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ロイヤルと観光
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サルディーニャの姫殿下にアスタリア王都を案内するための馬車によるお出まし、その随伴者にご指名を受けたのは再会から二日後のこと。
馬車に乗るのはカタリーナ様、僕、ルイージ君と女公爵さま。四人乗りなのでフラヴィオはお留守番だ。
「サルディーニャぶりです公爵様」
「ホホホ、それが本当の姿なのねエヴァ、いいえイヴァーノ」
「ええまあ…あれ?初めてでしたっけ?」
「そうよ。お義母様がお越しくださったのはパンクラツィオの帰還と同時ですもの」
そーだそーだ。そうだった。
「イヴァーノ、これまで息子をよく守ってくれましたね。改めて礼を言いますよ」
「いえいえ、こちらこそ推し活みたいなものでしたから。それより帰りの船は大丈夫でしたか?」
「幸い海が静かで助かりました。…そう言えば息子も世話になったようですね」
「お母様!」
「ふっ、このゴールデンフィンガーにかかれば朝飯前ですよ」
くだらない挨拶はさておき。
「今日はわたくしがあなた方に貴族街を案内して差し上げましょう。車窓からですけれどね」
そう。これだけロイヤルなメンバーが揃い踏みではとても歩いて貴族街を散策…とはいかないわけで。
〝カタリーナ様とコスって王都ショッピングツアー”の夢はあっさりと打ち砕かれた。
と言うわけで、この王都見学ツアーは馬車二台(後ろ侍女軍団)前後に騎馬護衛、という豪華版だ。
「やっぱり庶民街と違ってほとんどのお店が普通に開いてるんですね」
「ええ。けれど物資の不足から国の政策として売り場は半分に制限されていてよ」
こっちもか!
どうしてそんなに物が無いのかとアレクサ様に問えば答えは四つ。
そもそもここはもともと資源に恵まれた国ではないってこと。
なのに内乱で国土を荒らして収穫高まで下げてしまったこと。
輸入に頼りたくても大きな国々のある北側からはいくつもの山越えがあるため、荷馬車を何台も引いた大きな商隊は来たがらないってこと。
だから徒歩の物売りさんしか来ないのか…
「唯一国策として物資を融通していたのがわたくしの母国カステーラです。ですがわたくしとルイージの命を狙ったことで父は支援を止めてしまわれました。ルイージの即位に合わせ直に再開されるでしょうが」
…これが四つめ。
「いずれカステーラ以外からも商隊を引き入れなければなりませんわね」
「ルイージ、それに必要なものは何かしら」
「交易路の整備です」
「カタリーナ、それは我が国だけでは出来ないのですよ」
確かゲーム内イベントに出てきたこの国は〝山々に囲まれた他国より何の干渉も受けない小さな国”という説明で、ここでいう山々とはいわゆる山脈のことだ。こういった場合国境とは山のなかにあって、二国間で同意しないと道は繋がらない。
「この近隣はどこもアスタリア以上に小さな国ばかり。そんな余裕などないでしょう」
どうやらこの観光は若い二人への講義も兼ねているようだ。
「そういえば船からここに来る道もすごくガタガタでした」
「アスタリア友好国の一つ、海洋国シブラールタの山ですね」
初出の国だが、そこは海に面した海岸線を持つ細長い小さな国なのだとか。
「正直…あれには参りました」
「ホホ、ルイージ。あれはもともと海からの恵みをアスタリアへと運ぶための路。貴人を乗せた馬車など想定していないのですよ」
「一番きれいな道はどこですか?」
「アスタリアとカステーラ両国を繋ぐ交易路は立派ですよ」
「じゃあカステーラは豊かなんですね」
「サルディーニャの足元にも及ばなくてよ。ですが海に面したカステーラは海原の彼方向こうに可能性を見出しました。その結果が今の繁栄。ふふ、わたくしの曽祖父様よ」
「へー!」
「その曽祖父の時代からアスタリアとは国交を結んでいるの。だからこの国は山に囲まれていながらカステーラと文化を同じくしているのです」
そういうことだったのか…不思議だったんだよね。世間から切り離された小国に貴族社会が生まれるってのが。
面倒な話はさておき、結局この国に無いのは言葉通り先立つ物資ってことか。
そこをなんとかしないとイヴァーノ・モードの繁盛もファッション革命もない。
それはあまりにも理不尽じゃないだろうか。僕は文字通り身体を張ってまでプロモーションに励んだのに。
視線を落とせばそこにはテーピングされた足首がある。僕はこの負傷をけっして無駄にはしない!ふむ…
「あっ!洋品店だ!ブティックがありましたよ!」
もちろんここでいうブティックとはオーダーメイドの店である。
「あら、公爵邸へ出入りするマダムの店ではないの。イヴァーノ、せっかくですもの一ヵ所くらいは立ち寄りましょうか。あなたは衣服が好きなのでしょう?」
「や、貴族街のブティックで買い物はちょっと…」
いくら僕が小金を溜め込んだといってもまだ貴族街で豪遊するほどじゃない。
「馬鹿ね。これはわたくしからのささやかな贈り物です。好きなものを仕立てなさいな。帰国に間に合わねば後日送らせましょう」
マジすか!
サルディーニャでも外からしか眺めたことのない(貴族なのに…)富裕層向けのお高いブティック…
まさか異国で買い物出来るなんて!
「えーと、目移りしちゃうな…」
けどアレクサ様はまだお分かりでないようだが、僕はただ服が好きなのでなく、イメージ通りの服を作るのが好きなのである。
「アレクサ様、仕立てはいらないのでこれとこの布地をロールで欲しいです」
「欲のない子ね…マダム、いいかしら?」
「困りましたわね…今は生地の在庫が少のうございますの」
「あっ、あのっ!無理言ってスミマセン。ダメだったらいいです」
散々物が無いとか聞いた後にワガママはちょっとね…
「良いのよイヴァーノ。マダム、彼はわたくしにとって大恩ある方。汲んで頂戴」
「分かりました。アレクサ様がそうまで仰るのでしたら」
「ホントに良いんですか?じゃあ…代わりにこれどうぞ」
抜かりなく手渡したのはイヴァーノ・モードのチラシである。僕はどんなビジネスチャンスも見逃さない!
「まあイヴァーノったら!マダムを顧客にするつもり!」
「カタリーナ様そうじゃありません。これは代理店契約のお誘いです」
「代理店?」
そう。僕はさっきから考えていた。
今回僕は支店の下見、という体で旅費を経費で落としている。なのに何の収穫もないんじゃマッティオ氏に合わせる顔が無いじゃないかって!
でもこの国の現状で新規に出店するのは色々現実的じゃない。かかる経費が多すぎる。
そこで浮かんだのが代理店契約ってやつだ。マッティオ氏はサルディーニャで作った既製服を運び入れるだけでいい。
多少利幅は下がるが、代りにこの店には〝王族御用達”の称号が与えられる(予定)はずだしわりと儲かるんじゃないだろうか?現に話を聞いたマダムの顔は満更でもない。
「高級既製服…大変興味深いわ」
「じゃあ近々担当者を寄こしますね」
ふー…、任務完了!
帰りの馬車内、カタリーナ様はすこし頬を赤らめながら小さな包みを取り出した。
「イヴァーノ、これをわたくしから」
「え…何ですかこれ。…お財布?」
「わたくしとあなたと、お揃いよ。わたくしこれを自分自身で支払ったの」
一見普通に聞こえるだろうがこれはかなり驚くべきことだ。何故なら貴人とは自分でお金を払うなんてしないからだ。なんならお金なんて見たことないんじゃないだろうか?
「受け取ってくれるでしょう?」
「カタリーナ様…」
「初めて歩いたサルディーニャの貴族街で…あなたが手製の財布からお金を出してリボンを買う姿が忘れられなかったの。ふふ、この財布は自立の象徴なのよ」
自立を夢みたお姫さまの、これは宣誓ってことか!
カタリーナ様、離れ離れになっても僕は〝自分らしく生きる者”の味方だからね!いつだって!
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「幸い海が静かで助かりました。…そう言えば息子も世話になったようですね」
「お母様!」
「ふっ、このゴールデンフィンガーにかかれば朝飯前ですよ」
くだらない挨拶はさておき。
「今日はわたくしがあなた方に貴族街を案内して差し上げましょう。車窓からですけれどね」
そう。これだけロイヤルなメンバーが揃い踏みではとても歩いて貴族街を散策…とはいかないわけで。
〝カタリーナ様とコスって王都ショッピングツアー”の夢はあっさりと打ち砕かれた。
と言うわけで、この王都見学ツアーは馬車二台(後ろ侍女軍団)前後に騎馬護衛、という豪華版だ。
「やっぱり庶民街と違ってほとんどのお店が普通に開いてるんですね」
「ええ。けれど物資の不足から国の政策として売り場は半分に制限されていてよ」
こっちもか!
どうしてそんなに物が無いのかとアレクサ様に問えば答えは四つ。
そもそもここはもともと資源に恵まれた国ではないってこと。
なのに内乱で国土を荒らして収穫高まで下げてしまったこと。
輸入に頼りたくても大きな国々のある北側からはいくつもの山越えがあるため、荷馬車を何台も引いた大きな商隊は来たがらないってこと。
だから徒歩の物売りさんしか来ないのか…
「唯一国策として物資を融通していたのがわたくしの母国カステーラです。ですがわたくしとルイージの命を狙ったことで父は支援を止めてしまわれました。ルイージの即位に合わせ直に再開されるでしょうが」
…これが四つめ。
「いずれカステーラ以外からも商隊を引き入れなければなりませんわね」
「ルイージ、それに必要なものは何かしら」
「交易路の整備です」
「カタリーナ、それは我が国だけでは出来ないのですよ」
確かゲーム内イベントに出てきたこの国は〝山々に囲まれた他国より何の干渉も受けない小さな国”という説明で、ここでいう山々とはいわゆる山脈のことだ。こういった場合国境とは山のなかにあって、二国間で同意しないと道は繋がらない。
「この近隣はどこもアスタリア以上に小さな国ばかり。そんな余裕などないでしょう」
どうやらこの観光は若い二人への講義も兼ねているようだ。
「そういえば船からここに来る道もすごくガタガタでした」
「アスタリア友好国の一つ、海洋国シブラールタの山ですね」
初出の国だが、そこは海に面した海岸線を持つ細長い小さな国なのだとか。
「正直…あれには参りました」
「ホホ、ルイージ。あれはもともと海からの恵みをアスタリアへと運ぶための路。貴人を乗せた馬車など想定していないのですよ」
「一番きれいな道はどこですか?」
「アスタリアとカステーラ両国を繋ぐ交易路は立派ですよ」
「じゃあカステーラは豊かなんですね」
「サルディーニャの足元にも及ばなくてよ。ですが海に面したカステーラは海原の彼方向こうに可能性を見出しました。その結果が今の繁栄。ふふ、わたくしの曽祖父様よ」
「へー!」
「その曽祖父の時代からアスタリアとは国交を結んでいるの。だからこの国は山に囲まれていながらカステーラと文化を同じくしているのです」
そういうことだったのか…不思議だったんだよね。世間から切り離された小国に貴族社会が生まれるってのが。
面倒な話はさておき、結局この国に無いのは言葉通り先立つ物資ってことか。
そこをなんとかしないとイヴァーノ・モードの繁盛もファッション革命もない。
それはあまりにも理不尽じゃないだろうか。僕は文字通り身体を張ってまでプロモーションに励んだのに。
視線を落とせばそこにはテーピングされた足首がある。僕はこの負傷をけっして無駄にはしない!ふむ…
「あっ!洋品店だ!ブティックがありましたよ!」
もちろんここでいうブティックとはオーダーメイドの店である。
「あら、公爵邸へ出入りするマダムの店ではないの。イヴァーノ、せっかくですもの一ヵ所くらいは立ち寄りましょうか。あなたは衣服が好きなのでしょう?」
「や、貴族街のブティックで買い物はちょっと…」
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「馬鹿ね。これはわたくしからのささやかな贈り物です。好きなものを仕立てなさいな。帰国に間に合わねば後日送らせましょう」
マジすか!
サルディーニャでも外からしか眺めたことのない(貴族なのに…)富裕層向けのお高いブティック…
まさか異国で買い物出来るなんて!
「えーと、目移りしちゃうな…」
けどアレクサ様はまだお分かりでないようだが、僕はただ服が好きなのでなく、イメージ通りの服を作るのが好きなのである。
「アレクサ様、仕立てはいらないのでこれとこの布地をロールで欲しいです」
「欲のない子ね…マダム、いいかしら?」
「困りましたわね…今は生地の在庫が少のうございますの」
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「良いのよイヴァーノ。マダム、彼はわたくしにとって大恩ある方。汲んで頂戴」
「分かりました。アレクサ様がそうまで仰るのでしたら」
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「代理店?」
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でもこの国の現状で新規に出店するのは色々現実的じゃない。かかる経費が多すぎる。
そこで浮かんだのが代理店契約ってやつだ。マッティオ氏はサルディーニャで作った既製服を運び入れるだけでいい。
多少利幅は下がるが、代りにこの店には〝王族御用達”の称号が与えられる(予定)はずだしわりと儲かるんじゃないだろうか?現に話を聞いたマダムの顔は満更でもない。
「高級既製服…大変興味深いわ」
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ふー…、任務完了!
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「え…何ですかこれ。…お財布?」
「わたくしとあなたと、お揃いよ。わたくしこれを自分自身で支払ったの」
一見普通に聞こえるだろうがこれはかなり驚くべきことだ。何故なら貴人とは自分でお金を払うなんてしないからだ。なんならお金なんて見たことないんじゃないだろうか?
「受け取ってくれるでしょう?」
「カタリーナ様…」
「初めて歩いたサルディーニャの貴族街で…あなたが手製の財布からお金を出してリボンを買う姿が忘れられなかったの。ふふ、この財布は自立の象徴なのよ」
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