勇者を狩る者 ブレイブスレイヤーに目覚めた俺は勇者を殺すために最強を目指す

海翔

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9 予期せぬ約束

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「いや、そんな事は無い。気のせいだろう」
「そうですか。それでは深くは聞きませんが、悩みがあるなら誰かに相談してみるのも一つの手ですよ。ここで会ったのも何かの縁です。私で良ければいつでも聞きますよ」

こいつは何を言っているんだ? 俺の悩みはお前達勇者の存在だよ。それにしても、この朱音という勇者は一体何がしたいんだ?
俺を陥れようとでもしているのか?

「あなたに相談する様な事は何も無い。あなたはここに来たばかりなのか?」
「私はあなたではなく朱里です」
「…………」
「まあいいですけど、ここに来たのは六日前ですね。正直突然の事で戸惑っています」

こいつ、完全な新米勇者か。
こいつなら今の俺でも倒せるか?
一瞬俺の中に殺意が芽生えるが、往来のある此処で争うわけにはいかない。

「そうか、それじゃあこの世界の事は、まだ何も知らないのか」
「はい、最初に一通りの説明は受けましたが、なぜかわかりませんがモンスターを倒す必要があるとか」
「ああ、そうだな。勇者はモンスターを倒す義務を負っているからな」
「義務ですか……。私戦った事とか無いんです。訓練も受けるようには言われたんですけど、モンスターと戦うなんて想像も出来ません。運動も苦手なんです。どうして私が勇者なんかに……」

こいつ本気で言っているのか?
モンスターと戦う事が想像出来ない?
運動が苦手?
こんな奴がどうして勇者に……

「リュートさんは剣を持たれていますが、モンスターを倒したりするんですか?」
「ああ、今日も何匹か倒して来たところだ」
「そうなんですね。あの~お願いがあります」
「お願い?」
「はい。もしよかったら明日私と一緒にモンスターを倒しにいってもらえませんか?」
「俺が朱音と一緒に?」
「はい、私知り合いもいませんし、リュートさんに出会ったのも何かの縁だと思うんです。ダメでしょうか?」

姿かたちは全く違うのに、上目遣いで頼んでくるその姿が、なぜか俺におねだりをしてくる時の在りし日の妹を思わせる。
それによく考えてみると、森の中でならこいつを仕留めるチャンスがいくらでもありそうだ。

「分かった……。一緒に行こう。明日此処でいいのか?」
「本当ですか? 助かります! 明日の朝、ここでお願いしていいですか」
「ああ、ここでいい」

俺は、たまたま街で出会った初心者勇者の朱里とモンスター狩りに出る事となってしまった。本来であれば断ってしまえばよかったのだが、悪虐非道な勇者とはかけ離れたような発言を繰り返す彼女の事がなんとなく気になってしまい同行を了承してしまった。
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