涙袋 ~現代居酒屋千夜一夜物語~

与四季団地

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第2章・この世界の片隅で

   第154夜・『オナニーの神様』

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 <Youtube>で、『トイレの神様』を聴きながら、このエントリーを読むと、妙な感動が湧き上がってきますよ、・・・多分^^;

   ◇

 中2の頃からなぜだか
 オナニーばかりしていた
 六畳間一つの貸家だったけど
 オナニーばかりしていた

 毎日お手伝いをして
 勉強もした
 でもオナニーも欠かさずしていた私に
 近所の自慰ちゃん、もとい爺ちゃんがこう言った

 オナニーには それはそれは素直な想いが宿っているんやで
 だから毎日 オナニーにしたら エグザイルみたいな
 モテ男になれるんやで
 
 
 その日から私はオナニーを
 シコシコし始めた
 モテ男に絶対なりたくて
 毎日チンポ磨いてた

 買い物に出かけた時には 二人で精力剤飲んだ
 「海賊チャンネル」や「ドクター荒井」を録画し損ねた爺ちゃんを
 泣いて責めたりもした

 オナニーには それはそれは願いを叶えてくれる神様がいるんやで
 だから毎日 オナニーにしたら 福山みたいな
 モテ男になれるんやで 
 
 少し大人になった私は 爺ちゃんとぶつかった
 家族ともうまくやれなくて オナニーする場所もなくなった

 休みの日も家に帰らず 淫売と遊んだりした
 成人マンガもアダルトビデオも 二人の間から消えてった

 どうしてだろう 人は人を傷付け
 大切なものをなくしてく
 いつも味方をしてくれてた 爺ちゃん残して
 ひとりきり 家離れた
 

 下野して2年が過ぎて
 爺ちゃんが病に倒れた
 痩せて 細くなってしまった
 爺ちゃんに会いに行った

 「爺ちゃん、久し振りー!」ってわざと
 昔みたいに言ってみたけど ちょっと話しただけだったのに
 「俺はオナニーするんや、オナニーは<一人>でするもんや、もう帰りー」って 家を出された
 

 次の日の朝 爺ちゃんは
 静かに眠りについた

 まるで まるで 私が来るのを
 待っていてくれたように

 ちゃんと伝授してくれたのに まんぐり返しもしてないのに
 いい弟子じゃなかったのに
 こんな私を待っててくれたんやね
 

 オナニーには それはそれは願いを叶えてくれる神様がいるんやで
 爺ちゃんがくれた言葉は 今日の私を
 モテ男にしてくれてるかな

 オナニーには それはそれは願いを叶えてくれる神様がいるんやで
 だから毎日 オナニーにしたら マツコ・デラックスみたいな
 モテ男になれるんやで 
 
 モテ男になるのが
 夢だった私は
 今日もせっせとチンポを ゴーシゴシする

 爺ちゃん
 爺ちゃん ありがとう
 爺ちゃん
 ホンマに
 ありがとう

 おかげで、マツコ・デラックスのようになれたよ^^

   ◇

 全く捻ってなくて、短時間で書いたので駄作エントリーと思いきや、捨てきれない魅力があるでしょ?^^

                                           (2011/01/05)
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