涙袋 ～現代居酒屋千夜一夜物語～

第５夜・『一人称｢ワシ｣｢オレ｣の女は、相手を「ヌシ」と呼ぶ』

　＜第４夜＞の続きになります。

　「餡蜜(仮称)」というお客さんが登場する。

　この女の子、うわばみのように飲むのだが、たまに酔いつぶれる。

　すると、この、長野の山奥出身の娘は、自分の人称を「ワシ」「ワッシ」と言いはじめるのだ。

　それもそれで、悪酔いしていることをのぞけば、可愛いとも思った。

　・・・で、そんな一人称「オラ」「ワシ」の女の子達の話を、別の女の子と話していたら、

　その子が短大時代に知り合った友人は、やはり長野出身だったのだが、自分のことを「オレ」と言っていたそうだ。

　普通の、「れ」のほうにアクセントのある「俺」ではなく、

　「お」のほうにアクセントのある「俺」であった。

　で、その「オレ」と言う娘は、他者のことを「オヌシ」と言っていたそうで、

　その子は、上京してお兄さんと一緒に住んでいて、よくお兄さんとケンカしていたそうなのだが、「お前！」「お前！」的な雰囲気で、「ヌシ！」「ヌシ！」が飛び交ったそうだ・・・。

　まあ、なんにしても、美人のするこたぁ、なんか可愛いのである＾＾ｖ