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結婚式
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雁月(10月)下旬のある昼下がり──。
ローデリス夫人の一件でライキの移動の力が村人の知るところになってから10日ほど経過した頃のことである。
ヒルデはまだそれ程目立たないお腹にそっと手を当てて、ハント家のリビングで花嫁衣装を合わせていた。
フォレストサイド村においての花嫁衣装は、この村に伝わる民族衣装であるディアンドルを、普段着るものよりも上質な生地で誂えるのが一般的だった。
衣装の色は白とは限らずに、花嫁の好きな色やイメージに合った色で仕立てることが多いため、ヒルデのディアンドルは彼女の実家”森の青鹿亭”の名と彼女の髪と瞳の色に因んで青色だった。
胸元と裾には、ハイドにつがいを申し込まれた際に贈られた髪飾りの花である白百合を象ったリボン刺繍と、真珠のように光るビーズがあしらわれていた。
本来であれば花嫁衣装用のディアンドルは1から仕立てるのだが、ハイドとヒルデは9月末に妊娠が発覚して急に結婚することになった為に衣装を仕立てている時間が無かった。
そのためサアラの提案により、サアラが故郷のイターリナで挙式した際に着た純白のウェディングドレスを青く染め、ディアンドルの形へと調整をした後、サアラとヒルデで手分けをして白百合のリボン刺繍とビーズを飾り付けたのだった。
「もう20年前のドレスだけど、大切に取っておいて良かったわ・・・!
ヒルデと私、背丈は近いものね!
流石にお胸の辺りはお直しが必要だったけれど(笑)
この一ヶ月、二人で協力して何とか形になって良かったわ!」
「はい!
でも、良かったんですか?
おばさんの結婚式の思い出の大切なドレスだったんでしょ?
それをあたしに下さって・・・」
「良いのよ。
娘のために取っておいたものだったけど、うちに娘は授からなかったから、息子のお嫁さんにあげるって決めてたの!」
「で、でも、それならリーネだっているし・・・。
あたしはこの家には入らずにハイドをお婿さんに頂くのに、ここまでしていただいて申し訳なくて・・・。」
「そんなの関係ないわ!
あなたがハイドのお嫁さんになるのには変わらないんだから!
それに、リーネは成人して結婚式を挙げるまでにまだ時間があるから、花嫁衣装は洋服屋さんのお友達にお願いするんじゃないかしら?」
「あっ、そっか・・・ルウナに・・・。」
「だからヒルデ、私のお下がりで申し訳ないけれど、遠慮しないで着てちょうだい?
それに・・・もうそろそろ”お母さん”って呼んで欲しいわ!
娘に”お母さん”って呼ばれるのがずっと夢だったんだから・・・!」
サアラは”早くお母さんと呼んで!”とキラキラした期待の眼差しをヒルデに向けた。
それに対してヒルデは照れくさそうにはにかんで、
「ありがとうございます・・・。
・・・えぇと・・・お、おかあさん・・・。」
と小さな声で囁くように言った。
「キャーーーーー♥
嬉しいっ!!
やっぱり女の子は良いわねぇ!」
と言ってぎゅーーーっと抱きしめた。
「おいおいサアラ、あんまりキツく締めるなよ?
腹の中の子供が苦しむぜ?」
そこへ森の青鹿亭のウエイター姿のハイドがクククッと笑いながらリビングへ入ってきた。
「あっ、そうよね(汗)
ヒルデ、大事な体なのにごめんなさい!」
「全然大丈夫です!」
ヒルデはあはは!と笑ってお腹を軽く叩いてみせてから、ハイドに向き直り微笑んだ。
「ハイド、花嫁衣装、見に来たんだ?」
「あぁ。
今日は衣装を合わせるって聞いてたし、今仕込みの時間だから親父に使いを頼まれたついでに寄ったんだが・・・。
・・・・・その・・・想像よりずっと綺麗で・・・びっくりした・・・。」
ハイドは照れくさそうに頬を染めて頭を掻きむしりながら言った。
「・・・あ、ありがとう・・・。」
ヒルデも頬を染めてはにかみ俯いた。
「うふふ!
結婚式当日はお花屋さんに頼んだ花冠もつけるし、リーネがメイクもしてくれるからもっともーっと綺麗になるわよ♡
教会でも近年挙式した祝福の夫婦の中で、最も美しい二人になるだろうって期待されていて、教会から発行される”フェリシア神国 祝福の夫婦の写真集①”の表紙にもなるんでしょ?
すごいわね!」
サアラがきゃーっ♡とはしゃぎながら手を合わせた。
「あぁ、それな。
二人で教会に結婚式の予約をしに行った翌日に、神父に”写真集の表紙をお願いしたい”って頼まれたんだよ。
何でも教会でその写真集を出すことになったはいいが、表紙を飾る夫婦がなかなか決まらなかったんだとよ。
俺らなら見栄えがするし、新郎が女神様の寵愛を受けたライキの兄ってことで、話題性もあるからピッタリだろって教会のお偉いさんが判断したらしいぜ?
でもよ、その写真集、表紙の夫婦には特集ページが組まれるらしくて、式の後にその記事のためのインタビューがあるっていうし、めんどくせーから最初はパスしたんだよ。
そしたら、”そのページで森の青鹿亭の宣伝をしてもいいから考え直してくれ”って神父に頭を下げられてよ。
それならまぁいいかなって、引き受けることにしたんだ。
全国規模の宣伝なんて滅多にないチャンスだしな!」
「まぁね。
全国規模でお店の宣伝が出来るのはとてもありがたいけど、正直言うとあたし達できちゃった婚だから、あまり表立って取り上げられるのも恥ずかしいんだけどね・・・。」
当の二人は完全に店の宣伝目的で表紙のモデルを引き受けており、自分たちが選ばれたからと言って浮足立つ気も全くなかったので、サアラは息子たち夫婦が表紙に選ばれたことでキャッキャと浮足立っていた自分との温度差に驚き、目を丸くした。
「まぁ!あなた達ったら!
私達のときは魔石を使った写真の技術がまだ未発達で写真集なんて夢の話だったけれど、できることなら結婚の記念に写真を残しておきたかったのよ!?
その写真を残せるだけでなく、写真集の表紙に使ってもらえるだなんてとっても光栄だし、素敵なことじゃない!
だからお店の宣伝もいいけれど、もっと素直に喜びなさい!」
サアラは手を合わせてそう笑った。
「・・・そうですね・・・!
よく考えたら私達家族の最初の記念なんだもの。
いい写真を取ってもらえるようがんばります!」
とヒルデが笑った。
「あぁ、そーだな!」
ハイドもそれに賛同し、笑顔で頷いた。
「そうそう!
それでいいのよ!」
サアラはそう言って微笑んだ後、ヒルデの花嫁姿をもう一度じっくりと眺めて満足気に頷いた。
「うん、ヒルデの衣装はバッチリね!
ハイドのほうは?
花婿の衣装はちゃんと出来てるの?」
サアラは隣に立つ長男に尋ねた。
「あぁ。
花婿は引き立て役だし、ボトムスは普段着てない自作のレダーホーゼがあるからそれでいーだろ。
シャツはこれで充分だし(と言って青鹿亭のウエイター服を指差す。)
様になるよう上着だけは上等な生地に刺繍入れて作ったけどな。」
「あら、写真集の表紙を飾るのよ!?
花婿だってもう少し気合い入れたほうが良いんじゃない!?」
サアラがため息混じりに言った。
「俺はあんまり堅苦しー服は嫌いだし、着飾るのは小鹿ちゃんだけでいーの。
あー・・・花嫁衣装の小鹿ちゃんを押し倒して穢すのが楽しみだな・・・♥」
ハイドはニヤリと口角を上げて、花嫁衣装を半分脱がされ、手足を縛られて涙目になっているヒルデの姿を想像して舌舐めずりをした。
「ちょっ、ちょっと!
このディアンドル、シルクなのよ?
簡単に洗えないんだから、汚すようなことはやめてよ!
折角お母さんから頂いたんだから、あたしだって娘のために取っておきたいの!」
ヒルデが真っ赤になってハイドに抗議した。
「あらあらお熱いのねぇ♡
でも実はそのドレス、ゲイルも同じようなことをして汚しちゃってるのよ?」
「えっ、おじさ・・・お義父さんも?」
「そうなの!
私、娘のために大切に取っておきたかったのに、初夜のときにゲイルに汚されちゃって、すっごく怒ったのよ!
シルクが洗える石鹸を探したんだけどなかなか見つからなくて、諦めきれなくてそのままアイテムボックスに入れてフォレストサイド村に移住してきたの。
そしたら丘の薬屋のマールさんがシルクが洗える石鹸を作れるっていうじゃない!
私、すぐにお願いして、それで綺麗に洗ってから保管しておいたの!
だからもしハイドが汚しても、リーネに頼めばきっとその石鹸を作ってくれると思うから、汚すことは気にしなくて大丈夫よ!」
サアラがそう言うと、ヒルデは安堵して表情を緩めた。
「・・・でもね、ハイド。
ヒルデはお腹に赤ちゃんが居るんだから、新婚で浮かれるのはわかるけど、エッチなことは程々にして、ちゃんと体を労ってあげなさい。」
サアラはハイドを厳しい表情で見て諭した。
「わかってる。
俺も子供の父親として妊婦検診に同行した時、先生に色々と説明して貰ったからな。
でもつがい時代にしてたよーなことなら別にしたっていいんだろ?」
そう言って数日後の未来の花嫁を肩から抱きしめて軽くキスを降らした。
「ちょっ、お、お義母さんが見ている前でやめてよ・・・!」
「あらあらうふふふっ・・・!
熱くてのぼせちゃいそう!
このぶんだとすぐに二人目が授かるんじゃないかしら?」
サアラはウフフと笑うと、柱時計を見て慌てて口に手を当てた。
「そろそろ休憩時間も終わりね・・・!
もっとヒルデの花嫁姿を見ていたいけれど、衣装合わせは終わりにしましょうか。」
「俺もいい加減青鹿亭に戻らねーと、クソ親父にどやされるわ。」
ハイドもそう言ったところで、「「ただいまー」」と声がして、ライキとリーネが揃って帰宅してきた。
今日の二人は火事で焼けた丘の薬屋へ、アイテムボックスを使って無事な家財道具を持ち出したり、荷物を整理しに行っていたのだった。
「わあっ♥
ヒルデさんの花嫁姿すっごく素敵!!」
リーネは歓喜の声をあげ、ヒルデの側に駆け寄りハートを飛ばしながらその手を取った。
「うふふ!そうでしょう!
リーネ、私はもう店に戻るから、ヒルデの着替えの手伝いをお願いしてもいいかしら?
背中の編み上げたリボン、一人では外せないから。」
「あ、はい!」
サアラはリーネに後を頼んで店へと戻って行った。
「俺もすぐ店に戻んねーといけねーから、ライキ、ヒルデの着替えが済んだら青鹿亭まで送ってやってくんね?」
ハイドは弟にそう頼んだ。
「うん、わかった!」
ライキは快諾するが、ヒルデが慌てて手を振った。
「えっ!
別に近所だし全然平気だってば!」
しかしハイドが首を横に振った。
「もう時期暗くなるし、足元も見えにくくなるから送ってもらえって。」
「そうですよ!
まだ不安定な時期だし何かあったら大変・・・!
私も一緒に送っていきます!」
とリーネが笑顔で言い、ライキがその隣で微笑み、頷いた。
ヒルデは周囲の優しさに感謝して穏やかに微笑むのだった。
その日の晩──。
森の青鹿亭の2階のヒルデの部屋は、ハイドもこちらに移り住んだため夫婦の寝室となっていた。
ベッドもシングルからダブルに変わり、広くなったベッドにはネグリジェ姿のヒルデが横になり、一通の手紙を読んでいた。
そこへ風呂上がりのハイドがやってきて、そのベッドに腰を掛けて尋ねた。
「それ、今朝届いてたノーラからの手紙か?」
「うん。
お昼はバタバタしてて読めなかったから今読んでたの。
ノーラ、辛い経験をしてるから、私達の結婚と赤ちゃんのことを伝えていいのかずっと迷ってて、まだ伝えられずにいたんだけど・・・。
そしたらびっくり!
ノーラのほうがひと足早く結婚しちゃった!
しかもお腹に赤ちゃんまで授かったんだって!」
「へぇ!マジで!?
相手は?」
「オリア村の神官の人なんだって。
その人、孤児院で子供たちに勉強を教えてるノーラを見初めて、ノーラのことをすべて知った上で結婚を申し込んでくれたって・・・。
そして、その人と結婚してすぐに赤ちゃんが来てくれたみたい!
ノーラ・・・良かったね・・・本当に・・・。」
ヒルデは友達の幸せを喜び涙を落とした。
ハイドはそれを手で拭ってやる。
「良かったな。
俺らの結婚と腹の子供のことを返事に書いてやれば?
きっと今の小鹿ちゃんと同じように喜んでくれるぜ?」
「・・・うん、そうする!
で、ハイド、あんたは何を持ってるの?」
ヒルデはハイドが手に持った紙を指差し尋ねた。
「あぁ、これ?
ガロからの文だよ。
小鹿ちゃんの花嫁姿を見たあと店に戻ったらよ、ガロとのやり取りに使ってる鳩が来てたんだ。
俺も今から読もうと思って部屋に持ってきたんだが・・・何々?」
ハイドはその場で紙を広げ、文を読んだ。
「・・・ガロ、俺らの結婚式に間に合うようにスベイルから帰郷するって書いてあるわ。」
ハイドはそう言って文をヒルデに見せた。
「えっ!じゃあスベイルでの目標は果たせたんだ?」
「あぁ!
そろそろこっちに戻ろうかと思ってたタイミングでチエリ先輩との間に子供が出来たらしくてよ。
チエリ先輩が安定期に入るまではスベイルから動けないってんで、そのままスベイルで式を挙げたんだが、チエリ先輩がやっと安定期に入って馬車に乗れるようになったから、俺らの式に合わせてこっちに戻ってくることにしたって!」
「そっか!
じゃあ約2年半ぶりの再会!?
良かったね!ハイド!」
「あぁ!
あいつらの子供と俺らの子供、タメになりそうだし、これから楽しくなりそーだな!
ま、暫くはあいつ、実家のスパの改装とか新居の準備で忙しくなるだろーが。
それが終わったら、あいつとの2つ目の約束、ちゃんと果たさねーとな。
・・・小鹿ちゃんも協力してやってくれよな?」
「約束?
何のこと?」
ヒルデは首を傾げる。
ハイドがそんな彼女に”2つ目の約束”の内容を耳打ちすると、瞬時にトマトのように赤くなった。
「そっ、そんな人前で破廉恥なこと・・・出来るわけないでしょ!!」
「えぇ~っ、頼むよ!
俺の親友の為なんだからさぁ!
スパの改装が終わってからの話だから、俺らの子供が産まれてからになりそうだけどさ。
それまで前向きに考えといてくんね?」
「普通のスパに入りに行くのは全然良いけど・・・や、やっぱりそんなこと・・・・・。」
そう言ってトマトになったまま俯き、狼狽えて目を泳がせるヒルデを見て、ハイドはニヤリとほくそ笑んだ。
(おっ?
この感じなら、何だかんだで無事に約束が果たせそうだな?!
ニシシ・・・!)
「それじゃ、小鹿ちゃん♥
今夜も愛を育むとしようぜ?」
「・・・いいよ?
でもまだ不安定な時期だし、先生のお許しが出てないんだから、ナカには入らないでね・・・?」
「わかってるって。
俺らの大切な子供のためだしな!」
そう言って彼女の傍らに滑り込むと優しくキスをした。
「俺、つがい時代を経験しといて良かったわ。
小鹿ちゃん、妊娠中は存分に出来ねーし、産後すぐも出来ねーだろ?
あの2年間の経験が無かったら、とても耐えられなかったと思うわ。」
ハイドは彼女の頬に手を当てて優しく笑った。
「あたしもつがい時代を経験してて良かったと思う。
だって、今みたいに最後まで出来ない時でもあんたを沢山気持ちよくしてあげられるもの♥」
彼女はそう言って、数日後には家族になる彼を優しく包み込み、抱きしめた。
「小鹿ちゃん・・・♥」
そしてその夜も二人の愛は優しく甘く育まれるのだった。
──梟月(11月)に入ってすぐの良く晴れた爽やかな日。
村の教会の鐘が鳴り響き、色とりどりの花びらが宙を舞う。
かつてサアラが着た花嫁衣裳を青く染め直し、白百合の刺繍とビーズをあしらったディアンドル、髪には新郎からつがいを申し込まれた際に贈られた白百合の髪飾りと、色とりどりの秋の花々で作られた花冠を、更には彼女の美しさを上品に引き立てたリーネによるメイクが輝く花嫁の華やぐ青鹿ことヒルデ・クック・フランビストロ。
そしてその隣には、黒のスウェードに銀糸の刺繍が入った自作のレダーホーゼと、白のシャツに上品な淡いグレーのベストと銀糸で刺繍をあしらったジャケットを身につけ、花嫁を引き立てながらも元々の際立った美しさから花嫁に負けじと存在感を放った春雷の銀狼ことハイド・クック・ハント。
誰もがフェリシア神国一と認める美しいその新郎新婦は、沢山の人達にフラワーシャワーをかけられながら、教会からセンター通りへ向かってお披露目へと歩いた。
その後ろには、新婦の父ルルド、この日のためにフランの町から駆けつけた叔母のカルラ、新郎の両親であるゲイルとサアラ、そして女神フェリシアの寵愛を受けた新郎の弟ライキ、その隣には同じく寵愛を受けたライキのつがいのリーネ、更にはこの結婚式に合わせてスベイルから帰郷した新郎の親友ヌガロことガロ、その隣には目立ち始めたお腹を抱えた彼の妻のチエリ、そしてライキの親友ユデイとそのつがいのルウナが続いた。
森の青鹿亭の常連客のマダム達、同じジュニアスクール時代を過ごし、そのまま村に残った若者達、そして顔なじみのたくさんの村人達、新郎新婦の取材に来た教会から発行される写真集の関係者達も、皆でその列を見送り、フラワーシャワーをかけた。
列はセンター通りを抜けてまた教会へと戻ってきて、先頭の二人が教会前広場の高台で立ち止まり、振り返った。
「それじゃ、行くよっ!
そーれっ!」
ヒルデが投げたブーケがふわりとリーネの元へ届くと、リーネがそれを胸に抱き、ライキを見て柔らかく微笑んだ。
それを見て春雷の銀狼と華やぐ青鹿、そしてお腹に宿る小さな命の3人は、家族となった記念の日を噛み締め寄り添うと、カメラにVサインを向け、世界で一番幸せそうに微笑むのだった。
ローデリス夫人の一件でライキの移動の力が村人の知るところになってから10日ほど経過した頃のことである。
ヒルデはまだそれ程目立たないお腹にそっと手を当てて、ハント家のリビングで花嫁衣装を合わせていた。
フォレストサイド村においての花嫁衣装は、この村に伝わる民族衣装であるディアンドルを、普段着るものよりも上質な生地で誂えるのが一般的だった。
衣装の色は白とは限らずに、花嫁の好きな色やイメージに合った色で仕立てることが多いため、ヒルデのディアンドルは彼女の実家”森の青鹿亭”の名と彼女の髪と瞳の色に因んで青色だった。
胸元と裾には、ハイドにつがいを申し込まれた際に贈られた髪飾りの花である白百合を象ったリボン刺繍と、真珠のように光るビーズがあしらわれていた。
本来であれば花嫁衣装用のディアンドルは1から仕立てるのだが、ハイドとヒルデは9月末に妊娠が発覚して急に結婚することになった為に衣装を仕立てている時間が無かった。
そのためサアラの提案により、サアラが故郷のイターリナで挙式した際に着た純白のウェディングドレスを青く染め、ディアンドルの形へと調整をした後、サアラとヒルデで手分けをして白百合のリボン刺繍とビーズを飾り付けたのだった。
「もう20年前のドレスだけど、大切に取っておいて良かったわ・・・!
ヒルデと私、背丈は近いものね!
流石にお胸の辺りはお直しが必要だったけれど(笑)
この一ヶ月、二人で協力して何とか形になって良かったわ!」
「はい!
でも、良かったんですか?
おばさんの結婚式の思い出の大切なドレスだったんでしょ?
それをあたしに下さって・・・」
「良いのよ。
娘のために取っておいたものだったけど、うちに娘は授からなかったから、息子のお嫁さんにあげるって決めてたの!」
「で、でも、それならリーネだっているし・・・。
あたしはこの家には入らずにハイドをお婿さんに頂くのに、ここまでしていただいて申し訳なくて・・・。」
「そんなの関係ないわ!
あなたがハイドのお嫁さんになるのには変わらないんだから!
それに、リーネは成人して結婚式を挙げるまでにまだ時間があるから、花嫁衣装は洋服屋さんのお友達にお願いするんじゃないかしら?」
「あっ、そっか・・・ルウナに・・・。」
「だからヒルデ、私のお下がりで申し訳ないけれど、遠慮しないで着てちょうだい?
それに・・・もうそろそろ”お母さん”って呼んで欲しいわ!
娘に”お母さん”って呼ばれるのがずっと夢だったんだから・・・!」
サアラは”早くお母さんと呼んで!”とキラキラした期待の眼差しをヒルデに向けた。
それに対してヒルデは照れくさそうにはにかんで、
「ありがとうございます・・・。
・・・えぇと・・・お、おかあさん・・・。」
と小さな声で囁くように言った。
「キャーーーーー♥
嬉しいっ!!
やっぱり女の子は良いわねぇ!」
と言ってぎゅーーーっと抱きしめた。
「おいおいサアラ、あんまりキツく締めるなよ?
腹の中の子供が苦しむぜ?」
そこへ森の青鹿亭のウエイター姿のハイドがクククッと笑いながらリビングへ入ってきた。
「あっ、そうよね(汗)
ヒルデ、大事な体なのにごめんなさい!」
「全然大丈夫です!」
ヒルデはあはは!と笑ってお腹を軽く叩いてみせてから、ハイドに向き直り微笑んだ。
「ハイド、花嫁衣装、見に来たんだ?」
「あぁ。
今日は衣装を合わせるって聞いてたし、今仕込みの時間だから親父に使いを頼まれたついでに寄ったんだが・・・。
・・・・・その・・・想像よりずっと綺麗で・・・びっくりした・・・。」
ハイドは照れくさそうに頬を染めて頭を掻きむしりながら言った。
「・・・あ、ありがとう・・・。」
ヒルデも頬を染めてはにかみ俯いた。
「うふふ!
結婚式当日はお花屋さんに頼んだ花冠もつけるし、リーネがメイクもしてくれるからもっともーっと綺麗になるわよ♡
教会でも近年挙式した祝福の夫婦の中で、最も美しい二人になるだろうって期待されていて、教会から発行される”フェリシア神国 祝福の夫婦の写真集①”の表紙にもなるんでしょ?
すごいわね!」
サアラがきゃーっ♡とはしゃぎながら手を合わせた。
「あぁ、それな。
二人で教会に結婚式の予約をしに行った翌日に、神父に”写真集の表紙をお願いしたい”って頼まれたんだよ。
何でも教会でその写真集を出すことになったはいいが、表紙を飾る夫婦がなかなか決まらなかったんだとよ。
俺らなら見栄えがするし、新郎が女神様の寵愛を受けたライキの兄ってことで、話題性もあるからピッタリだろって教会のお偉いさんが判断したらしいぜ?
でもよ、その写真集、表紙の夫婦には特集ページが組まれるらしくて、式の後にその記事のためのインタビューがあるっていうし、めんどくせーから最初はパスしたんだよ。
そしたら、”そのページで森の青鹿亭の宣伝をしてもいいから考え直してくれ”って神父に頭を下げられてよ。
それならまぁいいかなって、引き受けることにしたんだ。
全国規模の宣伝なんて滅多にないチャンスだしな!」
「まぁね。
全国規模でお店の宣伝が出来るのはとてもありがたいけど、正直言うとあたし達できちゃった婚だから、あまり表立って取り上げられるのも恥ずかしいんだけどね・・・。」
当の二人は完全に店の宣伝目的で表紙のモデルを引き受けており、自分たちが選ばれたからと言って浮足立つ気も全くなかったので、サアラは息子たち夫婦が表紙に選ばれたことでキャッキャと浮足立っていた自分との温度差に驚き、目を丸くした。
「まぁ!あなた達ったら!
私達のときは魔石を使った写真の技術がまだ未発達で写真集なんて夢の話だったけれど、できることなら結婚の記念に写真を残しておきたかったのよ!?
その写真を残せるだけでなく、写真集の表紙に使ってもらえるだなんてとっても光栄だし、素敵なことじゃない!
だからお店の宣伝もいいけれど、もっと素直に喜びなさい!」
サアラは手を合わせてそう笑った。
「・・・そうですね・・・!
よく考えたら私達家族の最初の記念なんだもの。
いい写真を取ってもらえるようがんばります!」
とヒルデが笑った。
「あぁ、そーだな!」
ハイドもそれに賛同し、笑顔で頷いた。
「そうそう!
それでいいのよ!」
サアラはそう言って微笑んだ後、ヒルデの花嫁姿をもう一度じっくりと眺めて満足気に頷いた。
「うん、ヒルデの衣装はバッチリね!
ハイドのほうは?
花婿の衣装はちゃんと出来てるの?」
サアラは隣に立つ長男に尋ねた。
「あぁ。
花婿は引き立て役だし、ボトムスは普段着てない自作のレダーホーゼがあるからそれでいーだろ。
シャツはこれで充分だし(と言って青鹿亭のウエイター服を指差す。)
様になるよう上着だけは上等な生地に刺繍入れて作ったけどな。」
「あら、写真集の表紙を飾るのよ!?
花婿だってもう少し気合い入れたほうが良いんじゃない!?」
サアラがため息混じりに言った。
「俺はあんまり堅苦しー服は嫌いだし、着飾るのは小鹿ちゃんだけでいーの。
あー・・・花嫁衣装の小鹿ちゃんを押し倒して穢すのが楽しみだな・・・♥」
ハイドはニヤリと口角を上げて、花嫁衣装を半分脱がされ、手足を縛られて涙目になっているヒルデの姿を想像して舌舐めずりをした。
「ちょっ、ちょっと!
このディアンドル、シルクなのよ?
簡単に洗えないんだから、汚すようなことはやめてよ!
折角お母さんから頂いたんだから、あたしだって娘のために取っておきたいの!」
ヒルデが真っ赤になってハイドに抗議した。
「あらあらお熱いのねぇ♡
でも実はそのドレス、ゲイルも同じようなことをして汚しちゃってるのよ?」
「えっ、おじさ・・・お義父さんも?」
「そうなの!
私、娘のために大切に取っておきたかったのに、初夜のときにゲイルに汚されちゃって、すっごく怒ったのよ!
シルクが洗える石鹸を探したんだけどなかなか見つからなくて、諦めきれなくてそのままアイテムボックスに入れてフォレストサイド村に移住してきたの。
そしたら丘の薬屋のマールさんがシルクが洗える石鹸を作れるっていうじゃない!
私、すぐにお願いして、それで綺麗に洗ってから保管しておいたの!
だからもしハイドが汚しても、リーネに頼めばきっとその石鹸を作ってくれると思うから、汚すことは気にしなくて大丈夫よ!」
サアラがそう言うと、ヒルデは安堵して表情を緩めた。
「・・・でもね、ハイド。
ヒルデはお腹に赤ちゃんが居るんだから、新婚で浮かれるのはわかるけど、エッチなことは程々にして、ちゃんと体を労ってあげなさい。」
サアラはハイドを厳しい表情で見て諭した。
「わかってる。
俺も子供の父親として妊婦検診に同行した時、先生に色々と説明して貰ったからな。
でもつがい時代にしてたよーなことなら別にしたっていいんだろ?」
そう言って数日後の未来の花嫁を肩から抱きしめて軽くキスを降らした。
「ちょっ、お、お義母さんが見ている前でやめてよ・・・!」
「あらあらうふふふっ・・・!
熱くてのぼせちゃいそう!
このぶんだとすぐに二人目が授かるんじゃないかしら?」
サアラはウフフと笑うと、柱時計を見て慌てて口に手を当てた。
「そろそろ休憩時間も終わりね・・・!
もっとヒルデの花嫁姿を見ていたいけれど、衣装合わせは終わりにしましょうか。」
「俺もいい加減青鹿亭に戻らねーと、クソ親父にどやされるわ。」
ハイドもそう言ったところで、「「ただいまー」」と声がして、ライキとリーネが揃って帰宅してきた。
今日の二人は火事で焼けた丘の薬屋へ、アイテムボックスを使って無事な家財道具を持ち出したり、荷物を整理しに行っていたのだった。
「わあっ♥
ヒルデさんの花嫁姿すっごく素敵!!」
リーネは歓喜の声をあげ、ヒルデの側に駆け寄りハートを飛ばしながらその手を取った。
「うふふ!そうでしょう!
リーネ、私はもう店に戻るから、ヒルデの着替えの手伝いをお願いしてもいいかしら?
背中の編み上げたリボン、一人では外せないから。」
「あ、はい!」
サアラはリーネに後を頼んで店へと戻って行った。
「俺もすぐ店に戻んねーといけねーから、ライキ、ヒルデの着替えが済んだら青鹿亭まで送ってやってくんね?」
ハイドは弟にそう頼んだ。
「うん、わかった!」
ライキは快諾するが、ヒルデが慌てて手を振った。
「えっ!
別に近所だし全然平気だってば!」
しかしハイドが首を横に振った。
「もう時期暗くなるし、足元も見えにくくなるから送ってもらえって。」
「そうですよ!
まだ不安定な時期だし何かあったら大変・・・!
私も一緒に送っていきます!」
とリーネが笑顔で言い、ライキがその隣で微笑み、頷いた。
ヒルデは周囲の優しさに感謝して穏やかに微笑むのだった。
その日の晩──。
森の青鹿亭の2階のヒルデの部屋は、ハイドもこちらに移り住んだため夫婦の寝室となっていた。
ベッドもシングルからダブルに変わり、広くなったベッドにはネグリジェ姿のヒルデが横になり、一通の手紙を読んでいた。
そこへ風呂上がりのハイドがやってきて、そのベッドに腰を掛けて尋ねた。
「それ、今朝届いてたノーラからの手紙か?」
「うん。
お昼はバタバタしてて読めなかったから今読んでたの。
ノーラ、辛い経験をしてるから、私達の結婚と赤ちゃんのことを伝えていいのかずっと迷ってて、まだ伝えられずにいたんだけど・・・。
そしたらびっくり!
ノーラのほうがひと足早く結婚しちゃった!
しかもお腹に赤ちゃんまで授かったんだって!」
「へぇ!マジで!?
相手は?」
「オリア村の神官の人なんだって。
その人、孤児院で子供たちに勉強を教えてるノーラを見初めて、ノーラのことをすべて知った上で結婚を申し込んでくれたって・・・。
そして、その人と結婚してすぐに赤ちゃんが来てくれたみたい!
ノーラ・・・良かったね・・・本当に・・・。」
ヒルデは友達の幸せを喜び涙を落とした。
ハイドはそれを手で拭ってやる。
「良かったな。
俺らの結婚と腹の子供のことを返事に書いてやれば?
きっと今の小鹿ちゃんと同じように喜んでくれるぜ?」
「・・・うん、そうする!
で、ハイド、あんたは何を持ってるの?」
ヒルデはハイドが手に持った紙を指差し尋ねた。
「あぁ、これ?
ガロからの文だよ。
小鹿ちゃんの花嫁姿を見たあと店に戻ったらよ、ガロとのやり取りに使ってる鳩が来てたんだ。
俺も今から読もうと思って部屋に持ってきたんだが・・・何々?」
ハイドはその場で紙を広げ、文を読んだ。
「・・・ガロ、俺らの結婚式に間に合うようにスベイルから帰郷するって書いてあるわ。」
ハイドはそう言って文をヒルデに見せた。
「えっ!じゃあスベイルでの目標は果たせたんだ?」
「あぁ!
そろそろこっちに戻ろうかと思ってたタイミングでチエリ先輩との間に子供が出来たらしくてよ。
チエリ先輩が安定期に入るまではスベイルから動けないってんで、そのままスベイルで式を挙げたんだが、チエリ先輩がやっと安定期に入って馬車に乗れるようになったから、俺らの式に合わせてこっちに戻ってくることにしたって!」
「そっか!
じゃあ約2年半ぶりの再会!?
良かったね!ハイド!」
「あぁ!
あいつらの子供と俺らの子供、タメになりそうだし、これから楽しくなりそーだな!
ま、暫くはあいつ、実家のスパの改装とか新居の準備で忙しくなるだろーが。
それが終わったら、あいつとの2つ目の約束、ちゃんと果たさねーとな。
・・・小鹿ちゃんも協力してやってくれよな?」
「約束?
何のこと?」
ヒルデは首を傾げる。
ハイドがそんな彼女に”2つ目の約束”の内容を耳打ちすると、瞬時にトマトのように赤くなった。
「そっ、そんな人前で破廉恥なこと・・・出来るわけないでしょ!!」
「えぇ~っ、頼むよ!
俺の親友の為なんだからさぁ!
スパの改装が終わってからの話だから、俺らの子供が産まれてからになりそうだけどさ。
それまで前向きに考えといてくんね?」
「普通のスパに入りに行くのは全然良いけど・・・や、やっぱりそんなこと・・・・・。」
そう言ってトマトになったまま俯き、狼狽えて目を泳がせるヒルデを見て、ハイドはニヤリとほくそ笑んだ。
(おっ?
この感じなら、何だかんだで無事に約束が果たせそうだな?!
ニシシ・・・!)
「それじゃ、小鹿ちゃん♥
今夜も愛を育むとしようぜ?」
「・・・いいよ?
でもまだ不安定な時期だし、先生のお許しが出てないんだから、ナカには入らないでね・・・?」
「わかってるって。
俺らの大切な子供のためだしな!」
そう言って彼女の傍らに滑り込むと優しくキスをした。
「俺、つがい時代を経験しといて良かったわ。
小鹿ちゃん、妊娠中は存分に出来ねーし、産後すぐも出来ねーだろ?
あの2年間の経験が無かったら、とても耐えられなかったと思うわ。」
ハイドは彼女の頬に手を当てて優しく笑った。
「あたしもつがい時代を経験してて良かったと思う。
だって、今みたいに最後まで出来ない時でもあんたを沢山気持ちよくしてあげられるもの♥」
彼女はそう言って、数日後には家族になる彼を優しく包み込み、抱きしめた。
「小鹿ちゃん・・・♥」
そしてその夜も二人の愛は優しく甘く育まれるのだった。
──梟月(11月)に入ってすぐの良く晴れた爽やかな日。
村の教会の鐘が鳴り響き、色とりどりの花びらが宙を舞う。
かつてサアラが着た花嫁衣裳を青く染め直し、白百合の刺繍とビーズをあしらったディアンドル、髪には新郎からつがいを申し込まれた際に贈られた白百合の髪飾りと、色とりどりの秋の花々で作られた花冠を、更には彼女の美しさを上品に引き立てたリーネによるメイクが輝く花嫁の華やぐ青鹿ことヒルデ・クック・フランビストロ。
そしてその隣には、黒のスウェードに銀糸の刺繍が入った自作のレダーホーゼと、白のシャツに上品な淡いグレーのベストと銀糸で刺繍をあしらったジャケットを身につけ、花嫁を引き立てながらも元々の際立った美しさから花嫁に負けじと存在感を放った春雷の銀狼ことハイド・クック・ハント。
誰もがフェリシア神国一と認める美しいその新郎新婦は、沢山の人達にフラワーシャワーをかけられながら、教会からセンター通りへ向かってお披露目へと歩いた。
その後ろには、新婦の父ルルド、この日のためにフランの町から駆けつけた叔母のカルラ、新郎の両親であるゲイルとサアラ、そして女神フェリシアの寵愛を受けた新郎の弟ライキ、その隣には同じく寵愛を受けたライキのつがいのリーネ、更にはこの結婚式に合わせてスベイルから帰郷した新郎の親友ヌガロことガロ、その隣には目立ち始めたお腹を抱えた彼の妻のチエリ、そしてライキの親友ユデイとそのつがいのルウナが続いた。
森の青鹿亭の常連客のマダム達、同じジュニアスクール時代を過ごし、そのまま村に残った若者達、そして顔なじみのたくさんの村人達、新郎新婦の取材に来た教会から発行される写真集の関係者達も、皆でその列を見送り、フラワーシャワーをかけた。
列はセンター通りを抜けてまた教会へと戻ってきて、先頭の二人が教会前広場の高台で立ち止まり、振り返った。
「それじゃ、行くよっ!
そーれっ!」
ヒルデが投げたブーケがふわりとリーネの元へ届くと、リーネがそれを胸に抱き、ライキを見て柔らかく微笑んだ。
それを見て春雷の銀狼と華やぐ青鹿、そしてお腹に宿る小さな命の3人は、家族となった記念の日を噛み締め寄り添うと、カメラにVサインを向け、世界で一番幸せそうに微笑むのだった。
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