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第90夜・『フェロモンT子…校長先生篇(8)』
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・・・一部の人間は、相手の気持ちを考えず、自分の気持ちを勝手に当て嵌めようとしてくる。
例えば、この、T子さんへの会社の考えは、あくまでもバイトとして仕事にまい進したいT子さんの考えと真っ向から反している。
が、会社側は、T子さんの気持ちを勝手に「謙虚」とでも解釈し、「本当の気持ちに素直になりなさい」「あなたにも向上心があるでしょう」と、勘違いのお仕着せをしてくるのだ。
世の中には、色んな齟齬がある。
ここでは、バイトと正社員の、それぞれの立場での「こころざし」の違いもある。
バイトのほうが劣るわけではない。
バイトはバイトでいる「理由」がある。
また、会社が、バイトに、バイト以上の作業行動を求める場合もあるし、
T子さんの場合は、会社がT子さんに多くを求めるのには、正社員にさせたい意図がある。
だが、T子さんには、そんな気はさらさらない。
何よりも、主婦業が大切で、旦那はさておき^^; 子供が第一だ。
また、会社がそこまで求めていないのに、張り切り過ぎるバイトなんてのもいる。
そこまで、会社は、バイトのあなたには求めていないよ、その頑張りにおいてのミスに、バイトのあなたは責任を取れるのか? ってパターン。
通常、正社員に対し、バイトは引け目を感じる必要はない。
だが、正社員になりたいと願い続け、だが、その素養・能力がなく、バイトでいるしかない者が、無責任を垂れ流し、空回りを繰り返している姿は滑稽なものだ。
つまり、T子さんのパターンと異なり、個人が会社に対し、勘違いをし続けているわけだ。
で、何が言いたいかと言うと、この場合は「仕事」についてだが、
これを「恋愛」にして、「個人が社会に勘違いし続ける」ってパターンがあり、・・・それが、ストーカーである。
◇
地元の雑貨屋チェーンのパートだったT子さんは、地元から車で一時間半離れた、府中のショッピングセンター内にある支店の店長に抜擢された。
休憩時間となり、さて、「ラーメンでも食べよう」とお店を出たら、
「おっ、偶然だね、T子さん」と、年配の男が現れた。
その年配の男は、かつて、T子がPTA役員をしていた時にお世話になった校長であった。
とても、親切にしてくれていたのだが、T子が地元の雑貨屋にパートに出てから、同僚が訝しむほどの来店を繰り返し、やや、嫌気がさしていた。
最初の内は、立ち話などもしていたのだが、それは次第になくなっていった。
ひとつ思い出すのは、何もなければ、さり気なく流せる、校長の何気ない一言、「僕は、ストーカーする人の気持ち、少しは分かるんだよね・・・」だ。
ゾゾゾゾゾーッ・・・!
そんな折、遠距離の支店の店長に抜擢され、
店長なんて責任ある役に付くのは嫌だったが、数少ない利点の一つが、この校長と会わないで済むと言うことだった。
・・・いや、このT子さんには、この校長だけでなく、似たような行動様式のお歴々が周囲にたくさんいるので、ささやかな利点に過ぎない・・・^^;
そう、ここは、一時間半も離れた場所なのである。
・・・(すぐに続く 2014/06/08)
例えば、この、T子さんへの会社の考えは、あくまでもバイトとして仕事にまい進したいT子さんの考えと真っ向から反している。
が、会社側は、T子さんの気持ちを勝手に「謙虚」とでも解釈し、「本当の気持ちに素直になりなさい」「あなたにも向上心があるでしょう」と、勘違いのお仕着せをしてくるのだ。
世の中には、色んな齟齬がある。
ここでは、バイトと正社員の、それぞれの立場での「こころざし」の違いもある。
バイトのほうが劣るわけではない。
バイトはバイトでいる「理由」がある。
また、会社が、バイトに、バイト以上の作業行動を求める場合もあるし、
T子さんの場合は、会社がT子さんに多くを求めるのには、正社員にさせたい意図がある。
だが、T子さんには、そんな気はさらさらない。
何よりも、主婦業が大切で、旦那はさておき^^; 子供が第一だ。
また、会社がそこまで求めていないのに、張り切り過ぎるバイトなんてのもいる。
そこまで、会社は、バイトのあなたには求めていないよ、その頑張りにおいてのミスに、バイトのあなたは責任を取れるのか? ってパターン。
通常、正社員に対し、バイトは引け目を感じる必要はない。
だが、正社員になりたいと願い続け、だが、その素養・能力がなく、バイトでいるしかない者が、無責任を垂れ流し、空回りを繰り返している姿は滑稽なものだ。
つまり、T子さんのパターンと異なり、個人が会社に対し、勘違いをし続けているわけだ。
で、何が言いたいかと言うと、この場合は「仕事」についてだが、
これを「恋愛」にして、「個人が社会に勘違いし続ける」ってパターンがあり、・・・それが、ストーカーである。
◇
地元の雑貨屋チェーンのパートだったT子さんは、地元から車で一時間半離れた、府中のショッピングセンター内にある支店の店長に抜擢された。
休憩時間となり、さて、「ラーメンでも食べよう」とお店を出たら、
「おっ、偶然だね、T子さん」と、年配の男が現れた。
その年配の男は、かつて、T子がPTA役員をしていた時にお世話になった校長であった。
とても、親切にしてくれていたのだが、T子が地元の雑貨屋にパートに出てから、同僚が訝しむほどの来店を繰り返し、やや、嫌気がさしていた。
最初の内は、立ち話などもしていたのだが、それは次第になくなっていった。
ひとつ思い出すのは、何もなければ、さり気なく流せる、校長の何気ない一言、「僕は、ストーカーする人の気持ち、少しは分かるんだよね・・・」だ。
ゾゾゾゾゾーッ・・・!
そんな折、遠距離の支店の店長に抜擢され、
店長なんて責任ある役に付くのは嫌だったが、数少ない利点の一つが、この校長と会わないで済むと言うことだった。
・・・いや、このT子さんには、この校長だけでなく、似たような行動様式のお歴々が周囲にたくさんいるので、ささやかな利点に過ぎない・・・^^;
そう、ここは、一時間半も離れた場所なのである。
・・・(すぐに続く 2014/06/08)
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