先生、これは18禁乙女ゲームじゃありません。

bara10jisya

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虫。

先生、これは18禁乙女ゲームじゃありません。

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アールヌーボー 調の曲線の美しい煌びやかな輝きを放つシャンデリアが会場全体を照らし出し、集まった千人余りの来客が、主役の登場を今や遅しと待ちわびている。
そして次々と日本王国の王族たちが壇上に出そろい、最後に女王が高らかなファンファーレとともに壇上に立ち、開会宣言の第一声を放った。
儀礼的な挨拶の後、いよいよ今回の主役の登場である。

「次期女王、葵様の御成~り~」

と、登場を知らせる声に、千対の目が、会場の正面に位置する巧緻を施した螺旋階段の上に、一斉に、差し向けられた。

そこに端然と立つ、一人の少女。

少女は、繊細なマーメイドスタイルのシルバーのドレスを纏い、それが少女のしなやかなバネのような肢体と一体となり、一つの芸術作品のように人々の目に眩く映し出された。

惜しむらくは、彼女の頭上には薄いベールがすっぽりと被せられ、その美貌を伺い知ることが出来ない事だろう。

だが、少女の周りを格調高く、飾り付けられた水色の薔薇が、隠されし少女の容貌が、ベールの下で、水色の薔薇の如く、光輝いているのではないかと、伝説的な美貌と広く知られる王家の血を引く姫だけに、人々の想像を、より一層掻き立てられるのだった。


「皆の者、私の娘、次期女王葵を紹介する。但し、本人の強い希望で、皆に顔を曝す事は控えさせていただく。」

人々の騒めきが、一面に広がる。
期待が大きかっただけに、肩透かしを食った反動もまた大きく、落胆のため息が口々について出たのだ。

「葵は既に、ソビエト帝国の后妃となる事が決まった身だ。過去の苦い経験を鑑み、無駄な争いを避けるためにも、私もそれに同意した。
だが習わし通り、跡継ぎの証拠である、背中の隠し彫りは披露させていただく。
それを見れば一目瞭然であろう。」

隠し彫りと言うのは、本来見えない所に彫るものを言うのであって、実際に消えたり現れたりするものは存在しない。
だがこれは、魔力で彫る特別な隠し彫りだ。

次期女王葵の、大きく空いた背中に、女王が手をかざした。

すると、引き締まった健康的素肌に、生の息吹を吹き込まれたかのような美しい金色の鳳凰が、鮮やかに浮かび上がり、大きく羽ばたいた。
そう、偽モノではありえない。其の鳳凰は、本当に生きていたのである。



『おおっ』



それを目の当たりにした群衆はどよめき、手を合わせる者さえいる。


・・・・―――もう、彼女を疑う者など誰もいない・・・・。






*********


・・・・―――お披露目されたばかりの、次期女王が一躍脚光を浴びている頃、会場の荘厳な扉の側らでは、何故か巨大なくちばしを持つ珍妙な鳥の剥製の置物が、一人の精悍な執事らしき男の手によって飾られていた。

その近くで簡単なお手伝いをしていた6,7人の学園小等部の子供達は、その怪しげな鳥の置物に気付き、好奇心に目を輝かせて、集まって来た。

しかも、その鳥の首には『ハシビロコウのアオちゃん。さわるな危険!!』と書かれた看板をぶら下げている。
こんな看板を目にすれば、尚更、触ってみたくなるのが人情と言うものだろう。

だが、まだ幼いとはいえ、屈指のエリート校である学園の生徒達だ、皆大変お利口さんなので、規則は守らなければならないものだとは理解している。
だが、触ったらどうなるんだろう?!と、探求心にあふれてもいるので、尚更触りたい。



・・・――――これが巧妙に仕組まれた罠とも知らず、可愛い子供達は、手をわきわきさせながら、情熱的な熱いまなざしを一心に、その鳥に注いでいたのだった・・・・。



イヤん。火傷しちゃう。


*********




・・・――――其の頃、各国要人たちの興奮も冷めやらぬ中、一人の初老の男が、壇上の次期女王達の前に進み出た。

片膝を折り、礼を尽くして口上を述べる。

『お初に御目に掛かります。
私は、ソビエト帝国皇帝の名代を務めます、宰相ヴェネジクト・ドミートリエヴィチ・ウサチェヴァと申します。』

・・・・誰も一度では覚えられないだろう。もしくは、舌を噛むに違いない。

『かの有名な日本王国次期女王様のお披露目の儀に居合わせておりましたことは、身に余る光栄と存じます。
このような素晴らしい姫君を、我が国の后妃としてお迎えすることは、帝国臣民の悲願でございました。
ただ今、国一丸となって、盛大な結婚式の準備を進めております。
一日も早く、我が国に嫁いで下さり、我が国を照らし出す光となって頂きたく、本日、お迎えに参りました次第でございます!』


「・・・ほう・・・?少々話が食い違っているようだが、そちらが『婿』として通う、のではなく、我が国のを『嫁』に、とな・・・・?」



*********




何やら、帝国宰相と日本王国の間で不穏な空気が、流れていた頃、扉の側らでは・・・・・・―――――。

周りの子供達が、固唾を呑んで見守る中。

私のセクスィーダイナマイトぼでぃの虜となってしまった男が、また一人。
齢七つにして、

「もう・・がまんできない・・・っ!!」

と、狂おしい欲望の命じるままに、そろりと、禁断の私の肢体へと手を伸ばし・・・・・。


ふっと、指先が触れようとした――――瞬間。ブァサッという風圧とともに、2mもの翼が少年に覆い被さり、同時に、巨大なくちばしが、今にも飲み込まんとするかのように、少年の目の前でガパッと開いた。

『キャーーーーーーーッ!!!!』

と子供たちの、この世の終焉のような断末魔の叫びが会場中に響き渡る。

私の日頃の行いが良い所為か、今日は、各国の要人ばかりが集められた会場だ、一瞬にして、”暗殺”という概念が人々の脳裏に走り抜け、緊張が一気に頂点にまで達する。

客達が私の期待を上回る驚きを見せながら、警戒し振り返る!!

・・・・―――――そこには、腰を抜かしている数人の子供達と、何事も無かったように微動だにしない剥製らしき置物があるだけだ。

狐につままれたように、ぽかんとして立ち尽くしている人達を後目に、何処からともなく、さっきの執事らしき色男が現れ、剥製らしき置物を速やかに回収して去って行く・・・・。

その混乱に乗じて、警備員の誘導の下、王族たちはしめしめと、会場を後にし、




・・・・――――自分の執事に恭しく運ばれながら、ニンマリとご満悦に笑う『置物』がつぶやいた・・・・・・。





    「『虫』見~つけた」



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