サバイバー最弱の俺はハズレスキル『フェイカー』で天使な彼女とSランクを目指す

海翔

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レベル9

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俺は先程までの戦いでDランクモンスターであるギガントオーガを二体倒した。
普通であれば少し前にレベルアップしたばかりの俺がLV9になる事などあり得ないが、相手はDランク。本来Fランクに過ぎない俺から見ると超格上の相手だ。
例え二体だけであっても、この正月に倒した他のモンスターと合わせてレベルアップしたとしても不思議では無い。
正直かなり希望的観測も入っているが、今はこの可能性に縋るしか無い。
俺は間近に迫ってきたギガントオーガに向けてスキルを発動すべく最大火力のスキル名を叫ぶ。

『ボルテックファイア!』

先程使い切っていたはずの炎雷のスキルが発動して、目の前のギガントオーガの身体を焦がし穴を穿ち消滅させてしまった。

「やった……ははっ……」

俺の思った通り使い切ったはずの『ボルテックファイア』が発動した。
恐らく威力も少し増していたと思う。
急いで自分のステータスを確認する。

サバイバーLV9

スキル  『フェイカー』《エクスプロージョン1》《ボルテックファイア0》《ライトニング1》《アイスジャベリン0》《ウインドカッター0》

やはりレベル9に上がっており『ライトニング』と『エクスプロージョン』の回数がそれぞれ1回増えている。
使える模倣スキルは、増えていないがこのタイミングで使用回数が増えた事は奇跡的な幸運だろう。

「凛くん……。時間がかかってしまいました。すいません」

後方で戦っていた葵も戦闘を終えた様で俺に声をかけて来た。

「謝ることなんか何も無いよ。無事でよかった」
「いえ私の事よりも凛くんの事です。本当に二体のDランクモンスターを一人で倒してしまったのですね」
「ああ、奇跡的にね」
「途中、凛くんが危ないのは目に入ってはいたんです。それなのにどうする事も出来ませんでした」
「それは、葵のせいじゃ無い。上手く立ち回れなかった俺の問題だよ」
「凛くん……。私もっと強くなります。凛くんの隣に立っていられる様に強くなります」
「う~ん、どっちかっていうと俺が隣に立たせてもらってる感じだと思うけど、葵が隣にいてくれるから俺は頑張れるんだ。今のだって葵がいなきゃ多分負けてたよ」
「凛くん……」

葵が潤んだ瞳で俺の事を見つめて来る。
格上のDランクモンスターを複数相手にしたんだ、怖く無いはずがない。

「山沖君、本当に助かったよ。信じられないけど君本当にFランクなんだよね。Dランク二体を一人で。しかも戦っているのが見えたが君はトリプルじゃ無かったんだね。まさかクインタプルとは……。実際に目の前で見ても信じられない気分だよ。しかも君は雷帝と同じスキルを……」
「あ~、まあ、ちょっと違うんですけど、相谷先輩も神木さんの事知ってるんですか?」
「君は雷帝の知り合いなのか? 雷帝の事は遠目に見た事あるだけだが、あのスキルは一度見たら忘れられないよ」
「まあ、そうですよね。あれはすごいですもんね」
「何を人ごとの様に言ってるんだ、君もすごいんだぞ!」
「俺は、そうでも無いんですけどね」
「君の様なすごいサバイバーが学園で何故無能者などと噂されているのか理解に苦しむよ。むしろ有能者と評判になるはずだが」
「俺が有能者ですか……。う~ん、ちょっと想像がつかないですね」
「は~……どうやら君は自己評価が低すぎる様だ。若葉さんはわかっているようだけどね」
「はい、もちろんです。凛くんは誰よりもすごいですから」

相変わらず葵の俺への評価が高過ぎて困ってしまう。

「それより、先にロックタートルをみんなで仕留めてしまいましょう」

見るとまだ野崎さんのパーティはロックタートルと交戦していた。

「野崎さん、俺達も一緒に戦います」
「おお、済まないな。思った以上に固くてな。俺たちのスキルの威力では倒しきれないんだ。攻撃は完全に封じる事ができているんだが火力が足りない」

確かに見るからに甲羅も含めて外皮が固そうなので苦戦するのもうなずける。
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