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販売を計画してみる
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鍛冶場での作業を終えた俺は、作り上げた武具を前に、どのようにして売るべきか思案していた。目の前には、俺のクラフトスキルを駆使して作り上げた様々な武具が並んでいる。初心者向けの短剣、中級者用の長剣、そして魔力増幅の腕輪。どれも一般の鍛冶師では作れない特殊な能力を持つ品々だ。
「さて、どこで売ろうか……」
俺は頭を抱えながら、街の地図を広げた。まず考えられるのは、冒険者ギルドの近くだ。そこなら、装備を求める冒険者たちが多く集まるはずだ。しかし、すでに定評のある武具店が軒を連ねている。新参者の俺が割り込める余地はあるだろうか。既存の店との軋轢も心配だ。
次に目をつけたのは、街の中央広場だ。人通りは多いが、すでに露店が所狭しと並んでいる。そこに新たに場所を確保するのは難しそうだ。しかも、武具を並べれば他の商売の邪魔になる可能性もある。食料品や日用品を売る商人たちとは、客層が異なるかもしれない。
「うーん、難しいな……」
俺は地図を眺めながら、さらに考えを巡らせた。街の外れにある空き地はどうだろう。人通りは少ないが、広々としたスペースを確保できる。しかし、そこまで足を運んでくれる客がいるだろうか。宣伝にも一苦労しそうだ。
魔王討伐後、多くの人々がダンジョン探索に興味を持ち始めている。どこかのダンジョンを確保して、そこに繋がるポータルを俺のクラフトスキルで作れるのであれば、ダンジョンの入場口として物販できるのだが。最奥のアイテムがなくなると自然消滅してしまうダンジョンは、管理組合のようにポータルをつなげる人間とダンジョンを確保する人間がたくさんいないと成り立たない。
特定の階層から先は進まないでとか、アイテムを取らないでとか言っておけば、ダンジョンが存在する限りは魔物は生まれ続けてくれる。だけど、現実には難しいよな。いや、守護獣的なものを俺が飼ってしまえば……。これは今すぐどうにかなる案でもなさそうだし、ペンディングして別の案を考えよう。
俺は深く息を吐いた。ここまで考えてきて、最初から思い浮かんでいた案しか残らなかった。
「やっぱり移動式の店舗かな。 屋台を使えばどこでも商売ができるし」
宣伝の意味合いではショップを持つのが望ましい。だが今は、あたりをつけてとにかく売ってみるしかない。商売なんてやったことが一度もないんだ。それでも、俺だけのアドバンテージは確実にあるだし、柔軟に対応できる方式を最初は取るべきだな。
その辺のクラフターには容易に作れない物を売れるんだ。誰にも相手にされないなんてことは、少なくともありえない。
俺は決意を固めた。しかし、屋台とはいえ、それなりの設備が必要になる。武具を並べるための台、雨よけの屋根、そして看板。俺のクラフトスキルはあくまで武具と装飾品に使えるものだから、いくら技術を応用できるにしても時間がかかってしまう。このモチベーションの火を消すわけにはいかない。とりあえず、展示台と看板だけでも用意しよう。しばらくは晴れるみたいだし、屋根とかは後回しにして、余った時間でちょっとずつ設備を整えればいいんだ。
「明日は……こんだけ売れたらいいかな」
俺は自分に言い聞かせるように呟いた。初めは10種類ほどの武具を用意し、それぞれ2~3個ずつ。これなら、『次元の指輪』で十分に管理できる。
価格設定が悩みどころだった。あまり安く売れば、既存の店舗の営業を妨げることになる。かといって、高すぎれば買ってもらえない。
レアアイテムを消費して作った武具は高くても売れるのが目に見えているし、今回は目玉商品を数個持っていって、あとは価格帯の調査と割り切って微妙な物を微妙な値段で売ってみるか。
「さて、どこで売ろうか……」
俺は頭を抱えながら、街の地図を広げた。まず考えられるのは、冒険者ギルドの近くだ。そこなら、装備を求める冒険者たちが多く集まるはずだ。しかし、すでに定評のある武具店が軒を連ねている。新参者の俺が割り込める余地はあるだろうか。既存の店との軋轢も心配だ。
次に目をつけたのは、街の中央広場だ。人通りは多いが、すでに露店が所狭しと並んでいる。そこに新たに場所を確保するのは難しそうだ。しかも、武具を並べれば他の商売の邪魔になる可能性もある。食料品や日用品を売る商人たちとは、客層が異なるかもしれない。
「うーん、難しいな……」
俺は地図を眺めながら、さらに考えを巡らせた。街の外れにある空き地はどうだろう。人通りは少ないが、広々としたスペースを確保できる。しかし、そこまで足を運んでくれる客がいるだろうか。宣伝にも一苦労しそうだ。
魔王討伐後、多くの人々がダンジョン探索に興味を持ち始めている。どこかのダンジョンを確保して、そこに繋がるポータルを俺のクラフトスキルで作れるのであれば、ダンジョンの入場口として物販できるのだが。最奥のアイテムがなくなると自然消滅してしまうダンジョンは、管理組合のようにポータルをつなげる人間とダンジョンを確保する人間がたくさんいないと成り立たない。
特定の階層から先は進まないでとか、アイテムを取らないでとか言っておけば、ダンジョンが存在する限りは魔物は生まれ続けてくれる。だけど、現実には難しいよな。いや、守護獣的なものを俺が飼ってしまえば……。これは今すぐどうにかなる案でもなさそうだし、ペンディングして別の案を考えよう。
俺は深く息を吐いた。ここまで考えてきて、最初から思い浮かんでいた案しか残らなかった。
「やっぱり移動式の店舗かな。 屋台を使えばどこでも商売ができるし」
宣伝の意味合いではショップを持つのが望ましい。だが今は、あたりをつけてとにかく売ってみるしかない。商売なんてやったことが一度もないんだ。それでも、俺だけのアドバンテージは確実にあるだし、柔軟に対応できる方式を最初は取るべきだな。
その辺のクラフターには容易に作れない物を売れるんだ。誰にも相手にされないなんてことは、少なくともありえない。
俺は決意を固めた。しかし、屋台とはいえ、それなりの設備が必要になる。武具を並べるための台、雨よけの屋根、そして看板。俺のクラフトスキルはあくまで武具と装飾品に使えるものだから、いくら技術を応用できるにしても時間がかかってしまう。このモチベーションの火を消すわけにはいかない。とりあえず、展示台と看板だけでも用意しよう。しばらくは晴れるみたいだし、屋根とかは後回しにして、余った時間でちょっとずつ設備を整えればいいんだ。
「明日は……こんだけ売れたらいいかな」
俺は自分に言い聞かせるように呟いた。初めは10種類ほどの武具を用意し、それぞれ2~3個ずつ。これなら、『次元の指輪』で十分に管理できる。
価格設定が悩みどころだった。あまり安く売れば、既存の店舗の営業を妨げることになる。かといって、高すぎれば買ってもらえない。
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