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最後の手紙
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ファブリチオの母であった亡き前王妃はサルディーニャにおけるコレッティ家とも言うべき、由緒正しき名門大貴族家の生まれである。対して現王妃ミランダ様の生家は、家格、財力、血筋、全てにおいてそれより劣る。
恐らくそれは全ての根幹であったのだろう…
高貴な血を引く正妃の遺した正当な第一王子として、格の下がるミランダ様の子カッシオに対し、幼き頃より欠片ほどの歩み寄りも兄弟の情も見せなかったファブリチオ。
それがここまで軋轢を悪化させた側面はあるだろう。だがカッシオにもう少しだけ国の行く末を憂う気持ちあらばここまでの事態にはならなかったであろうに。
だがそれは私も同じこと。どちらにもつけぬ、などと言い繕いながら傍観者であり続けたのだから。私に罪がないなどとどうして言えよう?
側妃の子である私には本来王位継承権など無いに等しい。第六位の継承順位など最悪を想定した場合の備えに過ぎない。それをいいことに私は様々なすべきことを怠った。
ファブリチオに進言することも…カッシオを諫めることも…
イヴを知った今ならわかる。地に這い傷を負う覚悟さえあらば出来ることは必ずあったはずなのだ。
…全ては遅きに失したが。
そんな自省を噛みしめながら城を訪れた私の前に、折よく通りがかったのは殿下の第二従者殿。
「もし」
「これはビアジョッティ伯爵、本日勉強会の予定はなかったと思われたが…どうされたのでしょう」
「実は友人の従妹、エヴァ嬢から頼まれまして…」
「ああエヴァ嬢。その頼み事とは?」
私はここまで何度も推敲した口上を語って聞かせた。
エヴァから昨日ここで落としていったらしいお白粉箱を探してきて欲しいと頼まれたこと。だがそれは場所を特定できず、あるかどうかも定かではないと言うこと。無駄骨かもしれぬ探し物に城の使用人を使うのは平民位のエヴァとしては些か気が引けるということ。
「写真を撮るために馬車で辿った場所はエヴァ嬢から聞いております。もしご許可いただけるのであれば私が歩いて探しましょう」
「良いでしょう。ここでお待ちを」
しばらく待つと従者は殿下からの許可を記した一枚の紙を持参なされた。
「殿下は今から農相との会合を控えております。同行は出来ぬので事が済めば許可証は私に返すようにと」
「畏まりました」
殿下がこの時間より会合を行うことは承知の上、あえて選んでやって来たのだ。こうなることを見越して。
形ばかりの捜索をしながらついに騎士宿舎を挟んで奥にある刑務所へと到着する。それにしても何と広い王城か。歩きではなかなかに遠い…
入り口の前には屈強な衛兵が二人のみ。一見少なく見えるが、これは手前にある騎士宿舎がすでに防壁の役目を果たしているからだろう。
「すみませんがこれを…監房手前の監視場へ行きたいのだが」
「ふむ。殿下の許可証であるな。良かろう入るがいい」
「一人で入って良いのだろうか」
「我々はここを離れられぬのでな。内部には別の衛兵が居る。その者が案内しよう」
内部に居たのはさらに大柄な衛兵。それが威圧のためだと一目でわかる。
「エヴァ嬢の白粉箱…おお!あったあった!見つけて保管してありますぞ。これですな?」
「なんと!助かりました。…その…」
「どうされた?」
「衛兵殿、これはエヴァ嬢から頼まれたお礼のマフィン、ただその…一つしかないので人目の無いうちにどうぞ召し上がってはいかがか」
「エヴァ嬢の!」
「おや?お待ちください」
「ど、どうされた」
「この白粉箱…ひとつ部品が外れているようですね。いえ何、床は私が探しましょう。どうぞお構いなく」
「…で、ではお言葉に甘えて…」
ふー…〝エヴァ”の効力はなんと強い事か。
カッシオは寝ているのだろう。今見えるのは見覚えのあるオレンジ色の長い髪と背中だけ。
私が懐から出したのはイヴがエルモの玩具にと古紙で作っていた〝紙飛行機”。
衛兵の目を盗んで私が飛ばしたその紙飛行機は、スイッっと風を切り無事カッシオの監房へとたどり着いた。
「衛兵殿、部品は見つけた故これで失礼する」
「ああ。エヴァ嬢によろしく!」
ふふ…エヴァの人心掌握術は魔法のようだな…
カッシオ兄さん
私がどのようにして今これをあなたの手に届けたか…それには目をつぶって下さるとありがたい。今の私はアスタリア王家とは何の所縁もない只人として生存しており、これをあなたが知ったとてあなたを助ける力など私には欠片もないのだから。
私たちは決して仲の良い兄弟ではなかった。それでも何故私たちはこのような運命を辿ってしまったのか。同じ父の子として手を携える道は本当に無かったのだろうか?日々それを考えています。
ご存じでしょうか。ファブリチオはアスタリアのあの宮殿で、最高位の盛装に身を包み王座に掛けたまま威厳をもって最期を迎えたと。
その是非はさておき、いかにも厳格なファブリチオらしい潔さではありませんか。
カッシオ、私の知るあなたであればあなたはきっと何とか生き永らえようとするのでしょう。それこそどんな言い逃れを並べ立ててでも。共に捕縛された臣下や、カステーラへと連行された母ミランダ妃に全ての罪を押し付けてでも。
ああカッシオ…どうかこれ以上父の愛したアスタリア王家の血を穢さないで頂きたい。
あなたやミランダ妃の抱えた鬱屈した感情、それは想像に難くない。だがどんな理由あれどあなたたちは玉座に唾を吐いた。
事の発端を作ったあなたとミランダ妃はやはり命をもって償うべきだ。どんな形であれあなた方が生きながらえるなど到底許される事ではない。
カッシオ…私はあなたの明朗さが嫌いではなかった。幼き頃の僅かな思い出は今でも私の大切な宝だ。だからこそこの結末を悲しく思う。
どうか偉大なるアスタリア王の子、第二王子として最期は高潔な振る舞いを。さすれば父は必ずやあなたを許しお迎え下さるでしょう。
それがアスタリア王家の一員として私に出来る最初で最後の進言です。
あなた方の争いをとめられなかった愚かなる末弟、フラヴィオより。
尚、この手紙はあなたが処分してくださると信じている。
恐らくそれは全ての根幹であったのだろう…
高貴な血を引く正妃の遺した正当な第一王子として、格の下がるミランダ様の子カッシオに対し、幼き頃より欠片ほどの歩み寄りも兄弟の情も見せなかったファブリチオ。
それがここまで軋轢を悪化させた側面はあるだろう。だがカッシオにもう少しだけ国の行く末を憂う気持ちあらばここまでの事態にはならなかったであろうに。
だがそれは私も同じこと。どちらにもつけぬ、などと言い繕いながら傍観者であり続けたのだから。私に罪がないなどとどうして言えよう?
側妃の子である私には本来王位継承権など無いに等しい。第六位の継承順位など最悪を想定した場合の備えに過ぎない。それをいいことに私は様々なすべきことを怠った。
ファブリチオに進言することも…カッシオを諫めることも…
イヴを知った今ならわかる。地に這い傷を負う覚悟さえあらば出来ることは必ずあったはずなのだ。
…全ては遅きに失したが。
そんな自省を噛みしめながら城を訪れた私の前に、折よく通りがかったのは殿下の第二従者殿。
「もし」
「これはビアジョッティ伯爵、本日勉強会の予定はなかったと思われたが…どうされたのでしょう」
「実は友人の従妹、エヴァ嬢から頼まれまして…」
「ああエヴァ嬢。その頼み事とは?」
私はここまで何度も推敲した口上を語って聞かせた。
エヴァから昨日ここで落としていったらしいお白粉箱を探してきて欲しいと頼まれたこと。だがそれは場所を特定できず、あるかどうかも定かではないと言うこと。無駄骨かもしれぬ探し物に城の使用人を使うのは平民位のエヴァとしては些か気が引けるということ。
「写真を撮るために馬車で辿った場所はエヴァ嬢から聞いております。もしご許可いただけるのであれば私が歩いて探しましょう」
「良いでしょう。ここでお待ちを」
しばらく待つと従者は殿下からの許可を記した一枚の紙を持参なされた。
「殿下は今から農相との会合を控えております。同行は出来ぬので事が済めば許可証は私に返すようにと」
「畏まりました」
殿下がこの時間より会合を行うことは承知の上、あえて選んでやって来たのだ。こうなることを見越して。
形ばかりの捜索をしながらついに騎士宿舎を挟んで奥にある刑務所へと到着する。それにしても何と広い王城か。歩きではなかなかに遠い…
入り口の前には屈強な衛兵が二人のみ。一見少なく見えるが、これは手前にある騎士宿舎がすでに防壁の役目を果たしているからだろう。
「すみませんがこれを…監房手前の監視場へ行きたいのだが」
「ふむ。殿下の許可証であるな。良かろう入るがいい」
「一人で入って良いのだろうか」
「我々はここを離れられぬのでな。内部には別の衛兵が居る。その者が案内しよう」
内部に居たのはさらに大柄な衛兵。それが威圧のためだと一目でわかる。
「エヴァ嬢の白粉箱…おお!あったあった!見つけて保管してありますぞ。これですな?」
「なんと!助かりました。…その…」
「どうされた?」
「衛兵殿、これはエヴァ嬢から頼まれたお礼のマフィン、ただその…一つしかないので人目の無いうちにどうぞ召し上がってはいかがか」
「エヴァ嬢の!」
「おや?お待ちください」
「ど、どうされた」
「この白粉箱…ひとつ部品が外れているようですね。いえ何、床は私が探しましょう。どうぞお構いなく」
「…で、ではお言葉に甘えて…」
ふー…〝エヴァ”の効力はなんと強い事か。
カッシオは寝ているのだろう。今見えるのは見覚えのあるオレンジ色の長い髪と背中だけ。
私が懐から出したのはイヴがエルモの玩具にと古紙で作っていた〝紙飛行機”。
衛兵の目を盗んで私が飛ばしたその紙飛行機は、スイッっと風を切り無事カッシオの監房へとたどり着いた。
「衛兵殿、部品は見つけた故これで失礼する」
「ああ。エヴァ嬢によろしく!」
ふふ…エヴァの人心掌握術は魔法のようだな…
カッシオ兄さん
私がどのようにして今これをあなたの手に届けたか…それには目をつぶって下さるとありがたい。今の私はアスタリア王家とは何の所縁もない只人として生存しており、これをあなたが知ったとてあなたを助ける力など私には欠片もないのだから。
私たちは決して仲の良い兄弟ではなかった。それでも何故私たちはこのような運命を辿ってしまったのか。同じ父の子として手を携える道は本当に無かったのだろうか?日々それを考えています。
ご存じでしょうか。ファブリチオはアスタリアのあの宮殿で、最高位の盛装に身を包み王座に掛けたまま威厳をもって最期を迎えたと。
その是非はさておき、いかにも厳格なファブリチオらしい潔さではありませんか。
カッシオ、私の知るあなたであればあなたはきっと何とか生き永らえようとするのでしょう。それこそどんな言い逃れを並べ立ててでも。共に捕縛された臣下や、カステーラへと連行された母ミランダ妃に全ての罪を押し付けてでも。
ああカッシオ…どうかこれ以上父の愛したアスタリア王家の血を穢さないで頂きたい。
あなたやミランダ妃の抱えた鬱屈した感情、それは想像に難くない。だがどんな理由あれどあなたたちは玉座に唾を吐いた。
事の発端を作ったあなたとミランダ妃はやはり命をもって償うべきだ。どんな形であれあなた方が生きながらえるなど到底許される事ではない。
カッシオ…私はあなたの明朗さが嫌いではなかった。幼き頃の僅かな思い出は今でも私の大切な宝だ。だからこそこの結末を悲しく思う。
どうか偉大なるアスタリア王の子、第二王子として最期は高潔な振る舞いを。さすれば父は必ずやあなたを許しお迎え下さるでしょう。
それがアスタリア王家の一員として私に出来る最初で最後の進言です。
あなた方の争いをとめられなかった愚かなる末弟、フラヴィオより。
尚、この手紙はあなたが処分してくださると信じている。
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