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二人揃って準備中
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「それでイヴ…何をするつもりだい?」
「別に大したことは…地元民集めてお祭りするだけですよ?」
屋台の準備に厨房を借りたい、そう願い出るとホテルのオーナーは
「地元の皆さんを励ましたくて…ダメですか?」チラ
「もちろんいいとも。何か手伝おうか?」
と目尻を下げ、厨房のシェフは
「皆さんのジャマしないので隅っこ貸してくれますか?」ニコ
「隅っこと言わず隣で一緒に作ろうじゃないか!」
とほほを赤らめ、エヴァちゃんパワーは万国共通である。
さて。そんな流れで急遽修羅場になったわけだが…
マッティオ氏にもらった食材、コアラの島でもらった干物、ロデじいの戦利品でつくった魚の酢漬けなどを全部使えば、まあまあそれらしく屋台は揃うだろう。
軽食だけとは言え品数を用意するには猫の手まで動員しなくてはならない。僕はリコとエルモに明日の手伝いをお願いした。
でもルイルイと約束したパエリアは僕がつくる予定だ。
なんでもここは内陸の国で、川魚以外の魚介はめでたい時しか食べられないらしい。
けど僕には今コアラの国でもらったきた干しイカがある。多少違うがイケるっしょ!
「フラヴィオ、今夜はいろいろ準備があって…基本放置になるけどいい?」
「それならばイヴ、ロデオを供に少し出掛けても良いだろうか」
「え?ロデじい連れてってくれるの?逆に助かる~」
居たら居たでお世話とか気になるんだよね。
自国なんだし知り合いとか会いたい人でも多分居るんだろう。僕は束縛しない男だ。いってらっしゃい!
そうして夜通しちょっとした準備をおこない、いつものごとく寝不足で迎えた翌朝…
「ん、んんー!くぁぁぁぁ…あれ?フラヴィオ帰ってる…」
僕が寝落ちしたのが深夜の三時くらいで、その時フラヴィオは帰って無くて僕は床で縫物してたから…
「フラヴィオがベッドまで運んでくれたんだ…優しい…」ンチュ
「ん…イヴ…」
「そのまま寝ててフラヴィオ。後で起こすから。ね」
「…すまない…」
朝日に輝くイケメン。その名もフラヴィオ・ビアジョッティ、僕の夫である。テレテレ…
さて、今朝の厨房、その一角はエヴァちゃん一味が占拠している!
「おはようございます!トマトの大量すりおろし出来てますか?」
「ああエヴァちゃん。出来てるよ!」
「そのトマトペーストとパプリカペースト混ぜたソースをポテトフライにかけてください。あ!情熱の真っ赤な唐辛子忘れないで!」
「大人の味だねエヴァちゃん!」
「残りのトマトペーストは極限まで細かく刻んだキュウリと玉ねぎ混ぜてスープにしてくださいね」
「ミント飾ってもいいかな?エヴァちゃん」
「さすがシェフ!センス良い!」
「俺たちは何を…」
「リコはお得意のピンチョスこの大皿いっぱい作ってね。マッティオさんがくれたハム全部使っていいから」
「はい!」
「エルモ、このスライスしたバケット全部にニンニクとトマト塗り付けてね。出来る?」
「できます!」
こうしてみると…トマトづくしだな。節約の為とは言え実に壮観である。
出来たらホテルの食材は使わずに、そう思って始めた準備だったが、オーナーが「トマトだったらいくらでも使って構わない」と山ほど提供してくれたのだ。
前世でも今世でも育てているから僕は知っている。トマトはたくさんの水やりも肥料も必要ないし、ほっといても次から次へと実をつける丈夫な野菜だ。
トマトとイモ。これらは非常時の強ーい味方である。
「ちょっとパエリアの火見ててくださいね。僕はチャチャっとデザート作っちゃいます」
デザートと言ってもパフェ…とかじゃないよ?屋台の定番と言えばもちろんチュロスだ。あの巨大なアミューズメントにもあるんだからチュロスは正義!
サラサラサラ…砂糖を振りかけて、っと。
「準備完了!さあ!みんなで運びましょう!」
ギィィィパタン
「フラヴィオ…フラヴィオ起きて…」
「ん…すまないイヴ。すっかり寝過ごしてしまったね…」
「ううん。でも準備出来たからフラヴィオにも手伝って欲しくて」
「もちろんそのつもりだ。それで私は何をすればいいのだい?」
ニヤリ
----------------------
急きょ決まったエヴァの催し。彼はこの路地の住人を集めて祭りの真似事をするつもりのようだ。
住人への励ましだという催し。彼は「その場しのぎ」と言ったが私には十分称賛に価する行いだと思える。ここへ来てまだ一日も経っていないというのに、思い立ち即行動に移せる者がどれほどいるだろうか。
だがイヴはこれを己自身のためにおこなう先行投資だというのだ。
彼の深い考えは計り知れない…それでもそれはこの国の民にとって希望となるもの、不思議とそう感じられた。
「フラヴィオ、基本放置になるけどいい?」
そう言うが早いか準備に取り掛かるイヴ。
この宿では階下の食堂で誰でも自由に食事が注文できる。自分の事は自分で、そう言いたいのだろう。
「ならばイヴ、ロデオを供に出掛けても良いだろうか」
思慮深いルイージは恐らく部屋を出まい。そして縫物を始めたイヴも部屋は出ない。であればリコに任せても大丈夫だろう。
「リコ、エルモ、私が帰るまでイヴの部屋にいなさい。そして二人の世話を。内鍵をかけ不用意に開けてはいけないよ」
「分かりましたフラヴィオ様」
「それからリコ、これを渡しておく」
「剣…ですか?」
「ロデオのものだが彼の了解は得ている。二人を頼んだよ」
「命に代えてもお護りします!必ず!」
宿屋の亭主に馬を借り受け王都の夜を駆ける私とロデオ。
『黄金の剣』に救い出され、また『黄金の剣』と共に剣をふるった彼らであれば、王家崩壊の現在、恐らくは無事屋敷に戻っているのではないか。そう当たりをつけ、以前の記憶を頼りに貴族街へと馬を向ける。
サルディーニャの都ほどの大きさはない王都だ。いくらもしないうちにその場所へはたどり着いた。
ここへ立ち寄ったのはいつだったか…確かあれはミケーレ成年の祝い。であればもう五年も前になるのだな…
「フラヴィオ様。先ずは私が」
「うむ、頼む」
感慨にふけりながら門扉の前で待つことしばらく、引き返してきたロデオの横には涙を流すミケーレが居た。
「フラヴィオ殿下、よくぞご無事で…」
「お前たちも…良く生きていてくれた!」
「それにしてもまさか遥か彼方サルディーニャにおられたとは…」
知らせを聞いたマヌエルも駆け付け、二人は外聞もなく男泣きの最中だ。
「ルイージ様もおられる状況の中よく五つもの山を越えられましたね」
「あの子は強い子だ。一度たりとも弱音は吐かなかったよ」
「ロデオ殿、よくやってくれた」
「なんのこれしき!」
「よいか。今からこれまでの事を語って聞かせよう。だが質問は無しだ。先ずは最後まで聞いて欲しい」
サルディーニャの法、同性婚の存在、異国で得た私の伴侶、そして…不可能を可能にする奇跡の人、イヴとエヴァが何をしたか。
その全てが彼らからすれば理解出来ぬ事ばかりだろう。時に眼を剥き、時に声をあげ、そして最後には声を失う。
信じられぬのも無理はない。だが全ては真実なのだ。
「で、ではサルディーニャの貴人がこの国へ参ったのは偶然でないと…」
「そうだ。全ては私の事情を汲んだイヴのさしがね。見せてやりたかったよ。あの鮮やかなまでの手口を」
「なんということだ…」
「マヌエル、ミケーレ。イヴに会わせよう。明日の午後商業地区まで来て欲しい。そこにイヴが居る」
「賢夫人が…」
きっと彼らもイヴを好きになる。そして…エヴァの虜になるのだろう。
「別に大したことは…地元民集めてお祭りするだけですよ?」
屋台の準備に厨房を借りたい、そう願い出るとホテルのオーナーは
「地元の皆さんを励ましたくて…ダメですか?」チラ
「もちろんいいとも。何か手伝おうか?」
と目尻を下げ、厨房のシェフは
「皆さんのジャマしないので隅っこ貸してくれますか?」ニコ
「隅っこと言わず隣で一緒に作ろうじゃないか!」
とほほを赤らめ、エヴァちゃんパワーは万国共通である。
さて。そんな流れで急遽修羅場になったわけだが…
マッティオ氏にもらった食材、コアラの島でもらった干物、ロデじいの戦利品でつくった魚の酢漬けなどを全部使えば、まあまあそれらしく屋台は揃うだろう。
軽食だけとは言え品数を用意するには猫の手まで動員しなくてはならない。僕はリコとエルモに明日の手伝いをお願いした。
でもルイルイと約束したパエリアは僕がつくる予定だ。
なんでもここは内陸の国で、川魚以外の魚介はめでたい時しか食べられないらしい。
けど僕には今コアラの国でもらったきた干しイカがある。多少違うがイケるっしょ!
「フラヴィオ、今夜はいろいろ準備があって…基本放置になるけどいい?」
「それならばイヴ、ロデオを供に少し出掛けても良いだろうか」
「え?ロデじい連れてってくれるの?逆に助かる~」
居たら居たでお世話とか気になるんだよね。
自国なんだし知り合いとか会いたい人でも多分居るんだろう。僕は束縛しない男だ。いってらっしゃい!
そうして夜通しちょっとした準備をおこない、いつものごとく寝不足で迎えた翌朝…
「ん、んんー!くぁぁぁぁ…あれ?フラヴィオ帰ってる…」
僕が寝落ちしたのが深夜の三時くらいで、その時フラヴィオは帰って無くて僕は床で縫物してたから…
「フラヴィオがベッドまで運んでくれたんだ…優しい…」ンチュ
「ん…イヴ…」
「そのまま寝ててフラヴィオ。後で起こすから。ね」
「…すまない…」
朝日に輝くイケメン。その名もフラヴィオ・ビアジョッティ、僕の夫である。テレテレ…
さて、今朝の厨房、その一角はエヴァちゃん一味が占拠している!
「おはようございます!トマトの大量すりおろし出来てますか?」
「ああエヴァちゃん。出来てるよ!」
「そのトマトペーストとパプリカペースト混ぜたソースをポテトフライにかけてください。あ!情熱の真っ赤な唐辛子忘れないで!」
「大人の味だねエヴァちゃん!」
「残りのトマトペーストは極限まで細かく刻んだキュウリと玉ねぎ混ぜてスープにしてくださいね」
「ミント飾ってもいいかな?エヴァちゃん」
「さすがシェフ!センス良い!」
「俺たちは何を…」
「リコはお得意のピンチョスこの大皿いっぱい作ってね。マッティオさんがくれたハム全部使っていいから」
「はい!」
「エルモ、このスライスしたバケット全部にニンニクとトマト塗り付けてね。出来る?」
「できます!」
こうしてみると…トマトづくしだな。節約の為とは言え実に壮観である。
出来たらホテルの食材は使わずに、そう思って始めた準備だったが、オーナーが「トマトだったらいくらでも使って構わない」と山ほど提供してくれたのだ。
前世でも今世でも育てているから僕は知っている。トマトはたくさんの水やりも肥料も必要ないし、ほっといても次から次へと実をつける丈夫な野菜だ。
トマトとイモ。これらは非常時の強ーい味方である。
「ちょっとパエリアの火見ててくださいね。僕はチャチャっとデザート作っちゃいます」
デザートと言ってもパフェ…とかじゃないよ?屋台の定番と言えばもちろんチュロスだ。あの巨大なアミューズメントにもあるんだからチュロスは正義!
サラサラサラ…砂糖を振りかけて、っと。
「準備完了!さあ!みんなで運びましょう!」
ギィィィパタン
「フラヴィオ…フラヴィオ起きて…」
「ん…すまないイヴ。すっかり寝過ごしてしまったね…」
「ううん。でも準備出来たからフラヴィオにも手伝って欲しくて」
「もちろんそのつもりだ。それで私は何をすればいいのだい?」
ニヤリ
----------------------
急きょ決まったエヴァの催し。彼はこの路地の住人を集めて祭りの真似事をするつもりのようだ。
住人への励ましだという催し。彼は「その場しのぎ」と言ったが私には十分称賛に価する行いだと思える。ここへ来てまだ一日も経っていないというのに、思い立ち即行動に移せる者がどれほどいるだろうか。
だがイヴはこれを己自身のためにおこなう先行投資だというのだ。
彼の深い考えは計り知れない…それでもそれはこの国の民にとって希望となるもの、不思議とそう感じられた。
「フラヴィオ、基本放置になるけどいい?」
そう言うが早いか準備に取り掛かるイヴ。
この宿では階下の食堂で誰でも自由に食事が注文できる。自分の事は自分で、そう言いたいのだろう。
「ならばイヴ、ロデオを供に出掛けても良いだろうか」
思慮深いルイージは恐らく部屋を出まい。そして縫物を始めたイヴも部屋は出ない。であればリコに任せても大丈夫だろう。
「リコ、エルモ、私が帰るまでイヴの部屋にいなさい。そして二人の世話を。内鍵をかけ不用意に開けてはいけないよ」
「分かりましたフラヴィオ様」
「それからリコ、これを渡しておく」
「剣…ですか?」
「ロデオのものだが彼の了解は得ている。二人を頼んだよ」
「命に代えてもお護りします!必ず!」
宿屋の亭主に馬を借り受け王都の夜を駆ける私とロデオ。
『黄金の剣』に救い出され、また『黄金の剣』と共に剣をふるった彼らであれば、王家崩壊の現在、恐らくは無事屋敷に戻っているのではないか。そう当たりをつけ、以前の記憶を頼りに貴族街へと馬を向ける。
サルディーニャの都ほどの大きさはない王都だ。いくらもしないうちにその場所へはたどり着いた。
ここへ立ち寄ったのはいつだったか…確かあれはミケーレ成年の祝い。であればもう五年も前になるのだな…
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知らせを聞いたマヌエルも駆け付け、二人は外聞もなく男泣きの最中だ。
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「ロデオ殿、よくやってくれた」
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サルディーニャの法、同性婚の存在、異国で得た私の伴侶、そして…不可能を可能にする奇跡の人、イヴとエヴァが何をしたか。
その全てが彼らからすれば理解出来ぬ事ばかりだろう。時に眼を剥き、時に声をあげ、そして最後には声を失う。
信じられぬのも無理はない。だが全ては真実なのだ。
「で、ではサルディーニャの貴人がこの国へ参ったのは偶然でないと…」
「そうだ。全ては私の事情を汲んだイヴのさしがね。見せてやりたかったよ。あの鮮やかなまでの手口を」
「なんということだ…」
「マヌエル、ミケーレ。イヴに会わせよう。明日の午後商業地区まで来て欲しい。そこにイヴが居る」
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きっと彼らもイヴを好きになる。そして…エヴァの虜になるのだろう。
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