕はフラヴィオの口から一度たりとも不平や不満を聞いたことは無い。リコたちへの対応を見ても彼は思いやりに溢れた優しい人だ。
生活力は努力で向上するだろうけど性根は変えられない。なら何の文句がるだろう。いや無い!!!
はっ!もしや第一印象のあれは…こうなる予感…?ポッ
「もう一度口付けて良いだろうか…」
「…は、はい…」
二度目のキスは触れて離れていく一瞬のキス。ああ…これがセカンドキス…
けどきっとこれから僕とフラヴィオは数えきれないくらいキスをするんd…
ギャー!恥ずかしい!!!
---------------------
イヴから示される小さな好意の数々に思わず感情が高ぶるあまり…
口付けてしまった。同性であるイヴの唇に。
私の母国アスタリアは同性婚を認める国ではない。私自身も同性を恋愛、ましてや性の対象として考えたことは一度も無かった。
だが…
共に過ごした三日間、私に恥をかかせぬよう、談笑の体を取り私に国とはどう在るべきかを示していく彼に、私はすでに確かな敬愛を抱いている。そしてなにより…
異国からやってきたもの知らずな三人を拒むことなく快く受け入れ、なにくれとなく世話を焼く健気な彼を好きにならない理由が無いではないか。
固く閉ざされた小さくやわらかな唇は何もかもを忘れさせるほどの甘さで…身体に灯った小さな熱は、そこに想いがあれば性別など些細な問題なのだと私に知らしめた。
「イヴ、今夜」
コンコン「おお!二人揃ってここでございましたか」
「ロデオ…」
「お!おじいちゃん!」
ロデオ、こんな時に…、いや、もうこんな時間か。気が付けば階下からは人の動く気配がする。
「早いお目覚めですなフラヴィオ様。イヴァーノ様、リコが指示を待っておりますぞ」
「す、すぐ行く!」
チラリと視線を寄越しまっ赤な顔で私の横をすり抜けていくイヴ。
私の妃候補にと母が用意した、艶事にすら隙を見せぬ令嬢たちとはまるで違う、不慣れな様が何とも可愛らしい。
「どうしましたフラヴィオ様」
「いや…、イヴは艶事に関しずいぶん幼げだと思ってね」
「ふむ…、イヴァーノ様は婚約者と長い間不仲だったようでございます。それゆえそういった方面には疎いのかもしれませぬな」
婚約者…あの二コラに篭絡された公爵家の令息。そうだ…イヴは婚約者と不仲だったな…。
コレッティ家の執事殿より事情を聞いた時には、酷く不誠実な貴公子だと腹立ちを覚えたものだが…それが功を奏したということか。
馬鹿な男だ…イヴの様な出来た婚約者を袖にするなど。おっといけない。イヴは「態度のデカい浮気者は一度だって好きだったことはない」そう言ったじゃないか。ふふ、袖にしたのはイヴの方だ。
「それよりフラヴィオ様、その素晴らしいジャケットは…」
「これかい?ふふ、イヴが手直ししてくれたのだよ」
「おおなんと!イヴァーノ様にその様な才がお有りとは!」
「こちらがルイージのものだ」
「これもまた見事な。では私のものは…」
「ロデオ、お前は老男爵のもので構わないだろう。歳の頃も近いのだし」
「な!何を仰る!私は洒落者と言われておったのですぞ!」
「フラヴィオー!おじいちゃーん!ご飯だよー!」
「あ、ああ!今行く!」
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